ボロッボロになった体で浮かんでくる最悪のシナリオ。
なんてこったい、ゲームクリアどころかゲームオーバーじゃん!
ニートに逆戻りの上、魔王だおが言ってた「アイツ」にも備えないといけない……。言い出しにくいけど仕方ない…。
「ねえ……、ちょっと思ったんだけどさ」
「なんだ?」
一息ついてゆっくりと伝える。
「オレらさ…。魔王だおというかリーダー?倒しちゃったから……。」
1番大事なところを言う前にだお竜人の顔がみるみる青くなる。
「……………あぁー………………………。マジか?」
「動かす役いないとどうにも……ねぇ。」
一見仕事を入れるのは簡単って思ったけど、どういうルートで入ってきてるのかが分からない。
2人ともPCとか使えないし。んーどうすっかな…。
「まあ…。ここにいてもしょうがねえ、明日考えようぜ」
「そうだね」
家に帰ってからも、モヤモヤが止まらなかった。
どう考えても2人っきりで職場を動かすのはキツい。
「だお竜人……。もし働けなくなったらどうするの?」
「そうだな…。どこか別のところで活動するかもな」
「えっ!?」
やべ、オレ特有の突然の大声が出てしまった…。
「働けなくなったらの話だ。それに、正直この家気に入ってるんだぞ」
「そっか…。働き続けられたらいいなあ…。」
まだだお竜人と出会って1ヶ月ちょっとだけど、わりかし仲良くできてると思ってる。強いし、職場にはだお竜人が必要不可欠。
あれこれ考えて目が覚め続けて、
結局6時間しか寝れなかった。
ああ……。来てしまった次の日…。
なんかの間違いで超平和な世界に戻ってないかなぁ。
ないかあ。渋々体を起こし、部屋を出る。
リビングに目をやるといつも通りだお竜人が毎朝のコーヒータイムに突入していた。変わってなさそうでいいなぁ…。
「おう、起きたか」
「おはよー…。なんかあんまり気にしてなさそうだね」
「そうか?これでもけっこう焦りを感じてるんだ、ほら」
だお竜人が指をさしてコーヒーを見せてくる。
中身はブラックコーヒーだった。
「ちゃんと目ぇ覚まして…現実受け入れないとだろ」
そう言うと竜人はグイッとコーヒーを一気飲みする。
「おおー」
一種のパフォーマンスと頭が思ったのか、自然と声が出ていた。飲み終わった現実直視竜人を見ると、…まあそういう顔をしていた。レアな表情ゲットだぜ!
なんてことを思ってる場合じゃない。
いよいよ職場に向かわなければ…。職場跡地の可能性もあるけどね。
着いた。まず第1フェーズとして、職場はある。存在している。
「ここからが問題だよね」
「さて、どうなるかな」
面接の時以上にドアノブを握るのが怖い。手汗が出ているのを感じながら、ゆっくりと、ドアを、開いた………。
ガチャリという音が聞こえたのと少し遅れて声がする。
「ん、だれか来たみたいだよ」
「あー、あの2人でしょ、たぶん。自己紹介の準備して」
「第一印象大事だから心配だなぁ…」
恐る恐る声の方へ顔を向けると、真っ白な顔と、真っ黒な顔。そして棒のような手足……。
いわゆる棒人間が立っていた。