だおがたり   作:だおくん

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語り手 だおくん だお竜人


だおがたり 3-2 「苦悩の竜人」

たいした言葉もかけられずだお竜人を送り出してから35分くらい。テキトーに豚汁でも作る準備をしていると、思わず飛び上がってしまいそうな轟音がオレの耳を貫いた。

耳ないけどね。何作ろうとしてたか忘れちゃったよ。

「びっっっ……くりしたぁ……。」

寿命が30秒ぐらい縮んだ気がした。まぁまぁ、うん。聞かなかったことにして。夕飯の準備を続けよう。

 

 

「まだだ……!まだ足りねぇ…!」

だおの家を出てから35分は経っただろうか?

俺はひたすらに己のチカラを磨いていた。俺は弱くあっちゃいけない。俺の左目がこうであるうちは。

あの出来事から何十年が過ぎたことか…。真の力を封じられたのは俺の左目が傷つけられてしまったからだ。たとえ目が元に戻ったとしても、何があっても、アイツ………。

魔王だおだけは。許してはいけなかったんだ。

暗黒だろうがなんだろうが、魔王に関係あるなら全て倒す。

そう、思っているのに。何故だろうか……。

体が震えている。恐怖、しているっているのか…?

「くっ……くそおぉぉおおおおっ!!」

恐怖する自分を無理やり押さえつけ、辺りに技を放ちまくった。気づいた時には更地の上に俺は立っていた。

「はぁっ………はぁ………。」

正直、俺はそのへんのヤツらの数倍は努力している自信があった。周りが強いなら、埋めればいい。壁があるなら、越えればいい。

その一心で俺は上り詰めてきた。

そのうち、……『才能』という言葉が嫌いになった。

そんなものを持っているなら、努力なんか必要ない、と言っているように思えたから。

「………………………帰るか…。」

暗くなり始めている空に、なぜか親近感を覚えた。

 

 

「帰ったぞー…」

聞き覚えのある声に喜びを感じるオレ。…ってちょっと!

「だ、だだだ、だお竜人?なんかボロボロじゃない?誰かと戦ってきたの?」

「いや、軽く修行をしてきた」

「軽いとかいうレベルじゃないでしょその感じは」

「人の心配より腹の心配してくれ、今にも腹が悲鳴をあげそうだ」

「オッケー!そう言うと思ったからね……」

フフフッ、ついに見せる時が来たか、オレのちょっと得意料理!さあご覧あれ!

「…………これは……………」

「そう、カップラーメンです。」

あれ、なんか反応良くないな。なんで?カップラーメン嫌いな人っているの?

「あ、ちゃんと時間は測ってるから」

「そうじゃな……まぁ、いいか。」

ため息をつきながら、だお竜人は辛い方のラーメンを選び、食べ始めた。箸割るの失敗したけどね。

次の瞬間、だお竜人の眉間がすごいことに。あらあら。

「か、カラッ……!?おい、なんか入れただろっ!」

「気づいたー?トウガラシを混ぜてみました」

うんうん、辛さでだお竜人のネガティブを吹き飛ばす作戦は大成功のようだ。

んー、でも気のせいかな……?

なんか左目がちょっと動いてたような気がする。

いやぁ、まさか、まさかね………………。

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