魔王と救世の絆   作:インク切れ

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第34話 絆の閃光! 雷鳴のメガライボルト

地中に潜ったワルビル。

それに対して、マルマインは途切れることのない高速移動て翻弄する。

しかし、遂に。

マルマインの動きを完全に見切ったワルビルが地中から飛び出し、マルマインを突き飛ばした。

「……やった! いいぞ、ワルビル!」

「っ……! やるじゃないの! マルマイン、シグナルビーム!」

空中に打ち上げられたマルマインは、すぐさま激しく点滅する光線を放つが、

「ワルビル、躱して噛み砕く!」

光線を躱してワルビルは大きく跳躍し、大顎を開き、頑丈な無数の牙をマルマインに食い込ませる。

今度は拘束を振り解く隙すら与えず、そのまま首を大きく振り、マルマインを硬い金属の床へと投げ飛ばした。

「マルマイン……!」

丸いボディが災いして床を転がりフィールドを飛び出し、壁に激突したマルマインは、そのままひっくり返って動かなくなった。

「マルマイン戦闘不能。ワルビルの勝利です」

マルマインの戦闘不能が告げられる。ワルビルの活躍で、流れをハルの元へと引き戻した。

「お疲れ様、マルマイン。休んでなさい」

マルマインの元まで歩み寄り、ボールへと戻すと、アリスはハルの方へと向き直る。

「それにしても、よくマルマインの動きを見切ることができたわね」

「途中で気づいたんです。マルマインのスピードは驚異的だけど、電気で動いているせいかその速度は一定、加速してるわけじゃありません。それに加えて速すぎるせいで急な方向転換ができないのか、ずっと同じ軌道を描いてることに気づいたんです。地中で暮らしていて感覚の鋭いワルビルなら、捉えられると思ってました」

ハルの言葉に、アリスは感心したように頷く。

「なるほどねぇ。自分のポケモンの長所を把握し、ポケモンとの信頼関係があって初めて成せる技ね。やっぱり君は、ポケモンと仲がいいのね」

だけど、とアリスは続け、

「仲がいいだけじゃ、私に勝つことはできないよ。最後のポケモンがどの子か、ハル君はもう分かってるよね」

「……ええ。もちろんですよ」

間違いなく、最後のポケモンはあのポケモン。

今までの二体よりも確実に強いのだろうが、勝たなければジムを制覇することはできない。

「それじゃあ、行くよ!」

アリスが、最後のボールを取り出す。

 

「輝け、ライボルト!」

 

アリスの最後の一匹にしてエースポケモン、ライボルトが姿を現した。

鋭く逆立つ黄色い鬣、稲妻のように鋭い眼光。

そして体毛に隠れたネックレスの先には、メガストーンが煌めいている。

「やっぱりライボルトか……絶対に強敵だけど、勝たなきゃ先に進めない。ワルビル、頑張るよ!」

じっとこちらを見据えるライボルトに対し、ワルビルは大きく吼えて威嚇する。

「始めるわよ! ライボルト、火炎放射!」

「ワルビル、穴を掘る!」

ライボルトが灼熱の炎を吹き出し、対するワルビルは素早く穴を掘って地中に身を隠す。

地下から密かに距離を詰め、ライボルトの足元から勢いよく飛び出す。

しかし、

「ライボルト、躱して!」

床にヒビが入った時、ワルビルが飛び出すよりも早く、ライボルトは素早く飛んでワルビルの一撃を躱し、

「目覚めるパワー!」

間髪入れずに無数の水色のエネルギーの球体を撃ち出す。

ワルビルに命中すると球体は炸裂し、冷気を吹き出す。氷タイプの目覚めるパワーだ。

「火炎放射!」

さらにライボルトはもう一度灼熱の炎を吹き出した。

「っ、ワルビル――」

指示を出すよりも早く、ワルビルは灼熱の炎に飲み込まれた。

体を黒く焦がしたワルビルは、力なく床に崩れ落ち、そのまま戦闘不能となってしまう。

「ワルビル、よく頑張ってくれたね。あとは任せて、休んでて」

ワルビルを労い、ボールへと戻す。ここで敗れてしまったが、エレブーとマルマインを立て続けに倒してくれた。

「さあ、最後は君だよ。この勝負、勝とう! 出てきて、リオル!」

ハルの最後のポケモンは勿論リオル。右手から放つ青い波導も、いつもより勢いが強い。

「最後のポケモンはリオル、君のエースポケモンね。まだ進化していなくても私には分かるわ。今までの二匹も君のことをよく信頼していたけど、リオルと君との絆は今までの二匹よりもさらに強い」

「ありがとうございます。リオルは僕の初めてのポケモンですからね」

ハルの言葉を聞いて、アリスは小さく微笑み、

「それじゃ、最後のバトルを始めましょうか!」

「ええ、望むところです!」

両者、同時に動き出す。

「ライボルト、火炎放射!」

「リオル、発勁!」

ライボルトが灼熱の炎を吹き出し、それに対してリオルは右手に纏う波導を強める。

炎の如く揺らめく波導を纏った右手を振り抜き、炎を弾き飛ばすと、

「続けて電光石火!」

床を蹴り、リオルが猛スピードで飛び出す。

ライボルトとの距離を一気に詰め、反撃の隙を与えず、ライボルトを突き飛ばした。

「ライボルト、シグナルビーム!」

「リオル、真空波!」

ライボルトの鋭い瞳から激しく光を放つ光線が撃ち出されるが、リオルは素早く右手を振って真空の波を放ち、光線を防ぐ。

「目覚めるパワー!」

「躱して、発勁!」

ライボルトが吼え、無数の水色のエネルギー弾を放ち、対するリオルは右手に波導を纏って突撃。

球体を飛び越え、掻い潜りながら一気に距離を詰め、波導を纏った右手を叩きつけ、ライボルトを突き飛ばした。

「やるじゃないの……! 小さくても、スピードもパワーも一級品! これが君のエースね!」

エース同士がぶつかり合い、アリスが楽しげに笑みを浮かべ、発勁を食らったライボルトは低く唸って体勢を整える。

(っ……! 来る……!)

直感的に、ハルは感じ取った。

そして。

「……ライボルト。行くわよ!」

“それ”は来た。

アリスが右手を天に掲げる。右手首のブレスレットから、眩い光が放たれる。

それに呼応し、ライボルトの首元のメガストーンが閃光を放つ。

 

「――我らの絆よ、閃光が如く煌めけ! ライボルト、メガシンカ!」

 

アリスのキーストーンとライボルトのメガストーンの光が、一つに繋がる。

七色の光が、ライボルトの姿を変化させていく。

体毛が、鬣が、稲妻のように鋭く逆立つ。咆哮と共に、雷の獣が、電撃と光を解き放った。

「メガシンカ――メガライボルト!」

光を薙ぎ払ったライボルトが、雷の如く天を貫く咆哮を放つ。

アリスの切り札、ライボルトが、いよいよその真の力を解き放つ。

「ついに来たか……! リオル、気をつけて、だけど思いっきり全力で戦うよ! こっちも全力だ!」

そしてメガシンカしたライボルトを相手に、ハルとリオルは一歩も引かず立ち向かう。この強大な壁を、必ず超えてみせる。

「よしっ! リオル、サイコパンチ!」

手を叩いて両腕に念力を纏わせ、リオルが地を蹴って駆け出す。

しかし、

「ライボルト! パワーボルテージ!」

身体中を纏う電撃を、ライボルトが周囲へ放つ。

電撃を帯びた衝撃波が放出される。念力で強化した拳で立ち向かうリオルだが、強烈な電撃を前に念力が突き破られ、逆にリオルが弾き飛ばされてしまう。

「リオル! 大丈夫!?」

電撃を受けて吹き飛ばされたリオルだが、すぐさま起き上がると両手で自分の頬をパシンと叩き、気合いを入れ直し、ハルの言葉に頷く。

「いい根性してるじゃないの! だけど、休む暇はあげないわよ! ライボルト、火炎放射!」

ライボルトが大きく息を吸い込み、吐息とともに灼熱の業火を吹き出す。やはりメガシンカする前と比べて、明確に炎の勢いが増している。

「正面きっての戦闘は危なさそうだな……リオル、躱して真空波!」

大きく跳躍して炎を躱すと、リオルは素早く腕を振って高速の真空の波を飛ばし、

「電光石火!」

真空波をライボルトに命中させ、体勢を崩したところに、さらに猛スピードで突っ込んでいく。

「ライボルト、躱して目覚めるパワー!」

しかし、素早さも上がっているようで、ライボルトは瞬時にリオルの突撃を躱し、水色のエネルギー弾を無数に撃ち出す。

「リオル、発勁!」

球体も数が増えているが、しかし当たらなければ問題ない。幸い、リオルは波導の力により弾幕に対応するのが得意なポケモンだ。

無数のエネルギー弾を躱し、潜り抜け、リオルは波導を纏った右手を構えてライボルトとの距離を詰めていく。

波導を纏ったリオルの一撃が、ようやくライボルトを捉えた。

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