サツキさんがどこのパーティにも入らない件について。
今は第2層です。
今までは少なくとも、もう他のパーティに入っていたのですが、なぜか今回、サツキさんはまだソロのままです。
ちょっと流石にまずいので、サツキさんを説得に行きましょう。
「早くパーティを見つけて入れ」
「嫌です」
むぅぅ、とサツキさんは顔を膨らませています。
不機嫌です、不愉快ですとサツキさんの顔に書いてあるようです。
可愛い。
つまりサツキさんは正義と。
「ソロは危険だらけだ、今はまだなんとかなっているかもしれないが、すぐに死ぬぞ、だからすぐにどこかのパーティに入れと、前も言っただろう」
「嫌です、ヒー君がソロでいる間は、私もソロプレイいたします」
「駄目だ、ソロプレイは危険すぎる、サツキの戦い方では今後スタンなどの状態異常を付与してくる敵が現れたら、死ぬしかなくなる、だからどこかのパーティに入ってくれ」
「ヒー君のパーティになら入ります」
「駄目だ」
ここまではっきり断ったら、基本的には別のパーティ組んでくれるんですけど、今回は頑なですね。
どうしましょうか?
「頼む、俺は、心配なんだ」
タイムが。
「……え?」
「サツキが死んだら、俺は……」
もうリセットするしかなくなるじゃないですか。
「サツキがソロで戦っていると、安心できない、いつ死んでしまうか、……気が気じゃないんだ」
「あ、あの、そ、それは」
本当、心臓に悪いです。
せっかく久しぶりに第2層までこれたのに、即リセットは辛すぎます。
「だから、頼む、どこかのパーティに入ってくれ」
「……ずるいです、自分だけ、私だって、ヒー君の事が!」
「おーい! ヒャッカー!」
あ、エギルさんですね。
「どうした」
「呼ばれてるぞ、早くはじまりの街に行ってくれ」
「そうか、すまない」
「ったく、誰でもいいからフレンド登録しろよな、そうすれば連絡が容易に取れるようになるんだからよ」
「それは、すまない」
「ま、いいさ、ヒャッカにはヒャッカの事情があるって事だからな、っと、すまなかったな、サツキさん、話の邪魔してよ」
「いいえ、大丈夫です」
「そうか、じゃあな! お二人さん! 姉弟仲良くな!」
その後、サツキさんは他のパーティに入ってくれました。
いやー、良かった良かった。
では、はじまりの街に向かって、軽く用事を済ませましょう。
はい、では次にコミュ障に働いてもらいましょう。
ここのボス戦なのですが、迷宮区近くの密林に開始イベントがある連続お使いクエストをクリアすれば真のボスモンスターの情報と、ボスの弱点や攻撃パターンの情報が手に入ります。
そうすると攻略がかなり楽になりますので、このクエストのクリア情報だけは必要です。
いや、楽になるというより、もうすでに強化詐欺を潰している関係上、自分が何もしなければこのボス戦で大活躍するレジェンド・ブレイブスがいません。
その為、この情報がなければここで攻略組は壊滅します。
つまり必須イベントですね。
ではコミュ障にクエストクリアで得た情報をアルゴさんに送ってもらいましょう。
はい第2層クリア。
いいですねぇ、順調ですねぇ。
第2層ボス戦でも、自分は不測の事態に備えて全体を見ながらたまに大声で叫んでいました。
そのお陰で、これ以降のボス戦では、自分は基本的に不測の事態に対応できるようにフリーな立場を与えられます。
このお陰で、攻略組を出来るだけ死なないように誘導できるようになりました。
それと、レベルが全体的に低いので、ボス戦後、βテスターということを生かして、次の層での注意点を皆に伝えましょう。
これをしないと、死ぬ人が出てきます。
なんどもやりなおしながら、なんて言えば誰も死なないかの検証はすでに済んでいるので大丈夫です。
さて、ではまたはじまりの街に用があるので、そちらに行ってから
この第3層の攻略頑張りましょう。
はい攻略。
第4層なのですが、ここは
はい攻略。
とりあえず、現時点ではかなりうまく行っているのではないでしょうか?
時々はじまりの街に向かっていたのは、とあるギルドを作ってもらう為です。
攻略ペースは今、かなり高いですが、何もしなければ当然どんどん攻略ペースが落ちていきます。
なので、攻略ペースが落ちないよう、昔助けた1000人以上の方の中から協力的な人間を集めて、本格的な職人プレイヤー育成ギルドや、アルゴを中心とした情報屋ギルドを立ち上げさせます。
この職人プレイヤー育成ギルドは、はじまりの街で何もしていないゴ……一般プレイヤーどもを働かせるためのギルドです。
ギルドメンバーに素材を中層で集めさせ、その集めたものをはじまりの街にいる人に料理させたり裁縫させたり、もしくは釣りをさせたり、歌を歌わせたりと、色々やらせます。
それらを、攻略に役立てます。
SAOの食事は、何もしなければ不味いです。
でも、スキル熟練度の高い料理人がしっかり料理したものは美味いです。
そう行ったものを攻略組に優先的に提供させて、士気をあげさせます。
例えば、料理屋でいうと、一般プレイヤーは順番待ちがありますが、攻略組には一切順番待ちはありません。
たとえ一般プレイヤーで席が埋まっていても、その一般プレイヤーが食事中であろうとも、強制的に退かされ、攻略組の方が座り、最優先で料理が作られます。
と言った感じに。
裁縫スキルをあげさせているプレイヤーたちも、先に依頼されていた一般プレイヤーの仕事よりも、誰よりも攻略組を優先するように伝えます。
そして、いくらでも一般プレイヤーは待たせて良いと。
歌を歌うプレイヤーも、ライブチケットは攻略組が最前列優先権が与えられると。
これらは、ちゃんとゴミげふんげふん、一般プレイヤーの方々も納得させています。
ある程度不満はありましたが、不満を言うなら攻略組になればいい、と言います。
彼らが最前線で戦っているのはプレイヤーを解放する為だと、それなのに、彼らの邪魔をするということは、このゲームを長引かせたいということか?
我々プレイヤーが一丸となって当たる問題であるべきなのに、現状はプレイヤーの中の一部、攻略組にすべてを委ねてしまっている。
だから我々は最大限彼らを支援しなければならないと。
そうやって、攻略組を全力で特別扱いさせています。
これらをやると、かなり攻略組の士気が高まります。
みんなから応援され、誰よりも早く飯が食え、良い服を作ってもらえて、娯楽も最前列で楽しめる。
最高の優越感を感じられますからね。
あと、中層プレイヤーの育成にも力を入れていきます。
効率の良い狩場の情報、良いクエスト、そういったものをしっかりと
アルゴさんをメインとした情報屋ギルドを作って、全体に発信させます。
これをやると、攻略組はますます力を出します。
下から追い抜かされて、攻略組から脱落すれば、攻略組優先権が使えなくなってしまいますし、それに何より彼らのプライド、数千人のプレイヤーの頂点に立つ最強の剣士でありたいという執着心が刺激されて大いに頑張ってくださいます。
それに、攻略組はかなり攻略速度を上げているので、中層プレイヤー達にこれくらいの支援をしないと、とあるイベントが発生しなくなってしまいます。
それが発生しないとキリトくんが強くなりません。
でも、そのイベント発生させると、昔は半分の確率でリセットとかいう最悪なイベントだったので、かなり辛かったです。
しかし昔、遊びのプレイの時に、なんとか女性の着替えを覗けないものかと、いや、むしろ着替えの最中にその部屋に無断で進入できないものかと必死で考えて、1年くらい壁抜けバグとか出来ないかと永遠に壁に向かって走り続けたり、あと、転移結晶を使う直前でキャンセルしたら体だけ転移して意識はその場に残る透明人間状態とかなれないかな、と考えて、何個も何個も無駄に転移結晶を使ったりと、そういった真摯な実験をしていた時に思いついた方法をつかえば、その半分の確率を潰せました。
なので、中層プレイヤーの育成も頑張りましょう。
とは言っても、頑張りすぎてはダメです。
攻略組は、もう人数制限を定めてあります。
48人のフルレイド、これ以上はいらないので、中層プレイヤーには、攻略組の中で堕落したものが出てくるまでは、攻略組に追いつかせません。
まあ、これは何もしなくとも攻略組のペースの速さは異常なので大丈夫なのですが。
攻略組の方々なのですが、確率によって、一部堕落してしまう方がいます。
そういった方々は、残念ながら、もう攻略組ではありません。
そして、それ以降、見ることはなくなります。
その方々の装備やアイテムは自分が有効活用させていただいて、こっそり退場していただきます。
まあ、これは条件が上手く合わなければ出来ないので、最悪退場だけしていただきます。
意図的に情報を伏せたり、やばい場所に誘導したりと、いくらでも方法はあるので、退場だけなら案外簡単ですよ?
そして、予備の中層プレイヤーを攻略組に入れていきます。
まあ、誰も堕落しないことが一番なんですがね。
でもそんなことはできないので。
多分このやり方が一番早いと思います。
まだ完全にはこの形まで進められてはいませんが、もう少ししたら良い感じになるでしょう。
とりあえずは、この形を早く完成させることと、とあるキリトさん強化イベントまでにアイテムを入手していなければ半分の確率でリセットなため、そのアイテムが出る確率がある宝箱は全て開けます。
そのアイテム、かなりレアで、基本的に低階層ではほとんど出てきません。
出てくる可能性があるのは、とってもわかりづらい隠し部屋の宝箱です。
それらから、そのレアアイテムが出てきてくれれば、とてもありがたいです。
もしキリト強化イベントで使わなくても、いくらでも使い道のある神アイテムなので、大量に入手できるならしたいですね。
因みに、バグ等はこのゲームほとんどありません。
あってもすぐにカーディナルか誰かに修正されてしまいます。悔しい。