次の日・・・・・朝5:30・・・・
「んん~~っっと…」
軽く伸びをしながら目を覚ます。俺を受け入れてくれた家主はまだ夢の中だ。
「…これは俺だけの問題なんだ…」
絶対にこいつを巻き込みたくない。その一心で俺は…俺は…
ヤツを止めてみせる。
外に出ると、まだ周りは薄暗くてモヤがかかっていた。嫌になるくらい周りが静かだ。
足を進めると…見えてきた。ヤツの根城であり…俺たちの職場。
一瞬入るのが怖くなったが、そんなこと感じているヒマじゃない。
ドアノブに手を伸ばした。しかし開かない。ヤツもこの時間帯に来ることは想定されていないのだろう。待つべきか?なんて考えは俺の頭にはなかった。壊すべきだ!
手に力をこめて、打ち出す。ブランクがなくて安心した。
「使ったのはずいぶん久しぶりだったが…。まぁ、手間は省けたな」
意を決して、ヤツの根城へと足を踏み込んだ。慌てた顔をしてヤツ…
ツノだおがやってきた。
「ちょちょっ、早すぎるだろう!こんな時間に来ても仕事も何も無いのに!」
「こんな時間に来たってのに、相変わらず素早いんだな。ツノだお。」
「ツノだおさんまで言わなきゃダメって何度も伝えてるのに…まったく困った部下を持ったなぁ……。」
「そんな困った部下を自分の軍に誘うべきじゃないんじゃないか?」
「軍?誘う?なにを言っているんだい?」
「とぼけるなよ、魔王さま」
「なにかの遊びでもしてるのかい?悪いけど、ごっこに付き合ってるヒマはないんだよ、君んちのだおクンにでも相手してもらいな」
思った以上に口を割らない。どこまでもしらを切るつもりらしいな…。
あの時の疑いが、確信に変わったってのに!こうなったら………。
ちと危険だが、ヤツの本性を暴くにはコレを言うしかない。
「…なぁ、ツノだおさんよ。」
「今度はなんだい、また変なことを言うんじゃないだろうね?」
呆れているような感じのツノだおだが、ひるむわけには行かない。
このまま押し切ってみせる!
「この職場が改修されて、だおが頭痛で早退した日を覚えてるか?」
「あぁ…。うん。つい先日だね。」
「その後お前、足早に職場内に入ってっただろ」
「あぁ、どう変わったのかを見ておかないといけないからね。」
「そのあと俺はどうしてたか知ってるか?」
「知らないけど…外にいただけじゃないのかい?」
「外にはいたさ。職場の外にな。」
「…………………………。」
「で、だ。職場の裏口は確認したのか?ツノだお。ずっとこの職場でやってるんだから、裏口の状態は知ってるだろ。」
「………裏口………。………………!!」
「残念なことに、裏口は改修されていない。その上裏口はボロボロで所々穴が空いている…。どういうことかわかるだろ。」
「…内側が………見える………。」
「俺が外でどうしてたか、分かったろ。お前がなにを言ってたかも覚えてる。」
「で、でま、でまかせだ!口ではどうとでも言えるんだ!!」
「OK、言ってやるよ。よく聞けよ、魔王さま。」
俺はかるく咳払いしてから、ヤツのあの言葉を口にした。