3日後、か…………。
怪我のこと抜き、最近の修行込みで考えても、だおの怒りの力を越えることが出来るのか。それが勝敗の分岐点になるだろう。
「少し急がないとな……。」
短期間でさらに強くなる方法は、俺の真の力を取り戻すぐらいしかないだろう。
…まぁ、今はろくに動けないが。
「……だおー。」
「?」
腕を大袈裟にアピールする。
「??」
「腕が使えないぜー。」
「ごめんごめん。包帯巻きすぎたよね、少しとる?」
「いや、このままでいいからなんか食わせてくれ。」
「えっ?あーんってしろって?」
「その言い方やめろ」
………と言うわけで俺の気合とだおの協力の甲斐あって2日で怪我はよく治った。
おんぶに抱っこだったのだけはアレだったが…。
とにかく!この残された1日は有効活用する他ない。その日は今までより早く修行に出かけた。
この3日間は、お互い普通に生活するようだおと決めた。足を引っ張りあったりせずに互いができることをすると決めた。……とはいえ、だおの時間を少し奪ってしまったのは心残りだ。
しかし、そんなことを言っていられる余裕と時間はない。
俺は早朝から昼まで全力で己を高めた。
「ハァッ、ハァ………。もう、昼か……?」
この前よりさらに成長しているのが自分でもわかったが、さすがに空腹には勝てない。ぶっ続けだったせいで腹もだいぶくたびれている。
「ま、運動後のメシは格別だからな」
日陰になる木の下まで移動し、家中を探して確保した食料で体力を回復する。周りに何も無い中、俺の食事の音だけがする。この自由な感じが好きだ。
「…ふぅ、水分も取っとかねぇとな。」
水筒を持ってきておいてよかった。中身は……。
コーヒー。
しかもホットだ。
……………。皆まで言うな、何もかも間違っているなんてわかってる。
たぶん俺がおかしいんだろうが、コレがいちばん元気が出る。
「…飲まないよりマシだろ、きっと。」
自分を無理やり正当化して飲もうとした。すると、視界と意識がボヤっとする感覚が襲ってきた。
「………っ!」
完全に休憩のタイミングを間違えた。思わず体が後ろに倒れそうになる。
傾いた水筒、一瞬遅れる思考、倒れそうな体。
この条件下で起こる未来だけは、この時も理解出来た。
「………ぅアッッッチィッッ!!!?」
顔中が灼熱感に支配され、辺り一面には俺の濁点のついた悲鳴が響き渡った。
あちぃ、ひたすらにあちぃ!
無意識に修行場所の近くの川に俺は走っていた。
顔を冷やし、なんとか熱さは落ち着いた。
「………何やってんだか………。」
自分の行動の馬鹿さ加減に呆れつつ、冷静を取り戻す。
すると、左目の辺りにほんのり熱さというか、不思議な感覚があることに気がついた。
「……な、なんだ?どうなってんだ?火傷しちまったかな………」
川の水に反射する自分を見て、俺は、驚きを隠せなかった。
なぜなら、俺の左目が……。傷ついて開かなかったはずの左目が………。再び、開いていたからだ。