ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか 作:その辺のおっさん
随分と遅くなりましたが、新年初投稿です
全く関係ないですけど、「逃げ上手の若君」面白いですね………マイナーだけども知れば知るほどグダグダでわけわからん南北朝時代が舞台で、あの行き当たりばったり軽鬱病初代室町幕府将軍がラスボスで………愉しみですねぇ!!
特に南北朝は九州の近畿との逆転現象と身内のグダグダっぷりが好き
「さて!俺達が踊っている間にブラフマーが『なかった』ことにしたわけだから………改めて問わせてもらうぞカルキ!!」
「………?」
先程まで破壊されていた建物や道路が踊っている間に、先程までインドラとソーマの『闘争』の跡形どころか、カルキとタケミカヅチが戦った跡まで文字通り『なかったこと』になり、数日前のオラリオとなった光景に、誰もが絶句し、その常識外の光景に辺りを呆然と見回す中、カルキはガネーシャに問い詰められていた
「誤魔化すのは良くないぞ!先ほどあのクソ下半神が言っていた!!お前とアーディが組んずほぐれつ、乳繰り合ったと!!」
「……そもそもアーディとは誰なのか分からないのだが?」
「俺の可愛い眷属だ!!優しくて、可愛くて、割と強引で!えへ、とか自然に言えちゃう感じの!誰に対しても素直で、優しく、皆を笑わせてくれる少女だぁぁアアアアアアアアアア!!!!」
「もっと分からなくなったのだが………!?」
興奮しているガネーシャに左手で頭を掻き、困惑するカルキであったが、後ろから近づく男装の麗人の気配に反応し、向き合う
「……どうした?」
「私の……だ」
「うん?」
「アーディ・ヴァルマは私の…血を分けた妹だ!」
「うん!?」
伏せていた顔を上げ、「私の妹に何をした!」と叫びながらカルキの胸ぐらを掴みながら睨みつけるシャクティに、「誤解だ」と両手を挙げ、視線を泳がせながら、どう説明すべきかと珍しくしどろもどろしているカルキに、「正直に吐いたほうがいいぞ!」とガネーシャが詰め寄っている
怒りが天元突破し、実力差なぞ知ったことかとばかりのシャクティと眷属を傷モノにされたと勘違いしているガネーシャ、女性にこういう話をしていいものかと悩むせいで口ごもるカルキ
────────一言でいうならばカオスであった
その一か所だけ神も人間も近寄らず、遠巻きに眺めており、巻き込まれたくないという意見で一致していた
「さて、帰るか、さ、お前達も解散解散」
「「「ええッ!!??」」」
くるりと自分のや人々に何事もなかったように向き合ったタケミカヅチに、誰もが驚きの声を上げる
「いや、そう言ったてなぁ、もう俺達にやる事ないし、『なかったこと』になったとはいえ、本当に戻ったのか確認も必要だろ?」
「それは……」
どこか困ったように、肩をすくめるタケミカヅチに、神々も同意しているなか
「柔らかかったってどういう意味だァァァ!!!!」
ゴッ!という鈍い音と同時にナニカが空に飛んでいき、振り返って見てみれば、そこにいた筈のカルキはおらず、美しいアッパーのフィニッシュを決めたガネーシャと、空を見上げるシャクティをはじめとした【ガネーシャ・ファミリア】の団員達がいた
「「「解散!!」」」
その光景を見た神々の一言に、誰も文句は言えなかった
※※※
一方、同時刻『ダイダロス通り』では
「こ、こんなことが………」
「これが『神の力』……」
同じく、今までの破壊された痕跡すら残さず『なかったこと』になったオラリオの光景に、フィンやリヴェリアでさえ言葉を失くし、絶句している中で
「「「(マ、マジか…………)」」」
人々とは違う理由で神々は戦慄する、それは『なかったこと』にすることは神であれば神格が低かろうと誰でもできることではある
だが、その『なかったこと』にした神が一番の驚愕する理由なのだ
「本当にあのブラフマーがたかが都市一つのために動いたっていうのか………!」
そう思わずといった様子でヘスティアが呟くのも無理はない
確かに天界に存在する各領域において『創造』を司る神はいる………だが、彼等が動くのは極めて稀であり、基本的に彼等が動くのは天界や下界が滅んだ時………
具体的には精霊とアーんなことして色々漲ったゼウスが雷で夜に浮かぶ星々ごと世界を焼いたり、エンリルが人間もモンスターも五月蠅いと癇癪起こして洪水起こしたり、なんやかんや色々あってキャパオーバーしたアマテラスが極東の島一つ残して世界を焼き払った時等々
はっきり言って、たかが都市一つのために動く神ではないはずの神が動くという正真正銘のイレギュラーにヘスティアだけでなく、ロキやフレイヤでさえ苦い顔をするしかなかったのだ
「(これでアノ男と繋がっていると確定した神はブラフマー、ヴィシュヌ、インドラ、アグニ、ヴァーユ、スーリヤ、ヤマね……ゼウスとヘラを追い出したのは間違いだったかしら)」
「(神が憑代にしても壊れない肉体と魂を持つ人間…何はともあれ、どーにかして最低でも『奥儀』を使わせんように『縛り』をかけへんと………下界に『神の力』に匹敵する力をノーリスクで使いたい放題なバケモノがおるようなモンやん、コレ)」
「(仮定の状況ならゼウスやアルテミス、ヴィ—ザルをオラリオに戻せばカルキ・ブラフマンに対する抑止力になるはずだったが、こうなってくると、この手はあの『戦狂い共』に格好の口実を与えることになる……どうする?)」
神々がそれぞれ思案しながら、これからのことについて考えていると
「ゴフッ!」
「「「!!!???」」」
空から降ってきたカルキが『ダイダロス通り』の道の真ん中で跳ね、空中で縦に3回転半してから、もう一度地面に顔面から落ちて、力なくうつぶせで倒れているという突然のシュールな光景に誰もが先程とは別の意味で呆然とする
「………………」
「「「(あっ、起きた)」」」
無言で立ち上がったカルキに、神々は再びナニカやらかすのではと冷や汗を流し、冒険者は武器を構え、『恩恵』を受けていない者達は、怯え、何ごともないことを祈る
「………?………!」
が、カルキは振り向かず、その場で首や肩を回し、何やら自分の体に違和感を感じたような素振りを見せ、やがて、何かに気付いたようで
「うわぁッ!?」
「ヒッ!!」
「も、燃えたぞ!?」
突然、カルキの体から、歓楽街を焼き払った炎がカルキの体を焼いていく
その光景に何も知らない民衆は動揺し、悲鳴を上げ、こういったことに見慣れているはずの冒険者でさえ、目を見開き、絶句する中で
「ちょっ、マジ!?」
「いや、これは引くわー」
「改めて思うけど、この男、本当に人間?」
「カルキ君ぇ………」
カルキが今、何をしているのかを察してしまった神々は、その行為を一切の躊躇なく行ってみせたカルキの精神にドン引きする
「フーーーーーッ………」
「ちょ、ちょっと待った!?カルキ君、ソーマの所になんで向かおうとするんだい!?」
やがて、炎が収まると、ゆっくりと大きく息を吐いたカルキが、再び体の調子を確認するように首や肩を回すと、調子が戻ったのか、神や人々を無視して、【ソーマ・ファミリア】の酒蔵の方向に歩き出した背中に思わずといった様子で、衝撃の光景から誰よりも早く立ち直ったヘスティアが声を掛ける
「それより!君何を考えてるんだい!?アグニの炎で自分の体を焼くなんて!精神が焼き尽くされて廃人になるかもしれないんだぞ!?皆ドン引きしてるし!」
「………廃人にはならぬよう鍛えていますが?」
「違う、そうじゃない」
カルキの天然な答えに思わず真顔になってしまうヘスティアであったが、小さくため息をついてから「一体どれだけ大変だったと」と小さく愚痴っていると、「どうして……」と小さく声が聞こえ
「どうしてアンタみたいな化け物がオラリオに来たのよッ!ギルドだってルドラ様が『闇派閥』だから!私達の平和のために天界に還しただけだってのに!どうして……どうしてアンタなんかが………っ」
そう言って蹲りながら嗚咽を漏らす妙齢の女性に、誰もが何も言えない中
「………何か少し勘違いをしていないか?」
「「「え?」」」
少し首を傾げ、カルキは冒険者達を絶句させる言葉を叩きつける
「自分がルドラ神の代わりに選ばれたのは『自分が最も若輩で、実力も上から数えるより下から数えた方が早いから』なのだが?」
***
「は………?」
そのカルキの発言に反応したのは誰なのか、その場にいる誰かか、もしくは『神の鏡』を通して見ていた者かは分からない
だが、そのカルキがサラリと口にした意味を理解したものは、あの『リグ・ヴェーダ』の神々のヤバさを知っている神々しかいないなか、それにカルキは気付いていない様子で腕を組み、
「それに自分はインドラの槍を使っていたのに対してタケミカヅチ神は普通の刀で戦っていたのだ……この事だけでも自分よりタケミカヅチ神の方が自分より素晴らしい技量を持っている証拠であり、インドラ神とソーマ神は『神の力』を使わず、『人間』の範疇であれだけの「まだ話は終わってないぞ!!」ゴフッ!?」
………が、話している途中で、ガネーシャのドロップキックが綺麗に入り、再びゴロゴロと地面を転がされ、派手な音を立てて建物へとぶつかる
「ちなみにオレはッ!上から数えた方が早いという自信しかないッ!!」
「うん、知ってた」
ドヤァ…と親指を立て、白い歯を光らせ、ポーズを取るガネーシャにヘルメスが遠い目でツッコみをいれ、
人々は、ガネーシャに畏怖する
「こ、これがガネーシャの実力………?」
「ふざけた神じゃなかったのか」
「じゃ、じゃあ他の神も‥…?」
「いや、ここまでバケモノじゃあないわ」
神々や人々が口々に言いあうのをよそに、服についた埃を払いながら立ち上がったカルキに、「さ、話の続きはソーマの所でといこうか」と微笑を浮かべるガネーシャに、誰も何も言えず、そのまま、カルキの頭を掴んで引きずっていくガネーシャを黙って見送ることしか出来ず、やがて、ギルド前と同じく「解散しようか」と各々の『拠点』や家へと戻っていった
***
「なるほど………ヴィシュヌの『呪詛』か、で?『本番』はしていないんだな?」
「ええ、『本番』はそういった『呪詛』を掛けられていたアストレア神の眷属とだけ」
「ふむ……嘘はついていないか………しかし、あの娘たちも不憫だな、死した後に犯されるとは」
「どうせあの馬鹿が、『ファーッ!あのクソ女神の眷属がくたばったか!なら、あのアバズレも天界に来るな、じゃあ目の前でアイツの眷属の喘ぎ声でも聞かせてやろうじゃあねえか』とか言っていたら来ないものだからカルキに下賜した………というのだろう」
【ソーマ・ファミリア】のソーマの自室で、ガネーシャとカルキが向かい合って座り、それを嘆息しつつ、神酒を渡すソーマという何とも言えない光景が広がる中で、カルキが必死に説明したことでようやくガネーシャも渋々ながら納得したようだった
…………が、カルキは珍しく俯いて神妙な顔で唸るように声を出す
「しかし、まさかあの時の少女の姉が【ガネーシャ・ファミリア】の団長とは………ガネーシャ神の眷属だということはヤマ神から伺っていたが、名前を聞いていなかった………」
「アーディは、アーディはなぁ、英雄譚が好きで、明るくて、誰にでも優しくて、それでいて「ガネーシャ、その話は6度目だ」……とにかくいい子だったんだ、そんな子がインドラに傷モノにされずに済んだことを喜ぶべきか………うむ、そうだなぁ、そうだよなぁ」
「(わ、悪酔いしている)」
カルキの後悔に神酒の入った杯を机に叩きつけ、珍しく悪酔いするガネーシャにさしものソーマもたじろぐが、わざとらしく咳払いし、問いかける
「それで?例のモンスター共はどうする?」
「むぅ、ここは様子見………というより、俺の【ファミリア】としては都市の安全を優先するか」
「………自分はベル達がどう動くか観察しつつ、例の地下水路が動くかもしれないので、そちらも調べようかと」
机に突っ伏したままガネーシャは答え、カルキは未だ俯きながらソーマの問に答えると、ソーマは立ち上がって扉へと近づき
「では、先程までの天界での顛末……もう一度しっかりと説明するといい」
「え゛?」
ガチャリとソーマが扉を開けると、そこにいたのはシャクティを始めとした【ガネーシャ・ファミリア】の団員達
このあと、1から10まで説明して滅茶苦茶謝ったカルキであった
※※※
「やあ、初めましてベル・クラネル」
「………神……様?」
インドラVSソーマというオラリオ崩壊一歩手前の騒動があった次の日
各【ファミリア】やギルドが確認したところ、文字通り『なかったこと』になり、未だに混乱の続くオラリオの通りを歩いていたベルに、ベルと年の変わらないような神が声をかけてきた
前日の夜にフェルズから手紙をもらい、【ヘスティア・ファミリア】全員で『異端児』をダンジョンへ戻すと決めた矢先、リリとちょっと離れていると間に目の前に現れた神にベルも僅かに警戒する
漆黒の河のように長い髪を纏め、蛇や三日月を象った装飾具を身に着け、額には閉じた目がある神は、ベルの態度に苦笑し「まぁ、警戒するよね………うーん、仕方ない、取り敢えず名乗ろうか」と言い
「ボクの名前は……まあ色々あるからこれでいいや………マハーデーヴァ………そう呼んでくれたまえ」
「マハーデーヴァ様………?」
オラリオに来てから聞き慣れない神の名前にベルが首を傾げるのを気にしていないのか、その神はベルを真っ直ぐに見据え
「まぁ、ちょっと君が気になってね…………ちょっと話そうか」
そう穏やかに微笑んだ
18巻………ヘスティアの声が機械的‥…・…やっぱギリシャはロボだった………?
ちょっ…………ヘスティア様、なーんで自分かアレスやタケミカヅチでしようとしてたことに似たことしちゃうんすか………どないしよ、いや、いっそ開き直るか?うーむ、どないしよ