だおがたり   作:だおくん

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語り手 だおくん


だおがたり 2-4 「竜なのかロボットなのか」

どれぐらい素振りとイメトレをしてただろうか。

けっこういいトレーニングになってる気がするよ、これ。

疲れを癒すため好物のメロンジュースを飲んで回復していると、スマホから着信音が流れ出した。

お、だお竜人だ。なんか見っけたのかな?

「もしもし、どしたの」

「それがな、今でかい山の前にいるんだが」

「でかい山?名前わかんないの?」

「居候を頼んだ俺が周りを知ってるとでも言いたいのか」

「お口が悪くってよ、竜人」

「ここで電話切ってもいいんだぞ」

「ご要件をお願いします」

「その山に大穴を発見した。大勢入れる広さと構造をしてる」

「そこが怪しいと踏んだわけね」

「怪しいも何も、見張りがいるからな。…竜の。」

「え、じゃあ確定じゃん!すぐ向かう!」

だお竜人の返事を聞く前に電話をブチ切ったオレは、すぐさまその場へと向か……えない。場所がわからん!

「すいませーん!この辺のでかい山ってなんかありますー?」

「えー?でかい山ー?そうだなぁ……竜角山?」

りゅうかくざん……?初めて聞いたよそんなとこ。ってか名前が''まんま''すぎるでしょ、どうなってんの?まぁいいか、行こ。

 

地図アプリの偉大さを噛みしめながら、竜角山に到着した。

だお竜人が物陰でこっちこっちと指示している。

「オッケー!」

「おいバカ声出すんじゃねえ!」

あ……。そういや見張りいるんだった……。やべ。

「ム、誰カ、イルナ!」

案の定というか当然というか、大穴の見張りに見つかってしまった。やるしかない!そう思ったが、見張りは襲ってこなかった。

「相手情報ヲスキャン………。竜族ノ存在ヲ確認シマシタ。」

「なんだこの人、襲ってこないよ」

「まあ見るからにロボットって感じだしな、ポンコツみたいな見た目だが」

確かにだお竜人が言うそれは、ツノやツバサは似てるけど鉄っぽい感じだし、足から出るジェット噴射で浮いている。オマケに左目がプラスのネジになってる。

「じゃあこの人は同族じゃないの?」

「ああ、誰が作ったかは知らないが、竜族っぽいロボだ。」

ほー。わざわざ竜っぽいのを作るなんて、今回の件と紛らわしくて困っちゃうな……。そう思っていると、再びロボットが口を開いた。

「コンニチハ、ヨウコソ竜族ノヒトリ。ワタクシDO-DRトモウシマス。」

「………………おう。」

あ、オレは無視される感じなんだ、へー。悲しい。

「ワレワレ、『竜の団』ハ、アナタヲ歓迎シマス」

「竜の団?なんだそりゃ」

「………説明ガインプットサレテイマセン。実際ニ確認スルノガ最善ト判断シマス」

「どうやら、この先に入れるのは俺だけのようだな」

「え……、オレ、ウォーミングアップして来たのに」

「なにかあったらまた着信入れてやるから。それまで待ってろ」

ちぇーー。なんだよ今回。オレの不遇っぷりがすごいよ?

「そうだ。おい、だお。この依頼って別に竜族を倒す必要はないんだよな?」

珍しい。このチームで1番戦闘狂なだお竜人が戦闘に関して確認をするなんて…。やっぱ同族は傷つけたくないよね。

「うん、少なくとも人が多すぎない所に行かせる感じ。」

「そうか、わかった。」

そう言うと、だお竜人はDO-DRと共に大穴の中へと消えていった。……さーて、暇になっちゃった。体力温存したいし、音ゲーでもやって待ってよ。


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