2人の棒人間が立っている……。それだけだが、少なくとも
オレは安心感に包まれた。オレら以外にいる…!勝ったな。
「ねぇ、これ勝ったんじゃね?」
小声でだお竜人に勝利を共有する。
「棒人間にいい思い出はない……。信用するには早すぎる。」
あら、さすが一筋縄ではいかない男、だお竜人。
気づくと、双方言い出しにくい雰囲気が漂っている。
切り出しができる男、だおくん。行きます。
「えぇーーーっと………。どなたであらせられますか?」
「来たよほら、自己紹介タイム。そっち先やって」
「やだよなんで僕が?第一印象大事って言ったの君でしょ」
いざこざがすごい。ずっと順番で言い争っている。オレも少なからず警戒心が表れたが、白い方が折れたっぽい。
「はぁ……。じゃ、僕から。名前はゆうぼうって言うんだ。ここのリーダーがいなくなったから来たよ。これでも前いたところでは最前線を務めてたから、よろしくね。」
さ、最前線だと!?ひょろっちい体の割にかなりすごい人っぽい。
「じゃ、次は僕の番だね?」
ゆうぼうの方をみてると、黒い方がぬっと現れた。
「僕の名前はくろすけ!事務・研究・開発担当!戦闘は苦手だけど、その分頭脳は期待していいよ!よろしく!」
「来た理由はなんだ、白い方と一緒か?」
元気だなこの人と思っていると、だお竜人が久しぶりに口を開いた。まだ警戒してんの?猫かな?
「やだなぁもう、そんなに決まってるでしょ?ここには僕の技術が必要不可欠だからだよ」
「…ああ、そうかい。」
悪い人じゃなさそうだけど、ちょっと言葉を選んで欲しい。
「今世界中で使われてるそのスマホだって僕が作ったんだからね」
「「はっ?」」
突然の情報提供のあまり、だお竜人とハモってしまった。
「マジで言ってるんですか、それ」
あまりにも信じられないので疑い93%の目でくろすけを見る。くろすけは得意げに答えた。
「マジマジ。調べれば出てくるって」
疑い96%で調べた結果、疑い0.1%まで下げることとなった。
「あ、そうそう。君らのことは知ってるよ。だおくん、それにだお竜人だね」
「え?あ、はい。正解です」
なんで入って1ヶ月ちょっとで俺らの名前が…。
「実は同業者の間で、『潜んでいた悪を倒した』って話題なんだよ」
「へぇー……そうなんすか」
3人もいる手前、冷めたリアクションをしたが、実際はウハウハだった。この職場最高だぜ。
「ささ、長話もこのくらいでいいだろう。早速なんだけど、仕事がひとつ入ってる。2人なら、やってくれるね?」
話をぶった切ったゆうぼうは、1枚の依頼文をオレらに見せてきた。
「ん?ちっと待ってください。オレとだお竜人だけなんですか?棒人間のお二方は?」
「まずは噂に違わぬ実力があるかを見ないとね」
「うんうん。」
なんでこういう時は息が合うんだこのガリガリ棒人間!
思わずだお竜人に助けを求める。
「なんか…めんどいことになったね……。」
「ニートに逆戻りよりマシだろ、やるぞ」
味方が誰もいない中、嫌々オレは依頼文を覗き込んだ…。