破壊?はかい?ハカイ?   作:ヨウ素液

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第1話

 私は、この世界に復讐をする者だ。言い方は臭いが、【破壊者】だと言う事だ。

 

 この世界には、ある魔法とも言える物が存在する。

 

 それが、【個性】だ。

 

 人それぞれに個性があり(まあ、無かったりするのだが)、私は運良く個性が授けられた。

 

 それが【破壊】と言う物だった。

 

 私の思い通りに破壊ができる。と言うわけではない。

 

 例えば、私が壊した物。例えば、おもちゃだったり、踏んづけた物だったり。

 私が意思なくとも、少しでもヒビが入ろうものなら、それは全て破壊する。まあ、簡単に言えば、粉々になるという物だった。

 

 だから……………

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「せんせー!ヤトくんがまた壊したの!」

「もう、ヤトくん。だめでしょ?」

 

 先生は優しく私に言ってる。

 

「あの子は化け物よ。何でもかんでも破壊しちゃうわ。挙げ句の果てに、スプーンでも壊しちゃうんだから…」

 

 私が大好きだった先生は、裏では私の事を化け物と言っていた。

 私はその時から先生と言う者が嫌いになった。

 

 

 

 

「ヤトくん?勉強しなの?」

「触ると、壊れんだよ」

 

 【破壊】の個性は、いつの間にか強大になり、シャーペンの芯で少しでも文字を書くだけでも、シャーペンを破壊した。

 

「なら、他の方法を考えましょう」

 

 その先生は、私が見てきた先生の中でも、私の世話を良くした。

 

「タブレットは?どうかしら?」

 

 生徒指導室で先生と対面し、授業の内容を取れるように色々渡して来た。

 

 しかし、タブレットは私が数回打つだけで、破壊された。

 

「じゃあ、これはどうかしら?」

 

 そう言って先生が渡して来たのは、レコーダーだった。

 

「……これで、どうしろと?」

 

「一応試してみてよ!」

 

 先生はおもしろそうに、ニコニコ笑いなが私に渡して来た。

 

 そのレコーダーは、特殊な物で、全く私の個性による破壊は無かった。

 私はそれ以来、ノートとしてレコーダーで授業を受けるようになった。

 それぞれに異なる教科のレコーダーを買い(先生に勝手もらった)、いつも鞄に入れるようにした。

 

「最近はどう?授業はわかる?」

 

 先生は、テストの前になるとから必ず私にそう聞いてきた。

 

「大丈夫です」

「そう?ヤトくんはいつも一人で抱えるから。何かあったら、先生に言うんだよ?」

 

 

 

 

 そう言われた傍ら…

 

「お前、最近彩先生と仲いいな。お?」

 

 彩先生というのは、私の世話を焼く先生の事だ。

 先生は世間一般的に、美しいに入る部類で、そう言う人がいるのも確かだ。

 

「お前、ムカつくんだよなぁ…」

 

 彼は、私の個性を知っていないのか…。

 彼は殴っては来ないが、今にも俺に殺すような目をしている。

 それに、その彼の後ろには何人もの生徒がいた。

 

「君たち!何してるんだ?!」

 

 その場は先生が発見した事により、凌げた。

 

 しかし、三日後。

 

 私が掃除担当のトイレに行くと、彼と生徒二人がいた。

 

「よぉ、ヤトくん。ちょっと話しようか」

 

 そう言って来るなり、彼は私に殴って来た。

 

 ドゴッ!と、鈍い音の後に、私は後ろに吹き飛ばされた。

 

 しかし、殴って来た彼は…

 

「あ、がァァァ」

 

 咆哮とも呼べる叫び、それは、トイレという場所もあり、響いた。

 

「な、なんだ!?」

「ナニナニ?」

 

 そう言いながら、先生と生徒、男女問わず入ってきた。

 

 彼の友達であろう二人は、私の個性による【破壊】に驚き、腰をぬかしていた。私は、決して人間に触れる事は無かった。

 それを初めて実行したのが、彼だった。

 彼は酷い有様だった。皮膚が破れて血液が垂れ、骨はバキバキと音を立てて割れていっていた。

 

「これは?あっ、うっ」

 

 後ろの方では、この光景を見て、吐く者もいた。吐く音が聞こえるのだ。

 

「どうしたの?!何があったの?」

 

 いつもの先生の声が聞こえてきた。

 私は、殴れられたまま動かす、呆然としていた。

 

「ヤ、ヤトくん?!」

「せ、先生!私はやって、ません!」

 

 この光景を見た先生は何を思ったのだろう。

 

 最初に先生が言った言葉は。

 

「…一旦、みんな下がって!下がって!」

 

 その声により徐々に人だかりは無くなっていった。

 

 残ったのは、先生達だった。

 

「ヤトくん。まずは、生徒指導室に行きましょう…。君たちもです」

 

 腰を抜かし、喋れない彼の友達二人に指を指し、先生は言った。

 

「加藤先生は救急車に連絡を」

「わ、わかりました」

 

 先生に起こされながら、私達は生徒指導室に向かった。

 

 先生は、椅子に座り、まず何があったのか聞いてきた。

 

 二人とも、喋れないようになっていて、俺が全て説明した。

 

 

 

 

 私はその後、何の罪にも咎められなかった。相手が悪いと言う事で収まった。殴って来た彼も一命をとりとめた。(体の一部は破損してはいるが)

 

 しかし、私には前より誰も近づく事は無かった。

 今では、みんな私が通り過ぎた後からコソコソと話をしたり、遠くから指をさして囁きあっりしていた。

 これには、相当参った。

 元から私は一人でも大丈夫な人間だ。幼稚園の頃から慣れたいた。しかし、周囲の人に認知されるというのは、慣れていなく。当然の如く精神に来た。

 

 しかし、そんな時、もっとも起こってはならない事があった。

 

「やっぱり、あの子は化け物よ。個性【破壊】は、確かに強力だけど、あの威力じゃあ」

 

 私は、それから二度も先生に騙された。

 

 私の心はそれからポッキリと折れた。

 そもそも、私が人を信じる事自体、間違ってるのではないか。それはもう、幼稚園の頃から証明されている。今更ではないか。

 人は信じる者ではない。

 

 私は、考えた。

 

 なぜ、私がこの様な境遇にあり、この様な仕打ちを受けねばならぬと。

 もう十分だ。沢山だっただうろ。

 私は、私の本当の目的というのを考えた。

 神は、この世界を更生させるべきだと考えているようだ。

 私は、私だ。最近では、個性は人作るとも言われている。

 私の個性は破壊。

 誰かが言った。

「創造の前に破壊ありと」

 誰かが言った。

「神が与えた」と

 

 なら。ならば。私は、それを実行しよう。私が、更生させよう。

 二度と、無いように。全ての元凶をたとう。

 

 まずは、両親から殺した。

 私に人の温かみなど感じさせぬようにした。

 私の記憶上、父や母が私に触れている事など無かった。

 家では、「あの日」から私を無視するようになった。

 まるで、化け物でも扱っているような様だった。

 

 次に殺したのは、幼稚園の先生だった。

 情はわかなかった。ただ、憎しみだけが湧いた。なぜ、こいつはのうのうと暮らしているのだと。私は、この様な目にあっているのに……。

 

 次は、彼を殺した。私の生活を脅かした元凶を。殺した。私はただ、ゆっくりと暮らしたかったのに。

 

 最後は、先生を殺した。私を絶望えと陥れた者を殺した。

 先生は、最初、用があるのかと聞いてきた。

 私はなにも言わず、先生に触れた。

 

「ちょ!触らないで!!いや!!」

 

 先生は嫌がった。けど、始まった。

 

「いや、いや!」

 

 その後はグチャグチャになっていった。

 

 

 そして私は、その後裏路地のホテルで何日か過ごしている時に、ある人物が私に接触を図って来た。

 

「やあ。君が【破壊者】だね?」

「あんた、誰だ?」

 

 クックックッ、笑いながら、私に握手を求めてきた彼。

 

「いや、触る事はできない。用がそれだけなら出ていってくれ」

「いやいや、用がまだある。君に」

 

 私に指を指しながら、まるで何かに触れているかのように手を何回か振った。

 私が、何をしてるのか訪ねると。どうやら、この部屋が盗聴されないようにしているらしい。

 彼が話をできるよう、電気をつけた。

 私はその時、心底驚いた。

 彼には、顔がなかった。

 

「どうしたんだい?…ああ、もしかして顔の事かい?出来れば、気にしないでほしい」

 

 私は頷くことで肯定を示した。

 

「ああ、では、話してくれ。私に、何のようだ?」

「そうだ。まず、自己紹介だ。私はオールフォーワン」

「私は、ヤト。そう呼べ」

「では、話をしよう」

 

 彼の話によると、彼は私にヴィラン連合に入ってくれと言う事だった。

 

「ヴィラン連合って、最近話題になってる、組織の事か?オールフォーワン」

「ああ、そのとおりだ」

「そうか」

 

 私は考えた。今のままで世界を更生させれるのかと………。否だ。

 まず、私一人でどうにもならないだろう。私はこの人を信じる事はしないが、お世話になろうと思った。

 

「いいだろう」

「そうか、それでは明日、この時間にまた来る。その時までに用意していてくれたまえ」

 

 彼は個性を使い、その場から消えた。

 

 結局、私はヴィラン連合についてなにも知らないままになっしまった。しかし、明日来るなら待ってていいだろう。警察がここを訪れるまで、もう少しかかるだろう。

 私はそう思い、ゆっくりと寝た。

 

 次の日、私は黒い霧と共に現れたオールフォーワンを前にしていた。

 

「さあ…では行こうか」

 

 オールフォーワンはそう言い、黒い霧の中へと消えていった。

 私もそれにならい、黒い霧に入った。

 

 次に見た光景は━━━

 

「BAR?」

「そう、ここが我々の基地とも言える場所だ」

「先生、誰だ、そいつ……。子供じゃないか…」

 

 そういい、不機嫌そうに見つめる男がいた。髪はボサボサで、肌は乾燥しきっているようにパサパサとしているようだった。その証に、唇が割れている。

 

「まずは紹介しよう!彼がこの敵連合の頭だ!死柄木弔だ!」

「先生、そういう事じゃない。俺は聞いてない!」

「おい、オールフォーワン。俺も聞いてない。お前が頭じゃないのか…?」

「いや、いや、敵連合はこの、死柄木弔の組織だ。私は、それを手伝っている人と考えてくれ」

 

 その時、突如私に手が降り掛かって来た。私はとっさの判断で避けた。明らかに殺意が見えた。

 

「クソッ……先生。俺は聞いてない。なんで、よりにもよってガキなんだ…」

 

 そう言ってきたのは、敵連合の頭。死柄木弔だった。

 彼を見るに、明らかに【イカレ】ている。私と、似ているようにも思えた。

 そりゃあそうだろう……顔に手をくっつけてるなんて、相当なイカレポンチだ。

 

「はっ…。お前もガキじゃねぇかよ…弔さん?」

 

 私の軽い挑発にすぐ乗った。まるで、鬼ごっこをしているようだった。机の上を飛び、椅子を蹴散らした。

 そして、弔が机に触れた時だった。

 私と同じように、【破壊】と同じような事が起こっていた。

 

「オールフォーワン。これが狙いか?」

 

 クックックっと、オールフォーワンは笑うだけでなにも言わなかった。

 

 私は、弔に見せつけるように、椅子を指差した。

 

 弔にも驚愕した顔があった。

 

「先生…こいつ」

 

「そう!君とおなじだ!」

 

 私と弔は生き別れの兄弟でも見るような雰囲気になった。

 弔は、それから俺の事を聞いてきた。

 

「なんで、こんな所にきたんだ」

 

 その言葉には、少しながら憂いが見えた。

 

「ふっ…わかるだろうに…。多分、お前が社会にでたら、私の様になっていただろうよ…」

「お前が、先生にあってたら、俺の様になってただろうな」

 

 私は、言葉を選び、弔にもわかりやすくいった。

 

「私は、【破壊者】だ。人を壊し、町を壊し。全てを、今を壊す」

「俺は…俺は…わからない」

 

 私は、それでも戸惑った顔はしなかった。そうだろうと思った。どうせ、全てはオールフォーワンが知っていて、全てを操っているのだろう。

 

「おい、オールフォーワン」

「なんだい?」

 

 篭ったような返答を聞き、私はオールフォーワンにこう言った。

 

「手助けをしてやろう」

 

 オールフォーワンは、大きな声で、笑った。

 

 

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