時の魔王の歩む道・・・   作:蛇廻

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今回のライダーはあの狂った悪党と言えるアイツです。後雪菜の能力も登場します、みんなどんな能力なのかもう分かってるかもしれないけど・・・・。

それではどうぞ!


第五話

灰色のオーロラを通って公園内へと進入する悠時と雪菜。先ほどまでは空はオレンジ色だったはずだが、中は紫色のような空になっていた。

 

「何?この空・・・」

 

「おそらく結界の中だからだ。結界を張られた場所は、外とはまた別の空間だと考えた方がいいかもな」

 

悠時はそう言うと、今までのとはまた別のウォッチを取り出しながら歩き出す。雪菜も共に歩き出し、やがて広場に出てくる。そこには背中から黒い翼を生やした女が一人、そして、彼女の足下には腹に穴が開いている一人の男が血を流して倒れていた。

 

「えっ!?あ、あれって・・!?」

 

「手遅れだったか・・・」

 

「あら?おかしいわね・・・人払いの結界を張っておいたはずなのだけれど」

 

堕天使の女も二人に気付き、首を傾げる。そんな堕天使相手にも悠時は堂々と言い返す。

 

「あぁ、確かに張られてたぜ?俺には無意味だがな」

 

「もしかして、何かしらの神器持ちかしら?まぁどちらにせよ・・・・ここで死んでもらうけどね!!」

 

堕天使は空中に光の槍を生成、それを二人に向けて投げる。

 

「っ!」

 

「きゃ!」

 

悠時は急ぎ雪菜を押し出し、自身も雪菜とは反対側に飛んで避ける。着地すると同時に、手に持っておいたウォッチを起動させ、ベルトを装着する。

 

『マッドローグ!』

 

紫のフルボトル『バットフルボトル』と赤いフルボトル『エンジンフルボトル』を両手に持って振り、やがて腰に装着された赤いベルト『エボルドライバー』に装填する。

 

『蝙蝠!発動機!エボルマッチ!』

 

二本のフルボトルが装填されたエボルドライバーの青いレバーを回し、交響曲第9番が流れ始める。ドライバーからは紫と赤のチューブが天狗巣状に形成される。

 

『Are you Ready?』

 

「変身!」

 

『バットエンジン!フッハハハハハハハ!』

 

チューブが悠時の体に巻きつき、その体にアーマーを形成する。チューブが消えると、そこには黒のスーツに紫と白のアーマーが装着された『仮面ライダーマッドローグ』が立っていた。

 

「な、何よその姿!?そんな神器、聞いたことが無いわよ!!」

 

「また神器ってやつか・・・・後であいつに聞いておかないとな」

 

マッドローグは指で眼鏡を上げるような仕草をしながら呟くが、すぐに顔を上げて右手に持った紫の銃『ネビュラスチームガン』で堕天使に向けて光弾を放つ。

 

「っ!?」

 

「はっ!」

 

堕天使は咄嗟に翼で体を守るが、それにより視界が奪われマッドローグの接近を許してしまう。マッドローグを左手に赤いバルブが付いている剣『スチームブレード』で堕天使の翼を斬り付ける。

 

「きゃ!?」

 

「ふっ!はぁ!」

 

翼が開いた瞬間、マッドローグはスチームブレードを下から上に斬り付ける事で胴体をがら空きにし、そこに容赦無くネビュラスチームガンで光弾を何発も放つ。堕天使はその衝撃に押され吹き飛び、噴水に衝突する。

 

「くっ・・・・貴様ぁ、人間の分際でぇ!!」

 

『Ready Go!』

 

「ふん!」

 

背中から巨大な翼を展開し、堕天使に向かって突っ込む。

 

「きゃぁああああああ!!?」

 

『エボルテックアタック!チャオ〜!』

 

堕天使の翼から黒い羽が何枚も飛び散り、堕天使も苦しそうに立ち上がる。

 

「くぅ・・・ドーナシーク!カラワーナ!ミッテルト!あいつを殺しなさい!!」

 

堕天使が叫ぶと、また新たに3人の堕天使が現れる。

 

「まだいたのか・・・」

 

「レイナーレ様をここまで追い詰めた相手・・・生かしてはおけん!」

 

「レイナーレ様は早くお逃げ下さい!」

 

「我々の計画の邪魔はさせないっす!」

 

「計画だと・・?」

 

ドーナシーク、カラワーナ、ミッテルトと呼ばれた3人は光の槍をマッドローグに向かって投げ、その間に堕天使・・・レイナーレは翼を広げて逃げようとする。

 

「逃すか!」

 

マッドローグはそれに気付き、ネビュラスチームガンから光弾を放つが、ドーナシークが展開した魔法陣に妨害される。

 

「貴様の相手は我々だ!!」

 

「ちっ、邪魔だな!」

 

『ライフルモード!』

 

ネビュラスチームガンとスチームブレードを合体させてライフルモードにし、上空を飛んでいるドーナシークに向けて狙い撃つマッドローグ。それをドーナシークは魔法陣で防御し、その間に地上からミッテルトとカラワーナがマッドローグを襲撃する。

 

「喰らえっす!」

 

「!」

 

ミッテルトが光の槍でマッドローグを貫こうとし、それをライフルモードの状態のスチームブレードで受け止め、後ろから迫ってくるカラワーナの光の槍は展開した翼で防御する。

 

「あまり時間もかけるわけにもいかないし・・・一掃するならあれか」

 

マッドローグは一気に殲滅するために、3人から距離を離そうとする。が、ミッテルトとカラワーナによって上手く離れる事ができず、その間にドーナシークも近づいてくる。が、次の瞬間にマッドローグ以外の3人の動き・・・・・いや、時が止まった。

 

「!・・・・雪菜か」

 

突如時を止めた3人に、マッドローグは離れた場所で戦いを見守っていた雪菜の方を見る。彼女はこちらに手を向け、3人の時を止めていた。

 

「今回はあいつを連れてきて正解だったか・・・・・ふっ!」

 

今の内にと、マッドローグは3人から離れ、二本のフルボトルを取り出す。1つはガトリングが描かれている『ガトリングフルボトル』、もう1つはフルボトルとは異なる形状をした『ライダーエボルボトル』。マッドローグはこの二本をエボルドライバーに装填する。

 

『機関砲!ライダーシステム!クリエーション!』

 

レバーを回すと、エボルドライバーからチューブが伸び、マッドローグに横にオレンジと黒の銃『ホークガトリンガー』が形成され、マッドローグはそれを手に取る。

 

『Ready Go!』

 

『10・20・30・40・50・60・70・80・90・100!!』

 

『機関砲!フィニッシュ!チャオ〜!!』

 

『フルバレット!!』

 

マッドローグはホークガトリンガーの中心にあるリボルマガジンを十回回転させ、3人の堕天使に100発の銃弾を高速連射する。時を止められていた3人は避ける事は愚か動く事も叶わず、為す術なく銃弾を喰らう。やがて煙が晴れるが、そこにはもう誰も居なかった。

 

「ふぅ・・・・さすがにアイツはもう逃げ切られたか」

 

「悠時!」

 

ひとまずの戦いが終わった事に安堵しながら上空を見上げるマッドローグ。そこに雪菜が駆け寄ってくる。

 

「雪菜、さっきはありがとうな。おかげで助かった」

 

「ううん、役に立てたなら良かった」

 

「あぁ・・・・・!雪菜!!」

 

「ふぅえ!?」

 

雪菜の言葉に返事をするマッドローグだが、あるものが視界に入った瞬間、マッドローグは突如雪菜を引き寄せ、肩アーマーから煙を噴出して転移する。急な事で何があったか理解しきれなかった雪菜だが、唯一分かったのは倒れている男のすぐ近くに、紅い魔法陣が展開された事だけだった。

 




未だに名前が出てない原作主人公・・・・しばらく出番無いかも。

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