さて、第5層になりました。
良い感じです。かなり良い感じです。
とりあえずギルドの方はある程度形になってきました。
とは言っても、当然ギルドには所属しません。
ただ単に、助けた恩を盾に言うことを聞いてもらっているだけです。
さて、今レベルもレベルキャップがきて、もうこの階層ではほとんどレベルがあげられなくなってしまいました。
それでも戦い続ければ、いつかはレベルがさらに上がりますが、今回は他のことをしましょう。
とは言っても、現状は上手くいきすぎて逆に何もやることがないんですよね。
驚きです。
武器も防具も既に新調されていますし、ギルドの方も今自分がやれることは何も無いですし。
まさか遊び回では無くRTA中に、上手くいきすぎて逆にやる事が無い、なんてことになるとは。
いつもは、武器の新調にかなり時間がかかっていました。
でも、今回何と、たった3時間程度でレアドロップを引いたんですよね。
その武器の新調方法が、事前にアイテムストレージに限界重量までアイテムを入れた状態で、敵が落とすレアドロップを粘るというものです。
レアドロップもアイテムストレージがいっぱいじゃなければ、勝手にアイテムストレージに収められてしまって使えなくなってしまうのでね。
これ、当然のことですが、通常アイテムも敵が落とすので、そのアイテムを一々処分していかないと、誰かが通りがかった時に、
「アイテムが落ちてる?」
となって変に疑われる原因となる可能性があるので、毎回処分するのですが、それに少し時間を取られるので、いつもはもっと時間がかかります。
でも今回は3時間。
来てる! マジで今回流れがきてます!
完璧かな?
そのおかげで、また後ほどやろうとしていたことも済ませられました。
で、今現在はもう完全にやることが無いので、時間が余ったと言うわけです。
余った時間は1夜分くらいですかね?
さて、では何をしましょうか?
で5階層までで出来ること、となるとかなり限られてきますよね。
コル稼ぎ、経験値、武器防具、評判、好感度……うーん。
あ、そうだ!
丁度一夜分余ってるし、サツキさんがいて、5階層ってことは、あれが出来るか!
いやー、でも今回は遊びプレイじゃ無いしなー。
真剣にタイム目指しているからなー。
いや、違いますね、そう、これはサツキさんの好感度を上げるためのことです。
決して自分の欲望を満たすためにやる訳ではありません。
何? 今現状サツキさんの好感度は高いから大丈夫だろって?
何を言いますか! 良いですか! 人は忘れる生き物です。
攻略会議やボス戦の時に会っているし、いつもよりかなり自分のことを気にかけては来ますが、もしかしたらもう自分のことを忘れてしまっているかもしれないじゃないですか!
そうなったらタイムが終わりです。
なので、これはタイムのため。
タイムのためにサツキさんの好感度を上げるだけです。
別に好感度がいくら高まろうが、サツキさんとは付き合えないので大丈夫です。
サツキさんの好感度を上げる以外の意味は一切ありません。
サツキさんの好感度を上げる以外の意味は一切ありません。
まさか、いやまさかね! RTA中に自分の欲望を満たすためだけにタイムを使う馬鹿なんて、いるはずありませんから!
では、サツキさんのいる宿に向かいましょう。
サツキさんがいる宿を知っている理由は、一々サツキさんが教えてくるからです。
ヒー君、私はどこどこで寝泊まりしていますから、何かあったらいらしてくださいね、と。
では、サツキさんのいる宿に枕を持って向かいましょう!
コンコン
「はい、どちら様でしょうか」
「……お、俺だ、入っても、いいか?」
声は少し震わせておきましょう。
「ヒー君? どうぞ、今開けました」
さて、サツキさんの部屋にやって参りました!
と言っても、プレイヤーホームではなく、単なる仮宿ですが。
それでも女性の部屋! いやー、何度来てもいいものですね!
とりあえず、内心はよそに、しっかり怖がっている演技をしましょう。
「ヒー君、どうしたのですか?」
「……その、誰にも、言わないで欲しいんだが……いや、やっぱり何でも無い、悪かった」
ここで一度引きましょう。
ちゃんとサツキさんは止めてくれますから。
「ヒー君、なんでもなくは無いでしょう? 私に話してみて? 大丈夫、絶対誰にも言わないから」
「……本当、か? 笑わないか?」
「ヒー君のことを笑ったりなんてしませんよ」
「……その、だな、この第5層、ゆ、幽霊が出る、よな、いや! 怖がってない! 俺は怖がってないぞ! だけど、その! ……そう! サツキが怖がってるかもしれないと思って! それで! あの」
「ヒー君……クスッ、そう、私、実はとっても怖かったの、怖くて夜も眠れないから、誰かが一緒に寝てくれると嬉しいかな?」
「そ、そうか! サツキも! っん、んん、サツキが怖がっているなら仕方ない! 一緒に、その、寝ても、いい?」
「もちろんです! さあ、ヒー君、いらっしゃい」
はい勝利。
「……その、ありがとう」
これで、サツキさんと一緒のベッドで眠れます。
いやー、子供って最高ですわー!
さて、今自分、サツキさんのいつも寝ているサツキさんの汗が染み込んだサツキさんの布団に包まれています。
神!
では、早速寝入ったふりをしましょう。
「ヒー君、よしよし、怖く無いですからね、大丈夫ですよ、そうだ、子守唄を歌ってあげますね、〜♪ 〜♪♪ ……ヒー君? あらら、寝ちゃいましたね」
はい完璧。
いま、自分は眠っています。なので、今から何をしようが単なる寝相。
とりあえず、サツキさんの2つの巨大な枕に飛び込みましょう。
「キャッ! ひ、ヒー君?」
やばい! 突然すぎたか!
でも大丈夫。
「……おねぇちゃん」
「……」
こういうと、サツキさんは受け入れてくれます。
いやー、サツキさん、弟さんがいらっしゃるようですからね。
その弟と重ねてしまっているのでしょう。
なので、今は何をしようが無碍にはされません。
「……お姉ちゃん、お姉ちゃん、ふ、フフフ」
ん? サツキさんの様子が? まあいいか。
当然のことですが、今、サツキさんの視界にはコード発動を促すシステムメッセージが表示されており、彼女がOKボタンに触れれば、自分は一瞬で黒鉄宮の監獄エリアに転送されます。
ですが、サツキさんがここで押すことはないので安心して堪能しましょう。
「……はぁ、本当に無粋なシステムです、ただヒー君はお姉ちゃんに甘えているだけなのに、それすらシステムは許さないなんて……」
違います、それシステムが正しいです。
自分ただ欲望のためだけにサツキさんの胸に顔を埋めております。
タイム? 効率? しらねぇなぁ! 自分は自分がやりたいようにやるんだよぉ!
いやーさいっこう! これで後1000年は戦えますわー!
「お姉ちゃんは何があってもヒー君の味方です、例えどんなことがあっても、誰が相手でも、世界が、システムが敵になったとしても、私が、お姉ちゃんが必ずヒー君を守ります、だから、安心して私の胸の中で眠っていてくださいね」
ん? なんか不穏な気配が、まあ今はいいか!
最高! ヒャッハァー! ヒャッフー! ウィィィィィ!!!