時の魔王の歩む道・・・   作:蛇廻

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今回のライダーは牙の名を持つあいつです。

それでは第二話をどうぞ!


第二話

転生者『佐々木斗真』の魂を回収した翌日、悠時は雪菜と共に一週間最後の学校へと向かっていた。

 

「昨日回収した魂はもうあいつのところに送った」

 

「そういえばさ、回収した魂って送った後、どうなるの?」

 

雪菜は昨日回収した魂の事を思い浮かべながら悠時に問う。雪菜も途中から参加したため、まだ詳しい事に関しては分からない事の方が多いのだ。

 

「さぁな、それに関しては俺は何も知らねぇよ。俺たちの仕事はあくまで魂の回収。その先のことまでは知らされてないさ」

 

「ふぅ〜ん・・・・あれ?なんか騒がしいね」

 

話している間に学校に辿り着いた二人だが、人が集まり騒がしくなっていることに気が付く。

 

「あ、花ちゃん!」

 

「あぁ雪菜!相変わらずの夫婦登校?」

 

「夫婦じゃ無いよ!!」

 

人だかりの中に友達である『結城(ゆうき)(はな)』を見つけた雪菜は彼女に駆け寄る。花もそれに気づき、悠時の姿を視界に入れて早速雪菜を弄り出す。

 

「え〜?でも毎日一緒に登校してるじゃん?」

 

「だ、だってそれは、色々事情もあるし・・・」

 

「え?なんて?」

 

「な、なんでもない!!」

 

顔を真っ赤にしながら反論する雪菜を見て面白そうに笑う花。その間にも、周りの歓声は大きくなっていく。

 

「ところでさ、これは何の集まりなの?誰か有名人でも来てるの?」

 

「あ、そっか。雪菜は転校生だから知らなかったね。ほら、あそこ」

 

花が指差した先には、雪菜達が着ている制服と同じものを身に纏い歩いている1つの集団が。先頭を歩くのは長い紅髪が特徴的な女子が、その次に長い黒髪が特徴的な、大和撫子と表現するのが正しいと思われる女子が、さらに彼女達の後ろには金髪が特徴的で顔も整っている男子が一人と、他3人に比べると背が小さいがその分マスコットキャラのような容姿をしている女子が一人。

 

「一番を歩いているのが、三年生の『リアス・グレモリー』先輩で、その次に歩いている黒髪の人がグレモリー先輩と同じクラスで親友でもある『姫島朱乃』先輩、この集団の中で一人だけの男子が私たちの同級生の『木場裕斗』君で、最後の子が一年生の『塔城小猫』ちゃん!この学校じゃ、あの四人は超がつくほどの有名人で、知らない人は居ないぐらいだよ!」

 

「ヘ〜・・・そんな凄い人たちなんだ〜・・」

 

周りの生徒が歓声を上げる中、四人は全く身動ぎせず、けれども時々周りに笑顔で微笑んだり、手を振ったりしながら校舎へと歩いていく。雪菜はそれを周りの歓声に圧倒されながら見送る中、雪菜の後ろに待機していた悠時は四人の背中を睨んでいた。

 

(あいつらの気配・・・・なるほど、奴らが・・・)

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

「あんな凄い人達が学校にいたんだね〜・・・」

 

放課後、未だに朝の余韻が抜けきっていないのか、少しボーってしている雪菜を見て、あのことを伝えるべきか悩んでいる悠時。

 

(どうするか・・・今教えたら大声で叫んじまいそうだし・・・かと言って教えないわけにも・・・「うわぁああああああ!!」!)

 

「ねぇ悠時、今の・・」

 

「この廃工場からか・・・・雪菜は先に帰ってろ」

 

「え!?で、でも・・・今の悲鳴が転生者が原因だったら・・・」

 

「いや、おそらく今回は転生者じゃない・・・多分元々この世界にいる異形が原因だろうな」

 

「元々いる異形?」

 

「それについては後で教える。とにかく、俺は対処しにいくから帰ってろ。あぁ、間違っても追ってくんなよ!」

 

悠時は雪菜に念を押してから廃工場へと入っていく。中は思った以上に暗く、どのようになっているのかを把握するのにはしばらくの時間を有する必要があった。

 

「この匂い・・・・一足遅かったか・・」

 

視界は悪いが、悠時はその場に漂う匂いから何が起こったかを察する。そして、それはこの廃工場を住処とする相手も同様であった。

 

「おぉ・・?なんだぁ、今日はもう一人食えるのかぁ〜?」

 

足音が徐々に近づいていき、その姿を表す。上半身は人の体をしているが、下半身は人間とは全く違く、獣のような四本足をしていた。

 

「お前、はぐれ悪魔だな?」

 

「お?なんだお前、悪魔の事を知ってるのかぁ〜?まぁどうでもいいか、どうせ俺に食われるんだからなぁ!」

 

はぐれ悪魔はすぐにでも飛び掛かれる体勢に入ったが、悠時はそんな姿を鼻で笑い飛ばす。

 

「ふん・・・」

 

「あぁ?」

 

「生憎お前に食われる程、俺は安くないんでね・・・そもそも、喰うのはお前じゃ無い・・・この俺だ」

 

『牙王!』

 

悠時が牙王ウォッチを起動すると、腰にガオウベルトが出現し、待機音が鳴り響く。

 

「変身」

 

悠時は手に持った金色のライダーパスである『マスターパス』を空中に放り投げる。すると、マスターパスは宙を漂い、自動的にベルトにセタッチされる。

 

『ガオウフォーム!』

 

悠時の体がスーツに覆われ、そこから銅色のアーマーが形成されていく。最後にはワニの口を模したようなアーマーが顔に装着され、『仮面ライダー牙王』へと変身を遂げる。

 

「な、なんだその姿は!?お前まさか、神器(セイクリッドギア)持ちか!?」

 

「あ?神器?なんだそりゃ?」

 

聞き慣れない単語に牙王は首を傾げる。が、その間にも手は腰についていた4つのパーツを繋げていっている。それらは1つの武器『ガオウガッシャー』へと変形し、ギザギザの刃が長くなる。

 

「・・・まぁいい、さっさとお前を喰って終わりだ」

 

牙王は剣先をはぐれ悪魔へと向け、駆け出す。はぐれ悪魔をまっすぐ向かってきた牙王を踏み潰そうと、前足を思いっきり上げ、勢いよく振り下ろす。

 

「けけけ!この程度かぁ、一瞬でも怯えたの「ふん!」ぎゃぁああああああ!!!?」

 

完全に踏み潰したと思ったはぐれ悪魔だったが、次の瞬間にはその前足は斬り飛ばされ、血が吹き出していた。

 

「随分脆いな、そんなんじゃ喰いごたえがねぇぞ」

 

足を斬り飛ばした牙王はガオウガッシャーを肩に担ぎ、悠々と佇む。だが、その身体からは強烈な殺気が放たれ、はぐれ悪魔は目の前の相手の完全に間違えた事に気づく。

 

(な、なんなんだこいつは・・・ただの人間じゃねぇ!?このままじゃ俺は、殺されちまう!早く逃げないと・・・・!)

 

急いで牙王から逃げようとするはぐれ悪魔だが、足を斬られてしまっているため思いように動けなかった。

 

「この程度の殺気で逃げようとするか・・・・はぁ、お前の相手も飽きたな。これで終わりにしてやるよ」

 

『フルチャージ!』

 

牙王はマスターパスをベルトに翳し、放り投げる。ガオウガッシャーにはエネルギーが溜められていき、刀身が分離される。牙王がガオウガッシャーを振り回すと、それに合わせて刀身も振り回され、はぐれ悪魔を何度も斬りつける。はぐれ悪魔からどれだけの血が吹き出ようが、まるで気にせずに。

 

「ぎゃぁああああああ!!!・・・・・・・」

 

最初こそ叫び声を上げていたはぐれ悪魔だったが、やがて力尽きたのか声が聞こえなくなる。にも関わらず攻撃の手を緩めない牙王だったが、しばらくして相手が既に事切れているのに気づき、ようやく手を止めた。

 

「・・・・・・」

 

牙王はその場を離れようとするが、ある物が視界に入り、その足を止める。その先には、おそらくはぐれ悪魔に襲われてしまったであろう人の物である鞄や靴、服といった物が散乱していた。そのどれもが血で染まっている。牙王はゆっくりとその場所へと移動すると、それらを眺める。

 

(・・・俺はお前との約束を守れているか?・・・・・・・ゲイツ)

 




誰か出して欲しいキャラクター、能力、ライダーが居ましたら教えてください。募集します。因みにライダーは平成ライダーの中からお願いします。


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