だおがたり   作:だおくん

33 / 34
語り手 だお竜人


だおがたり 3-8 「絶対に真似しないでください」

3日後、か…………。

怪我のこと抜き、最近の修行込みで考えても、だおの怒りの力を越えることが出来るのか。それが勝敗の分岐点になるだろう。

「少し急がないとな……。」

短期間でさらに強くなる方法は、俺の真の力を取り戻すぐらいしかないだろう。

…まぁ、今はろくに動けないが。

「……だおー。」

「?」

腕を大袈裟にアピールする。

「??」

「腕が使えないぜー。」

「ごめんごめん。包帯巻きすぎたよね、少しとる?」

「いや、このままでいいからなんか食わせてくれ。」

「えっ?あーんってしろって?」

「その言い方やめろ」

 

………と言うわけで俺の気合とだおの協力の甲斐あって2日で怪我はよく治った。

おんぶに抱っこだったのだけはアレだったが…。

とにかく!この残された1日は有効活用する他ない。その日は今までより早く修行に出かけた。

この3日間は、お互い普通に生活するようだおと決めた。足を引っ張りあったりせずに互いができることをすると決めた。……とはいえ、だおの時間を少し奪ってしまったのは心残りだ。

しかし、そんなことを言っていられる余裕と時間はない。

俺は早朝から昼まで全力で己を高めた。

「ハァッ、ハァ………。もう、昼か……?」

この前よりさらに成長しているのが自分でもわかったが、さすがに空腹には勝てない。ぶっ続けだったせいで腹もだいぶくたびれている。

「ま、運動後のメシは格別だからな」

日陰になる木の下まで移動し、家中を探して確保した食料で体力を回復する。周りに何も無い中、俺の食事の音だけがする。この自由な感じが好きだ。

「…ふぅ、水分も取っとかねぇとな。」

水筒を持ってきておいてよかった。中身は……。

コーヒー。

しかもホットだ。

……………。皆まで言うな、何もかも間違っているなんてわかってる。

たぶん俺がおかしいんだろうが、コレがいちばん元気が出る。

「…飲まないよりマシだろ、きっと。」

自分を無理やり正当化して飲もうとした。すると、視界と意識がボヤっとする感覚が襲ってきた。

「………っ!」

完全に休憩のタイミングを間違えた。思わず体が後ろに倒れそうになる。

傾いた水筒、一瞬遅れる思考、倒れそうな体。

この条件下で起こる未来だけは、この時も理解出来た。

「………ぅアッッッチィッッ!!!?」

顔中が灼熱感に支配され、辺り一面には俺の濁点のついた悲鳴が響き渡った。

あちぃ、ひたすらにあちぃ!

無意識に修行場所の近くの川に俺は走っていた。

顔を冷やし、なんとか熱さは落ち着いた。

「………何やってんだか………。」

自分の行動の馬鹿さ加減に呆れつつ、冷静を取り戻す。

すると、左目の辺りにほんのり熱さというか、不思議な感覚があることに気がついた。

「……な、なんだ?どうなってんだ?火傷しちまったかな………」

川の水に反射する自分を見て、俺は、驚きを隠せなかった。

なぜなら、俺の左目が……。傷ついて開かなかったはずの左目が………。再び、開いていたからだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。