はい、現在56層まで進んでおります。
攻略ペースはまあまあで、悪くありません。
このまま何事もなくキリトがヒースクリフを倒してくれれば目標タイムは十分狙えるペースです。
このペースでここまで上がってこれたのは随分と久しぶりです。
自分、今回運はまあまあです。
良かったり、悪かったり。
だから今回はいけるかもしれません。
運が極端にいいと、自分どこかで大失敗とか致命的なミスをやらかしてしまいますし、運が悪いとリセットですから。
やっぱり運はほどほどがいいんですよ。
さて、いま最優先で行なっているのは、自分の最終メイン武器、アストグリフ入手のためのレアモンスター狩りです。
この武器は、50層にいるレアモンスターがレアドロップで落とす武器です。
これ、かなり運ゲーです。
まずこのレアモンスターは、一度倒すと24時間後、エリアのどこかに再ポップするモンスターなので、最高でも一日1度しか倒すことが出来ません。
そして、このレアモンスターに結構似ている通常モンスターがいるため、その判別が結構面倒臭いです。
何よりエリアがかなり広いです。
さらに、このレアモンスターがアストグリフを落とす可能性、体感1%くらいです。
この武器、勿論直ぐにでも欲しくはありますが、まあ、ある程度猶予はあります。
60層までには欲しいですが、最悪65層までに出てくれればまだ大丈夫です。
そこまでで出なければほぼリセットとなります。
現在56層、まだ出てきてくれていませんが、大丈夫かな?
まあ、信じましょう。
お、レアモンスター見つけました。
ざしゅっ!
赤い宝玉、はいハズレ、今日も落としませんでしたね。残念。
視界の端にドロップアイテムの名前が出てくるので、そこを確認していれば、足元を見なくとも何が出たかはわかります。
赤い宝玉というのは、このレアモンスターの通常ドロップです。換金アイテムでそれなりに高く売れます。
では、今日はもうここに用はないので、赤い宝玉を持って一度街に戻りましょう。
で、今からフィールドボスの攻略会議があるので、もう先に武器の耐久度を直したり、赤い宝玉や、アイテムストレージ内のアイテムを売り払いましょう。
団体行動の時にはアイテムストレージを空にしておいた方が縛りバレのリスクを減らせますからね。
では、会議場所に向かいましょう。
ここのフィールドボス、かなり強いです。
まあ、当然のことながら50階層のフロアボスよりは弱いのですが、それでも強いです。
既に一度ボスに挑んで撤退しています。
普通に強いんですよね、ここのフィールドボス。正直この階層のフロアボスより強いです。
一応、一度も撤退せずにそのまま倒すことは可能ですが、ここでフィールドボスにそのまま勝つと、アスナさんのキリトさんに対するフラグが立たないので、一度負ける必要があります。
ここで負けておかなければキリトvsアスナのデュエルが起こりませんからね。
はい、会議が始まりました。
今回の会議の主題は、どうやってボスを倒すかです。
アスナさんは、そのフィールドボスモンスターを圏外の村の中におびき寄せて、ボスモンスターが村人NPCを襲っているところをまとめて攻撃しようと言っています。
NPCなんて所詮いくらでもリポップしてきますからね、こういった囮役には適任です。
いやーいいですねぇ、アスナさん素晴らしい意見です! 大賛成!
使えるものはなんだって使う、そうで無くては!
アスナさん、RTAの才能ありますよ? よかったら攻略組からRTA走者に転職しませんか?
これを阻むのはキリトさんです。
絶対にダメだ、と。
アスナをRTA走者にするわけにはいかない!
と言うことではありません。
NPCだって生きている、他に何か方法があるはずだ、と言っています。
何か方法があるはずだ、じゃ無いんですよ、代案出してください。
まあ、自分は内心ではアスナさん派ですが、評判や自分のキャラクター的にはキリトさん派にいなければいけないので、キリトさんの意見に追従しましょう。
「そうだ、NPCだって生きているんだ! 囮なら、俺がやれば「ダメです」」
サツキさんに速攻却下されました。
「ヒー君、自分の命を粗末に扱ってはいけませんよ」
サツキさんから数え切れないほど何度も言われている言葉ですね。
「だがそれでも誰かが死んでしまうくらいなら、俺がおと「ダメです」」
早い。
「……お「ダメです」」
酷いです、サツキさんが喋らせてくれません。
まあ、いっか、さっき発言できたし。
では、あとは成り行きを見守りましょうか。
会議は平行線で全く進みません。
と、言うわけでやって参りました、キリトvsアスナさんのデュエルです!
このデュエルで勝った方の意見を取り入れると言うことになりました。
この勝負、キリトさんが勝たなければ、アスナルートフラグが立たないため、リセットになります。
キリトさんは毎回ギリギリでアスナさんに勝利します。
初めはかなりいい勝負をします。
そして最後キリトさんが、装備していない2本目の剣を背中から抜き打ちすると言う、あまりにも真に迫ったフェイントモーションを行い、それを反射的にアスナさんが迎撃しようとして生まれた隙をキリトさんがついて終了というのが、大体の流れです。
まあ、ここでよっぽどキリトさんが負けることはありませんが、今回ちょっとキリトさんのレベルが低いのが不安点ですかね。
さあ! このデュエル、一体結末はどうなるのでしょうか!?
デュエル自体は見ませんが。
このデュエルは見ても見なくてもどちらでもいいので、見ないです。
この間にレベリングしましょう。
ではでは、さようならー。
はい、戻ってきました。
さてさて、緊張の瞬間です! 結果はどうなったのでしょうか!?
……え? 聞き違いかな?
お、おかしいな、思ってた結果と違うぞ? あれ?
ほ、本当に? マジで!? え!?
……キリトさんの圧勝?
……なんで?
試合を見ていた人に聞いたら、どうやら、2本目の剣を抜くフェイントすら無く、キリトさんがアスナさんを圧倒したそうです。
いつもよりレベルが低いのに。
……あれ?
ま、まあいいか、大丈夫大丈夫、キリトさんが勝ったことは何にも変わらないんですから。
これでキリトさんには、アスナさんルートのフラグが立ちます。
このイベントは取り逃がさないようにしましょう。
では、キリトさんの意見が取り入れられて、村人を囮にすることなくフィールドボスとの戦となります。
はい勝利。
時間はかかりましたが、無事勝利です。
はあ、つかれた。
さて、会議やらデュエルやらボス戦やらで、1日経過していますので、またアストグリフ入手のために、今からレアモンスターを狩に行きましょう。
……あれ? 何か忘れているような、まあいいか。
さて、どーこっかなー? どーこにレアモンスターいーるっかなー。
あ、いました。
ザシュッと撃破。
アストグリフ、はい、ハズ……ん? お!? おおおおおおおお!?!?!? マジで!?!? うっそだろおい! きたぁぁぁぁぁぁ!! アストグリフキタァァァァ!! メインウェポンひゃっはーい!
やばい! 神がかってる! いい! 今回運がかなりいい!
ほどほどの運がいい? ばっかじゃねぇのぉぉぉぉぉぉ!!!
運はいい方がいいに決まってんだろうがヨォォォォ!!!!
勝った! これは勝った! 今回こそ行ける! クリア行けるぜ! っしゃおらぁぁぁ!!!!
さて、ではアストグリフを……ん? 足元に落ちていませんね?
あれ、あまりのテンションでいつの間にか蹴っ飛ばしてた?
でも、周囲にはアストグリフは見当たりません。
……ん? え? あれ? もしかして見間違い? は?
確かに視界の隅にアストグリフの文字が浮かんでいたはずなんですけど?
あれ? あれあれ?
あまりにも欲しすぎて幻覚を見ていた?
でもアストグリフ、間違いなくドロップしてたように見えたんだけどなぁ。
気のせい? いや、そんなはずは、うーん。
まあ、周囲に落ちてないってことはドロップしていないってことですね。
……はぁ、なんだよ、ぬか喜びさせやがって。
まあ、まだ60層、最悪65層までは時間がありますからね、大丈夫です。
さてさて、もうここには用事がないので、また街に帰って、今日はレベリングしますかね。
とりあえず、レベリングするとき、アイテムストレージがいっぱいだと不便なので、またストレージ内のアイテムを一度売り払いましょう。
……あれ? そういえば自分、ここに来る前にストレージ埋めてたっけ?
……あ、
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! 嘘だぁぁぁぁぁぁ!!!! やらかした!? 自分やらかしてた!? 今アストグリフ自分のストレージ内に入ってね!? マジで!?!? ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!
やっぱり運がいいとダメなんだ! あああああああああああ!!!
自分、稀によくこんなミスするんですよね。
気をつけてはいるんですよ? 本当ですよ?
でも治らない、悲しい。
これクリア行けてたかもしれないのに。
ああ! どうしましょう!
……あ、大丈夫だ。これ全然致命的なやらかしじゃないですね。
よかった。ちょうど1人使いやすい人がいますし。
あー、焦りました。
メインウェポンゲットですね。