SAOメインメニュー縛りRTA   作:アルシャ

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第3話 開始

「種族を選択してください」

 

 計測開始です。

 

 どうも皆さんこんにちは、お馬鹿百階位と申します。

 今回はこのフルダイブ型オンラインゲーム、アルヴヘイム・オンライン、通称ALOの縛りプレイを行います。

 

 縛りの内容は、メインメニューを開かない縛りという、たったこれだけのいたって単純な縛りプレイです。

 

 たった1つしか縛らないなんて簡単だな! 

 

 と、思うかもしれませんが、正直かなり厳しいです。

 では、その理由を、と、説明するのは後回しにして、どんどん進めていきましょう。

 

 まず、種族はシルフを選択します。

 

 まだそれほど検証できてないので、他の種族の方がいいのかもしれませんが、とりあえずはシルフで。

 

 今回、このALOは、正直リサーチ不足感が否めません。

 SAOの知識なら誰にも負ける気はありませんが、ALOでは少し荒が目立つかもしれません。

 ご容赦を。

 

 ……え? SAOでも荒が目立ちまくってたじゃねえか? 

 

 そ、そんなことありませんよ? 全て計算です! そう! 完璧な自分の計算です! 荒なんて何一つありませんでした! 

 っと、こんな無駄なことを考えている時間はないので、とっとと進めます。

 

さあ、始めようか。

 

 雑音は無視して初期設定を進めていきましょう。

 チュートリアルは当然見ません、見るわけがありません。

 

簡単に説明するね、ここはVRMMOのアルブヘイムオンライン、通称ALOだ。

 

 今回はアバターが完全ランダムなので、ここでの引きが悪ければ即終了、即リセットです。

 説明してませんでしたが、このゲーム、運ゲーです。

 運ゲーに無理やり持ち込みました。

 現時点ではこれしか方法が思い浮かばなかったので。

 まあ、この方法がダメならまた別の方法をじっくり考えます。

 

それで、君はこのクリア不可能なゲームを終わらせるんだ。

 

 はい、ではスタートです。

 

そうすれば、君の願

 

 で、スイルベーンの街に降り立ったら、直ぐに容姿を確認します。

 大きな体、はいオッケーです。

 まず第一の運ゲーを突破しましたね。

 では直ぐに飛びます。

 

 もし小さな体や普通の体格を引いたら即リセットです。

 理由はまた後ほど説明します。

 

 で、いまから向かう場所は、スイルベーンから東にある古森を超えた砂漠地帯です。

 

 では、この時間に軽くこのゲームの説明を。

 

 このALOは、背中に妖精の翼が生えているため、空を自由にとびまわれます。

 タケコプターはいらないです。

 

 でも、タケコプターと同様に飛行時間には制限があります。

 滞空制限というやつですね。

 これのせいで、どんな種族でも連続して飛べるのはせいぜい10分が限界です。

 

 一応、世界樹の上にある空中都市に最初に到達して、妖精王オベイロンに謁見した種族は全員アルフという高位種族に生まれ変わるといわれていますが、ほとんど嘘なので信じないでくださいね。

 

 世界樹の上には旧SAOプレイヤーの脳髄があるだけですから。

 

 さて、このゲーム、実はクリア不可能なゲームです。

 何故なら厳密に何をしたらクリア、というものがありませんから。

 SAOでは第100層のボスを倒すことがクリアの条件でしたが、ALOでは何かを倒せばクリア、といった明確なものがありません。

 

 世界樹の上に行くことは、グランドクエストのクリア条件ではありますが、このALOのクリア条件じゃありませんからね。

 

 でも、世界樹には行かなければならないですし、かなり強い方を倒さなければならないので、まずは装備品を集めます。

 

 はい、古森を超えて砂漠地帯に到着しました。

 では羽を休めるために地面に降り立ちます。

 

 で、ここまで素早く飛んでくると、砂漠地帯に入って直ぐのところにちょうどサラマンダーの方が3名ほどいらっしゃいます。

 用事があるのは真ん中のサラマンダーです。

 彼は近、中、遠距離に攻撃手段を持つ器用貧乏な方です。

 彼らはそれなりに強くはありますが、まだエンジョイ勢を抜け出しきれていないくらいの、いや、エンジョイ勢なのでしょう。

 

 さて、ではまずは彼らと元気に挨拶をしましょう! 

 

「よう! 兄弟! 元気だったか? 俺は元気だ! はっはー!」

 

 とりあえず友好的な声をかけながら堂々と歩いて接近します。

 ALOは異種族同士なら戦闘可能ですが、あからさまに追い剥ぎめいたことをするプレイヤーは少数派です。

 

 なので、敵意を見せず、武器も持たず、堂々と接近すれば警戒心の薄い人なら、肩を組めるまで近づけます。

 

 まあ、こちらは一人、装備も大したことなく、友好的に話しかけながら近寄ってくるんですから、異種族同士でも即座に攻撃するのはためらいますよね。油断するな、という方が難しいですよ。

 

「ん? 誰だ? お前の知り合いか?」

 

「いや? 俺じゃないぜ?」

 

「俺も違うぞ?」

 

「なーにいってんだ兄弟? 俺とお前の仲だろう?」

 

 と言い、真ん中のプレイヤーの肩に左手を回します。

 そして、右手で相手の腰から剣を抜いて、肩から手を離し、自分の初期装備の剣も抜いて、まず右にいるサラマンダーに切り掛かりましょう。

 

 流れるように相手の武器を奪い、即座に攻撃、綺麗な流れですね。

 

「んな!?」

 

「よう兄弟! 元気でな!」

 

 ALOにおいて、攻撃ダメージの算出式は、武器自体の威力、ヒット位置、攻撃スピード、被ダメージ側の装甲だけです。

 

 キャラクターに筋力値や敏捷値は設定されていません。

 要するに、プレイヤースキルがモノを言うゲームというわけです。

 ソードスキルもありませんしね。

 

 なのでメインメニューが使えなくとも、十分戦えます。

 ほんと、須郷様マジ神! 茅場も見習えよー? 

 

 当然今の自分のHP、MPはかなり少ないですが、HPは当たらなければどうということはありませんし、MPはそもそもメインメニューを使えない関係上、スキルスロットに魔法をセットできないので関係ありません。

 

 よく考えたら、シルフの強みである魔法を使えないとかいうゴミ構成ですね、シルフやめたら? 

 

 とはいったものの、諸々の事情を加味すると、シルフが一番良さそうなんですよね、残念ながら。

 

 さて、何故最初に右のサラマンダーから倒す必要があるかと言いますと、このサラマンダーがホーミング性能のいい魔法を使ってくるので、先に処理しないと負けるからです。

 

 当たらなければどうということはないと言いましたが、範囲攻撃やホーミング性能のいい魔法は避けられません。

 

 つまり使われたら負けです。

 

 だから最初に倒します。

 

 ザシュザシュッと。

 

 はい勝利。

 

 彼は遠距離型だからか、装備の防御力が低いんですよね。

 なので渾身の力を込めれば2撃で消し飛ばせます。

 

「っ! てめ!」

 

「よくも!」

 

 彼らはもう油断してなさそうですね。まだ油断してくれているなら楽なんですがね。

 まあ、仲間が一瞬で殺されたのに油断してる方がおかしいですよね。

 

「はっはー! 俺たちは兄弟だ!」

 

「黙れ! このイカレ野郎が!」

 

 はい、ここで先ほど左にいたプレイヤーが剣を抜いて襲いかかってきます。

 そして、武器を奪った真ん中のプレイヤーは一度距離をとって魔法を唱え始めるか、弓で攻撃してきます。

 今回は魔法を唱えてきましたね。

 

 この魔法は直線型の高威力魔法なので、頑張れば避けられます。

 当然魔法には詠唱時間がありますので、しばらくは接近してきた人を相手にしましょうか。

 

 わざわざ1対1にしてくれるなんて、優しいサラマンダーさん達だなぁー。

 

 ま、自分が最初に真ん中にいたサラマンダーの剣を奪ったため、彼はすぐに接近戦はできないから当然の構成かもしれませんが。

 

「らぁぁぁ!!!」

 

「おお! いい声だ! 俺も負けねぇぜ! 兄弟! うぉあぁぁあぁ!!!」

 

 このプレイヤー、スピードは悪くないんですが、いかんせん太刀筋が素直すぎるので簡単に避けられます。

 

 で、隙だらけなんでザシュザシュッっと。

 

「大丈夫か!? 兄弟!」

 

「っ! ふざけてんじゃねぇ!」

 

 彼は防具の性能が他の人よりもいいので2撃じゃ全然足りません。

 まあ、自分の武器の片方は初期装備の剣ということを考えれば、これくらいでも十分すぎるほど削れてますかね。

 

 では、一気に畳み掛けましょう。

 

「死ぬな! 死ぬんじゃない! 生きるんだ兄弟!」

 

 ザシュザシュッ! 

 

「きょうだぁぁぁい!!」

 

「くそっ! なんだこいつ! 言動の割にめちゃつぇぇ!」

 

 ザシュザシュッと。

 

「がはっ!」

 

 はい勝利。

 

 はい、ここで武器を奪ったサラマンダーの魔法の詠唱が終わりそうですね。

 

 で、今から詠唱を阻止しようにも間に合いませんので、魔法が発動する直前までゆっくり相手の方に歩いていきましょう。

 

「さあ兄弟、ゆっくりと語り合おうや!」

 

 3、2、1、はいここ。

 

 この瞬間に、羽を使って前方右斜め上に向かって急加速します。

 

「っな!?」

 

 はい回避と。

 いやー、翼の扱いにも慣れたものですね。

 もう手足のように自由に扱えますよ。

 

 さて、では急旋回して、相手の近くの地面に、ある程度速度を落としながら勢いよく着地します。

 下が砂なので、割と勢いよく着地してもダメージを負いません。

 しかも砂漠の砂がかなり舞い上がって目隠し状態になります。

 

 さて、当然彼の位置は覚えていますので、直ぐに近寄り、シルエットが見えたらタックルを仕掛けます。

 

「おわっ!? このっ、くそ!」

 

 下は砂、踏ん張りが利きづらいので不意打ちでタックルを仕掛けると倒れてくれます。

 はい、おーけー。

 

 ではその後、倒れた彼の肩に初期装備の方の剣を突き立てます。

 逃さないようにする必要はありますが、彼が今死んでもらうとまずいのでね。

 で、彼の腰に下げられた弓と矢をいただき、すぐに彼に射かけます。

 

 はい、実はこの矢、毒矢です。

 なんの毒かって? 当然麻痺毒ですよ。

 

 いやー、ほんと探すの苦労しましたよ。

 毒矢を持ってるプレイヤーって案外少ないんですよね。

 

 相手プレイヤーを倒すと、そのプレイヤーが所持している非装備アイテムのうち、ランダムに三十パーセントほど奪えます。

 

 でもそれらは勝手にアイテムストレージに仕舞われてしまうので、自分が他のプレイヤーを倒す意味、ほとんどないんですよね。

 メインメニューが使えない関係上、アイテムストレージが開けないのでね。

 

 だからこそ初めに相手を麻痺させる毒矢を持つこのプレイヤー達を襲ったわけです。

 

 毒矢があれば装備回収ができますから。

 どうやってかって? そりゃ麻痺で痺れてほとんど動けない相手の左手を無理やり動かして、メインメニューを操作させて、ねぇ。

 

 SAOではよく眠っているプレイヤーを活用してきましたが、ALOでは眠ってから少し時間が経つと直ぐにログアウトされてしまいますので、眠っている方を活用するのはかなり難しいです。

 だから必然的にこの方法をとります。

 

 今回は評判なんてどうでもいいです。

 だって1日しか期限がありませんからね、悪評が広まる前に終わりますから。

 だからやれる事は全てやって行きましょう。

 

 え? やり方が外道? 相手の装備を奪うなんて酷すぎる、ですか? 

 

 何言ってるんですか、ここはネトゲの中ですよ? やっちゃいけない事は最初っからシステム的に出来ないようになってるに決まっているでしょう? つまり、やれる事はなんでもやっていい、そう思いませんか? 

 

 これ、実にいい言葉ですよね。




A「では、皆さんお待ちかね!答え合わせのお時間です!」
 
B「誰も待ってないと思いますがね」
 
A「答えは!なんと!ゴニョゴニョゴニョ」
 
B「やっぱり続きを望「あーあ」・・・え?」
 
A「あーあ、やっちゃった」
 
B「えっと、何が?」
 
A「ネタバレしちゃった、あーあー、何のために貴方にだけ教えたと思ってるんですか、あーあ、今のネタバレで読者の大半がこの物語の展開を悟っちゃった、あーあ、ネタバレされました、見るのやめますって人が大量に出て来ちゃった、あーあ、」
 
B「今のがそんなにネタバレなんですか!?というか、これだけで展開予想できるって凄すぎませんか!?」
 
A「ほぼノーヒントでお馬鹿百階位を茅場晶彦のアナグラムと見抜いた人がいるんですよ、そりゃ展開予想なんて余裕でしょ、あーあ、あーあ・・・謝れよ」
 
B「・・・え?」
 
A「読者の皆さんに、ネタバレしてすみませんでしたって謝れよ」
 
B「えっ、私がですか?」
 
A「は?他に誰がいるの?お前何様のつもり?ふざけるのも大概にしろよ?」
 
B「・・・あ、あの、」
 
A「落とし前つけてあげようか?消す?処す?」
 
B「・・・その、ネタバレを・・・」

A「なに?聞こえないんだけど?」

B「・・・ネタバレしてしまい!読者の皆さんの楽しみを奪ってしまって!本当にすみませんでした!」
 
A「はい、というわけで第1問の答えは!続きを望む人がいたから、でした!」
 
B「っておい!全部言っちゃったよ!?ネタバレじゃないの!?」
 
A「こんなのがネタバレになると本気で思ってたんですかぁ?」
 
B「うぜぇ、めっちゃうぜぇ、でもまあ、前回私は正解だったってことですね!」
 
A「そう思いたければそう思っておけばいいんじゃないですか」
 
B「え?」
 
A「さぁ!続いて第2問!ALO編第1話の後書きで作者が、「第0話と最終話でだいぶハードルが下がったようなので、安心して続きをかけます。」と書いていますが、何に安心したのでしょうか?」
 
B「え?えっと、そのまんまの意味なのでは?みなさんからの期待値が下がったから、ある程度下手なこと書いても許されるんじゃないか、的な感じなのでは?」
 
A「では!また次回お会いしましょう!バイバイ!」
 
B「いや、これ別に次回に引っ張らなくてもいいのでは?」

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