………。これ、多分、いや絶対…。褒めてないよね。
いくらオレでもわかる。わかってるけど……。なんて返せばいいのか分からない。
部屋が無音になるのと裏腹にオレの心臓がなんだかバクバクしてる。返答次第ではどうなるか言うまでもないからだと思う。
「その様子だと、本当に無自覚か…。」
「………………。」
だお竜人の言葉を聞くことしかできない。
「お前、今までジムとか、特殊な訓練とか、そういうのやったことないってことだよな?」
黙ってうなずく。もちろん嘘はついてない。
「……ハァ…。ますますヤバいな。」
目を合わせられない。というか合わせたくない。今にも物理的に爆発しそうだ。
「なぁ、そんな顔しないでくれ。お前もなんか言ってくれよ。」
えっ、今オレどんな顔してんの?
それになんか言え、って…。どうしよう……。
「その……。オレ、が強いと………、ダメ?」
小声だったと思う。ここに来てだお竜人の口調が恐怖を煽る。だお竜人が次にどう喋るかが怖かった。
「……そんな訳、ないだろ。って、言えればよかったんだが。」
「え…。」
ダメなの…?だお竜人がオレに対してどういう思いがあるか
分からないけど、少なくとも今は、
いい感じじゃないよね、コレ…。
「いい機会だから正直に言わせてもらう。前も言ったが、俺はお前を越えたい。そして今、お前をこんな風に言うってことは…。俺は、お前の強さに嫉妬してるんだ。」
「……嫉…妬…。」
「こんな感情、大事なメンバーに抱くべきじゃないなんて100も承知してるがな、俺はお前を越えなきゃ気がすまない…!」
だお竜人の声には、様々な感情が詰まっていた。うまく表せないけど、…正と負の感情がぶつかっているような。理性と本音がぶつかっているような。そんな声だった。
「強くなきゃな、大事な時に大事なもんを守れねぇんだよ。俺は…俺は…。あのとき弱くて、多くのものを失った…!!師匠も、家族も、仲間も、故郷も、そして何より、竜族を………。」
あの時……。魔王だおや暗黒だおのことを考えると、だお竜人が前も今もこれだけ怒るのがわかる気がする。
だが、もっとわかるのは、今のだお竜人に必要なのは同情じゃないってこと。
「……えっと、だお竜人。話してくれてありがとう。そういうことならオレは全力でだお竜人を手伝うよ。」
自分なりに最善の言葉を探して、口にした。
「だお………。助かるぜ……。」
だお竜人は静かに返事をした。オレの選択は間違っていなかったようだ。
「……すぐにでも始められたらよかったんだけどな。」
「まぁ、その重体じゃ…。」
だお竜人は暗黒だおとの戦いで大怪我を負っている。
少なくとも1日2日で完治はしないだろう。
「じゃ、こうするか。3日後だ。3日後、決着をつける。」
「え、治る?それ。」
「治すんだよ。傷に勝てないでお前に勝てるわけないからな。」
「手伝うって言ったけどオレこそ負けるつもりないからね!」
オレたちは互いに宣戦布告を目を見て言い合った。