「今回は、え〜と・・・・・・・ちょっと待ってな。くじ引くから」
あ、今から引くの?
「ん〜・・・・・よし、これだ!え〜と何々?」
何だった?
「・・・・よし、こいつだな」
『メイジ!』
お、仮面ライダーメイジか!指輪の魔法使いの一人だね!
「変身者が一人じゃなく、三色ぐらい種類がある。ある世界では、住民全員がこの仮面ライダーメイジってところもある」
でも、量産ライダーではないんだよね〜。
「特徴的なのは巨大な左腕の鉤爪。これは武器にもなるし、他にもウィザーソードガンを使うことも出来る。実力は変身者によって異なるから何も言えないな」
それじゃあ今回はここまで!最新話をどうぞ〜!
「あ、おい、まだ説明のとちゅーーーーーー」
沈黙が場を支配する。先代魔王ルシファーの正統な血筋であると同時に、堕天使総督から歴代最強と称された白龍皇ヴァーリ・ルシファー。圧倒的な魔力と戦闘センスを持ち、今代の二天龍の対決は勝敗が見えたと誰もが思っていたことだろう。
それがどうしたことだろうか。ヴァーリ・ルシファーはその身に纏っていた鎧が砕け散り、血反吐を吐いてうずくまっている。それを成したのは白龍皇のライバルである赤龍帝ーーーーーーーーではなく、一人の人間。自らを魔王と名乗る、謎の力を持つ人間だった。
「マジかよ・・・」
アザゼルの呟きが耳に入る。それは、全員の気持ちを代弁する呟きだった。この人間があのコカビエルを滅したことは、今ここにいるメンバーは周知の事実ではあったが、実際に彼の戦いを見たのはほとんどのメンバーが初めてなのだ。まさか白龍皇する超えている力を有しているとは誰も思っていなかった。
唯一彼の戦闘を間近で見て、かつ実際に戦闘を交わしたグレモリー眷属は、そのほとんどが顔を青ざめていた。体は小刻みに震え、自分たちがどれほどの存在を相手していたのかを初めて理解し、恐怖する。とはいえ、中にはそれを正しく理解できずにいる者が二人ほどいるのだが・・・・・。
「ふっ・・・・・はははははは!!」
いきなり高笑いを始めるヴァーリ。気でも狂ったかと悠時がヴァーリに視線を向けるが、まさにそのような表情をヴァーリは浮かべていた。
「さすがの強さだ!面白い!ーーーーー
『待て、今の状態で使うのは危険すぎる。自重しろ、ヴァーリ!』
「ここで使わずしていつ使う!ーーーーー『我、目覚めるは、覇の理にーーーーー』」
『ヴァーリ!』
呪文を唱え出した瞬間、ヴァーリの魔力が膨大に増幅する。『
「・・・・」
魔力を増幅させていくヴァーリを見ていた悠時だったが、興味を失ったのか視線を外し、おもむろに手を伸ばす。ーーーー刹那、魔力の増幅が停止する。
「
「・・・・」
称賛するウォズに何の返事もせず、ロストドライバーからエターナルメモリを引き抜く。変身が解け、露わになる悠時の素顔。ウォズとアザゼル以外初めて目撃する顔に、一部のメンバー・・・・駒王学園の生徒が驚愕する。
「彼は・・!?」
「あいつ、湊!?」
「彼が、仮面ライダー・・・」
「あらあら・・」
イッセー達変態三人衆やリアス達よりは低いが、悠時の知名度はそこそこ高い。それには雪菜の影響もあるのだが・・・・そこは割愛しよう。とにかく、ただの人間だと思っていた同級生や後輩が自分たちを凌駕する力を有していた事実に、彼らは息を飲む。
「・・隠れてるやつ、出てこいよ」
「ありゃ、ばれてたか」
突如虚空に向かって話し始めた悠時。本来あるはずのない虚空からの返事がし、空中に一人の男が姿を現す。まるで武将が着ているような鎧を身に纏っている。
「お前は?」
「俺っちは美猴、ヴァーリの相方さ」
「そいつは闘戦勝仏の末裔。お前にも分かりやすく言えば、西遊記で有名な孫悟空だ」
「ええぇえええ!?孫悟空!?めっちゃ有名じゃん!!」
アザゼルの補足を聞き、大声を上げて驚くイッセー。それとは対照的に冷静なままの悠時は一切慌てることなく美猴を睨み付ける。
「それで、用件は何だ?」
「まぁそう睨まさんな。俺っちはただ、相方を迎えに来ただけだよ。まさか、こんなボロボロになってるとは思ってもいなかったが・・・・てかなんか停まってね?ヴァーリ?」
「なるほどな。お前まで『禍の団』に入ってたとは、世も末だ。・・・・いや、白い龍と孫悟空、ある意味お似合いでもあるか」
「俺っちは初代とは違って自由気ままに生きるんだぜぃ。よろしくな、仮面ライダー」
「別にお前がどう生きようとどうでもいい。迎えってんならさっさとそいつ引き取って帰れ」
手を横に薙ぎ払うことで、停まっていたヴァーリが動き出す。ついでと言わんばかりに吹き飛ばされるが。
「っ!・・・・美猴、何しに来た」
「おいおい、その言い方は酷いんだぜぃ?相方を迎えに来たってのによぉ」
二人の足元が黒い闇が広がり、その中にずぶずぶと沈んでいく。逃げるつもりだというのは明白だが、追求する理由が特にないため悠時は見逃す。もしろさっさと居なくなれ。
「しょうがないか・・・・今日の戦いは楽しかったよ、次に会う時は勝たせてもらう、仮面ライダー」
「嫌だね、俺は二度と会いたくない」
「釣れないな」
肩を竦めながら闇へと消えていくヴァーリ。二人の姿が完全に見えなくなると、辺りを静寂が支配した。
・・・・・・・・・・
ヴァーリ達が駒王学園を去ってから数時間、三大勢力は戦闘の後処理に追われていた。倒して校庭に散らばる魔法使いの遺体を運んだり、一部倒壊してしまっている建物の修復作業だったり。いくらトップ陣が結界を張っていたとは言え、被害は甚大なものになっていた。結界の外には一切の被害がなかったことが唯一の救いか。
校庭の中央ではサーゼクス、セラフォルー、ミカエル、アザゼルの四人が部下に指示を出しながら話し合いをしていた。
「彼女、カテレアの件は我々悪魔側の責任だ。本当にすまなかった」
「俺も、ヴァーリが迷惑をかけた。未然に防げなかったのは俺の過失だ」
一概にどの陣営が悪いとは言えない。それぞれに何かしらの過失があった。
「さて、私は一度天界に戻り、和平の件を伝えてきます。『禍の団』についての対策も講じなければなりませんしね」
「ミカエル殿、今回はこのようなことになってしまい、申し訳ない」
「サーゼクス、気になさらないでください。私としても、三大勢力の和平が結ばれることに満足しているのですよ」
「ま、納得出来ない奴も出てくるだろうがな」
「長年憎しみあってきたのです、仕方がありません。しかし、これからは少しずつ互いを認め合えばいいでしょう。・・・問題は、それを否定する『禍の団』ですが・・・・」
「それについては今後連携を取って話し合うことにしましょう。それと彼も・・・」
サーゼクスが視線を移した先には、電話で誰かと話している悠時の姿が。内容までは聞こえないが、何やら深刻そうな顔をしている。
「あいつには俺から話そう。色々と考えもあるしな」
「それでは、彼のことはアザゼルに任せましょう。私はそろそろ天界に戻ります。すぐに戻ってきますので、その時に正式な和平協定を結びましょう」
「待ってくれ」
ミカエルがその場を去ろうとした時、それを引き止める者が一人。
「君は・・」
「私の名はウォズ。我が魔王の従者であり、預言者だ。今回の一件である存在が見えてきた。その事について、君達に教えておくよう我が魔王から言われてね」
「ある存在?」
「あぁ、歴史の歪みとも言える存在、”アナザーライダー”について」
・・・・・・・・・・・
それから数日、修復された旧校舎にあるオカルト研究部の部室にて、本来はそこにいないはずの人影が三つほどあった。
「てなわけで、今日からこのオカルト研究部の顧問になることになった」
「俺は仕方なく」
「私は悠時が入るから」
着崩したスーツ姿のアザゼルと、どこか不満げな悠時、そんな彼に苦笑いを浮かべている雪菜だ。
「・・・どうしてあなた達がここに?」
訝しげに・・・・むしろ睨むぐらいの勢いで悠時を見ているリアス。
「何、セラフォルーの妹に頼んだらこの役職になったのさ」
部屋中の視線が会長へと集中する。必死に視線を逸らしながら、会長はゴニョゴニョと話し始めた。
「出なければ姉を代わりに連れてくると脅され・・・・せがまれまして・・・」
「要するにオカ研を売ったわけね」
なんとまぁ正直なことか。完全に脅されたって言ったね。
「あれ、アザゼルさん、その左手は?」
イッセーが先の会談の際に自分で斬ったはずの左手がくっついていることに気づいた。待ってましたと言わんばかりに自分で製作した万能アームの解説をし出すアザゼル。
「まぁあなたはいいとしても・・・・何であんたもいるのよ」
「さっき言っただろ、仕方なくだ」
「仕方なく?どういうことだい?」
「そいつを連れてきたのは俺だ」
イッセーに解説をしていたアザゼルがこちらに気づき、話に介入してくる。
「元々俺たちと敵対していた奴らが『禍の団』に関わっていることが分かった。ただの人間として暮らしてるよりも、ここにいた方が俺としては都合がいいんだ」
イッセーの視界に雪菜が入らないよう立ち位置を変えながら話す悠時。イッセーが憎々しげに睨み始めた。あ、小猫に殴られてる。
今にも殴り合いそうな一触即発の雰囲気を醸し出しながら睨み合う二人だったが、そんな二人の間に一つの人影が割り込む。
「あ、あの・・・」
「あ、ギャスパーくん!久しぶり!」
アナザーキバの力を所有していた時とは違う、元々の性格が前面に出ているようだ。ビクビクしながらも何とか勇気を出して悠時と雪菜に話しかける。
「ギャスパー、体に何か異常はあったりしたか?」
「い、いえ、特にはないですけど・・・」
「そうか、なら良かった」
てっきり怒られると思っていたギャスパーは、まるで真逆の態度を取る悠時に驚く。
「どうしたの?」
「て、てっきり、怒られると思ってたので・・・」
「何で?」
「だ、だって、僕、みんなに迷惑をかけちゃって・・・・」
「でも、もう終わったことでしょ?悠時はそんなこと気にしないよ。ね!」
「何でお前が説明してんだよ・・・まぁそうだけど」
「ちょっと、何であんた達がギャスパーを知ってるのよ」
ギャスパーは会談のちょっと前まで封印されていた。そんなギャスパーのことを悠時達が知っていることに疑念以上の感情を抱いて食ってかかる。
「お前に教える必要があるか?」
「何様のつもり?都合のいいとか何とか知らないけど、私は部長よ?この部活に所属する以上、私の方が立場が上だということを忘れないように」
「はっ、よく言うぜ。ギャスパーの面倒も見切れずに投げ出したやつが」
「何ですって・・・!?」
「お前ら、そうすぐに喧嘩すんな!これからは一緒に鍛え上げていく仲なんだからよ」
「「は?」」
そんな話は聞いてないと、リアスだけでなく悠時も額に皺を寄せてアザゼルの方を見る。そのまま視線で説明するよう訴える。
「言ってなかったか?グレモリー眷属の実力の底上げをするって話。正確に言うと、俺と仮面ライダーのお前でこいつらの指導をするって事だ」
「何でこんな奴の指導なんて受けなくちゃいけないのよ」
「言っとくが、これはサーゼクスの命でもある。まぁ、どうするのかは仮面ライダーに一任するとのことだが・・・」
「その割には俺に話は通ってないのはどう言うことだ?」
「あ〜・・・・・悪りぃ、忘れてた!」
拳を握る悠時。慌てて悠時を抑える雪菜。雪菜がいなければアザゼルは今頃コカビエルの二の舞になってしまってただろう。
「まぁ悪かったって。でもほら、聞いた話じゃもうギャスパー・ヴラディには特訓してんだろ」
「ちょっと前の話だ・・・・・・・はぁ、しょうがねぇ。望む奴だけはしてやるよ。他の奴は知らん」
「ま、そう言うことだ。こいつら共々よろしく頼むぜ、リアス・グレモリー」
「・・・・はぁ」
リアスがまだ納得しきれないが、実の兄であり魔王でもありサーゼクスの命と言われたら諦めるしかない。顔を苦々しく歪めながらため息を吐くと同時に、会長が部屋から逃げ出した。完全に丸逃げするつもりである。
「つーわけで、これからは俺のことを『アザゼル先生』と呼べよ」
「そう言うお前も俺のことを仮面ライダーなんて呼ぶんじゃねぇ」
「んじゃ悠時な」
「・・・まぁそれでいいか」
とまぁこんな感じで、双方嫌々ではあるが、悠時と雪菜の二人は無事(?)オカルト研究部へと入部を果たした。これからどうなるのか分からないが、少なくともしばらくの間、イッセー以外の他の部員や雪菜の苦労が絶えることはないだろうことだけは確実だった。