えーと、さてさて。いろいろあったけどお仕事を始めるとしましょうか。書いてあった依頼文はこうだった。
『ココ最近、まるで竜のような姿をしただおを沢山目撃しています。彼らのようなタイプは気性が荒いと聞くので、辺りが荒らされないか非常に心配です。もしなんとかしてくれるのなら、この番号に電話をください…。』
ほうほう、なるほど……。「なんとかして」ってのが1番困るけど、そこまで無茶ぶりって感じの依頼じゃなさそう。
「まさか俺以外にもいるのか…、竜族」
同胞がいる嬉しさとそれをなんとかしないといけない悲しみを背負うだお竜人を見て、そういやこの人もか、と再認識した。とりあえず受けるの確定だから、電話すっか。
「えーっと、0、8....」
ポチポチしながら、ひとつの考えが浮かぶ。
「まさかキミが原因とかじゃないでしょうね」
「知らん。これから原因を調べるんだろ」
ぜんぜんオレの勘は当たらないなぁ…。トホホ。しょぼんとしてると、電話がつながった。
「はい、もしもし。」
「あ、どうも。こちら……。」
「もしや依頼を受けてくれる方ですか?ありがとうございます!解決したらまた電話をおねがいしますね」
「えっ、ちょ」
それっきり、相手の声は聞こえなくなってしまった。
……さて、まず何からするべきかな。どこで目撃したか聞き忘れたし。いや聞けなかったのか。
「で、どうすればいいと思う?」
「情報が足りないからな、ひたすら情報収集だろ」
「少なくともオレんちの周りにはいなさそうだけどね」
「おう、だから空でも飛んで色んなところをまわっていく」
「おお、それはすごい!オレは?」
「自分で考えるんだな」
めんどくさそうにそう言っただお竜人は、職場を出たかと思うとすぐさま遠くへ飛び去ってしまった。これオレいる?
「………うーん……。」
することが思いつかず頭の中だけがずっと動いている。
「行動しなきゃ意味無いでしょ~」
くろすけが椅子に座ってグルグル回っている。煽られてる?
思わず怒りのだおくんにチェンジしかけたが、ゆうぼうのフォローが入る。
「まあまあ、悪口を言ってるわけじゃないんだ。情報収集はだお竜人が引き受けてる。ならだおくん、君がすべきことはそれが終わったあとの仕事だよ」
「情報収集のあと?」
「そう、きっと次はだお竜人が集めた情報を元に目的地へと乗り込むことになる。乗り込んだら、何が始まるかって話さ」
「気性が荒いヤツらなんですから…。戦闘?」
そこでやっとオレはやるべきことを理解した。
「ウォーミングアップでもしときますね」
ゆうぼうは満足そうにうなずいている。
情報収集を頑張っているだお竜人の次は、オレが先頭で頑張る番だ!
「よくあんなこと言えたね、ゆうぼう」
「君がからかわなければよかったんだよ、まったく」
「ごめんごめん。でもホントにやることないのにやることを見つけさせるトーク力はすごいと思うよ」
「最前線を務めてただけあるでしょ?」
…なーんて会話が棒人間の間で交わされてたのは、ウォーミングアップに夢中で気づかないオレだった。