ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか   作:その辺のおっさん

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前回投稿から半年以上ですか……………

いや、違うんですよ!色々あったんですよ!ハンターしたり、トレーナーしたり、ちょっとホウエンとかジョウトとカントー旅したり


……………申し訳ございませんでしたぁ!!!


60話

満天の星空が広がる空間、そこに2柱の神がいた

 

1柱はただ目を閉じて規則正しくゆっくりと音を立てて安楽椅子に座っている

 

1柱は椅子ではなく机に座り、左手には瓶を、右手には人影の胸部を抱きながらどっかりと腰を下ろしている

 

「………彼は面白いね、周りを熱狂させ、忘れていた『想い』を呼び起こし、前へと進める。さながら『最後の船』といったところかな?」

 

うっすらと微笑を浮かべ、どこか楽しそうに語る男神に片方の男神は左手に持っている酒瓶から神酒を飲みながら答える

 

「まあ、バカなガキが熱を取り戻させる………なんてことは偶にゃああると聞くが、初めて見たわ────チッ、あのクソ阿呆の方があの小僧のこと気にかけてたのが癪に障るな」

 

「スーリヤかい?ああ、そういえばカルキから報告来てから『その少年こそ最後の英雄にふさわしいかもしれないな』って言ってたね」

 

「あー、クソ、思い出したら腹立ってきた………」

 

そりゃ八つ当たりだよ、と呆れながら返す男神は、ふと思い出したかのように話を変える

 

「そういえばインドラ、『アヌンナキ』とのごたごた、あれ結局どうなったのさ?」

 

「あ?ああ、あのアバズレが攻め込んで返り討ちにあってヴァーユの奴にぶち犯された件か?」

 

「そうそう、それ全面戦争いかなかったのかい?アレってあそこの神々から随分甘やかされてるじゃないか」

 

「ぜーんぶあのアバズレのせいにして上手くラクシュミーが纏めた」

 

だから暇になってここに来たんじゃねえかと、愚痴をこぼすインドラに面白そうにコロコロと笑う神であったが、再び、少年と猛牛の『闘争』に視線を戻し

 

「お、ナイフから大剣に変わった」

 

「あーあー、テメェの長所テメェで殺したわ────負け確定、終わったな」

 

「うわっ、インドラひっど」

 

軽く、しかしインドラの言葉を否定することもなく、男神は笑う────それはまるで全てを見通す千里眼を使わずとも、この『闘争』の結末は見えたと言わんばかりに

 

そしてその分かり切った結末が分からず、熱狂するオラリオにいる神々にどこか冷めた視線を向けながら

 

「ほらほら、神も人も誰もかもが少年の勝利を信じてるよ?それなのに負け確定とかあんまりじゃあないか」

 

「そりゃあ、あいつらの見る目がないだけだろうが………やっぱり『アースガルズ』のアバズレのガキは救いようのない愚物だったな、アレの何処が『武人』だ、武器の『合う』『合わない』も分からん癖に名乗るなんて恥ずかしくねぇのかよ、カルキの奴は『求道者』って言ってたが、本当の『求道者』に謝れってんだ」

 

「ま、そこは同感だ」

 

「って、おいおい………足止めて溜めかよ、真正のバカか?」

 

「そこはほら、あれだよ、アレ、『英雄たるもの正面から』ってやつ」

 

「死にかけの牛相手に得意を押し付けてやっとこさ互角の雑魚が相手の土俵に馬鹿正直に乗るなって話だろ、コレ」

 

そして2柱の言う通りに、少年の光は猛牛の突進に敗れ、高く打ち上げられる

 

その光景に誰もが絶句する中、猛牛は雄たけびを上げると同時に、空から落ちてきた少年を再襲し、少年の体を左腕に絡み取り白亜の巨塔へと突っ込んでいき、ダンジョンへと向かって行く

 

「うーわー…………死んだか?小僧」

 

「こらこら勝手に殺さない────さて行こうかな」

 

「あ?何だ、行くのかシヴァ」

 

安楽椅子から立ち上がり、軽く伸びをしてダンジョンへと向かおうとするシヴァにインドラが意外そうに声をかける

 

「ま、頑張った子供にはご褒美をってね」

 

「あ、そ…………俺はここでヘルからかっぱらったロキのところのくたばった三つ編みメガネっ子で楽しんどくわ」

 

「はいはーい………あ、そろそろスカンダ帰ってきそうだからその売女は隠してた方がいいよ」

 

振り返りもせずひらひらと手を振って出ていくシヴァの忠告を無視するかのごとく、インドラは激しく腰を振る気配を背に死んでから純潔を奪われた少女の喘ぎ声が響く空間をシヴァは出ていく

 

***

「………これで良かったんだ」

 

ダンジョン1階層、僅かな月の光に照らされた白髪の少年は仰向けになりながら呟く

 

「敗けて、良かったんだ………」

 

「────本当に?」

 

「────っツ!?」

 

誰もいないはずのダンジョン、自分の独り言に答えた存在にベルは驚く

 

「マハーデーヴァ様………?」

 

「ベル・クラネル、君のソレは本心かな?」

 

「そ、れは………………ッつ!」

 

ベルの頭の方に立ち、見下ろしてくる男神の問いに何か答えようとしたが、言葉に詰まると、右手で顔を覆い

 

「…………嘘、です……」

 

「『勝ちたかった』………かな?」

 

「っ………はい………!」

 

奥歯をかみしめ、鼻を鳴らしながら泣くことを我慢するベルにマハーデーヴァはカルキやガネーシャが見れば2度見するであろう穏やかな笑みを浮かべ

 

「強くなりたいなら今は泣くといい────今君が流すそれは決して恥ずべきことではない『漢』が流す涙だよ」

 

「っ………ふっ、ぁ、うぁぁっ………!」

 

マハーデーヴァの言葉に堰を切ったようにベルの口から嗚咽が漏れ、抑えた目元からは止められるはずもない涙を流す

 

「だが君は幸運だよベル・クラネル、君は今日、インドラとスーリヤのような生涯の『好敵手』を得たんだ………ボクの弟子は結局得られなかったものだからね」

 

「ぅっ………っ………」

 

しゃくりあげ、何も言えなくなるベルに数日前と同じく諭すようにマハーデーヴァは言葉をかける

 

「自分の意志を押し通したいなら『力』を得よ、但しそれは単純な『力』だけではない、己を鍛え知識を得るがいい、そして己の初心を忘れず前を向きづけるがいい。さすればお前の望むものは手に入ろう…………ま、ボクからの有り難い神託だ受け給え」

 

「っ…………はい…………っ」

 

どこか不敵に、それでいて確信を得ているような雰囲気でマハーデーヴァはベルに告げ、何かに気づいたようにふと顔を地上へと向け

 

「おや、ハーフエルフが向かってきているな、そろそろボクは退散しようか」

 

そう言うと、指を鳴らし、何もないダンジョンに扉が現れる

 

「あ、そうだそうだ、ベル・クラネル。悪いけどボクのことは誰にも伝えないでくれないか?ボクの弟子のガネーシャとカルキにも君の主神のヘスティアにもさ」

 

そう言い残し、扉を開けて入っていき、シヴァは下界から去っていった

 

※※※

「さて…………終わりだな『混ざりもの』」

 

「ぐっ………」

 

ベルと神の邂逅の少し前、人工地下迷宮での三つ巴の戦いは終わりを告げていた

 

レヴィスの喉元にはカルキが三日月刀を突き付け、あたり一面には肉片となった食人花と【闇派閥】だったものが散乱しており

 

【ロキ・ファミリア】のエルフたちと異端児の集団は、食人花と【闇派閥】の構成員が襲い掛かった瞬間に地下内で吹き荒れた斬撃を伴う突風から命辛々逃げていた

 

────同時に『逃げられない場所での挟み撃ち』という乾坤一擲の作戦を道端の石ころを蹴飛ばすかの様にカルキに一蹴されたタナトスが頭を抱えているが

 

「さて、『混ざりもの』お前に聞きたいことがある」

 

「な……に………」

 

三日月刀を突き付けたまま、ニコリと笑いながら問いかけてきた埒外の化け物に『赤髪の怪人』は今日何度目か分からぬ恐怖で震える

 

「なに、簡単だな質問だ────『エニュオ』の正体はどこの誰だ」

 

「は?」

 

カルキの問いに思わず間抜けな声を上げるレヴィスであったが、カルキはそれを無視して話す

 

「あの御方が他の『破壊者』などを許すはずがない、神であれば当然、知っていることを下界にいるからと油断したかどうかはわからないが、お陰で自分の首が飛ぶかと思った────故に吐け」

 

途中でレヴィスが口を挟む暇もないほど、早口でどこか苛立ちと殺気を隠さず話すカルキにレヴィスの目と股から温かいものが流れる

 

「で、エニュオの正体は?」

 

「そ、それは……」

 

口ごもるレヴィスをじっと見ると諦めたように瞠目しため息をつく

 

「どうやら、阿呆はこの地下にはいない………地上にいる神の一柱か」

 

「っ!」

 

「見ればわかる。どうやら、お前にこれ以上期待はできそうにないな」

 

そう言うと、レヴィスに止めを刺そうとしたカルキの背後から魔力の塊が向かってきた

 

「どうやら………お前のほうが知っていそうだな」

 

『……………!』

 

が、カルキは『怪人』のお株を奪うように片手で払い、狙いをレヴィスから魔力弾を放ってきた黒ローブへと変える

 

『!!』

 

「追撃は苦手なのだがな………!」

 

その光景を見て、黒ローブの人物が身を翻したと同時に通路に壁が轟音と共に下りてくる

 

が、カルキが三日月を振るうだけで、轟音とともに崩壊する

 

『バケモノがっ…………!?』

 

「なんだ?話せるのか…………ならば尚の事逃がせられないな」

 

『ク……!』

 

一瞬で黒フードを追い越したカルキは、黒フードの仮面を右手で掴みそのまま地面へと押し倒すと、仮面の一部が割れ、特徴的な長い耳が露わになる

 

「ほぅ………エルフか」

 

『!!?』

 

「それにその気配、以前感じた覚えがある…………だとするならば何故、道化の者達といたのだ?」

 

うっすらと獰猛な笑みを浮かべながら問いかけるカルキに、黒ローブのエルフは答えない

 

「答えないか…………だが、剥げば分かろう」

 

『ッ!!』

 

そして、カルキが抵抗するエルフから無理矢理黒フードを破くと

 

「…………?」

 

そこには誰もおらず、カルキの右手に破れた黒フードと趣味の悪い仮面がカラカラと音を立てて転がっていた

 

「………………あぁ、これは見誤ったか」

 

自嘲するような笑みを浮かべ、カルキは顔を抑え天を仰ぐ

 

「っ…………まさか魔力で分身を作れる者がいるとは…………ック………ハハッ…ハーッハハハ!!」

 

何が可笑しいのか、カルキは暫く笑い続けたあと自嘲するように大声で笑う

 

「よく思えばそうだ!己に出来るのだから他者もできる、何故このことを失念していたか!挙げ句赤髪の女には逃げられた!」

 

全くもって情けない、と一時の間嗤った後、一息ついてから

 

「さて…………これで口実が出来てしまったわけだが……………どうするか」

 

そう言い残し、『闇派閥』からなんの妨害も受けず、カルキは人工地下迷宮から出ていった

 

※※※

「……………と、言うわけだ、恐らく『道化の眷属』若しくは『地上にある派閥』のエルフに『エニュオ』の間者が潜り込んでいる」

 

「………………」

 

【ガネーシャ・ファミリア】の本拠の一室、部屋の主が不在の部屋のソファーに向かい合って座る派閥の団長である女性に調べて判明したことを報告していた

 

─────が、相手の反応がよろしくない

 

「…………理解できているか?」

 

「理解はできる…………が、困惑している。まさか【ロキ・ファミリア】か地上にある【ファミリア】に内通者の可能性など考えもしなかった」

 

口元を抑え、考え込むシャクティに対し、カルキは当たり前のように答える

 

「なに、これで【ロキ・ファミリア】に攻め込む口実ができたとでも考えればいい、ガネーシャ神がカーリー神の憂さ晴らしから戻ればすぐに攻め込むか?」

 

なんなら、自分一人でも問題ないぞとうっすらと笑みを浮かべる目の前の埒外の化け物にシャクティは机を叩いて立ち上がる

 

「馬鹿なことを言うな!【ロキ・ファミリア】は『都市最大派閥』だ!それが壊滅などしたらそれこそ『闇派閥』や『エニュオ』とやらの思うツボだ!!」

 

「冗談に決まっているだろう?そんなに怒るな」

 

「ッツ〜〜〜〜〜〜〜!!」

 

カルキの余りにもたちの悪い冗談に、シャクティはどうしようもならない怒りに見を震わせるが、カルキはそれを手で制して

 

「それに、ある程度の絞り込みもできている」

 

「…………なに?」

 

立ち上がったシャクティが一つ大きく息を吐いて、落ち着いてから座り、カルキに続きを促す

 

「間違いなく、分身をつくったのは『エルフの女』だ………それにあまり『雄』を知らない類のな」

 

「なぜわかる、お前は顔も見れず逃げられたと先程言っていただろう?」

 

「なに、顔を拝もうとフードを履いだとき、体が僅かに強張っていた………あれは顔を見られる恐怖より、どちらかといえば服を剥かれ己の裸体を見られる類のものだった、ということだけだ」

 

「なるほどな…………確かにそれならエルフの女という線も正しいか」

 

サラリと答えたカルキの内容にある一定の納得をしたシャクティであったが

 

「だとしたら、【ロキ・ファミリア】の中にはいないな、ステイタスの更新、ひいては魔法の発現にはは主神の立会いが必要だ…………『闇派閥』と敵対している【ロキ・ファミリア】の団員たちのステイタスは全員ロキが把握している」

 

そう答え、【ロキ・ファミリア】には『内通者』はいないだろうと結論づける

 

その話をじっくり聞き、納得したカルキは暫く考え

 

「ふむ、では地上にいる派閥のどれかということになるわけだが、【ロキ・ファミリア】と親しい派閥はどこになる?」

 

その問いにシャクティは僅かに考え、【ヘファイストス・ファミリア】と【ヘルメス・ファミリア】、【ゴブニュ・ファミリア】の名前を出すが、「いや、待て」となにかを思い出すように

 

「そういえば…………ここ最近、【千の妖精】と親しくしていたエルフの話を聞くな」

 

「…………それは?」

 

僅かに眉をひそめ、問いかけるカルキに答え

 

「確か…………ああ、【ディオニュソス・ファミリア】の【白巫女】だったな」




やったねリーネ、インドラのおかげで『雄』を知れたね!御目出度う!!近いうちに仮初めの肉体与えて狼に会わせてあげるよ!楽しみにね!!

いや、ホント、なんでこんなこと思いついたんすかね……………まあ、今のところで妹猫も仲間入りだけどな!ガハハ





関係ないけど、早く苫小牧大使を育成してぇなぁー。

第8,9レースで同期の貴婦人と爆弾がレコード叩き出す中、沈んでいく歴史を変えてぇ~
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