暗黒だおのその発言後、あたりの空気が一変した。
「さて…この新しい力…。うーん、そうだな……。1度オレを追い詰めた彼に尊敬の念を込めて、暗黒だおV2と言おうか。」
「ずいぶん余裕そうだな…。」
「真剣な戦いほど、落ち着きが大切なんだよ」
奴がゆっくりと1歩を踏み出す。その瞬間足元から黒い霧が出現し、あたりの景色を1色に支配した。
「前見たアレか…。もう俺には通用しねえぞ」
ジャンプと同時に羽ばたき、霧ゾーンから抜け出した。
「やはり飛んだなだお竜人!それは囮だっ!」
なんと同じ空中にいたのは暗黒だお。
薄々思ってはいたが、飾りではなく本当に飛べるらしい…。
「今度はオレが攻撃させてもらうぞ!」
「チィッ…!」
両腕を振りかぶり、そこから繰り出される爪の連打。
なんとか防御の体制を摂ることに成功したが、防御込でも奴の攻撃はそう甘くなかった。
猫のひっかき、なんて可愛らしいものではなく新品のナイフが同時に肌を切り刻むような痛みが続く。
「フフ…。ガードが最適解と判断したか、だが逆にソイツがお前の命取りよ!」
フィニッシュに蹴りを入れられ、地面へと叩き落とされる。
「ぐ………う………。」
硬い地面にぶつかったことよりも、腕の痛みが何倍も大きい。自分の両腕は早くも限界を迎えそうだった。
「ま…負けるかよ、まだまだこれからだ」
「…………やるね」
一番得意の接近戦ですら不利になる………。
なんとか打開策を見つけねばならない。
「はぁぁぁぁぁぁ……!!」
両手の間にエネルギーをこれまで以上に集中させる。
そう…。特大の竜人波を発射するのだ。
「……お得意のアレが来るようだな…?」
このエネルギーの大きさには流石の暗黒だおも警戒心を示している。この攻撃で…俺の運命は変わるだろう。
吉と出るか凶と出るか、今わかる。
「喰らいやがれえぇーーーッ!!」
今まで放っていたものより数倍以上の大きさで放つ。
放った俺が飛ばされてしまいそうだ……。
「…お、大きい…!!…だが、負けんぞ!」
なにかがぶつかった感覚がする。恐らく奴の方もデカい攻撃をぶつけてきたのだろう。
「うおぉぉぉぉぉッ…!!」
「はぁぁぁぁぁぁーーッ!!」
少しずつ攻撃の距離が暗黒だおの方へと近づいていく。
「ぐ…ぐぐ……!」
そのとき、一瞬目の前が光ったかと思うと…、
互いの攻撃の中心で爆発が起こった。相殺だ。
爆破により空にも地面にも煙が広がっていく。
俺は…
俺は、コレをずっと待っていたんだ。
足にグッとチカラを込めて暗黒だおがいる方向へと飛んでいく。煙を囮にするのは…お前だけじゃない。
俺にはもう、殴るような力も残っていない。
あるのは半分以下のエネルギーと……。
必殺技。
「今だ…!喰らい尽くせ!『竜の牙』!!」
目の前に指で円を描く。そこから現れたのは、誰もが飲み込まれてしまいそうな大きさの口と牙をを持つ、竜。
ソイツは煙の中を突破し、大きな口を開けて奴の目の前に飛び出す。
「………な………な…………!」
リアクションをさせる暇もなく、竜は暗黒だおにガブリと言う音を立てる。
「ぐわぁああああっ!!喰うな!オレを喰うなぁ!!」
「……出してやれ」
開放される暗黒だお。無抵抗のまま地面に落ちてきた。
確認すると、もう爪も翼もなくなっていた。
「……まさか…あんな技を隠していたとは……。認めよう、だお竜人……。お前は、強くなった……と……。」
「………………………。」
暗黒だおは、倒れたまま動かなくなった。