「仮面ライダーイクサか・・・俺があのクソ神父野郎相手の時に使ってたな」
あれ九話の話だから約十話ぐらい前だよ。
「もうそんなに経ってたのか・・・・仮面ライダーイクサは人類が開発したパワードスーツをさらに改造されて誕生している、対ファンガイア用のパワードスーツだ。22年もファンガイアと戦い続けているためどんどん強くなっている」
それに伴って目が隠れているセーブモードから赤い目が露出しているバーストモードになったり、武器にイクサナックル以外にイクサカリバーも追加されているよ。
「このライダーは変身者が限定されていないんだよな。人間じゃなくても使用できる。だから敵に奪われるなんて事もあったが・・・」
そういや悠時、お前がウォッチを他人に渡すとどうなるんだ?
「どういう事だ?」
だから、例えばお前が雪菜にウォッチを渡すだろう?そのウォッチを起動したら雪菜も変身ができるようになるのか?
「・・・・さぁ、最新の十八話、どうぞ」
あ、はぐらかしやがった。
「インベスが・・?」
アーシアの編入試験も無事終わり、時刻は深夜。クジゴジ堂のリビングでは悠時とウォズが話し合いを繰り広げていた。
「あぁ、間違いない。あの力は確かにインベスだ。しかも自我を保っているな。・・・だが、転生者の中にインベスになる力を特典として受け取った奴の情報など俺は持っていない。ウォズ、お前はどうだ?」
「・・いや、そのような情報は私の持ち合わせていない。その者はなんて言ってたんだい?」
「それが、話を聞く前に倒されちまったよ。突然現れた大剣によってな」
まるで口封じのように・・・・と悠時が言うと、二人は深く考え込む。少し時間が経った後、悠時は意を決したかのように顔を上げ、口を開く。
「なぁウォズ・・・・あいつはさ、まだ、俺の事を恨んでいるのかな・・」
「あいつ・・・とは?」
「・・・・いや、何でも無い」
忘れてくれ、そう悠時は言い残してリビングから出ていく。残ったウォズは、ひとまず情報を整理しようと地球の本棚へとアクセスした。
・・・・・・・・
それから数日、授業参観の日がやって来た。そうそう、まだ言ってなかったな、アーシアの試験がどうなったのかを。結果は当然合格、アーシアは無事に駒王学園へと通う始めたのだ。今の所はゼノヴィアが接触してくるような事もなく、平穏な日々を過ごせている(変態三人衆はアーシアに手を出す前に悠時の手によって潰されているが)。因みに同じ日に試験を受けていた少女も受かったらしい、彼女の学年は一個下らしいために悠時達も詳しい事は知らないが、時々学校内でその姿を見かける。さて、話を戻そう。今日の授業参観で行われるのは英会話らしく、多くの生徒がソワソワしているのが伺える。悠時はともかく雪菜、アーシアの二人は他の生徒程ではないが、やはり緊張しているか異様にキョロキョロしている。
(そういやウォズが今日来るとか言ってたな・・・・変な事をしなければいいが)
いやな予感がしているが変に何かをするわけにもいかないために、悠時はただ席に座るだけだった。そんなこんなで時間は過ぎ、問題の英会話の時間がやってくる。生徒達の机の上には、一塊の粘土が置かれる。
「・・・・・・え?」
教室中の誰もが思う、なぜ粘土?と。
「今渡した粘土で好きなものを作ってみて下さい。自分が今脳に思い描いたものを形作る。そんな英会話もあります」
(いや、ねぇよ!)
悠時のこの気持ちは教室内の誰もが思った事だろう。だが教師に逆らうわけにもいかず、生徒達は一人、また一人と徐々に粘土に手をつけていく。
(んな事急に言われたって・・・一体何を作ればいいんだよ・・)
ふと、悠時に脳裏にある光景が浮かぶ。かつて自分が魔王として支配していた時間に存在していた巨大な像。オーマジオウドライバーとよく似たドライバーを腰に巻いてポーズを取っている悠時の像と、その周囲に立ち並ぶ十九のライダーの像。次の瞬間には悠時の手は勝手に動き出していた。
「・・・ん?」
気がついた時にはすでに机の上に完成状態で置かれていた、あの時間軸に存在していた像と瓜二つの模型。幸いにもクラス中では同じクラスであったイッセーが作ったらしいリアスの像をかけたオークションが開催されていたために誰もそれに気づくことはなかった。
(オーマジオウが取った覇道・・・・もしあの世界に帰ったら、俺はオーマジオウと同じ道を辿ってしまうのだろうか)
・・・・・・・・・
「いや、中々面白い授業だったよ。英会話だと聞いていたが、まさか粘土を使った工作の授業とは」
「俺達だって予想外だったよ」
無事にオークション・・・・ゲフンゲフン、授業も終了し、悠時達3人はウォズと合流して校舎内を歩いていた。
「にしても我が魔王、よく粘土であれを作れたね。ひどく懐かしく感じたよ」
「あぁ、自分でも驚いてるよ。何でこれを作ったのかね・・」
そう言って悠時は自分の鞄の中を覗く。今回の英会話(?)の授業で作られた作品はそれぞれで持ち帰る事になったため、そこには先ほど作った作品が入っていた。
「あれ?なんか騒がしいね?」
雪菜がそう呟いたのが聞こえる。確かにすぐ近くから年齢層はバレバレな男の声が聞こえてくる。それと同時に何やら写真を撮っているような音も。
「行ってみよ!」
そう言って、雪菜はアーシアの手を引いて駆け出す。悠時とウォズは特に慌てる事はなく、ゆっくりとその後を追いかけていった。しばらくして大階段の前に人だかりでできているのを発見する。そして彼らが注目する先には、一人の魔法少女(?)がポーズを取っていた。
「・・誰だ?あれは?」
「見たことない顔だけど・・・誰かのお母さんかな?」
「あの格好でか?いくら何でもそれは無いと思うんだが・・」
どうやらこの人だかりの目当ては学校にて似つかわしくない格好でいるこの女性らしい。だが同じく騒ぎを聞きつけたらしい生徒の中には明らかに引いている者もいる。
「・・・我が魔王、こちらへ」
「ん?どうした?」
ウォズに呼ばれ、悠時は騒ぎが起こっている場所から少しだけ離れる。普段は人通りがもっとある場所だったが、今は全員魔法少女のコスプレの方へと行っているのかそこまで人の姿は見えない。
「我が魔王、先ほど注目を浴びていた彼女だが、あれは現悪魔のトップである四大魔王の一人、レヴィアタンの名を襲名した『セラフォルー・レビアタン』だ」
「魔王?・・・あれが?」
「信じられないかもしれないが事実だ。因みにすぐ近くにルシファーの名を襲名した『サーゼクス・ルシファー』もいる」
「・・・そういやリアス・グレモリーの兄が魔王なんだっけか?すっかり忘れてたぜ」
騒ぎが起こっている方を見ると、そこでは生徒会役員によって解散させられている集団が確認できる。その中、見覚えのある紅い髪を持つ男の姿も。
「にしたって、何でこんなに魔王が集まってんだこの学校に?」
「表向きの理由では仕事のための視察、本来の目的では妹の授業風景を見に来ているらしい」
ウォズが本を開きながらその一文を読む。本来の目的よりも表向きの理由の方が重要な気もするが。
「ちょっと待て、仕事だと?一体何の?」
「近い未来、この学校にて三大勢力の会談が行われる。そのための視察だ」
「何でこうもめんどくさい事が身近で起こるんだよ・・・」
「そんな心配することでも無いだろう。わざわざ君が出向く必要はないのだから」
「・・・・・それもそうだな。よし、雪菜達と合流しよう」
ウォズの言葉に悠時は脳裏に思い浮かんでしまった光景を捨て、雪菜達と合流しようと歩き出す。自分がしてしまった事に気づかずに。