私は、この世界に復讐をする者だ。言い方は臭いが、【破壊者】だと言う事だ。
この世界には、ある魔法とも言える物が存在する。
それが、【個性】だ。
人それぞれに個性があり(まあ、無かったりするのだが)、私は運良く個性が授けられた。
それが【破壊】と言う物だった。
私の思い通りに破壊ができる。と言うわけではない。
例えば、私が壊した物。例えば、おもちゃだったり、踏んづけた物だったり。
私が意思なくとも、少しでもヒビが入ろうものなら、それは全て破壊する。まあ、簡単に言えば、粉々になるという物だった。
だから……………
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「せんせー!ヤトくんがまた壊したの!」
「もう、ヤトくん。だめでしょ?」
先生は優しく私に言ってる。
「あの子は化け物よ。何でもかんでも破壊しちゃうわ。挙げ句の果てに、スプーンでも壊しちゃうんだから…」
私が大好きだった先生は、裏では私の事を化け物と言っていた。
私はその時から先生と言う者が嫌いになった。
「ヤトくん?勉強しなの?」
「触ると、壊れんだよ」
【破壊】の個性は、いつの間にか強大になり、シャーペンの芯で少しでも文字を書くだけでも、シャーペンを破壊した。
「なら、他の方法を考えましょう」
その先生は、私が見てきた先生の中でも、私の世話を良くした。
「タブレットは?どうかしら?」
生徒指導室で先生と対面し、授業の内容を取れるように色々渡して来た。
しかし、タブレットは私が数回打つだけで、破壊された。
「じゃあ、これはどうかしら?」
そう言って先生が渡して来たのは、レコーダーだった。
「……これで、どうしろと?」
「一応試してみてよ!」
先生はおもしろそうに、ニコニコ笑いなが私に渡して来た。
そのレコーダーは、特殊な物で、全く私の個性による破壊は無かった。
私はそれ以来、ノートとしてレコーダーで授業を受けるようになった。
それぞれに異なる教科のレコーダーを買い(先生に勝手もらった)、いつも鞄に入れるようにした。
「最近はどう?授業はわかる?」
先生は、テストの前になるとから必ず私にそう聞いてきた。
「大丈夫です」
「そう?ヤトくんはいつも一人で抱えるから。何かあったら、先生に言うんだよ?」
そう言われた傍ら…
「お前、最近彩先生と仲いいな。お?」
彩先生というのは、私の世話を焼く先生の事だ。
先生は世間一般的に、美しいに入る部類で、そう言う人がいるのも確かだ。
「お前、ムカつくんだよなぁ…」
彼は、私の個性を知っていないのか…。
彼は殴っては来ないが、今にも俺に殺すような目をしている。
それに、その彼の後ろには何人もの生徒がいた。
「君たち!何してるんだ?!」
その場は先生が発見した事により、凌げた。
しかし、三日後。
私が掃除担当のトイレに行くと、彼と生徒二人がいた。
「よぉ、ヤトくん。ちょっと話しようか」
そう言って来るなり、彼は私に殴って来た。
ドゴッ!と、鈍い音の後に、私は後ろに吹き飛ばされた。
しかし、殴って来た彼は…
「あ、がァァァ」
咆哮とも呼べる叫び、それは、トイレという場所もあり、響いた。
「な、なんだ!?」
「ナニナニ?」
そう言いながら、先生と生徒、男女問わず入ってきた。
彼の友達であろう二人は、私の個性による【破壊】に驚き、腰をぬかしていた。私は、決して人間に触れる事は無かった。
それを初めて実行したのが、彼だった。
彼は酷い有様だった。皮膚が破れて血液が垂れ、骨はバキバキと音を立てて割れていっていた。
「これは?あっ、うっ」
後ろの方では、この光景を見て、吐く者もいた。吐く音が聞こえるのだ。
「どうしたの?!何があったの?」
いつもの先生の声が聞こえてきた。
私は、殴れられたまま動かす、呆然としていた。
「ヤ、ヤトくん?!」
「せ、先生!私はやって、ません!」
この光景を見た先生は何を思ったのだろう。
最初に先生が言った言葉は。
「…一旦、みんな下がって!下がって!」
その声により徐々に人だかりは無くなっていった。
残ったのは、先生達だった。
「ヤトくん。まずは、生徒指導室に行きましょう…。君たちもです」
腰を抜かし、喋れない彼の友達二人に指を指し、先生は言った。
「加藤先生は救急車に連絡を」
「わ、わかりました」
先生に起こされながら、私達は生徒指導室に向かった。
先生は、椅子に座り、まず何があったのか聞いてきた。
二人とも、喋れないようになっていて、俺が全て説明した。
私はその後、何の罪にも咎められなかった。相手が悪いと言う事で収まった。殴って来た彼も一命をとりとめた。(体の一部は破損してはいるが)
しかし、私には前より誰も近づく事は無かった。
今では、みんな私が通り過ぎた後からコソコソと話をしたり、遠くから指をさして囁きあっりしていた。
これには、相当参った。
元から私は一人でも大丈夫な人間だ。幼稚園の頃から慣れたいた。しかし、周囲の人に認知されるというのは、慣れていなく。当然の如く精神に来た。
しかし、そんな時、もっとも起こってはならない事があった。
「やっぱり、あの子は化け物よ。個性【破壊】は、確かに強力だけど、あの威力じゃあ」
私は、それから二度も先生に騙された。
私の心はそれからポッキリと折れた。
そもそも、私が人を信じる事自体、間違ってるのではないか。それはもう、幼稚園の頃から証明されている。今更ではないか。
人は信じる者ではない。
私は、考えた。
なぜ、私がこの様な境遇にあり、この様な仕打ちを受けねばならぬと。
もう十分だ。沢山だっただうろ。
私は、私の本当の目的というのを考えた。
神は、この世界を更生させるべきだと考えているようだ。
私は、私だ。最近では、個性は人作るとも言われている。
私の個性は破壊。
誰かが言った。
「創造の前に破壊ありと」
誰かが言った。
「神が与えた」と
なら。ならば。私は、それを実行しよう。私が、更生させよう。
二度と、無いように。全ての元凶をたとう。
まずは、両親から殺した。
私に人の温かみなど感じさせぬようにした。
私の記憶上、父や母が私に触れている事など無かった。
家では、「あの日」から私を無視するようになった。
まるで、化け物でも扱っているような様だった。
次に殺したのは、幼稚園の先生だった。
情はわかなかった。ただ、憎しみだけが湧いた。なぜ、こいつはのうのうと暮らしているのだと。私は、この様な目にあっているのに……。
次は、彼を殺した。私の生活を脅かした元凶を。殺した。私はただ、ゆっくりと暮らしたかったのに。
最後は、先生を殺した。私を絶望えと陥れた者を殺した。
先生は、最初、用があるのかと聞いてきた。
私はなにも言わず、先生に触れた。
「ちょ!触らないで!!いや!!」
先生は嫌がった。けど、始まった。
「いや、いや!」
その後はグチャグチャになっていった。
そして私は、その後裏路地のホテルで何日か過ごしている時に、ある人物が私に接触を図って来た。
「やあ。君が【破壊者】だね?」
「あんた、誰だ?」
クックックッ、笑いながら、私に握手を求めてきた彼。
「いや、触る事はできない。用がそれだけなら出ていってくれ」
「いやいや、用がまだある。君に」
私に指を指しながら、まるで何かに触れているかのように手を何回か振った。
私が、何をしてるのか訪ねると。どうやら、この部屋が盗聴されないようにしているらしい。
彼が話をできるよう、電気をつけた。
私はその時、心底驚いた。
彼には、顔がなかった。
「どうしたんだい?…ああ、もしかして顔の事かい?出来れば、気にしないでほしい」
私は頷くことで肯定を示した。
「ああ、では、話してくれ。私に、何のようだ?」
「そうだ。まず、自己紹介だ。私はオールフォーワン」
「私は、ヤト。そう呼べ」
「では、話をしよう」
彼の話によると、彼は私にヴィラン連合に入ってくれと言う事だった。
「ヴィラン連合って、最近話題になってる、組織の事か?オールフォーワン」
「ああ、そのとおりだ」
「そうか」
私は考えた。今のままで世界を更生させれるのかと………。否だ。
まず、私一人でどうにもならないだろう。私はこの人を信じる事はしないが、お世話になろうと思った。
「いいだろう」
「そうか、それでは明日、この時間にまた来る。その時までに用意していてくれたまえ」
彼は個性を使い、その場から消えた。
結局、私はヴィラン連合についてなにも知らないままになっしまった。しかし、明日来るなら待ってていいだろう。警察がここを訪れるまで、もう少しかかるだろう。
私はそう思い、ゆっくりと寝た。
次の日、私は黒い霧と共に現れたオールフォーワンを前にしていた。
「さあ…では行こうか」
オールフォーワンはそう言い、黒い霧の中へと消えていった。
私もそれにならい、黒い霧に入った。
次に見た光景は━━━
「BAR?」
「そう、ここが我々の基地とも言える場所だ」
「先生、誰だ、そいつ……。子供じゃないか…」
そういい、不機嫌そうに見つめる男がいた。髪はボサボサで、肌は乾燥しきっているようにパサパサとしているようだった。その証に、唇が割れている。
「まずは紹介しよう!彼がこの敵連合の頭だ!死柄木弔だ!」
「先生、そういう事じゃない。俺は聞いてない!」
「おい、オールフォーワン。俺も聞いてない。お前が頭じゃないのか…?」
「いや、いや、敵連合はこの、死柄木弔の組織だ。私は、それを手伝っている人と考えてくれ」
その時、突如私に手が降り掛かって来た。私はとっさの判断で避けた。明らかに殺意が見えた。
「クソッ……先生。俺は聞いてない。なんで、よりにもよってガキなんだ…」
そう言ってきたのは、敵連合の頭。死柄木弔だった。
彼を見るに、明らかに【イカレ】ている。私と、似ているようにも思えた。
そりゃあそうだろう……顔に手をくっつけてるなんて、相当なイカレポンチだ。
「はっ…。お前もガキじゃねぇかよ…弔さん?」
私の軽い挑発にすぐ乗った。まるで、鬼ごっこをしているようだった。机の上を飛び、椅子を蹴散らした。
そして、弔が机に触れた時だった。
私と同じように、【破壊】と同じような事が起こっていた。
「オールフォーワン。これが狙いか?」
クックックっと、オールフォーワンは笑うだけでなにも言わなかった。
私は、弔に見せつけるように、椅子を指差した。
弔にも驚愕した顔があった。
「先生…こいつ」
「そう!君とおなじだ!」
私と弔は生き別れの兄弟でも見るような雰囲気になった。
弔は、それから俺の事を聞いてきた。
「なんで、こんな所にきたんだ」
その言葉には、少しながら憂いが見えた。
「ふっ…わかるだろうに…。多分、お前が社会にでたら、私の様になっていただろうよ…」
「お前が、先生にあってたら、俺の様になってただろうな」
私は、言葉を選び、弔にもわかりやすくいった。
「私は、【破壊者】だ。人を壊し、町を壊し。全てを、今を壊す」
「俺は…俺は…わからない」
私は、それでも戸惑った顔はしなかった。そうだろうと思った。どうせ、全てはオールフォーワンが知っていて、全てを操っているのだろう。
「おい、オールフォーワン」
「なんだい?」
篭ったような返答を聞き、私はオールフォーワンにこう言った。
「手助けをしてやろう」
オールフォーワンは、大きな声で、笑った。