時の魔王の歩む道・・・   作:蛇廻

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さぁ久しぶりにやっていこうレジェンドライダー紹介!!

「ちょっと待て、その前になぜこんなに時間がかかった」

いや〜、しょうがないじゃん?こっちだって色々あってさぁ〜。

「だからって何日かかってんだ?しかもそれでこの内容かよ」

まぁまぁ、とりあえず今回の紹介に行こうじゃないか!

「はぁ・・・・今回紹介するライダーは『仮面ライダー龍玄』だ」

仮面ライダー鎧武に登場した3号ライダーだね。基本形態はブドウロックシードを使ったブドウアームズで、武器はブドウ龍砲。遠距離攻撃が得意だ。

「だが、龍玄は遠距離攻撃だけじゃない。アームズチェンジしてキウイアームズになれば近距離攻撃も可能になる。それに劇中では鎧武から無双セイバーや大橙丸を借りてブドウアームズのまま近距離戦を行なっている」

劇中では途中から出なくなっちゃったけどね、それでも最終回でのあの活躍は『ヒーロー』以外の何でも無いと思うよ。

「それは確かに・・・俺はそんなふうにはなれねぇけどな」

・・・なんか暗くなったな。とりあえず、最新話どうぞ!!




第十七話

ギャスパーとの特訓が開始してから数日。この日は休日の日曜日だったのだが、悠時と雪菜の二人は制服に身を包んでいた。それともう一人・・・アーシアも制服では無いがなるべく近い格好になって二人と一緒にいる。

 

「それじゃあこれから学校に向かうが・・・自信はどうだ、アーシア?」

 

「だ、大丈夫です!!」

 

悠時に聞かれたアーシアはそう答える。そう、今日はアーシアの編入試験日なのだ。

 

「アーシアちゃんなら大丈夫!!あんなに頑張ってたんだもん!!」

 

「あぁ、それに昨日俺とウォズが出した確認問題・・・・満点とはいっていないが、それでも充分な点数を取っている。よっぽどの事が無い限りは大丈夫のはずだ」

 

昨日は悠時とウォズが作った確認問題を解くといった事をやっていた。その結果は悪くなく、駒王学園の編入試験程度であれば充分と言えるほどの点数だったのだ。

 

「ウォズ、お前も何か言ってやれよ」

 

「なぜ私が・・・」

 

「いいからいいから」

 

「・・・・・頑張ってね」

 

「・・え?それだけ?」

 

相変わらず不器用だよな・・・・と思いながら、悠時はクジゴジ堂の扉を開ける。

 

「ま、いっか。それじゃあ行こう」

 

悠時の言葉を合図に、ウォズを抜いた3人は学校へと向かい始めた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

「はい・・・はい・・・わかりました、それじゃあお願いします」

 

学校にて。雪菜とアーシアの二人を待合室に待機してもらい、悠時は受付にて必要な種類の提出や注意事項等を聞いていた。

 

「たく、何で俺が・・・」

 

「ん?」

 

「あ?何見てんだよ?」

 

「あ、いえ・・」

 

似たような事をしていた男がすぐにいたが、何やら不満を呟いていたのが聞こえそっちを見る悠時だったが、すぐに咎められたために目を逸らす。今待合室には雪菜とアーシア以外にも一人だけ少女がいた。おそらくその子を保護者だろう。普通ならそれで済む話なのだが、悠時は思考を停めずにいた。

 

(この男の顔・・・・前にどっかで・・・・)

 

「あ、悠時!終わった?」

 

「あ、あぁ、アーシアはこれをかけてくれ」

 

雪菜の声が耳に入り、悠時は思考を一旦停めてアーシアに名札を渡す。

 

「ありがとうございます!!ユージさん!!」

 

「ここからはアーシア一人だけになるが、大丈夫だろう。今までの事をしっかりと思い出せよ?」

 

「頑張ってね!」

 

「はい!行ってきます!!」

 

アーシアは笑顔で手を振りながら、やってきた担当の教員についていく。

 

「ほらよ」

 

「・・・・・」

 

一方、悠時達の近くにいた男は少女に向かって名札を乱暴に突きつける。少女はそれを無言で受け取り、そのまま教員について行った。男はそれを見届けると、出入り口へと歩いていく。

 

「・・・なぁ雪菜、ちょっとここで待っててくれないか?」

 

「え?て、ちょっと悠時!?どこに行くの?」

 

「すぐ戻る!」

 

男が待合室から姿を消して数秒後、悠時も彼を追いかけるように待合室から出ていく。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「あ〜、終わった終わった。俺の役目はここまでだったよな」

 

「その役目ってのは一体何なのか、教えてくれないか?」

 

学校からさほど離れていない路地裏、男が歩きながら呟いていると後ろかそんな声が聞こえてきた。足を止め振り返ると、そこには悠時がこちらを見ながら立っている。

 

「てめーは・・・」

 

「あんたの顔、どっかで見た事があると思ってたが思い出したぜ。・・・・転生者の一人だな」

 

「!何でそれを!!」

 

「その反応、ビンゴだな。お前の魂を回収する」

 

『龍玄!』

 

悠時の腰に刀がついた黒いバックル『戦極ドライバー』が巻かれ、横のフェイスパーツには緑色の横顔がプリントされている。

 

「そうか・・・お前が例の仮面の戦士とやらか・・・・ククク・・」

 

「?何がおかしい?」

 

「いや何・・・・俺は運がいいと思ってな。せっかくもらったこの力を・・・真っ先にてめーに試せるんだからなぁ!!」

 

男が叫ぶと、体から幾つもの蔦が出現し、男の体を巻き始める。やがて蔦が消えると、そこには体に青いラインが入っている大きな角を持った怪物『シカインベス』が立っていた。

 

「インベス・・!?どういう事だ!?」

 

『へへ!!見せてやるよ、俺の新しい力をな!!』

 

シカインベスは驚きで固まっている悠時に向かって頭突きをかましてくる。悠時はそれを避け、ブドウの南京錠『ブドウロックシード』を解錠する。

 

『ブドウ!』

 

「変身!」

 

『ロックオン!ハイ〜!!ブドウアームズ!龍・砲!ハッハッハッ!!』

 

頭上にファスナーが出現し、円を描くように回転して異世界への扉『クラック』が開く。そこからブドウの形をしたアーマーが降りてきて悠時に被さり緑色のスーツが形成、アーマーが前後左右に開き、かつて道を踏み間違いながらも正しい道へと戻ってこれた青年が変身していたライダー『仮面ライダー龍玄』へと変身を遂げる。

 

「はっ!!」

 

龍玄は右手に持ったブドウを模した銃『ブドウ龍砲』を使い、シカインベスに向かって発砲する。シカインベスは一瞬だけたじろぐが、すぐに突進してくる。

 

「お前、その力をどこで手に入れた!!」

 

『はっ!!誰がそんな事教えるか!!オラァ!!』

 

頭を横になぎ払い、龍玄を吹き飛ばす。

 

「くっ!ブドウアームズじゃキツイか・・・だったら!」

 

『キウイ!』

 

ブドウアームズは遠距離に特化している。それに対してシカインベスは近距離特化型のインベス。ブドウアームズのままでは部が悪いのだ。そのため、龍玄は新たなロックシードを取り出し、解錠する。すると龍玄の上空にクラックが出現し、そこからキウイの形をしたアーマーが降りてくる。それと同時に、元々装着していたブドウアームズの方が消滅する。

 

『ロックオン!ハイ〜!!キウイアームズ!撃・輪!セイヤッハ!!』

 

キウイアームズが頭に被さり、展開する。龍玄の両腕にはキウイを模した巨大な武器『キウイ撃輪』が出現する。

 

『飾りを変えただけか?そんなんじゃ俺は止められねぇぞ!!』

 

再三突進をしてくるシカインベス。龍玄はキウイ撃輪を前に突き出す事でその動きを止める。

 

「さっきから突進突進、それしかできないのか、お前は!!」

 

『ぐぉ!?』

 

キウイ撃輪を上に払い、体ごと回転させてシカインベスを斬り付ける。斬り付けられたシカインベスの体から火花が迸る。

 

「もういっちょ!!」

 

『ぬぁ!』

 

さらに回転してシカインベスを斬り付ける。シカインベスは吹き飛ばされ、よろけながら立ち上がる。

 

「どうだ?さっきのよりも効いてんじゃねぇか?」

 

『なめんなぁ!!』

 

「はっ!」

 

キウイ撃輪を投げ、シカインベスの足をなぎ払う。投げられたキウイ撃輪は回転しながらブーメランのように龍玄の元に戻ってくる。

 

「さぁ、教えてもらうおうか。その力、一体どうやって手に入れた?」

 

『ぐ、ぬぅ・・・』

 

龍玄はキウイ撃輪をシカインベスに突き付けながら問う。だが、シカインベスは中々口を破らない。その瞬間、シカインベスの背後に等身大サイズのクラックが開き、中から巨大な剣が現れたと思った瞬間、その大剣はシカインベスを真っ二つに切り裂いた。

 

『ぐぉおおおおおおお!!?』

 

「何!?くっ!」

 

シカインベスは爆発を起こし、龍玄は後ろに飛ぶ事で何とか回避。しばらくして爆発が収まるが、すでにクラックは閉められており火が燃え盛るだけだった。

 

「今の大剣・・・・まさか・・」

 

シカインベスが爆発する寸前に見えた大剣。龍玄は変身を解きながら思い出し、かつての敵の姿を思い返すのだった。

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

「あ、やっと帰ってきた!遅いよ」

 

「悪ぃ、思ったより手間取ってな」

 

シカインベスとの戦い後、悠時は学校へと戻ってきた。どうやら大分時間が経っていたらしく、時計を見るともう少しで試験も終わるぐらいの時間だった。丁度そのタイミングで、チャイムが鳴り響く。

 

「お、どうやら終わったようだな。ギリギリだったか」

 

「もう、一体何してたの?」

 

「まぁ、その事はまた後で・・・ほら、戻ってきたぞ」

 

「・・・後で説明してもらうからね」

 

雪菜はそう言い残すと、アーシアの方へと駆けていく。その後ろ姿を見ながら、悠時もゆっくりと動き出す。その脳裏には、ある男の姿がチラついて消えなかった。

 

 

 

 


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