SAOメインメニュー縛りRTA   作:アルシャ

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第8話 正義!

 さて、とりあえず解散になりました。

 

 ではでは、街の外に向かいましょう。

 

 ここでサツキさんの好感度が高ければ、真っ直ぐ街の外に向かった場合、街を出る直前で呼び止められてイベントがあるので、鍛冶屋や道具屋にはフロアボス攻略会議が始まる前に寄っておきましょう。

 

 アイテムストレージ内のアイテムは、唯一NPCのお店にだけは、売却ボタンでメインメニューを開かなくとも売ることができます。

 手鏡は売却画面だと発動しません。

 そして、もう売っぱらっちゃってます。

 

 お値段なんと0コル! ゴミ! 

 重量も大してないので持っていてもいいんですが、まとめて売る時に邪魔なので売りました。

 

 持てるアイテムには重量制限があります。

 限界重量拡張のスキルで持てるアイテムの重量を増やすことは可能ですが、メインメニュー縛りの関係上スキルスロットを使えないので不可能です。

 その所持限界を超えると、敵のドロップは足元にオブジェクト化されます。

 これ、地面に置かれているので、放置してると数時間で耐久値がなくなって勝手に消えはしますが、その数時間のうちに他のプレイヤーに見つかると、ちょっと面倒なことになります。

 

 なので、街に寄ることがあるなら定期的にアイテムストレージ内は基本的に全て空にして、鍛冶屋で武器の耐久値を回復させましょう。

 

 サブ武器とかは持ってないです。アイテムストレージ使えないんで。

 予備を腰にさしているだけでも現状では筋力が足りませんから、動きがかなり鈍りますので、1本です。

 それに、武器屋で剣を購入して、即時装備ボタンを押すと、現在装備されているアニールブレードがアイテムストレージにしまわれてしまうので、他の方法を使わなければ2本武器は持てません。

 

「ヒー君! 待ってください!」

 

 はい、来ましたね。サツキさんです。

 

「なんだ?」

 

「……どこに、行くのですか? まさか、今から迷宮区に行くつもりでは、ありませんよね?」

 

 フロアボス攻略会議が開かれたのが夕方なので、もう直ぐ夜です。

 

「そうだが?」

 

「キバオウから言われた事を気にしていらっしゃるのですか?」

 

 ん? キバオウさんから言われたこと? 

 こんなセリフあったっけ? 

 まあいいか。

 

「関係ない」

 

「なら、私も連れて行ってください! 必ずお役に立ちますから!」

 

 効率が悪いのでノーセンキューです。

 と、素直に言うわけにもいかないので、遠回しに断りましょう。

 

「夜は危険だ、疲れや眠気で集中力が落ちるし、昼よりも暗いから敵を発見しづらくなる、ほんの少しの油断やミスで命が失われる現状、夜に圏外に出るのは良くないと教えたはずだ」

 

 ま、自分にだけは言われたくないですよねー。

 

「ヒー君は今から圏外に出ようとなさっているではありませんか!」

 

「俺はいい、俺の場合、死ぬのが早いか遅いかの違いしかないからな」

 

「なんで、そのような悲しいことを言われるのですか……」

 

「俺が死ぬのは変えられない、もう定まった未来なんだよ」

 

 ここで立ち去りましょう。

 

「っ! 待ってください! ……ぇ」

 

 そうすると、サツキさんは自分の腕を掴んで来ます。

 

 ぶかぶかの長袖に隠れた細い腕を。

 

 これによってどれだけ自分の体が細いかがサツキさんに伝わります。

 勿論、自分の体が小さいことは見た目からでもある程度は分かっていたでしょうが、実際に掴んで見るとまた違いますよね。

 

 これで仕込みは完了ですね。

 

 ではでは、さようなら〜。

 

 さて、ではレベリングして行きましょう。

 

 因みに、現在自分の武器、アニールブレードは+3(2S1D)です。

 

 NPC鍛冶屋に武器を渡して、強化素材は鍛冶屋が高い金で取り扱っているので、それを買って4回強化を行いました。

 

 プレイヤーの鍛冶屋の場合、メインメニューを開けない関係上そのプレイヤーにコルを払う方法がありませんが、NPC鍛冶屋は強化を依頼すると自動でコルが支払われますので、プレイヤーに比べると後半はどうしても熟練度が劣ってしまいますが、武器強化自体は可能ではあります。

 

 強化素材は、自分で持ち込むことも可能です。

 しかし、自分で持ち込もうと思った場合、まずアイテムストレージを一杯にして、ドロップアイテムがその場にオブジェクト化するようにしてから集めなければダメなので、少なくとも今はそんなことをしている時間はありません。

 

 Sは鋭さ、Dは丈夫さです。

 他にも速さ、正確さ、重さがありますが、やっぱりどうしても攻撃力が足りないので、上げるのは鋭さ一択です。

 

 アニールブレードは強化限界値が8回、つまり8回しか強化出来ないので、鋭さ+8を目指しましょう。

 

 まあ、この武器はそこまで強化しませんが。

 

 因みに、自分は4回強化して+3になりました。

 しかも、武器強化失敗のペナルティで、+数値の内容が入れ替わってしまいまして、2S1Dになってしまいました。

 

 でも、悪くはないんです、悪くはないはずです。

 プラス値が下がるよりはよっぽど良いですし、変わった内容も丈夫さという実質耐久値が上がるプロパティですから、悪くはないんです。

 

 武器強化は+4までは結構な確率で成功しますが。

 

 ……悪くないよね? 

 

 これはリセットでは? と思われるかもしれませんが、2層でアニールブレードより良い武器が手に入るので、今回はそこでもうアニールブレードはお役御免です。

 なので、これは致命的ではありません。

 

 プラス4まで行っていたらその武器の入手はしなくても良かったのですが、許容範囲内です。

 

 当然武器は溶かしてインゴットにするとか、アイテムストレージ内に取っておくとか、そんな無駄なことはしません。

 NPCに売ります。

 

 剣を己の分身と見立てたり、深く思い入れして、時には手入れしながら話しかけたりは、時間の無駄です。

 所詮単なるデータです。信頼すれば武器が答えてくれるなんてことはないので、場合によっては耐久値を全て使い切って使い捨てても構いません。

 

 武器の魂を一緒に連れていく? それでタイムが縮まりますか? 間に合いますか? 

 

 勿論、そんなことを言うと評判が下がるので、口には出しませんが。

 

 さて、今はもうそろそろ12月3日の昼ごろになります。

 

 このくらいでディアベルさんたちパーティがボス部屋を発見します。

 

 はい、そろそろ夕方なので、第2回第一層フロアボス攻略会議が始まります。

 

 では、街に戻って武器の修理とストレージ内の物の売却を済ませてから広場に向かいましょう。

 

 はい、時間ぴったり、この広場に到着したのは、自分が最後です。

 

 最初はディアベルさんの話から始まります。

 ボス部屋を発見したこと、ボスを覗いたこと、ボスの名前、武器、取り巻きについて。

 

 そこで、βテスターの自分にβテスト時代とそれらが変わりがあるか等を聞かれます。

 

 しかし、その直後にアルゴの攻略本が同じ広場の隅で店を広げていたNPC露天商に売られていることが発見されるので、自分はその攻略本の情報は間違っていないと言うだけで良くなります。

 

 ありがとう! アルゴさん! 

 

 自分が説明しようとすると、一々質問が飛んできて時間がかかりますが、攻略本にまとめられていると質問が飛んでこないので早いです。

 

 因みに、

 

【この情報はSAOベータテスト時代のものです。現行版では変更されている可能性があります】

 

 と言う文が裏表紙に赤く書かれています。

 これによってアルゴさんはβテスターと疑われます。

 

「おい、このアルゴって奴はβテスターなのか?」

 

 攻略組の一人が自分に聞いてきました。

 

「知らん、βテスト時代とは容姿も違うし名前も違う可能性があるんだから、判断は不可能だ」

 

 オレ……オレ知ってる!! アルゴは、元ベータテスターだ!! だから、ボスの攻撃パターンとか、旨いクエとか狩場とか全部知ってるんだ!! 知ってて隠してるんだ!! 

 

 うーん、隠しているって言うより売っている、ですかね? 

 いや、0コルで売っているってことは隠していないですね。

 

 まあ、そんなこと言いませんが。

 もし言うと、アルゴさんとも敵対してしまうので、絶対にやめましょう。

 

 アルゴさん敵対ルートはマジで不可能です。

 

「──みんな、今は、この情報に感謝しよう!」

 

 ざわざわ、みんなディアベルさんの発言にざわついています。

 ディアベルさんのこの発言は、βテスターとの融和を目指すと言っているようなものですからね。

 

 でも、否定的な意見は飛び出してきません。

 これを見ると、βテスターとビギナーの間にはそれほど溝がなさそうに見えますよね。

 

 でもそんなことはありません。

 プレイヤーの中には一部、βテスターを本気で憎んでいる人達がいます。

 500人の死はβテスターが悪いと本気で信じている人達の中でも、その死んでしまった人と縁があった人達ですね。

 

 そのプレイヤーたちは、まだ先の話ですが、しばらくすると街中で自分に絡んで来るようになります。

 いくら子供の外見をしているとはいえ、現状唯一βテスターと判明しており、怨みをぶつけられる唯一の相手ですからね。

 

「出所はともかく、このガイドの……」

 

 当然ですが、その方々の相手をしている時間は無駄です。

 しかも、その方々、一度だけではなく、何度も何度も何度も何度も現れます。

 

 マジで邪魔です。

 なので、時間に余裕ができたあたりで、その方々が今後一切目の前に現れることがなくなるようにします。

 

 話は変わりますが、皆さんは睡眠PKというものをご存知でしょうか? 

 

 完全に熟睡しているプレイヤーに完全決着モードのデュエルを申し込み、そのプレイヤーの指を動かしてYesを押させて寝首を掻いたり、もしくは眠っているプレイヤーをストレッチャーで圏外に運んで殺したり、モンスターに殺させたりするのが睡眠PKです。

 

 別にこれ、PKにだけ使える手法ではありません。

 完全に眠っている相手の指を動かして、メインメニューを操作して相手のアイテムを全て奪い取ったり、相手のフレンドに変なメッセージを送り込んだりも出来るわけです。

 

 例えばキリトを例に挙げると、キリトが熟睡している間に勝手にキリトの指を動かして、メインメニューのフレンド欄を開いて、クラインに対して愛の告白のメッセージを送ることだって可能なわけです。

 

 それを真剣に受け取ったクラインが……

 あれはとても楽しかったです。

 

 でも、何故かその後、キリトの超感覚で自分の犯行だということがバレてしまいましたが。

 いや、目の前で大笑いしてしまったのが原因でしょうか? 

 

 その他にも、相手の倫理コードを解げふんげふん、何でもありません。

 

 この手法が広まるのはゲーム開始から約11ヶ月後、つまりあと10ヶ月後になります。

 それまでは、バレなければ何度でも使用可能な手段というわけですね。

 当然アイテムを奪ってそのままではバレてしまいますから、攻略組などの口封じをしてはいけない相手からは、そんなことはしません。

 

 それに、口封じをするとは言っても、完璧に疑われないタイミングはとても少なく、限られているので多用できる手でもありません。

 

 そして、いくらやれるとは言っても、その相手が欲しいアイテムを持っていなければ単なる小遣い稼ぎにしかなりません。

 コルは第7層にモンスター闘技場があって、そこでかなり稼げるので、その程度の小遣い稼ぎは時間の無駄です。

 

 なので、あまり使いません。

 

 因みに、βテスターを恨んでいる方々は、同じものを憎んでいるもの同士だからなのか、横の繋がりがあり、フレンド登録されています。

 

 まあ、別にだからどうというではありませんが。

 

 何故βテスターを恨んでいる方々同士がフレンドなのを知っているんだ? とかは聞かないでください。

 

 ……皆さん、自分のこと、何か変な勘違いしていませんか? 

 自分のこと、極悪非道のガチクズとか、人間性がかけらも存在しないとか、そんなこと思っていませんよね? 

 

 そんなわけないじゃないですか! 

 自分、サツキさんからどのように思われているか知ってますよね? 

 可愛い弟です、分かりますよね! 可愛い、弟、そう、可愛い、です。

 

 可愛いは正義、つまり自分は正義ということです。

 自分は正義! 正義です! 

 つまりクズではありません。

 自分の正義が完璧に証明されてしまいましたね。

 

 それにほら、プーは悪でしょう? 

 

 可愛いが正義なら、可愛いの反対は正義の反対、悪ということになります。

 プーは可愛いですか? いいえ、可愛いとは正反対の位置にいますよね。

 つまりプーは悪! 

 

 完璧な理論だ! 

 

 いや、待てよ? 正義の反対はまた別の正義って言葉があるよな? 

 ということは、可愛いの正反対のプーは正義の反対、正義なのでは? 

 

 つまりプーは正義! 逆説的にプーは可愛い! 

 

 完璧な理論だ? 

 

「……みんな、まずは仲間や近くにいる人と、パーティを組んでみてくれ!」

 

 お、ついに来ましたね、小学校の体育の授業とかでよくある、ぼっちに辛いやつ。

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