時の魔王の歩む道・・・   作:蛇廻

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久しぶりに登場、転生者。何か転生者の特典として使えそうなものないかな?


第七話

「はぁ!」

 

「うわぁああ!?」

 

堕天使レイナーレの一件から約一ヶ月、悠時は雪菜と協力しながら転生者の魂を回収していた。

 

「はい、回収っと」

 

「今の魂で大体3分の1ぐらいの魂を回収できた」

 

「思ったよりも早いね。もう3分の1かぁ」

 

「あぁ・・・・・だが、俺達が回収したのはその内の大体半分だ」

 

「?・・・どういう事?」

 

「俺達以外にも、転生者の魂を回収している奴がいるって事だ」

 

疑問を感じる雪菜だが、悠時は至って冷静に考える。実際、悠時は既に誰の仕業なのか検討が付いていた。

 

「どこに行ってるのかと思ってたが、どうやらあいつもこの世界に来ていたらしい。その内、あっちから接触してくるさ」

 

よっぽどその相手を信頼しているのか、悠時は全く警戒する素振りをみせずに歩き出す。雪菜はその相手が誰なのか全く検討がつかず、首を傾げるばかりだった。

 

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

丁度その頃、問題の人物はある空間にいた。厳密に言えば精神だけがある空間へと移動していた。その空間は周囲の全てが白い空間で出来ていて、空中には大量の本棚が浮かんでいる。

 

「ふむ・・・・これが本来であればこの世界に訪れるはずだった未来か・・」

 

その人物は大量の本の中から一冊を抜き取り、読みふける。その本は赤一色といったもので、表紙には『High School D×D』と書かれていた。

 

「転生者や我が魔王の介入でこの未来がどう変化するのか・・・・ん?」

 

何かに気づいたのか、持っていた本を閉じて意識を現実へと戻す。

 

「おや?あれは・・・・ふふ、丁度いい」

 

現実では彼はあるビルの屋上に立っていた。そこから地上を見下ろしていたが、ある人物を見つけた瞬間に笑みを溢す。彼は首に巻かれていたローブを動かすと、ローブは空中を自由自在に動き出し、彼を包み出す。やがてローブがそこから離れると、そこには誰もいなくなっていた。

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

「どういう事だ・・・なぜアーシアがグレモリー眷属にいない!!」

 

とある路地裏、そこでは転生者と思しき男が自分の知っている話と今現在起こっている事が食い違っている事に気づき、苛立っていた。辺りに置かれているゴミ箱やらパイプやらを手当たり次第に蹴り飛ばしている事から相当苛立っている様だ。

 

「まさかまだ原作が開始されてないからか?・・いや、もう6月になっているんだ、それは無い。・・・クソがっ!!」

 

この男は学生というわけでもなく、駒王学園内の事情を知れる立場にいるわけではないが、原作のスタートした時期から考えてその可能性は無いと考える。だが他の考えが浮かぶわけでもなく、自らの特典で入手した能力を使って辺りに炎を撒き散らす。

 

「やれやれ・・・随分野蛮だな」

 

「っ・・誰だ!?」

 

男が声をした方に振り向くと、そこには先ほど屋上から姿を消した彼が立っていた。

 

「・・?お前・・・どこかで」

 

「生憎だが、私と君は初対面だ。最も、君の事は知っているがな」

 

彼はそう言うと、懐から黒と緑のドライバーを取り出し、自らの腰に装着する。

 

『ビヨンドライバー!』

 

「・・・・!そうだ、思い出した!お前は!!」

 

『ウォズ!』

 

さらに悠時が持っている全てのウォッチと全く別の形状をした、縦に細長いウォッチ『ウォズミライドウォッチ』を起動した。そのミライドウォッチを腰に装着しているビヨンドライバーの右側のレバーにセットし、再びミライドウォッチの起動ボタンを押してカバーを開く。

 

『アクション!』

 

彼の後ろには緑のプロジェクターの様なものが出現し、周りを緑のライトが取り囲む。

 

「変身」

 

『投影!』

 

彼がミライドウォッチが装填されているレバーを倒すと、ドライバー内部にミライドウォッチに描かれていたライダーの顔が投影される。

 

『フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!!』

 

後ろのプロジェクターから青い『ライダー』の文字が飛び出し、彼の体に白いスーツが形成され、上から胸、肩、足にアーマーが装着される。最後に飛び出したライダーの文字が顔面にくっつく。彼は本来の未来とは異なった未来からやってきた『仮面ライダーウォズ』へと変身を遂げた。

 

「祝え!過去と未来を読み解き、正しき歴史を記す預言者。その名を仮面ライダーウォズ!新たなる歴史の一ページである!」

 

左手に『逢魔降臨歴』と書かれている本を持ちながら高らかに宣言する仮面ライダーウォズ。転生者の男はこの世界に仮面ライダーがいるとは思ってなかったのか、思わず後ずさってしまう。

 

「仮面ライダー・・!なんでこの世界に・・!?」

 

「君が知る必要はない」

 

『ジカンデスピア!ヤリスギ!』

 

ウォズは黒くヤリと書かれている武器『ジカンデスピア』のヤリモードを手に持つ。

 

「はぁ!」

 

「ちっ!?」

 

早速ジカンデスピアで突き始めるウォズ。最初こそ避けるのに専念していた転生者だったが、ジカンデスピアのリーチの長さに徐々に擦り始める。

 

「くそ!喰らえ!!」

 

転生者はウォズに手を向けて炎を出す。だが、ウォズはすでに知っていたため、全く動揺せずに紫のミライドウォッチ『シノビミライドウォッチ』を起動した。

 

『シノビ!』

 

「その程度の能力で、私を倒すのは不可能だ」

 

『アクション!投影!』

 

レバーを倒し、ウォズの顔にシノビと書かれているミライドウォッチをドライバー内部に投影させる。

 

『フューチャータイム!誰じゃ?俺じゃ?忍者!?フューチャリングシノビ!シノビ!!』

 

胸と肩に手裏剣のアーマーが追加され、紫の色が追加されたウォズの体に、複眼の『シノビ』の文字。『仮面ライダーウォズ・フューチャリングシノビ』へと姿を変えた。

 

「はっ!」

 

『カマシスギ!』

 

ジカンデスピアをカマモードへと変形させたウォズは自分を包むように煙を撒き散らし、相手から見えないようにする。

 

「煙幕か・・・だが無駄だ!俺はお前のその姿を知っている!どこから来ようが・・・」

 

「ふん!」

 

「なっ!?正面からだと!?」

 

前世の記憶からウォズのフューチャリングシノビを知っていた転生者は、煙幕の撒いた事でウォズが死角から攻撃してくると考えた。が、ウォズはその予想に反し、自分を覆った煙幕の中から突撃してきた。死角からの攻撃を予想していた転生者はとっさの事に対応できず、ウォズによって切り裂かれる。

 

「ぐぅああああああ!?」

 

「大方君は私が死角から攻撃するっと思ったんだろうが・・・・甘いな、すでにバレている正当な方法で攻撃する必要などどこにもないのだから」

 

『仮面ライダーウォズ!ウォズ!!』

 

再びウォズの姿に戻ると、レバーを一度起こす。

 

『ビヨンド・ザ・タイム!』

 

再びレバーを倒して、腰を低くして構える。転生者の背後にはキューブ状の時計型エネルギーが配置され、周りにはキックの文字が回転する。

 

『タイムエクスプロージョン!』

 

「はっ!」

 

ウォズが飛び上がると、転生者の周りを回転していたキックの文字が全てウォズの右足に吸収され、エネルギーが纏われる。ウォズはエネルギーが纏われている右足を後ろ回し蹴りで転生者にぶつけ、後ろに配置されているキューブに吸い込ませる。ウォズが地面に着地した瞬間、転生者を吸収しキューブは爆発を起こし、後には何も残らなかった。

 

「これで20人目・・・・先は長いな」

 

変身を解除し、転生者がいた場所を振り返って眺める。やがて興味を無くしたように、ローブを使ってその場から消えた。

 

 

 

彼の名は『ウォズ』。転生者狩りを行う一人であり、悠時の本来の力である『オーマジオウ』の忠実なる臣下である。

 

 




前回原作本編からしばらく離れると言ったな?あれは嘘だ。

・・・・ごめんなさい、書いてたら次回は原作に戻ってもいいじゃんって事になったので。次回は原作です。あぁ、とは言っても流石にライザー戦は省力します。悠時達とはなんも関係ないしね。


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