時の魔王の歩む道・・・   作:蛇廻

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三話ぶりに主人公の変身!今回のライダーは・・・・『その命、神に返しなさい!』


第九話

悠時とウォズの会合から数日、ウォズの言うとおり駒王学園に二人のエクスカリバー使いがやってきた。彼女達は残りのエクスカリバーの内二本、『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』と『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』を持っている。彼女達がこの街の管理者であるリアス・グレモリーに会いに来たのはこの街での活動を許可してもらうのと、手出しをしないように忠告しにきたらしい。リアスのこれを了承、話はそれで終わるかと思われたが、グレモリー眷属の一人である木場が『破壊の聖剣』を所有している『ゼノヴィア・クァルタ』と交戦、敗北する。ここまで説明口調で話したが、大体こんな感じのことが起こった。因みに言うと悠時はこの事をウィザードの力の1つ『スモール』を使って密かに盗み聞きをしていた。

 

(あの様子・・・何があったかは知らねぇが聖剣に対してとてつもない憎しみを抱いてたな、木場の奴・・・)

 

様子を見ていた悠時は一人でそんな事を考えていた。現に木場は敗北した後、姿を消した、おそらく他の人たちの迷惑になると考え一人での行動に移ったのか、ただ仲間の事はどうでもいいと思ったのか、少なくとも聖剣を持つ者を探しているのは間違い無いだろう。

 

(・・・復讐・・か)

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

 

 

次の日の夕方、悠時は一人クジゴジ堂にいた。今現在雪菜は花と出かけているため、帰ってくるのにはもう少しかかるらしい。一人残っている悠時は何をしているのかと言うと・・・

 

「え〜と、ここはこうして・・・んで、こうすれば・・よし、数学の宿題はこれで全部だな」

 

絶賛宿題中である。転生者の魂を回収しているとはいえ、悠時も雪菜もまだ学生の身、当然学校の課題はやらなければならない。しばらく宿題をやり続けて数十分、悠時はペンを置き顔を上げる。

 

「・・・あれ?もうこんな時間か・・・そろそろ夕飯でも作り始めるか・・」

 

席を立ってキッチンに向かう悠時。そこで雪菜の事を思い出す。

 

「雪菜の奴、遅くねぇか?連絡は・・・特に入ってないか。・・まぁ、あいつの能力の事を考えたらそう簡単に危険な目に遭ってるとは思ねぇし、大丈夫だろ」

 

口ではそう言うが、その視線は時計と携帯を何度も交互に見る。全くもって落ち着きがない。

 

「言葉と行動が合ってないよ、我が魔王」

 

「ウォズ・・・いつからいたんだ」

 

「数学の宿題はこれで全部・・・辺りからかな?」

 

「だいぶ前じゃねぇか!?」

 

悠時が気づかなかっただけでかなり前からクジゴジ堂にいたウォズ。一切物音がしていなかったのだが、何をしていたのだろうか?

 

「それよりもいいのかい?我が魔王・・・・今、彼女は大変な目に合っているんだが」

 

「・・は?大変な目?」

 

「雪菜君は数十分前からはぐれエクソシストの一人に追われている。しかもご丁寧にエクスカリバー使いだ。今もなお逃げているはずだよ?」

 

「・・・いや、だとしても雪菜は俺と同じ能力を持っている。逃げる事は容易いはず・・・」

 

「彼女は能力に覚醒してから日が浅い。まだ我が魔王の十分の一くらいだ。今の彼女は下級堕天使3人程度ならともかく、エクスカリバーの力を止める事はできない、当然・・・エクスカリバーを使っている者も」

 

ウォズが言い終わるや否や、悠時はクジゴジ堂から飛び出す。しばらくし、外からバイクのエンジン音が聞こえてきた。

 

「やれやれ、相変わらずだな我が魔王は・・・・」

 

一人残ったウォズはそう呟き、肩を竦める。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

雪菜は走り続けていた。数十分前に友人の花と別れクジゴジ堂を目指して歩いていた彼女だが、突然悲鳴が聞こえ、そちらに向かってしまったのが失敗だった。その先には、血塗れで倒れ伏している一人の人間と、血が滴り落ちる剣を片手に持った白髪の神父の姿が。その神父は雪菜に気づくと剣を振い、雪菜は急いで逃げ出した。だが、神父の方も目撃者を逃すつもりはないらしく、この数十分間追いかけっこを続けていた。

 

「ひゃはははは!!いつまで追いかけっこ続けるんですか〜、お嬢さん!?」

 

追いかけながら叫ぶはぐれ神父。その余裕な態度に、雪菜はより一掃焦りを感じる。雪菜自身は気づいていないと思われるが、はぐれ神父は雪菜に追いつかない程度の速度で追いかけていた。その理由は単純に遊びだ。

 

(どうしよう・・・・このままじゃ・・!)

 

すでに数十分走り続けていた雪菜の体力はどんどん限界に近づいている。むしろここまで走り続けていられただけ奇跡に等しい。

 

「きゃ!」

 

とうとう躓いて倒れてしまう雪菜。後ろからははぐれ神父が歩いてきている音がし、雪菜は恐怖を感じ後ろに後ずさる。

 

「おんや〜?もう追いかけっこはお終いかな〜?ひゃははは!」

 

口角を上げながらゆっくりと近づいてくるはぐれ神父。雪菜はせめてもの抵抗に、はぐれ神父の時を止めようとする。

 

「っ!!」

 

一瞬だけ動きが止まるはぐれ神父。だが、すぐに動き出す。

 

「そ、そんな・・なんで!?」

 

「ん〜?今何かしたのかなぁ〜?まいっか!」

 

等々目の前にまで迫ってきたはぐれ神父は、持っている剣を振りかざす。雪菜は目を閉じ、涙がこぼれ落ちる。

 

(助けて・・・悠時!!)

 

瞬間、はぐれ神父の体が何かの衝撃を受け、横に吹き飛ばされる。あまりにも突然な出来事に、はぐれ神父はもちろん目を開けた雪菜も理解ができなかった。

 

「間に合ったか・・」

 

「!」

 

すぐ近くから聞こえてくる声に雪菜は顔を上げる。そこには、雪菜が待ち望んでいた人物がいた。

 

「悪いな、怖い思いさせちまって・・・・」

 

「・・悠時ぃ・・!!!」

 

思わず泣き出してしまう雪菜。悠時は申し訳なさそうに顔を伏せるが、すぐに顔を上げてウォッチを取り出す。

 

「ちょっと待っててくれ、すぐに終わらせるから」

 

雪菜の頭を撫でた悠時は立ち上がり、先ほど自身の力で吹き飛ばしたはぐれ神父の方へと歩き出す。

 

「いっつつつ・・なんですかぁ!?一体何があったんですかぁ!?」

 

「フリード・セルゼンだな?」

 

「ん?誰だお前?」

 

はぐれ神父、もとい『フリード・セルゼン』は悠時に気づき、首を傾げる。

 

「今の俺はとてつもなく機嫌が悪くてなぁ・・・手加減できる自信はないが、別にいいよな?」

 

『イクサ!』

 

腰にイクサベルトが装着され、右手には『イクサナックル』が持たれる。悠時はイクサナックルを左手に押し付ける。

 

『R・E・A・D・Y』

 

「変身!!」

 

『F・I・S・T・O・N』

 

イクサナックルをイクサベルトに装填し、悠時の目の前にホログラムが出現。ホログラムは白いアーマーに変化し、悠時に装着され、顔の装甲が動き赤い複眼は露わになる。かつて人間が未知なる脅威を迎え撃つために開発した戦士『仮面ライダーイクサ・バーストモード』へと変身を遂げた。

 

「フリード・セルゼン・・・・その命、神に返しな・・!」

 

 

 




戦闘はまた次回ですね。コカビエル戦では何を出そうかな・・?

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