時の魔王の歩む道・・・   作:蛇廻

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本編ではキャラ的に違うからここで・・・・宇宙キターーーーーーー!!


第六話

マッドローグの転移能力を使い、公園からクジゴジ堂へと戻ってきた二人。マッドローグは変身を解き、悠時の姿に戻る。

 

「悪いな、急に転移して・・・」

 

「う、うん、転移したのはいいんだけど・・・・さっき光ってたあの魔法陣は?」

 

「あの紋章・・・・ほぼ間違いなくリアス・グレモリーの物だ。俺は素顔が隠れていたからあの場にいてもどうにかなったが、お前はそうじゃ無い。奴に顔がバレてから転移したんじゃ奴は顔からお前を調べ上げる。そして接触してくるはずだ、同じ学校なら尚更」

 

悠時は口早に告げる。もし、あのまま公園に止まってリアスと接触してしまった場合、高確率で雪菜の顔は目撃される。そうすればリアスは持てる力全てを使って雪菜の素性を調べ上げ、連鎖的に悠時まで辿り着いてしまう。

 

「少なくとも奴と接触する前に離れたから、雪菜の事も見られてないはずだ。せいぜいあの場所で戦いがあったと分かるぐらいのはず・・・・・・ま、雪菜は心配する必要はないはずだ。気にするな」

 

「そうなんだ・・・よかったぁ〜・・」

 

「さて、俺は逃げた堕天使・・・あのレイナーレって呼ばれていた堕天使を捜索してくる。おそらくまだ近くにいるはずだからな」

 

「え?でも、もうそれなりに時間が経っちゃってるよ?もうこの街にはいないんじゃ・・・」

 

「いや、それは無い。さっき倒した堕天使は『計画の邪魔はさせない』って言っていた。つまり奴らはこの街で何かを企んでいた・・・ってことは、そう遠く無い場所に奴らが拠点としている場所があるはずだ」

 

「あ、そっか!」

 

「だが、奴らの計画ってのが何なのか分からない以上、のんびりしている暇は無い。なるべく早めに対処するべきだ。・・・これ以上誰かが犠牲にならない内にな」

 

悠時は静かに、だが確かな怒りを感じながら話す。そして懐から今までのウォッチとは異なった形状をしている赤いウォッチを取り出し、起動する。

 

『サーチホーク!』

 

「堕天使の拠点を探してほしい。頼むぞ」

 

ウォッチが変形したタカ、『タカウォッチロイド』は悠時の言葉に頷き、外に出ていく。そして、悠時も『バイク』と書かれているウォッチを取り出し、外に出ていこうとする。

 

「俺も行ってくる。雪菜は休んでいろ・・・・・あぁそうだ、もしも暇が出来たら、アイツに神器って奴について聞いてくれないか?」

 

「分かった」

 

「頼んだぞ、それじゃ行ってくる」

 

バイクウォッチを起動し、放り投げる。するとウォッチは空中で変形しながら巨大化し、『ライドストライカー』へと変形を果たす。

 

「さてと、タカからの連絡が来るまで俺もしらみ潰しに探してくるか」

 

悠時はライドストライカーを動かし、街に繰り出す。人に危害を及ぼす堕天使を駆除するために・・・・。

 

 

 

 

・・・・・・・

 

 

 

しばらく街中をバイクで走っていた悠時、そこにクジゴジ堂で放ったタカウォッチロイドが戻ってきた。

 

『サガシタカ・タカ〜♪』

 

「お、堕天使の居場所を見つけたのか?」

 

悠時の言葉に頷くタカウォッチロイド。

 

「よし、早速案内してくれ」

 

タカウォッチロイドは方向転換し、ある場所目掛けて飛行し始める。悠時は前を飛行するタカウォッチロイドを見失わない様に気をつけながらその後を追う。やがて小さな林の中を抜け、教会の裏側に辿り着く。

 

「これは教会か・・・・にしても随分寂れているな。もう使われなくなっていたのか?だとしたら人も来ないだろうし、悪魔も近づけない以上隠れ場所としては十分か・・・・ん?」

 

天使の所有物である教会には悪魔は容易には近づけない。すでに捨てられててもそれは変わらない。こそこそ隠れて何かを企んでいる堕天使からしたらこれ以上無い隠れ場所だ。悠時はその事を考えていると、タカウォッチロイドが地面の方を指す。

 

「・・・なるほど、地下があるのか。なら・・・」

 

『フォーゼ!』

 

ウォッチを起動し半透明で4つのアストロスイッチが嵌められているベルト『フォーゼドライバー』が装着され、ライドストライカーから降りた悠時はベルトに付いている4つの赤いボタンを右から順に押していく。

 

『3・2・1!』

 

「変身」

 

ベルトの右側に付いている大きなレバーを引き、周囲に白い煙が包まれ、悠時の真上から降り注ぐ様に光が出現し、白いアーマーが悠時を包む。煙が晴れると、そこには白い宇宙服を模したスーツに身を包んだ『仮面ライダーフォーゼ』が姿を現した。

 

「宇宙来た・・・てか?」

 

『ドリル・オン!』

 

ベルトに装填されている黄色いスイッチのオンにすると、フォーゼの左足にドリルが装着される。ドリルは回転し始め、地面に穴を開けながら地下へと進んでいった。進み続けたフォーゼはやがて、大きめな広い空間へと辿り着いた。

 

「な、何!?」

 

「よっと・・・おぉ、思ったよりも広いな」

 

突然現れたフォーゼに、地下空間にいたレイナーレと、沢山のはぐれ神父が驚きを隠せずに動揺する。フォーゼははぐれ神父には目もくれず、巨大な黒い装置に前にいたレイナーレの方を見る。

 

「ま、まさか・・・さっきの奴の仲間!?」

 

「残念だがハズレだ。苦労したんだぜ?堕天使3人を倒して逃げたお前を探すのは」

 

姿が違う事からマッドローグとは別人と考えたレイナーレだったが、その考えはフォーゼによって一瞬で壊される。先ほど自身を追い詰めた相手が仲間の堕天使を討ち倒し自分を追ってきた・・・・この事でレイナーレはフォーゼが自分をどうしようとしているのかは想像できてしまった。

 

「あ、あなた達!こいつを殺しなさい!!」

 

レイナーレはフォーゼの後ろにいたはぐれ神父達に命令を下す。命令を受けたはぐれ神父が光の剣や銃を取り出すが、次の瞬間には全員の時が止まる。

 

「俺がここに来たのはこいつらの相手をするためじゃ無い・・・お前の目的、計画とやらを聞きに来たんだよ」

 

「ヒッ!?」

 

フォーゼははぐれ神父達を時を止め、相手が気絶しない程度の殺気をレイナーレへとぶつける。殺気を受けたレイナーレは恐怖を感じて座り込み、ガタガタと震える。

 

「さぁ教えてくれよ、お前の計画って奴を」

 

「わ、分かった!教えるわ!!」

 

教えれば命が助かると思ったのか、レイナーレは自身の企みを何1つ隠さずに話していく。先ほど人間を一人殺したのは危険な神器をその身に秘めていると分かったから。自分の目的は神器『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を所有しているシスター、アーシア・アルジェントをこの教会に呼び出し、その神器を奪って自らの力にしようとした事。全てを聞き終えたフォーゼは満足したのか、レイナーレに背中を向ける。

 

(た、助かった・・?・・は・・・・ははは・・・あっははははは!やった、助かったわ!!命があればまだ計画を実行できる!力を手に入れられる!でもその前に・・・この人間を・!)

 

背中を向けている今なら簡単に殺せると思ったレイナーレは、その手に光の槍を出現させる。そしてそれをフォーゼの背中へと・・・・

 

『ドリル・オン!』

 

『ドリル・リミットブレイク!』

 

「はぁあああああああああ!!」

 

「きゃああああ!?」

 

突き刺す前にフォーゼによってドリルを突き刺されたレイナーレ。高速回転するドリルはレイナーレを巻き込み、辺りに血が飛び散る。いくら堕天使ともいえど、腹にドリルを突き刺され、さらに回転に巻き込まれれば体はもちろん内臓も只では済まず、すぐに力尽きる様に倒れ伏した。

 

「自分の都合で人間を殺そうとした事・・・・そんな奴を、俺は見逃すつもりはない」

 

『ロケット・オン!』

 

フォーゼはそう言い残すと、入った時に開けた穴を通って地上へと出て行った。フォーゼが離れた事により止まっていたはぐれ神父達が動き出したが、すでに彼らの雇い主に死に絶えており、何が起こったのかを理解する事はできなかった。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

「かくして、我が魔王・湊悠時は堕天使レイナーレの野望を人知れずに阻止した。だが、彼女の野望は原作では重要なイベントの1つ・・・・もうこの世界は本来歩む時間から大きく外れてしまった。多くの転生者、そしてその転生者を狩る我が魔王の介入により、この世界の未来は誰にも分からなくなってしまった、当然この私も・・・・さて、そろそろ私も二人に合流するべきか・・」

 

『ウォズ!』

 

 

 




しばらく原作本編から離れると思います。

さて、次回のライダーは何かな?


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