なぜなら、オレの横にいたのは大技を構えている魔王だお
だったんだから………。
「やはりバカの一つ覚えか。くだらん!貴様から先に地獄へ送ってやる!!」
だおビームは高威力広範囲がウリだけど、弱点は発射中はあまり動けないし、撃ち終わったときの隙が長い…。この状態のオレに、避けるなんて選択肢はなかった。
「だお!!!」
だお竜人が駆けつけてくれてるのが声でわかる。助かった!そう思いふと魔王だおを見ると、
笑っていた。
「マヌケめ!!」
魔王だおは急にオレからだお竜人へと方向転換し、溜めていた大技をだお竜人めがけて放った……。
「なんだと!?……負けるかあぁ!!」
だお竜人、さすがの反応でドラゴン型の光で押し返そうとしている。ぶつかり合ったふたつの技は相性がいいのか悪いのか、中心で爆発を起こした。
「どうなった……?」
だおビームを撃ち終えたオレも、うかつに動くことは出来ない。できるのは警戒のみ。
だお竜人の目の前には煙が広がっている。すると突如、煙から魔王だおが突っ込んできた。
「あれは囮だ」
「…ッ!?」
オレもだお竜人もコレには反応できず、だお竜人は魔王だおの攻撃をもろにくらってしまった。音からして、絶対普通じゃない…!
「ほらほら、どうした?100点満点の戦いをするんだろう?」
「クソが…!ガハァッ!」
だお竜人が危ない!そう思う前に、オレは敵めがけて精一杯の攻撃をしていた。
「やめろおおおぉぉぉーー!!」
「フン!」
オレの攻撃は片腕ひとつで止められてしまった。
嘘でしょ…細さからは想像できない硬さだ…。
「邪魔をするな、ザコが!」
魔王だおは腕を振ってオレをつき飛ばそうとしてくる。
でももうやられっぱなしのオレじゃない!!
「誰が離れるもんか…!」
両腕でガッチリ魔王の腕に捕まる。これでそうそう離れることはない!
そして、この時間稼ぎが魔王だおに隙を与えた。
「クッ、いつまでそうしているつもりだ!」
「………ガラ空きだぞ、おい」
「し、しまっt」
「速攻で喰らえ!魔王!!」
ほぼ0距離のだお竜人。オレが掴まっているから良く動けない魔王だお。この状況から導かれる答えは………。
「オラァッ!」
だお竜人の全力の拳だった。その顔面を捉えた一撃は、殴った本人も、喰らった本人も、それを見ていたオレも大ダメージだと満身創痍でも分かった。
今ので終わりじゃない。オレたちのターンは続いているのだ。なんでって、殴られた魔王だおとだお竜人の距離は離れてしまったけど、オレは相変わらず腕にひっついていたから。不発に終わったあの技を放つならここだっ!
「今度こそくらえ!怒りの……だおビーム!!」
「何ぃ!?貴様まだいたのか!?」
あまりの勢いにオレと魔王の距離が離れていく。でも前と違う点は手応えがしっかりあるということ。
「ぐおおおおおおぉぉぉぉ……………………!!」
ありったけの余力をこのビームに込める。当たった以上、行ける所まで行くしかない!
「…………ハァ……ハァ……ウォエ」
……出し切った。これ以上出すとビームじゃない別のものが出るくらいには。
「だお!大丈夫か!?」
「だお竜人こそ…すごい怪我だよ」
オレたちはお互いが無事であることに安堵した。
「………ぐぅ…………これ…ほど…とはな………。」
マジ!?まだ終わってないの?
「……私を倒したからと!いい気になるんじゃあないぞ!!貴様ら二人とも……『アイツ』には……勝てないんだからな………。フフ………フハハハハハハ…………!!」
「………………。」
そう言うと魔王だおは倒れ、消えていった。
「……俺たち、勝ったんだな。」
「…あ、そっか!勝った!勝ったよだお竜人!」
大・大・大強敵を倒したオレたち二人。色んな感情が溢れ出てくる。喜び合う中、ひとつの考えが頭を通り過ぎた。
……………オレら、またニートになるくね?