時の魔王の歩む道・・・   作:蛇廻

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さぁ、今回のレジェンドライダー紹介だぁ!!

「テンション高ぇな、何かあったのか?」

ふっふっふ・・・・よくぞ聞いてくれた!!実は・・

「よし、それじゃあ今回は『仮面ライダーインペラー』でも紹介するか」

聞けよ!!しかもそのライダーかよ!!まだこの作品に登場してないし!

「今のお前とは真逆の運命を辿ってしまった奴だよ。仮面ライダーインペラーは以前紹介した王蛇と同様にカードデッキを使って変身する。契約モンスターは『ギガゼール』、レイヨウ・・・・ガゼル型のミラーモンスターだ」

この人の願いは単純だったんだけどねぇ〜・・・結局、みんなにトラウマを植えつけて終わったよね。

「ま、こいつの場合は自業自独だろ。楽に夢や願いを叶えることなんて、出来ないんだよ」

それって経験からいってる?

「・・・・」

『インペラー!』

え?あれ?ちょっと・・?

「変身・・・」

な、何で変身してんの!?あ、待ってカード引かないで!

『ファイナルベント』

「行け」

ごめん!謝るから!謝るからどうかぁああああああ!!

「ふぅ・・・・さて、こいつは放っておいて最新話、どうぞ」





第十六話

「『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』・・・・・それがお前の神器なのか?」

 

「は、はい・・・・」

 

旧校舎の中にある結界が張られた一室、そこで悠時はグレモリー眷属の一人であるギャスパー・ヴラディと話していた。

 

「視界に映した全ての物体の時間を停止させる・・・・なるほど、通りで覚えのある感覚だったわけだ」

 

「せ、先輩はどうして停まらなかったんですか?」

 

「・・・・さぁ?俺が時の王者だからじゃないか?」

 

「時の王者・・?」

 

「冗談だよ」

 

決して冗談では無いが、知っている人以外が聞けば厨二病でも発症しているのかと疑いたくなるものだ。悠時はすぐに冗談だと自分で笑い飛ばす。

 

「それで?何でギャスパーはここで封印されてんだ?」

 

「・・・じ、実は・・」

 

ギャスパーは話し出す。自分が元々は吸血鬼と人間のハーフだった事、そのために神器を手に入れた事、だがその神器を上手く扱うことが出来ない事、それゆえに今は封印されている事。ざっくりと説明するとこんな感じだ。

 

「なるほどね・・・・・」

 

悠時は考える。自分はギャスパーと同じ時を停める能力を持っている。それだったら何かしら教えられることがあるのでは無いか?

 

「うん・・・そうだな・・・よし!ギャスパー!」

 

「ふぇ?」

 

「これから特訓でもしようか!!」

 

「・・・・・え?」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

夜中、悠時は雪菜を起こし、二人で駒王学園の旧校舎へと来ていた。理由はただ一つ、ギャスパーが神器を上手く扱えるようにするための特訓だ。

 

「ふぁあああ・・・・ねぇ悠時、何でこんな時間に学校?」

 

「とりあえずついて来い。理由は後で説明するから」

 

雪菜は眠たそうに目を擦りながら悠時について行く。ギャスパー曰く、深夜であれば結界が解かれ、旧校舎内であれば自由に行動できるとの事だった。

 

「これからある人物に会いに行く。そいつは神器を持っていてな、どうやら俺達が持っている能力と似た能力を使えるようなんだ」

 

「ヘ〜・・・・という事は時間停止能力って事?」

 

「そうだ・・・・っと、着いたぞ。この中だ」

 

「ここ?」

 

たどり着いた場所は旧校舎内の二階にある部屋。扉には『KEEP OUT』と書かれた黄色いテープが貼られている。

 

「・・これ、入っていいの?」

 

「あいつの話だと深夜は大丈夫らしいが・・・・一応ノックしとくか」

 

悠時は扉に近づき、三回ほど扉を叩く。

 

「おーい、ギャスパー。俺だ、悠時だ。入っていいか?」

 

声をかけて数秒後、ゆっくりと扉が開かれる。中からギャスパーがひょっこりと顔を覗かせた。

 

「この子が?」

 

「あぁ、ギャスパー・ヴラディ。人間と吸血鬼のハーフで、今はグレモリー眷属の一人らしい。訳あって封印されてるみたいだけど」

 

「ふ〜ん・・・・はじめまして、ギャスパーちゃん!私は中村雪菜、よろしくね!」

 

「え、あ、えぇっと・・・」

 

「安心しろギャスパー、こいつは俺が信頼できる相手なんだ。お前の能力が暴走しようと雪菜は怖がらないだろうさ。まぁ、そもそも効かない可能性があるが・・・」

 

「「?」」

 

後半の方、悠時は小声で呟いたために二人の耳には届かず、雪菜とギャスパーは揃って首を傾げる。

 

「それにしても同じ学校にこんな娘がいたんだねぇ〜、アーシアちゃんと同じ金髪だし!」

 

「あ〜・・・・・えっと雪菜?確かに女子用の制服を着ているが・・そいつ、男だぞ」

 

「・・・・・へ?」

 

「う、うぅ・・・」

 

雪菜は口をぽかんと開け、悠時とギャスパーを交互に見る。それを数回繰り返した後・・・・

 

「えぇ〜〜〜〜〜〜〜!?」

 

大声で叫んだ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「ったく、いくら誰もいないだろうからって大声あげやがって・・・一応深夜なんだぞ?」

 

「ご、ごめん・・・すごいビックリしちゃって・・」

 

「まぁ気持ちは分からなくもないが・・・」

 

何とか雪菜を落ち着かせる事に成功した悠時達は、ギャスパーが封印されている部屋の中へと入る。悠時的はせめて校庭に出られればよかったのだが、生憎旧校舎の中だけしか動く事が出来ないので、とりあえずは普段ギャスパーが生活しているこの部屋で特訓を行う事にした。

 

「さて、早速特訓を始めようか!まずはギャスパー、もう一度神器発動させてくれね?」

 

「は、はい!!え〜と・・・」

 

悠時の指示を受け、ギャスパーは多少の時間は掛かったが神器を発動させる。それにより、悠時、雪菜以外の部屋の中の時間が止まる。とは言っても、特に何かが動いているわけでは無いのでこれといった変化は無いが。

 

「今の感覚・・・」

 

「覚えがあるだろ?俺たちが時を止めた時の感覚と少し似ているんだよ。あ、もういいぞ」

 

「ハァ〜・・・・」

 

疲れたのか、神器の発動を止めたギャスパーは大きく息を吐く。

 

「それで悠時、特訓とどうするの?私の場合は練度によって停められる対象の人数とか大きさとか関係なくなるけど、ギャスパーちゃ・・・・君は違うかもしれないよ?」

 

「ん〜・・・ま、どうにかなるだろ。ってかどうにかなる気がすんだ」

 

「え〜?そんな感じでいいの?」

 

イマイチ不安は残るが、とりあえず時間は無限には無いため特訓を開始する。悠時は用意したボールを取り出し、それを掲げる。

 

「それじゃあギャスパー、次はこのボールだけを停めてくれ」

 

「は、はい!」

 

再び神器を発動させるギャスパー。悠時が空中でボールを離すと、ボールは落下する。

 

「あれ?停まってない」

 

「今のはボールにじゃなくて、俺の手を停めていたな。俺には効かなかっただけだ」

 

悠時は冷静に分析し、雪菜に伝える。それに納得し、今度は雪菜がボールだけの時を停めようとする。

 

「はっ!」

 

「・・・上手く停められたな」

 

「よし!!」

 

悠時がボールを離しても宙に浮かんだまま。無事にボールを停めることには成功したようだ。

 

「ただし」

 

「?」

 

「停まったのはボールだけじゃないようだがな」

 

「へ?」

 

悠時が視線を向ける方向を雪菜も見る。そこではギャスパーが時を停められて動けずにいた。

 

「わぁあああ!!ごめんギャスパー君!!」

 

「ほら、早く動かせ」

 

どうやら雪菜もまだまだだったらしい。今後は雪菜の特訓を行い必要があるのかと、悠時は頭を抱えた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「それで?結局どうなったんだい、その特訓は?」

 

クジゴジ堂、ウォズに質問される悠時。

 

「どうやら雪菜の方の特訓も考えなきゃいけないらしい。あいつ曰く、昔からそんな使う機会もなかったようだし、それに一時期は能力そのものを奪われてたからな。いくら一族が受け継ぐ力とはいっても、最初っから上手く扱えるというものでは無いらしい」

 

「時を停められる王家の力・・・か」

 

「あぁ・・・・・・さて、本来の歴史ではこの後は何が起こるんだ?」

 

「この本によれば、コカビエルとの戦い後には駒王学園にて三大勢力の会談が行われる予定だ。おそらく、これはこの世界でも起こるだろう」

 

「何でそう言えるんだ?」

 

「実際にコカビエルとの戦いは起こっている。それに加え、彼らはオーマジオウの存在を知ったからだ」

 

堕天使の一人コカビエルが魔王の妹の領地で事件を起こす。そのコカビエルをたやすく葬った、自らを魔王と称するオーマジオウ。本来の歴史とは違った時間を辿っているが、三大勢力が放置するわけにはいかない案件が幾つも発生している。

 

「三大勢力が会談を行なう理由がなくなるどころか、むしろ増えたのか」

 

「そう、だから彼らは会談を行うはずだ。必ず」

 

ウォズは確信を持って言い切り、開いていた本を閉じる。

 

「さて、我が魔王・・・・近々学校で授業参観があるのでは?」

 

「ん?・・・あぁ、そういやそんな話あったな。俺達は親がいないから関係無いと思って聞き流してたが・・・・それがどうかしたか?」

 

「ふふ、安心したまえ我が魔王。その授業参観・・・この私が参加しよう」

 

「・・・・は?」

 

思わず口を開けてしまう悠時だった。

 

 


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