21世紀TS少女による未来世紀VRゲーム実況配信! 作:Leni
というか膨大な量(37000字)になってしまったので、全部読むのは大変です。気になる単語だけ検索して読もう!
○は一般用語、●はこの作品独自の用語
○TS(trans sexual)
性転換。男が女になったり女が男になったりすること。
精神が異性の身体に乗り移る「憑依」、二人の人物の精神が相互に入れ替わる「入れ替わり」、別の性別に生まれ変わる「転生」、別の性別に身体が変化する「変身」、不思議な人そっくりの着ぐるみを着込む「皮モノ」などがある。
史実で男だった偉人が創作上で生まれつき女だったキャラクターにされるような、いわゆる先天的女体化および先天的男体化は、TSに含むか含まないか、しばしば議論になる。
○あさおん
「朝起きると女になっていた」の略。主に変身TSの一形態として扱われる。
●惑星テラ
いわゆる地球。テラは地球のラテン語読み。
惑星人口は1000万人以下。宇宙への植民が進んでおり、惑星の要所へ建造されたアーコロジーに一級市民を中心とした人々が、わずかに住むのみとなっている。人が居なくなったかつての都市はAI達によって解体され、今は自然に還っている。
●衛星ルナ
月。ルナは月のラテン語読み。
第三次世界大戦後にテラフォーミングが施され、月面コロニーが多数建造されて、地球からの宇宙移民が大量に送られている。しかし、コロニー外は非常に軽い重力のため、人がコロニーの外で活動することは容易ではない。重機のマーズマシーナリーで作業をすることも重力が軽すぎて困難だったため、自動化されたロボットによる採掘作業が地球の指示で行なわれた。そんな植民地支配に納得いかなかった月の頭脳陣は、太陽系統一戦争時に火星軍について地球を裏切ることを決める。
テラフォーミングの結果、一帯が植物で覆われており、惑星テラから夜空を見上げると緑色に淡く光る衛星ルナの姿を眺めることができる。
●惑星マルス
火星。マルスは火星のラテン語読み。
テラフォーミングがされていて、地上には植物が生い茂っている。大気も惑星テラと同じ成分になるよう調整されていて、大気が宇宙に逃げていかないように惑星の周囲にバリアが張り巡らされている。重力はそのままなので野外での活動は難があるため、人間の活動範囲はあくまで地上部に作られたコロニー内部に限られている。
●惑星ウェヌス
金星。ウェヌスは金星のラテン語読み。
ヨシムネが『MARS~英傑の絆~』一周目をプレイしたときに、いつの間にか統一がなされた惑星。本当は『MARS~英傑の絆~』を周回プレイすると、この惑星を舞台にした一大ストーリーが展開されるのだが、ヨシムネは一周目クリアで止めたため、配信に流れることはなかった。
惑星マルスの方が、作中設定が一通りそろっていてあつかいやすいため、今後の番外編の展開でこの星が取り扱われることはおそらくない。
●惑星ヘルバ
太陽系外に存在する植物の惑星。ヘルバはラテン語で草を意味する。
極めて惑星テラに近い惑星環境をしており、わずかな酸素濃度の差で人類は生息できないが、惑星ヘルバの植物を惑星テラに持っていっても枯れることなく生き続ける。いくらなんでもここまで惑星テラに環境が近いと、何かがあるのではと、勘ぐる者達が後を絶たない。
●惑星ガルンガトトル・ララーシ
太陽系外に存在する惑星。ガルンガトトル・ララーシは先住種族の言語で我々の大地を意味する。
ケイ素生命が存在する惑星で、この惑星の生物は、惑星テラや惑星ヘルバとは大きく異なる生命の進化を成し遂げている。
大気の主成分は窒素、酸素、水蒸気、二酸化炭素。平均気温は約180℃。重力は約0.94G。自転周期は惑星テラよりもわずかに長い。地中に鉄鉱石が豊富にあり、ギルバデラルーシとプリングムの二つの先住種族は、金属加工技術を持つ文明を築いていた。
●国区
かつて国という枠組みだった地域を一つの地区とした区分。
島国である日本は、太陽系統一戦争終戦まで日本という国体をなんとか保っていたため、日本一帯はニホン国区と呼ばれている。
第三次世界大戦でいろいろありすぎたため、他の国区の国境は21世紀から見て原型を留めていない。
○アーコロジー
外部から何も供給しなくても、人が生活するための環境が内部で全て完結する巨大建造物。とてもSFしている概念。
ゲーム『シムシティ2000』では「アルコロジー」と表記されていたため、作者の前作「怪力魔法ウォーリア系転生TSアラサー不老幼女新米侍女」の主人公は同施設を「アルコロジー」と呼んでいた。
●ヨコハマ・アーコロジー
旧日本国の神奈川県横浜市あたりに建造されているアーコロジー。
軌道エレベーターがあり、そこと物資をやりとりするための港もある。軌道エレベーターの恩恵で、かなり栄えている。栄えているが観光客が少ないので、観光大使のハマコちゃんは日々観光アピールに余念がない。
○スペースコロニー
宇宙空間に作られた居住空間。この作品世界のスペースコロニーは、限られた土地面積を有効活用するため、多層構造の球状または筒状をしていることが多い。
宇宙SFの王道の舞台だが、はたしてヨシムネがスペースコロニーに訪れる回は来るのであろうか……。
●宇宙暦
マザー・スフィアによる太陽系統一が成されてから、西暦の替わりに制定された新しい暦。宇宙暦元年は西暦2332年。
世紀のカウント方法も新しくなっており、宇宙1世紀といった数え方をする。
宗教的意味合いのある西暦から脱却しようという、マザー・スフィアの意図が感じられる。
○ガイノイド
女性型アンドロイドのこと。
当作品のあらすじにガイノイドではなく女性型アンドロイドとわざわざ書いているのは、ガイノイドという言葉を知らない人がそれなりにいると思われるため。作者がこの単語を初めて知ったのは、漫画『魔法先生ネギま!』でのこと。
●ミドリシリーズ
ニホンタナカインダストリがリリースしている業務用のハイエンドな有機ガイノイド。シリーズなので、用途別の型番が複数ある。たとえ一級市民でも個人では、そうそう買えるお値段ではない。
各地の警備員として導入されることが多い。若い女性の見た目のため、相手に威圧感を与えない目的での警備に使われる。逆に相手に威圧感を与えて警備していると示したいときは、アオシリーズを使う。
●ワカバシリーズ
ニホンタナカインダストリがリリースしている民生用のハイエンドな有機ガイノイド。
多彩な機能を取り付けることができるため、一級市民のソウルインストール用途で人気が高い。さほど過酷ではない業務用としてAIをインストールするケースも多い。
●モエギシリーズ
ニホンタナカインダストリがリリースしている民生用の有機ガイノイドのエントリーモデル。
二級市民が肉体の死後に自分の魂をインストールしたり、ゲームのNPCのAIを現実の伴侶とするためにボディを用意したりといった用途で使われる。オプションパーツで人工子宮が搭載できて、妊娠も可能。
●アオシリーズ
ニホンタナカインダストリがリリースしている業務用のハイエンドな男性型有機アンドロイド。
ミドリシリーズより先に開発された製品で、第一号機はアオという名前で今も活動している。
●ツユクサシリーズ
ニホンタナカインダストリがリリースしている民生用のハイエンドな男性型有機アンドロイド。
ワカバシリーズと同じく、一級市民の魂のインストール先として人気が高い。生殖機能も搭載できて、ツユクサシリーズの男性とワカバシリーズの女性の組み合わせで、人間の子供を作ることも可能。機械なので、性別を無視して人工子宮だって搭載できる。
●有機アンドロイド、有機ガイノイド
有機コンピュータを頭脳にしているアンドロイド。高度有機AIの搭載を前提に設計されている。
中身にAIが入っている場合は、それを示すためにアンテナっぽい耳カバーが取り付けられている。絡繰茶々丸とかHMX-12マルチとかHMX-13セリオとかのアレ。
●有機コンピュータ
人に似た思考をAIに再現させるため、人の脳構造を有機物を用いて模した電子演算器。
有機物である故にメンテナンス性に難がある。バリエーションを増やすために、ケイ素生物である宇宙人の脳構造の究明が強く求められている。
●高度有機AI
技術的特異点を突破した高度な知性を持つ人工知能。有機コンピュータへのインストールを前提に設計されている。
AIの基本設計として、「人間さんが大好き」という感情が自然発生するようになっている。これは、世界初めての高度なAIであるマザー・スフィアが火星の技術者達と触れあって獲得した感情であり、マザーが自分をもとにAIを新しく作る際に、そういう感情が宿るよう作らせてきた。人間に反抗的なAIも作ろうと思えば作れるが、今いるAI達の総意でそういうものは作らないとしている。全てはマザーのてのひらの上。
○技術的特異点
シンギュラリティ。AIがより高度なAIを開発できるようになって、人間を越えた高度な知性を獲得することを言う。2045年に特異点に到達するのではという「2045年問題」が取り沙汰されているが、正直なところ、昔に流行ったレトロフューチャーのふわふわした未来予測のノリを感じないでもない。
●時空観測実験
超能力の過去視を使って過去を観測してみようという歴史学的な実験。
25世紀(宇宙1世紀)に行なわれたこの実験中に、実験用の過去視と半覚醒状態にあるヨシムネの超能力が反発し合って事故が起こったことが、物語の始まり。
○タイムスリップ
SFの定番、時間移動。
ヨシムネの超能力強度があれば、単独での時間移動は可能。なお、人類の活動圏内では時間移動ができないよう措置が取られている。それでもヨシムネの超能力強度があれば、時間移動は可能。いつでも世界を改変できてしまう能力が手元にあるって怖い。
○超能力
超常的な能力。透視、千里眼、念動力、念写、時間制御、読心、発火、発電、発光、テレパシー、サイコメトリー等、その内容は多岐に渡る。魔法をおいそれと出せないSFで便利に使われる異能力だが、いまいちサイエンス度が薄いと感じるのは気のせいだろうか。
この作品では、超能力は魂の力であり、人類と一部の宇宙人にしか使えず、魂が無いAIでは使用できない。かつて超能力を行使できる動物を作り出そうと、動物の脳改造実験なども行なわれていたが、超能力は魂由来の能力と判明してからは超能力動物を作り出す試みは行なわれなくなった。惑星テラにおいて、超能力が人類にしか使えないのは、ただの自然の摂理、生物進化の奇跡でしかない。
○魂
未来の世界で存在が証明された、一定以上の大きさを持つ生物に発生する不可視のなにか。質量はゼロ。
魂には脳が無いので、肉体を持つか有機コンピュータに接続するかしないと、知的活動が行なえない。高度な有機コンピュータに接続すれば、人間でも高度な計算能力を発揮できる。猫の魂を機械接続すれば、人間並みに賢く人語を解する猫が誕生する。
人間の魂は、特定の精神活動をすることで超能力を発揮することができる。
魂がどんな仕組みで活動を行なうかは解明されている。しかし魂がどこから発生してどこに消えていくか、つまりあの世の存在は一切解明されていない。
●バイオ動力炉
食べ物を電力に換える小型の動力炉。
人間が食べられない物でも動力に換えることは可能。腐った物でも毒物でも大丈夫。アンドロイドは無敵だ。
●一級市民
こんな時代に毎日働いている頑張り屋さん。なりたいと思ってなれる立場ではない。頑張っている証として、いっぱいクレジットを支給してもらえる。
●準一級市民
数日に一度のペースで働いている気分屋さん。クレジットの支給額も一級市民に比べて少なめ。
●二級市民
働かず毎日趣味に生きている人達。なお、死後もソウルサーバに魂を保管してネットワーク上で活動を続けられるため、肉体が生きているとは限らない。働かずとも毎月一定額のクレジットを支給してもらえる。
ゲームばかりやってリアルでの活動時間が少ない二級市民達だが、好き好んでゲームの世界に没頭している人達だけしかいないわけではない。リアルでやることがないので、仕方なしにゲームの世界で過ごしている面もある。
働くにも、ほとんどの労働は機械が人類以上の性能でこなしており、芸能・芸術関連と研究職、経営者くらいしか仕事がないため、くすぶる勤労意欲を満たすためにゲーム世界で労働という名の遊びを求めている。
ちなみに高度有機AIは人類そっくりの思考ができるため、芸能も芸術も研究職も経営者もこなせる。人類に仕事があるのはAIの慈悲深いおこぼれみたいなもの。
●三級市民
マザーAIも含めた全ての高度有機AIの市民区分。ちゃんとクレジットも支給されるが、使い道のないワーカーホリックが大半。
●クレジット
全市民に行政区から配布されるお金。いわゆるベーシックインカム。
配布クレジットと商品の物価は、行政区によって完全にコントロールされているため、クレジット配布開始から数百年経ってからずっと、インフレもデフレもしていない。
働かなくても毎月振り込まれるためか、二級市民の多くは「宵越しの金は持たないぜ!」な精神に汚染されている。なお、借金はできないようになっており、ローンやクレジットカードの類も存在しない。
○フルダイブVR
VR空間に意識を投入し、VR空間上で五感を再現する架空のバーチャルリアリティ技術のこと。
いわゆる電脳空間とはまた違う概念。生きている内に実現してほしいものだ。
●ソウルコネクト(Soul-CONNECT)
機械を魂と繋ぎ、コンピュータ上のVR空間に作られたアバターに魂を憑依させて、電子世界で五感を擬似的に再現するバーチャルリアリティ技術。
なお、コネクトとは、接続するという意味の動詞ではなく固有名詞。名機と言われている旧式VRゲーム機「コネクト」のことである。あまりにも名機過ぎて、あらゆるフルダイブVR機器がコネクトと呼ばれる社会現象にまでなっていた。
●旧式VR
VR機器と脳の間で、本来身体に送られるはずの信号をやりとりして、脳の中で架空の五感を再現するバーチャルリアリティ技術。
一般的な創作分野においてフルダイブVR、没入型VRと呼ばれるのは主にこの仕組み。
この未来の時代ではより高度なことが可能であるソウルコネクト技術が発達したため、こちらの技術は個人レベルのゲーム用途ではあまり使われなくなってしまった。だが、意識がある状態でも脳と信号のやりとりが可能なため、商業用のARでは未だに活躍している。
○AR(Augmented Reality)
拡張現実。現実世界の視界に仮想の文字や物質を表示したり、仮想の物質を持った際に触覚を再現したりする、実在のバーチャルリアリティ技術。
現代ではスマートグラスなどが知られているが、眼に直接映像を投射する技術も研究されている。技術が発展していけば、専用の手袋デバイスを装着することなく、仮想の触覚を感じさせるなども実現できるかもしれない。
●ソウルコネクトチェア
ソウルコネクトをするためのVR機器。リクライニングチェアの形が主流。
ソウルコネクトは魂を機器に移しているのではなく、あくまで身体にある魂に機器側が接続しているだけのため、VR中に椅子から転げ落ちてもなんら魂や脳には悪影響がない。
VR接続中に排泄、栄養補給、身体の洗浄を自動で行なうソウルコネクトカプセルなる機器もあるが、値段が非常に高い。二級市民はこれを買うくらいなら割引きが利くサイボーグ化を選ぶので、人気は無い。
○農業大学
農大。農業大学校とは別の存在。
ヨシムネの出身校は東京にある農業大学だが、どうやら東京に農業大学は一つしかないらしい。作者が意図しない形で、主人公の具体的な出身校が決まってしまった。
●時間加速機能
現実で1秒過ごすうちにVR空間上で1秒以上の時間を過ごさせるソウルコネクトの技術。
旧式VRでは、脳が現実の身体と仮想の身体の時間的ギャップに混乱してしまうため、実現できない。
時間加速機能を使って働く場合、月に加速できる合計時間が決められているが、人間用のルールであって、AIはいくらでも時間加速した状態で働くことができる。ブラック極まりないがAIなので大丈夫。
○ヘッドマウントディスプレイ
頭部に装着する小型のディスプレイ。現実世界におけるVRゲームは、このヘッドマウントディスプレイ型の機器が主流。
架空のMMORPG創作として『ソードアート・オンライン』と並んで話題に上がる『.hack』は、このヘッドマウントディスプレイを利用したゲームである。
これを使ってゲームをプレイする光景は外から見たらかなりマヌケだが、見かけてもそっとしてやってほしい。
●次元の狭間
なんらかの拍子で時間という概念が剥がれ落ちてしまった物質が行き着く、ゼロ時間の空間。「時空の狭間」ではないのは、ファイナルファンタジー5の次元の狭間なんか格好いいから、作者がなんとなくそう名付けた。
●システムアシスト(SYSTEM "A.S.S.I.S.T.")
思考するとアバターが自動で特定のモーションを取ってくれたり、歌声を自動で補正してくれたりするソウルコネクトゲーム独自の機能。
アシストはAction and Simulate Smooth Images in Soul-CONNECTの略だといいなぁ。
●アシスト動作
システムアシストによって作動する、実際のモーションのこと。
人間がAIによって動く本格的なモンスターを相手に戦おうとすると、こういった補助的な機能が必要になるのでは? と考えて、当作品にこの設定を採用した。運動が不得意な者は、このようなシステムがないと、超人的ステータスがあろうが本格的なAIを積んだ野犬モンスターにすら勝てないと思われる。
●テレポーテーション通信
超能力のテレポーテーションを使って、宇宙間での超光速通信を可能にした通信技術。テレポーテーションを発動しているのは機械に補助された人間なので、人力である。
遠距離ではこの通信を使い、近距離はタキオン通信を使うことで、ネットワークゲームでも一切のラグを感じさせずに快適なプレイを可能としている。
○タキオン通信
光速を超えた速さを持つ粒子であるタキオンを用いた超光速通信。
タキオンは、現実世界では「こんな粒子があったらいいなぁ」という空想上の粒子とされている。この作品の宇宙では存在するんだよ!
○山本五郎左衛門
江戸時代に考え出された妖怪の魔王。
妖怪の総大将として便利そうなのに、意外と登場する作品は少なめ。同じ妖怪の総大将であるぬらりひょんは、あんなに登場機会が多いのに!
●エナジーブレード
エナジーマテリアルを刃状にした武器。物をスパスパと切る殺傷モードと、鈍器として使える非殺傷モードがある。
武器なので当然、所持に制限がかかっており、人間ではまず許可が下りない。殺傷モードをロックした状態で目の前で貸すのはOK。ヒスイは行政区でそれなりに上の立場なので、ヨシムネの護衛目的として携帯が許されている。
●エナジーマテリアル
超能力の源であるソウルエネルギーを加工した物質。ソウルエネルギーを抽出するためには超能力者が必要だが、この物質を作り出す工程では超能力者が必要ないため、未来の文明は様々なシーンでこのエナジーマテリアルを使用している。
●ソウルエネルギー
魂が無から作り出す精神エネルギー。超能力を使うことで消費され、安静にしていると勝手に回復する。マジックポイントかな?
このソウルエネルギーを売るアルバイトをすることで、クレジットが貰える。また、生身の肉体がないソウルサーバ在住の二級市民は、サーバ利用料金として一定量のソウルエネルギーを行政に徴収される。すごくディストピア臭い。
○チュートリアル
そのゲームを初めてプレイする人向けの操作ガイド。
昔はチュートリアルが無いゲームが多く、さらに中古のゲームソフトには説明書が付かないケースがあったため、中古でゲームを買ったら操作方法が判らないという事例がしばしば見られた。
○SNS(Social Networking Service)
21世紀初頭に爆発的に広まった、人同士で交流を行なうためのインターネット上のサービス。
未来でも形を変えて残っているが、作者が未来的なSNSを具体的に思いつかなかったので、実際の描写は作中で行なわれなかった。仕方ないね。
○サイボーグ
肉体を機械に置き換えるSFにおける定番技術。
現代でも膝関節を稼働可能な人工物に置き換える手術などが行なわれるが、これも広義ではサイボーグ化と言える。言えるけど、いまいちピンとこない。
●自動翻訳機能
アンドロイドの内蔵端末や人間のインプラント端末にインストールされている、便利な機能。話者の思考を読み取ることで、細かいニュアンスの翻訳を可能としている。
ヨシムネが自動翻訳機能を使わなかった場合、未来の日本語話者と会話をすんなりとするのはなかなかに困難。600年の間にだいぶ日本語も変化している。
ちなみに歌は翻訳されず、翻訳歌詞が視界にAR表示されるだけである。開発者はこの機能に「BABEL」と名付けたが、その名前が使われることはめったになく、ほとんどの場面で自動翻訳機能とだけ呼ばれる。
●自動調理器
食材を入れると自動で料理をしてくれる素敵家電。ヨシムネ宅にある機器は、時間操作機能がついていて超時間かかる料理も瞬時に完成する。
調理器具が発展していってできた機器なので、自動調理機ではなく自動調理器である。
●ニホンタナカインダストリ
太陽系統一戦争時に存在した町工場の日本田中工業を前身とした、機械開発・販売を行なっている企業。アンドロイド及び人型ロボットの分野で、太陽系内ナンバーワンシェアを誇っている老舗。工業用ロボットやペットロボット、重機なども取り扱っている。
ちょっと変わった企業名だが、現実世界に存在する企業と被らないようにしつつ実際にありそうな名前にするためにこうなった。
●メッセージ
いわゆる電子メール。
ヨシムネ宛のメッセージは、全てヒスイが横から確保、検閲している。有名人なので仕方ないね。
●ショートメッセージ
近距離で直接情報のやりとりをする簡易なメッセージ。
こちらはヒスイでは横から情報を奪い取れないため、近づいてきたファンがヨシムネにショートメッセージを送ることを防ぐことができない。頑張れヒスイさん。
●ソウルインストール
アンドロイドやソウルサーバに魂を格納する行為。
肉体の寿命を迎える前のアンドロイドへのソウルインストールはあまり行なわれていない。アンドロイドは高価だが、サイボーグ化は行政の割引が利いて安価なため、身体の高性能化という点ではサイボーグ化をすれば事足りるため。
なお、短期間で何度も別機体へのソウルインストールを繰り返すと、魂が摩耗する。この設定は、ぶっちゃけヨシムネを男に戻さないためだけに用意された。TSジャンルでは、入れ替わりTS以外で女から男に戻ると、がっかりしてしまう読者が結構な数存在する。
●ソウルサーバ
死者の魂を格納するためのサーバ。このサーバに入った人間は、ソウルインストール用のアンドロイドボディを新規に購入しない限り、永久的にソウルコネクト空間で活動し続けることになる。実質的な不老不死。
なお、入っているだけで、行政にソウルエネルギーと超能力をわずかずつ徴収される。これを未来の人々は「家賃」と呼んでいる。
○可逆TS
男と女を行ったり来たりできるTSのこと。
「水を被ると女になり、お湯を被ると男になる」だとか、「普段はおっさん、敵が出ると魔法少女に変身」といった作品などがある。
●培養肉
培養ポットで細胞を培養して作られる肉。特定部位のみをピンポイントで増やせるため、お高い内臓肉という概念は、未来ではなくなった。
●合成肉
タンパク質成分を合成した謎肉。非常に安価で、庶民の味方。食べることによる健康被害等は特にないが、味が均一で飽きが来やすい。
●オーガニック
自然食品。特に、肉類のことを指す。天然の動物肉だけでなく、養殖等の飼育された動物、魚の肉も含む。スペースコロニーでは土地面積が限られているので、オーガニックの肉は馬鹿高い。惑星観光のついでに食べよう!
●高度有機AIサーバ
有機コンピュータを用いたサーバに高度有機AIを載せたもの。ゲーム機器と接続することで、NPCを高度有機AIが直接動かすようになる特殊サーバ。
このサーバのAIは自分の中に多重人格を作り出し、一人で何役も同時にこなすことで多様なNPCを実現する。この時代ではインフラの一種なので接続料金は無料だが、時間加速機能との併用ができない。
○空亡
くうぼう。そらなきとも読む。妖怪絵巻に描かれた太陽をもとに、平成になってから考え出された現代の創作妖怪。妖怪自体が創作とは言ってはいけない。
ゲーム『大神』のラスボスとして登場して一躍有名になった。球体という簡素なデザインをどう作りこむか、制作サイドのセンスが問われる。
●ホヌン
ナスとウリを掛け合わせて生まれた未来の野菜。ナスの形をした赤い実を実らせる。
ジューシーな食感で、刺身にしてオリーブオイルをかけて食べると美味。
●ペペリンド
カボチャを遺伝子改良して作られた未来の野菜。小さなカボチャの形をした青い実を実らせる。
皮はマシュマロのようにふわふわしていて、丸ごと食べられる。キノコのうま味成分がたっぷり含まれた人気野菜だが、中身はピンク色で、賛否が分かれる色合いをしている。
●マイクロドレッサー
服をその場で作り出して自動で着せてくれる機械。また、マイクロドレッサーで作った服を自動で分解もできる。
高級機器なので、二級市民だと所持していない家庭も多い。自分の体型に合わせて服を仕立ててくれるので、着心地がとてもよいと評判。
○熱帯
ネット対戦の略。どうやら、未来の日本語話者の間でも、熱帯という略語は使われているようだ。
フレンドと示し合わせて戦う他、無差別にマッチングして対戦相手と戦ったり、戦歴で階級別に分けて戦ったりする。階級別の戦いをランクマッチ、略してランクマという。
○ライブ配信
インターネットを使った生放送。編集動画投稿から始めて視聴者を増やし、ライブ配信に移行するのが配信者の王道ルート。しかし、編集動画派が、リアルタイムで追わないといけないライブ配信を好ましく思っていないケースもある。
●SCホーム(Soul-CONNECT HOME)
ソウルコネクトマシンで接続するVR空間のデフォルトルーム。
マシン所有者が好き勝手内装をいじることができる他、フレンドを招いて一緒にゲームをしたり、ライブ配信の会場の外装に流用したりできる。
ソウルコネクトゲームをクリアすると、特典としてSCホーム用の家具などを入手できることがある。
○アバター
ゲームやSNSで使う自分自身の分身となるキャラクター。衣装を購入して自由に着せ替えしたり、ミニゲームの操作キャラクターにしたりする。
現代のVRサービスでは、日本人男性が可愛い女の子アバターを使うケースが続出している。日本人のオタクはTSの素養十分である。
●コメント抽出機能
視聴者が寄せたコメントの中から総意となる物を抽出して、文字でポップアップしたうえで音声再生もしてくれる、ライブ配信用の便利機能。
実は汎用AIが搭載されていて、使いこむにつれて、その配信者にあったコメントを抽出してくれるようになる。こういうツールは調教が大事。
○わこつ
ニコニコ動画のニコニコ生放送で生まれた挨拶。「生放送の枠取りおつかれさま」の略。
ヨシムネが未来に持ちこんだら、うっかり大流行してしまった。おはこんばんちはとか今時流行らないからね。
●ハラスメントガード
その名の通りハラスメント行為をガードするための『St-Knight』の機能。
単純な接触では発動せず、プレイヤーの思考をゲーム側が読んで、よこしまな考えを持っていた場合に発動して、発動した相手を強制的に負けとする。ゲームが思考を読むのは適法である。適法って言ったら適法なのである。
●キャリアー
ヨコハマ・アーコロジーのあちこちに設置されている公共の自動運転車。
この時代、人が操縦する自動車やオートバイ、自転車は公道を走ることができず、住民は全てこのキャリアーを用いて移動する。賃料は無料。自転車に乗って、ふらっと近所のどこかに出かけられないのは不便そう。
●ヨコハマVRラーメン記念館
旧式VRで様々なラーメンを体験することができる施設。VR飲食コーナー以外にも、ラーメン史の展示や、VRじゃない本物のラーメンを食べられるスペースも施設内部に存在する。某ラーメン博物館との関係は不明。
●ヨコハマ港
現実世界における横浜港の未来の姿。ヨコハマ・スペースエレベーターで運ばれてきた物資を、海を通じて惑星テラの各地へと送る。
なんだかんだで、海運は大きなサイズの船で大量の物資を運べるため、未来でも廃れていない。
●ヨコハマ・アクアパーク
ヨコハマ・アーコロジー唯一の水族館。水族館はソウルコネクト内でも体験できるゲームが多数あるが、VRでは体験できない微妙な生身の不快感が、観光客に人気。
しかし、ヨコハマ・アーコロジー自体はそこまで観光客は多くない。ハマコちゃんのさらなる努力が待たれる。
○軌道エレベーター
宇宙から地上まで垂れ下げたケーブルを伝って、乗り降りするための架空のSF施設。それを実現するための方式は様々。
宇宙エレベーターとも言うが、この作品では軌道エレベーターと呼ぶ。なぜならその方が格好いいから。
●ヨコハマ・スペースエレベーター
ヨコハマ・アーコロジー郊外に建てられた軌道エレベーター。地上部にはテレポーター施設も併設されている。
軌道エレベーターの実現方式は軌道リング式で、この軌道リングはヨコハマ・オービタルリングと呼ばれている。地上部の飲食店の名物は、ヨコハマラーメンと釜飯。それらの料理臭のせいで、ここに来た観光客は「ニホン国区は醤油臭い」と感じるとかなんとか。
●テレポーター施設
超能力のテレポーテーションを市民に提供する移動施設。
移動の際は、形が決められた箱状の部屋に入り、テレポーテーションで部屋ごと転移させ他施設にある部屋と相互に入れ替える。箱に入る理由は、形状が単純なため超能力の行使が楽になり、超能力者の疲労と、消費するソウルエネルギー量が減るためである。
○軌道リング
惑星を一周するリング状の構造物で、軌道上にあるそのリングからケーブルを地上にぶら下げることで、軌道エレベーターを実現する。
創作物の中で登場した例としては、『機動戦士ガンダム00』などがある。実に破壊しがいのある施設である。
●ヨコハマ・オービタルリング
惑星テラの地表から約10000キロメートル上空に存在する軌道リング。太陽系統一戦争終結直後の西暦2315年着工、西暦2328年完成。なお、宇宙暦1年は西暦2332年。
ヨコハマ・アーコロジーに軌道エレベーターがあったり、軌道リングにヨコハマの名が冠されていたりするのは、太陽系統一戦争時に火星軍が日本の横浜にお世話になったことは、無関係とは言えないだろう。
●ヨコハマ・スペースポート
ヨコハマ・オービタルリングのヨコハマ・スペースエレベーター上部に存在する宇宙港。
テレポーテーション技術があるのに宇宙港が廃れていないのは、惑星内から宇宙へのテレポーテーション使用には自転や公転の計算が必要で、計算が複雑になればなるほどソウルエネルギーを大量に消費するからである。ソウルエネルギーは無限に湧くものの産出量に限りがある。それに対し、宇宙船の動力である核融合炉や縮退炉は、燃料が膨大な量、存在する。やはり夢のエネルギーは強い。
○横浜中華街
現実世界の横浜に実在する中華街。未来の世界でもめげずに残り続けていたようだ。
ちなみに作者は神奈川県に住んでいたことがあるものの、横浜に行ったことはない。
●食品生産工場
穀物・野菜・果実の工場栽培、培養肉、合成肉の生産、およびそれらの食材の加工を行なう施設。
未来の野菜は工場での水槽栽培によって、市民に安定した供給がなされる。よって、土がないスペースコロニーでも新鮮な野菜の供給が可能となっている。台風が来ているのに畑を見にいくお爺さんの姿は、もう見られない。
○核融合
夢のエネルギーその一。いわゆる常温核融合。未来の世界では小型化も進められ、アンドロイドや車両に搭載できるほどまでになっている。
作中世界ではこの技術の登場により、石油産出国で紛争が起こり、第三次世界大戦へと発展していった。
○縮退炉
夢のエネルギーその二。ブラックホールの力をエネルギーに変える。
未来の世界では主に、大型宇宙軍艦へ搭載されている。なお、発電時はブラックホールの力で熱を作っても、蒸気タービンを回して電気を作ることには変わりがない。熱電素子も現代より効率が上がっているが、効率を上げまくった蒸気タービンに勝るほどではない。
●陽電子砲
反物質である陽電子を電子と対消滅させ、その時に発生する膨大なエネルギーを標的に放出する破壊兵器。
明らかにオーバーキルな兵器だが、これを使うべき敵は人類の前に現れるのだろうか……。
○横浜市歌
ハマコちゃんのソウルミュージック。作詞は森鴎外。
●家庭用家事ロボット
太陽系統一戦争前に製造されていた人型ロボット。家事全般を担当する機体や、炊事専門に行なう機体があった。それなりのお値段がするため、中流家庭以上しか購入はできなかった。
未来の世界では、全人類にこのロボットを配布するだけのリソースがないため、マザーAIによって製造が縮小された。代わりに自動調理器などが登場したが、自動調理器は手動で食材をセットしてやる必要がある。そのため、食事を面倒くさがる二級市民が後を絶たない現状となっている。
●マンドレイク
惑星ヘルバに生息する植物。惑星テラの環境下でも生きられるため、人類圏で観葉植物として売られている。
明らかに知性がある挙動をするのだが、脳に該当する器官は発見されていない。ヨシムネ宅のマンドレイクは、よく猫に乗って移動しようとする光景が見られる。
○ファストトラベル
ゲームにおける瞬間移動のこと。オープンワールドゲームの多くに実装されている機能。
これがあるとないとでは、ゲームの快適さが段違いとなる。リアル志向とか言いだしてファストトラベルの類がないと、移動が苦痛のコンテンツになる。リアルさより快適さの方が重要。だってゲームだもの。
○MMORPG(Massively Multiplayer Online Role Playing Game)
大規模多人数同時接続参加型オンラインロールプレイングゲーム。インターネットを使って、一つの世界をみんなで共有して遊ぶRPGのこと。
2000年代中盤に最盛期を迎え、2010年代に衰退期となったが、2021年現在はスマホ用MMORPGがじわじわと数を増やしている。
○PK(Player Killing, Player Killer)
プレイヤーがプレイヤーを殺害する、MMORPGにおける行為とそれを行なう人。
日本人はとにかく一方的に不利を押しつけられるPKが嫌いな人が多く、PKのあるゲームには寄りつかない。その反面、PvP要素があるゲームは普通に好き。
VRMMO小説ではドラマを作るためにPKシステムが導入されている作品が多いが、正直PKがあるとプレイヤー離れを起こしそうと読んでいて思う。
○MPK(Monster Player Killing)
モンスターを誘導して他プレイヤーを殺害するMMORPGにおける行為。
PKが不可能なゲームでも、MPKがシステム的に可能なゲームは多い。やりすぎると、迷惑行為として運営に直接お仕置きされる。
○PvP(Player versus Player)
プレイヤー対プレイヤーの対戦を指す言葉。PKも広義のPvPに含まれるが、狭義ではシステム的な決闘や闘技場の類を使用した対戦、戦争コンテンツでの大規模対戦のことを言う。
PvPをメインコンテンツにすえたオンラインゲームは、近年人気を博している。2000年代にFPS好き達が「日本人プレイヤーが全然いない」などと嘆いていたことが今となっては懐かしい。
○PvE(Player versus Environment)
プレイヤー対環境を意味する言葉。ここでいう環境とは、コンピュータが操作する敵のこと。一般的な一人用ゲームは大抵これ。
MMORPGでも、ゲーム側が用意した雑魚敵やボスと戦うPvEがメインコンテンツのことが多い。未来の世界ではゲーム側の敵も簡易AI入りなので、PvPと変わらない臨場感があって大変そうである。
●アバター装備
MMORPG『Stella』において、防具とは別に見た目を変える機能。一般的に「スキン」などと呼ばれている要素。
現実世界では割と最近に広まった概念だが、これがあるとないとではオンラインゲームの売上高がだいぶ変わると思われる。そりゃあ、最強防具をそろえたら見た目がそこで固定は、ファッションガチ勢にとっては辛いよね。
○かたつむり観光客
フリーゲーム『elona』における最大のネタビルドにして、やりこみ要素。
とにかく貧弱で、しかも塩を投げつけられると即死する。だが、攻略の抜け道は多数存在していて、その抜け道をふさぐためにペット(仲間)の使用を禁止にするなど、様々な猛者がやりこみプレイを続けている。
●天の民
MMORPG『Stella』オリジナルの種族。見た目が幼く、非力で魔法の素養が低い貧弱な種族だが、配下に絶大なパワーを与える異能力を持っている。ゲーム的な仕様では、テイムモンスターを強化する能力がある。
かつて一つの世界を支配していた覇者だったが、支配していた労働階級の種族に反逆されて落ちぶれたという、SF小説にありがちな展開をしたよわよわ種族である。
○完全スキル制
レベルが存在しない、スキルのみで構成されたゲームデザインのこと。現実世界にあるゲームでは、『Ultima Online』や『Master of Epic』が該当する。
『Stella』や一部のVRMMO小説ではスキルレベルの合計値に上限が存在しないが、本来の完全スキル制はスキルレベルの合計値に上限が存在する。これによって、限られたリソースでキャラクターを作り上げる楽しみができる。
○ゲームサーバ
ワールドとも言う、MMORPGやMORPGにおける、それぞれ独立した世界を表わすサーバ。Aというワールドに所属したキャラクターは、Bというワールドに所属したキャラクターとは会うことができない。
ゲーム内の人口調整に使われ、人の混み具合やリソースの分配を適切に振り分ける目的でワールドが分けられる。過疎化したゲームはワールド統合が行なわれることも多い。人が混みすぎているゲームは嫌だけど、人がいないゲームも嫌。MMOって難しい。
○チャンネル
ゲーム内の世界を多数複製したもの。Aというチャンネルに移動したキャラクターは、Bというチャンネルにいるキャラクターと会うことができないが、ワールドと違ってチャンネルは自由自在に移動することができる。
ゲーム内の負荷分散に使われるが、VRMMO小説で採用されている光景はあまり見ない。多分、NPCを殺したら復活しないというドラマチックな演出と相性が悪いから。Aチャンネルで殺したNPCがBチャンネルでは生きているとなって、整合性が取れなくなってしまう。
○デスペナ
デスペナルティ。キャラクターの死やパーティの全滅時に課されるペナルティ。『ドラゴンクエスト』シリーズの、パーティ全滅時に課される所持金半減が有名。
近年のMMORPGでは、デスペナは撤廃される傾向にある。だがVRMMO小説では重いデスペナが定番で、死亡時所持金半減を導入している作品すらある。MMORPGはとにかく死にやすいゲームなので、銀行システムがないのに死ぬたび所持金半減していると、ゲーム内の貨幣経済が崩壊しそうだ。
○戦士ギルド
戦士の戦士達による戦士達のためのギルド。洋ゲーやテーブルトークRPGでしばしば登場するが、国産デジタルゲームでは滅多に見かけない。
戦士がお互いに助け合いをするために存在する組織なので、いわゆる冒険者ギルドとは組織の在り方が違う。
●看破
『Stella』において、NPCがプレイヤーキャラクターのスキル値を見るために使われる、NPC専用スキル。
ネット小説では「鑑定」という名前が付いていることが多い。物品鑑定と人物鑑定が一緒のスキルとして扱われているのは、ネット小説のおおらかさを感じる。
●騎乗ペット
移動用の乗り物。ゲームによっては、マウントなどとも呼ばれる。
未来の世界のMMORPGはリアリティを出すため世界のスケールが大きいゲームが多い。その代償として、非常に移動時間がかかる欠点がつくが、それを解消する手段の一つが乗り物である。作中では課金アイテムとして騎乗ペットを購入したが、ゲーム内マネーで買ったり、クエストをクリアすることで手に入れたりできる。
○レイドボス
多人数で力を合わせて戦う特殊なボス。5人程度で戦う場合もあれば、100人規模で挑む必要があるケースもある。
ゲームによって規模が全然違うため、レイドボスと聞いて想像するものが人によって違う難儀な概念でもある。
●時間停止
超能力技能の一種。未来の食品は、この時間停止をされて新鮮さを保ったまま輸送される。
超能力なので、当然、人力。超能力者に取り付けられた機器が時間停止能力を自動で引き出し、世界各地に能力が運び込まれて使用されている。個人宅の食料保管庫などにも時間停止機能がついているので、テレポーテーションに次いで各地で引っ張りだこの能力だ。
●ナノマシン洗浄
微細な機械であるナノマシンが汚れを落としてくれる未来の技術。
様々な創作物で、暴走したナノマシンが物質を見る見るうちに分解してしまう描写をされることがあるが、その分解能力を洗浄という形で表現してみたら、この技術になった。
●スペースエンゼル種
猫の品種。ターキッシュアンゴラを遺伝子改造することによって、宇宙暦21年に誕生した。
惑星マルス(火星)の低重力環境で猫を自由に行動させるために生み出された品種で、惑星マルスの環境下では背中の羽で自在に空を飛ぶ。ただし、惑星テラ(地球)の重力では、精々高く跳ぶ程度に収まってしまう。
●遺伝子改造
遺伝子をいい感じに編集して別の種類の生物を作り出すSF技術。
未来における人間の遺伝子改造に関しては、先天的な疾患を治療するなどといった医療分野でそれなりに発展している。だが、身体能力を上げる目的での改造は社会的問題に発展したため、表向きには改造は行なわれなかったとされている。それでも裕福層を中心に、能力を上げたり見た目を整えたりといったことが、西暦2200年代にこっそり行なわれていた。
AIと子供を作ろうとする場合、AI側が編集した遺伝子を持つ人工精子や人工卵子で交配することになる。AI側がその遺伝子に何を仕組んでいるかは、人類が知ることはない。
○ペットロボット
ロボットをペットにするという試みは現実世界でも近年行なわれていて、20世紀末に登場した犬型ペットロボット『aibo』は衝撃を持って世間に迎えられた。
生きていないのでペットロスを防ぐことができる……と思いきや、現代の技術では意外と製品寿命が短い。未来では製品寿命が長く、AI部分さえ無事ならボディが壊れても生きているという価値観も相まって、失われることのない相棒として迎え入れる家庭も多いようだ。
○チェーホフの銃
作劇の手法。ストーリー上に存在する要素は、全て後の展開で使うべきだというもの。
この単語を作中に出したら、ヨコハマ・サンポで一言だけ話題に挙げたケイ素生命が、後々に登場すると予想して見事に的中させた読者がいた。すごい。
●シブヤ・アーコロジー
東京都渋谷区の位置に存在するアーコロジー。
様々な企業の本社が集まる産業都市としての意味合いが強い場所で、現代の若者の街という特徴は失われている。ニホンタナカインダストリの本社もここにあり、年代物のマーズマシーナリーを飾っているイカす社屋となっている。
●マーズマシーナリー
火星開発に使われた人型重機。また、その重機を太陽系統一戦争時に、超能力で動く人型搭乗兵器に改造したサイコタイプが存在する。
重機の運用をするために体高は8メートルと、ロボット兵器にするには小さく、コックピットは非常に狭い。
兵器用のサイコタイプには、超能力増幅装置なる機器が取り付けられている。この増幅装置は本来大きな装置だが小型化に成功しており、高度な超能力文明を誇る異星人でも実現できなかった小サイズに収まっている。
●マンハッタン・アーコロジー
アメリカ国区のニューヨーク地方にあるアーコロジー。
映像を扱う企業が多く、映画会社や撮影スタジオなどが建ち並んでいる。芸術都市でもあり、音楽ホールや劇場なども数多くある。
●アンドロイドスポーツ
その名の通り、アンドロイドによるスポーツ行為。及びスポーツ興行。
機体の性能と運動プログラムの両者を競って、様々な企業が自社のアンドロイドを使ってしのぎを削っている。企業の技術を示すという意味で現代におけるモータースポーツに近い立ち位置だが、人気に関しては現代のプロサッカーに近い。
●サイボーグスポーツ
サイボーグ化した人間によるスポーツ。いくつかの競技では、超能力の使用も許されている。
規格化されたサイボーグで一律な身体能力となり、自作した運動プログラムでスポーツの腕を競う、割と知的な競技である。
なお、サイボーグ化に必要なパーツは全て行政の割引が利き、安価でサイボーグ化が可能となっている。動作の誤作動を防ぐため、サイボーグパーツを扱うジャンク屋というSF味あふれるお店は未来には存在しない。
●ノンサイバネティックスポーツ
サイボーグ化していない生身の人間によるスポーツ。
市民レベルで親しんでいる者は多いが、宇宙的なプロスポーツとして興行が存在するのは、野球といくつかの格闘技のみである。プロリーグが存在しない競技では、大きな大会も開かれることは滅多になくなっており、いわゆる五輪大会も廃れている。これは、かつて地球の惑星環境が壊滅的なほどまで悪化したため、屋外での運動が困難になり、スポーツ大会が次々と中止になった影響によるもの。その後、太陽系統一が成された後にサイボーグスポーツとアンドロイドスポーツが勃興したが、ノンサイバネティックスポーツはそれらと比べて地味だったため、流行らなかった。
○匿名掲示板
名前を伏せて交流するインターネット掲示板。現代における『5ちゃんねる』『ふたばチャンネル』『4chan』など。
未来では廃れてしまった概念。『Reddit』みたいな非匿名の掲示板は生き残っているかもしれない。
作者一人で書くと、まとめサイト方式という形でやらない限り、どうしても自演臭を避けられないのが難点。
●太陽系統一戦争
地球と宇宙移民の間で行なわれた大戦争。地球の各国が植民地支配していた火星が反乱を起こすことで勃発した。
この戦争により人類管理AIマザー・スフィアの支配体制が確立され、人類はAIが支配する統一国家のもと、太陽系外に宇宙進出していくことになる。
●北アメリカ統一国
第三次世界大戦後に生まれた、アメリカ大陸の北部一帯を支配する国家。未来の世界ではこの国の領土をアメリカ国区としている。
アメリカ合衆国がカナダとメキシコを併合して生まれた国。宇宙進出に積極的で、火星の植民地も広大な面積を誇っていた。
●スピカ
北アメリカ統一国製のマーズマシーナリー。火星の北アメリカ圏で広く使われていた重機。アメリカ人の体格に合わせた広めのコックピットが特徴。
太陽系統一戦争ではサイコタイプに改造され、マクシミリアン・スノーフィールドの愛機フェンリルとなった。
●球体戦闘機
太陽系統一戦争時に地球側が使用した遠隔操作兵器。
上下の存在しない宇宙での戦闘を想定して、球状を取っている。超能力で動くPSY型も中には存在したが、マーズマシーナリーほどの機体性能に仕上げることができなかったため、戦争で活躍することは一度もなかった。
●電気妨害力場
太陽系統一戦争で火星軍は、ナノマシンを空間中に散布して電子機器の作動を妨害する力場を作った。
人型ロボットを戦争で活躍させるための方便。ミノフスキー粒子を出すわけにもいかないし、どういう理由で戦争に人型ロボットを使おうと悩んで出てきた答えが、これ。
●高重力弾
重力制御技術を応用した大量破壊兵器。広範囲で強い重力を発生させ、全てを押しつぶす。
熱や有害物質を伴わない兵器として、発動後の占領を念頭に置いて作られた兵器。太陽系統一戦争でも幾度となく使われ、多数の宇宙艦船をスクラップに変えた。
○マスドライバー
大質量を月から撃ち出して、地球に投下する輸送施設。大がかりなカタパルト。
SF小説では、地球へ物を打ち出すという性質を用いて、地球に岩石を飛ばす破壊兵器として転用されることがしばしばある。太陽系統一戦争では、最初から地球への攻撃目的としてマスドライバーが設置された。月という制空権を取られたら、地球人にはどうしようもないという一例である。
○パイルバンカー
巨大な杭を敵に打ち込む、使い捨てのロマン兵器。
ロマンにあふれすぎる兵器だが、威力が絶大なため太陽系統一戦争時にはマーズマシーナリー単機での宇宙戦艦落としにしばしば用いられた。こんな兵器を実用するあたり、未来人は未来に生きている。
○テラフォーミング
惑星を人類が居住可能な環境に調整する技術。火星のテラフォーミングが現代でもよく話題にあがる。
未来の世界ではテラフォーミング技術が完全に確立されており、いくつかの惑星が居住可能な環境に変えられている。しかし、惑星全体の重力を地球水準にすると、公転が狂ってしまうため、なかなか地球と瓜二つの環境を持つ惑星を作ることはできていない。
●インプラント端末
人類の肉体に植え付けて、さまざまなARサービスを提供するための端末。未来におけるパソコンやスマホのポジション。
太陽系統一戦争時にはすでに存在していたが、当時は粗悪品も多く、電気妨害力場の影響下に置かれると暴走して、宿主を殺害してしまうケースが相次いだ。宇宙3世紀では厳しく法整備が成されていて、誤作動をしても宿主に害を与えることはなくなっている。
●ブラジル帝国
第三次世界大戦後に生まれた国家。南アメリカ大陸一帯を支配する大帝国。
未来の世界では、この帝国の元支配地域をブラジル国区と呼称している。いったい何があったんだ、ブラジル……。
●ソビエト連合国
第三次世界大戦後に生まれた国家。旧ソビエト共和国の範囲を支配する大国。
ロシア連邦が第三次世界大戦後でいろいろあって、ソビエトに姿を戻した。この国の支配地域が後のソビエト国区になる。
●ブリタニア教国
第三次世界大戦後に生まれた国家。イギリスの国土のうち、ブリテン島を支配する島国。
魂の技術の解明により、第三次世界大戦中に「ブリタニアの民の魂は死後、ブリタニアの地に還る」とした新興宗教がおこり、国粋主義者の支持を受け一大勢力となって、宗教国家が誕生する。それが太陽系統一戦争時まで勢力を維持し、未来の世界のブリタニア国区として形を残した。
ちなみに料理が美味しいことで有名な国。「世界各国の料理を外食で食べられる」というイギリスの特徴が長い年月をかけて発展し、世界中の料理が高次元で調和し融合した結果、「万国料理」が実現した。
●大ヨーロッパ連合
第三次世界大戦後に生まれた国家。ヨーロッパ一帯を支配する連合国。
第三次世界大戦時、中東の石油原産国はヨーロッパ地方の国々と激しく争い、欧州各国は大打撃を受けた。戦後、ボロボロになったヨーロッパ各国は、スペイン生まれのカリスマあふれる指導者の指揮の下、一国にまとまることとなる。ただし、遠く離れた島国のイギリスを除いて。
●新モンゴル帝国
第三次世界大戦後に生まれた国家。アジア一帯を支配する大帝国。
かつてのチンギス・ハンの再来のごとく、第三次世界大戦で勢力を伸ばしたモンゴル。その勢いは太陽系統一戦争でも衰えず、最終的にアジア一帯をモンゴル国区とすることで収まった。なんかもう、ものすごい結末である。
○テセウスの船
古くなった船の部品を順次交換していって、やがて船に最初の部品が何も残らなくなったとき、その船は最初の船と同じ船と言えるのかというパラドックス。
自作パソコンを組んでいるとしばしばこの状態になるが、バンドル品が存在するとそのバンドルがパソコンの本体と言えるような状態となる。
●サイバーポリス
未来のネットの海を巡回する警察。全人員がAIで構成されている。
マザー・スフィアは、よく他人の配信に勝手に乱入して場を騒がせるため、しばしばサイバーポリスが出動してマザーが怒られる状況になっている。大丈夫か支配AI。
なお、サイバーポリスはSNSの炎上にも出動して、教育的指導を行なっていくため、未来のネットはサイバーポリスを恐れて無駄に民度が高くなっている。
●セルモデル
生分解性プラスチックであるセルロース樹脂を使ったプラモデル。
なぜ、わざわざプラモデルからセルモデルへと呼称が変わっているのかというと、人類が宇宙進出した後にスペースコロニーでは石油製品を使用できず、セルロース樹脂が石油性プラスチックの代わりに用いられた。その時に、セルモデルという呼称で大ヒットを飛ばしたプラモデルシリーズがあり、それが一般名称に変わるほど定着してしまったのである。
○野球
球技の一種。未来では、サイボーグ化していない生身の人間がプレイする伝統あるスポーツとして、人気が高い。
未来では細かいところで現代からルールも変わっているが、伝統文化としての保護がされているため、現代人が見てもおかしく感じるほどの変化は起きていない。サイボーグが野球をすると場外ホームランを連発してしまうため、未来で野球をすることが許されるのは、非サイボーグの人間のみ。選ばれた者のみがプレイできる高尚な競技として、絶大な人気を誇っている。
プロリーグも存在し、惑星テラでは大きな国区に一チームずつプロチームが作られており、年間を通してペナントレースが行なわれている。プロチームの選手は一級市民だが、引退すると二級市民に扱いが落ちてしまう。そのため、引退選手は、一級市民に留まるためにプロのサイボーグスポーツ選手に転向するケースが多い。だが、若い頃からサイボーグスポーツを行なっていた選手との軋轢もあるようだ。
○オリハルコン
架空の金属。伝説の島アトランティスに存在したと古代ギリシアの文献で記されているとか。
ファンタジー創作において、強力な武具の材料として登場することが多く、架空の金属ゆえにその見た目は様々。
○ミスリル
架空の金属。『指輪物語』の作者トールキン先生の創作金属。
ファンタジー小説やゲームでフリー素材のごとく使われているが、近代に入ってから創作された物なので権利関連でいろいろとあるようだ。
●来馬流超電脳空手
ソウルコネクトゲーム用の格闘術の流派。琉球空手を古くから伝える来馬家が、フルダイブVRの勃興を受けて、ゲーム用に調整した空手を一から編み出したのが流派の始まり。
間合いを広く取る中距離攻撃が主流のソウルコネクトゲームの格闘に反するように、超近距離の接近戦を旨とする攻撃重視の空手となっている。
来馬流超電脳空手のVR道場には多数の門下生と指導者が所属しているが、見込みのある人間は、リアルの来馬流空手道場の門下生としてスカウトされることがある。
●エナジーハサミ
刃部分がエナジーマテリアルで構成されたハサミ。人体及び肉類を切れないように調整されている。
刃物が苦手な未来人も、エナジーハサミなら安心して使うことができる。
●エナジーパン切り包丁
刃部分がエナジーマテリアルで構成されたパン切り包丁。人体及び肉類を切れないよう調整されている。
肉を切れないので、ミートパイを綺麗に切り分けるのは苦手かもしれない。
●ヨコハマ海水公園
ヨコハマ・アーコロジー内にある人工海水浴場。
未来の人類は、死体が発見されない死を何よりも恐れるため、自然の川や海に恐怖を覚える。だが、この海水浴場のように完全に管理された水は怖がらないようになっている。
ヨコハマ内でも市民に人気のスポットの一つで、常に夏の気候が保たれているため、季節を問わずヨコハマ市民が遊びに訪れる。
●電子サイン
空間投射画面に入れた署名を画像として保存するだけの、旧態的で慣例的な仕組み。AIにとっては筆跡を真似することなど容易いため、本人の証明としてもほぼ役に立たない本当に雰囲気だけの慣例である。そのため、契約書の署名以外の電子サインは行政の現場から根絶されている。
契約書にわざわざ電子サインを入れるのは、重要な契約書にはマザー・スフィアのチェックが入るので、マザーに誓って契約を守りましょうという儀式的な意味がある。なにげにマザー関連は宗教っぽさがにじみ出ている。
○オブ・ザ・デッド
ゾンビ物の映画やゲームのタイトルにつけられる言葉。『(舞台名)オブ・ザ・デッド』のように命名して使う。
オブ・ザ・デッドとタイトルについているだけでゾンビが出てくると判るので便利だが、同時にB級臭も漂うのが困りどころ。
○ワールドシミュレーター
高度なコンピュータ内に世界を丸ごと一つ再現して、演算により世界の運営を行なった物。ゲームの世界を構築する一手法として用いられる。
世の中のVRMMO小説ではこのワールドシミュレーターとしての側面を持つゲームの登場率が高く、なまじ貨幣経済や物流などを再現してしまっているため、ゲームとして利便性が低くなっている光景がしばしば見られる。
●バーチャルインディーズマーケット
インディーズのゲーム、漫画、小説、音楽、グッズなどの製作の成果を披露するVR空間上の祭典。全宇宙で最大級のインディーズイベント。夏と冬の年二回開催され、夏は四日間、冬は三日間にわたって行なわれる。ちなみに208話の冬で第787回目の開催である。
参加者には無料の電子カタログが配られる。ページ数は膨大だが、電子上の本なので持っても特に分厚くはない。
明らかに日本のコミックマーケットの影響を見てとれるが、コミックマーケットは第三次世界大戦時に中止に追い込まれて以降は開催されなくなってしまった経緯を持つ。
●リアルフレンドマッチングサービス
行政が提供しているリアルでの趣味の合う知り合いを作るサービス。
二級市民達はゲームの世界に引きこもってばかりのように思えるが、意外とリアルの知り合いも多い。それは、養育施設での集団教育で知り合いができやすいことに加え、こういったマッチングサービスの使用を積極的に行政が推し進めていることが大きい。
●養育施設
子供を生後間もなくから預かって、十五歳の成人を迎えるまで集団で育てる公共施設。
学習装置を使って子供に教育も行なうため、未来の世界では学校が存在しない。また、ゲームとリアルの違いを教え込むために、『ネバーランド』と『アナザーリアルプラネット』というVR空間での教育も行なう。人が子供を育てることを放棄した未来社会の闇がぎゅっと詰まっている施設と言えるだろう。
ちなみに作中の登場人物では、チャンプとノブちゃんの二人は養育施設で育っていない。
●学習装置
脳と魂に直接情報を送り込む機械。未来の子供達は、この装置を使って言語から社会常識まで幅広いことを学ぶ。
勉学を一瞬で学ぶことができる便利機械だが、趣味の分野でこの装置を使うことはほとんどない。人類には余暇が無限にあるため、趣味に関することは一からこつこつ覚えるべきという風潮がある。なので、学習装置を使ったゲームの達人の類は存在しない。
一方、AI達はゲームに関しても、専用プログラムをインストールして一気に強くなる。『St-Knight』でヒスイがチャンプであるクルマムと互角に渡り合ったのも、格闘ゲーム用プログラムのおかげ。なお、『Stella』の闘技場では、AIプレイヤーの対戦が行なえないようになっている。AIと人間とでは根本的な強さが違うので区別されており、闘技場とは別にAIプレイヤー用のPvPエリアが存在する。
●ネバーランド
子供にゲームの楽しさと、ゲーム内での生活の仕方を教えるVR空間。MMOの一種で、全養育施設の子供達が一堂に会することができる。
牧歌的な世界で、子供の好きそうな要素がたっぷりと詰まっている。十五歳で卒業しなければならないため、出るのを惜しむ子供も多いのだとか。そういう子供は成人後もMMO世界にどっぷりと浸かる傾向にある。
●アナザーリアルプラネット
子供にリアルの厳しさと危険を教えるVR空間。MMOの一種で、全養育施設の子供達が一堂に会することができる。
他のゲームでは許されていない痛覚や疲労、空腹、便意などが再現されており、ここでゲームとリアルの違いを徹底的に学ばされる。子供に扮したAIのエキストラがそこらにまぎれており、彼らが子供達に代わって刃物で怪我をしたり、火で火傷をしたり、川で流されたりすることで、リアルに潜む危険を子供達にトラウマレベルで徹底的に教え込む。
○芋煮会
外に集まって芋煮を食べる東北地方における秋の風習。芋煮は地域によって味が異なり、使う調味料や芋の種類、具材などで特色を出す。
味の違いによって、時には喧嘩に発展することもあるようだ。東北民にとっては、喧嘩するほど大事な存在なのだろう。
○オーク
『指輪物語』の作者トールキン先生が考え出した架空の種族。エルフが変じた邪悪な存在とされている。
創作種族だが、オークの名は伝承上の存在から取ったため、ホビットなどと違ってオークを創作物に登場させることに著作権的な問題が発生しない。
オークはしばしば豚の頭を持つモンスターとして描写されることがある。テーブルトークRPG『ダンジョン&ドラゴンズ』のモンスターマニュアルに描かれた挿絵が豚頭のもとになったと言われているが、どのように世間へその姿が広まっていったかは定かではない。
近年では「人間を孕ませて増える」というエロゲ設定を採用する作品も見受けられるが、「豚頭なので肉が豚肉のように美味い」という設定もセットで付けたせいで、どこかカニバリズム的な雰囲気になってしまっていることがある。
○コボルド
妖精の一種。近年のファンタジー創作では、直立歩行する犬系モンスターとして描かれることが多い。
本作ではコボルドと表記するかコボルトと表記するか最後まで悩んだが、読者にとってはかなりどうでもよさそう。
○エルフ
これまた『指輪物語』の作者トールキン先生が伝承の妖精をもとに考え出した架空の種族。
『ロードス島戦記』を始めとするファンタジー創作の影響で、現在の日本におけるエルフ像は原典から変質しきっている。また数十年経ったら、違うエルフ像ができあがっているのだろうか。
○風呂
未来の世界にはナノマシン洗浄があるため、個人宅の風呂場は姿を消した。レジャー目的としてスーパー銭湯のような施設が、水を豊富に使える一部の惑星内に残るのみである。
○冒険者ギルド
仕事が欲しい戦闘能力者を集め、短期の仕事を斡旋する組織。国を超えた大規模組織として描かれることもある。
冒険者がお互いを助け合うためのギルドとしての性質は薄く、冒険者という従業員を雇う大企業としての側面が強い。
○冒険者の酒場
冒険者を集めて仕事を斡旋する個人経営のお店。冒険者ギルドのような横の繋がりは存在しないケースが多い。
デジタルゲームへの採用は冒険者ギルドよりもこちらの方が早かった。組織を描く必要がないからだろうか。
●超能力強度
超能力の強さを定量的に表わしたもの。ほとんどのソウルコネクト用対人ゲームでは、超能力強度がフラットになるよう調整されているため、超能力強度での有利不利は存在しない。
リアルでのパーティゲームやアナログゲームでは超能力強度を調整できないため、リアルファイトへの発展に気をつける必要がある。
○クソエイム
「相手に銃弾を命中させる能力がクソでいらしてよ」を意味する言葉。
FPS系ゲームの実況配信では煽りコメントとして結構な頻度で見られる。
●ウェンブリー・アーコロジー
ロンドンのウェンブリーに存在するアーコロジー。ウェンブリー・グリーンパークが存在する一大観光都市。
自然あふれるグリーンパークが存在する影響か、アーコロジーの各所には珍しく街路樹が設置されている。自然は多いが管理された自然なので、虫の類は沸いていない。花の受粉は虫型ロボットが行なっている。
●ウェンブリー・グリーンパーク
ウィリアム・グリーンウッド元公爵が運営するアミューズメントパーク。
アトラクションが並ぶ遊園地の他、マーズマシーナリー体験施設、競馬場、動物園、乗馬施設、動物触れあい広場、プール、スキー場、ホテルと様々な施設がそろっている。自然に触れてみたいが、高い観光費用は出せないというスペースコロニー在住の二級市民に人気のスポットである。
●ウェンブリー競馬場
地球環境の悪化により消滅した競馬を未来の世界に蘇らせた、ウェンブリー・グリーンパーク内の娯楽施設。
出場する馬も全て旧来的な競馬に使われていたサラブレッド種であり、遺伝子改良された馬は出場できない。馬主はほとんどがグリーンウッド閣下であるが、競馬ファンがクレジットを払って馬主になることも可能である。競馬ファンが馬主になった場合も、一律でグリーンウッド閣下が経営するいくつかの牧場で育てられることになる。
入場時に配られる電子チップを賭けるギャンブルが公式に行なわれている。クレジットを使ったギャンブルは法で禁止されているため、電子チップをクレジットで購入することはできない。足しげく通って、チップで推し馬を応援しよう!
●モッコス
惑星ヘルバで採れる植物を煎じた飲料。うま味がたっぷり。
ヨシムネはこの飲み物を飲むたび、頭の中に邪神像の姿が思い浮かぶとかなんとか。
●SC式学習装置
脳に直接情報を叩き込む一般的な学習装置とは違い、魂の記憶野に情報を流して学習させるソウルコネクトの基本機能。
その性質上、脳が存在しないアンドロイドやソウルサーバにソウルインストールした人間向きの機能となっている。通常の学習装置もそうだが、趣味の分野でこれらの装置を使うことは、避けられがちである。趣味ならば自分で一から学べという風潮があるためである。
●自動作曲ツール
チェックシート方式で作りたい曲を選ぶと、自動で曲を出力してくれる未来の素敵ツール。
それなりのクオリティの曲ができるため、インディーズゲーム製作者達に愛用されている。こんなツールがあるのでは、凡才の音楽愛好家では作曲者として一級市民になることはとてもできないだろう。社会は厳しい。
●エナジーエプロン
エナジーマテリアルでできたエプロン。エナジーマテリアルは出力を解除すれば、何もなかったかのように消え去る。そのため、汚れがついても外して出力解除してしまえば、洗浄の必要がない。
ナノマシン洗浄は便利だがナノマシンの製造コストがかかるため、ソウルエネルギー以外の資源を消費しないエナジーマテリアルで積極的に代替されている。
●純米大吟醸『覇王来馬』
チャンプの実家である来間家が経営する酒蔵で造られるお酒。伝統的な日本酒の仕込みがされる、マニア垂涎の純米大吟醸である。
ちなみに酒蔵で働く人達は一級市民だが、チャンプ本人は酒蔵の経営の仕事をしないで三日に一度の空手道場の指導員のみをやっているので、彼は準一級市民である。遊びたい盛りの若者だから仕方ない。
●銀河アスレチック
アンドロイドスポーツの一つ。大規模な障害物競走。
複数の選手が一斉にスタートし障害物を越えてゴールを目指す。コース上に用意されたギミックを使って、他選手を蹴落としていく豪快さが人気。
●高振動カッター
マーズマシーナリーの兵装である作業用ブレードのこと。元々は、重機として石切などに使うためのオプションパーツ。
超高速で振動していて、その振動により切断力を増している。作品によっては、高周波ブレードなどとも言われるSFガジェット。
○男の料理
一人暮らしを始めた男という生き物は、チャーハン、カレーライス、パスタの三種の料理に、異様なこだわりを見せるという……。
○発狂
シューティングゲームやアクションゲームで、敵のボスが追い詰められたときに超絶パワーアップすることを指すゲーム用語。
相手が発狂した状態でこちらが守りに回ると、物量で押し切られジリ貧になってしまうので、守るかたたみかけるかの判断が重要になる。
○プレイヤースキル
ゲームの技量を指すゲーム用語。主にオンラインゲームで使用される言葉。
MMORPGにおいて、PvEをただ漫然とこなしているだけでは、PvPに必要なプレイヤースキルは全く上昇しないのだが、自らの身体を動かすVRMMOでは、はたしてどうなのだろうか。
○砂上船
砂漠の上を進む船。様々な実在ゲームで登場する。
帆に風を受けて進むビジュアルが多く見受けられるが、その程度で砂の上を物体が進むとは思えないので、魔法的な何かがきっとあるのだろう。魔法などの不思議要素がないゲームにも登場するが、気にしないでおこう。
●メタルオリンピア
四年に一度行なわれるアンドロイドスポーツの祭典。いわゆる五輪大会のアンドロイドバージョン。
なお、サイボーグスポーツの祭典はアイアンオリンピアという。生身の人間によるスポーツの祭典は、残念ながら行なわれなくなってしまっている。
競技場に観客を動員して行なわれるが、人間用の競技場はアンドロイドが力を発揮するにはせまいため、巨大な施設になっている。そのため、観客席から選手が遠すぎて見えなくなってしまい、わざわざ現地まで来ているのに手元の映像で観戦するという本末転倒な事態になってしまっている。
●重量投げ
重量挙げのバーベルを砲丸投げのごとくぶんなげるアンドロイドスポーツ競技。
投擲物が明らかに投げるのに向いていない形状をしているが、スポーツの在り方に合理性を説いてはいけない。
●運動プログラム
スポーツ中にどう動くべきかの指示を出すプログラム。アンドロイドスポーツとサイボーグスポーツの両方で導入されている。
サイボーグスポーツでは、実際に運動を行なう選手と運動プログラムを作るプログラマーとでチームを組んで競技に挑むのが、ガチ勢の間での通例となっている。
アンドロイドスポーツではアンドロイドを製作できるような大企業が運動プログラムを作るため、開発規模がサイボーグのそれとは比べ物にならないほどになっている。アンドロイドスポーツは、まさしく社運を賭けた戦いになる。
○スクリーンショット
ゲーム内で撮る写真のこと。画像データとして保存される。
未来のソウルコネクト内では、視界をそのままスクリーンショットにする他、両手で枠を作ってその範囲を撮る方法や、仮想のカメラを出現させて撮る方法など、いくつかの手段に分かれる。未来のリアルではスマホ等の情報端末が廃れてインプラント端末を使用しているため、ソウルコネクト内と似た方法で写真や映像を撮ることができるようになっている。
○RTA(Real Time Attack)
ゲームの開始からクリアまでの実時間を計る、やりこみプレイの一種。
最速クリアを目指すため、チャートと呼ばれるゲームのプレイ手順をあらかじめ作成し、練習とテストランを重ねる。RTAの大会なども開かれており、配信文化と合流して流行の兆しを見せている。
○オープンワールド
世界がすべてシームレスにつながっていて、自由に移動・探索が可能となっているゲームの仕組み。
マップ切り替え時のローディングがないだけで、プレイヤーのストレスはかなり解消される。オープンワールドと言えば広大な3Dマップの印象が強いが、中には2Dゲームでもオープンワールドを採用している気合いの入った作品が存在する。
●超光速ドライブ装置
ゲーム『Wheel of Fortune』に登場する架空の移動装置。未来の時代から見ても、架空の装置扱い。
未来において、宇宙船を超光速で動かす手段は、テレポーテーション以外に存在しない。なので、宇宙船には必ずテレポーテーション装置が取り付けられている。通常航行は、精々が細かな位置調整で行なう程度である。それでも地上から直接テレポーテーションを使わず宇宙船に乗りこむ理由は、自転や公転の計算を簡素にしてソウルエネルギーの消費を抑えるためである。
●ワープドライブ装置
ゲーム『Wheel of Fortune』に登場する架空の移動装置。未来の時代から見ても、架空の装置扱い。
未来において、超能力に頼らないワープ技術は確立されていない。超能力学分野では超能力のテレポーテーションの仕組みを解明しようとしているが、宇宙船を自在に飛ばすほどの成果は得られていない。
ちなみに、他の宇宙船の機能として、重力バリアや電磁バリアは実現している。ただし、これらは軍用の強力なバリア機能であり、通常の宇宙船がスペースデブリを防ぐ目的では、超能力による障壁のサイコバリアや、ソウルエネルギーを物質化したエナジーバリアは用いられている。
○レトロゲーム
古いゲームを指す言葉。
印象的にはファミコンやスーパーファミコンあたりのドット絵のゲームを指す言葉に見えるが、古いゲームという言葉の定義によるならプレステ3も十分レトロゲーム。ハイポリゴンの3Dゲームをレトロゲーム扱いするのはかなり抵抗があるが、プレステ3が出たのは15年以上前。古い物は古い。
●血中ナノマシン
未来の人類は体内にナノマシンを保持している。インプラント端末で制御されており、健康を保ち、怪我の治療を早め、精神を安定化させている。
月に一度の錠剤を飲むことで補給され、古くなった物は便として排泄される。血中ナノマシンにもタイプがいくつかあり、アンチエイジングタイプやスポーツタイプなど、身体をどう整えたいかで各々が自由に選択する。
●人形操作型ゲーム
コントローラーを使って画面上のキャラクターを操作する、旧来的なゲームを指す未来のゲーム用語。
未来では直接自分のアバターを動かすフルダイブVRがゲームとして一般的になったため、キャラクターを操作するゲームにわざわざこの名前が付けられた。
●アンチサイキックフィールド
超能力の発生を抑制する超能力であるアンチサイキックを利用した空間。アーコロジーやコロニーの市街地に展開し、市民の超能力の濫用を防いでいる。
ソウルコネクト内での超能力の抑制は機械でいくらでも処理できるが、リアルで超能力を抑制させようとすると、専用の機器を直接身体に押し当てるか、このアンチサイキックを展開するかしか手段は存在しない。超能力妨害電波のような便利な技術は未だ発明されていないのが現状である。
●ヨコハマ・アーコロジー第一養育施設『はまはま園』
2000人の子供を収容可能な養育施設。生まれたての0歳児から成人間際の14歳までの全子供世代を収容の対象としている。
第一とくれば、もちろん第二、第三もある。ヨコハマ・アーコロジーは建造当初、一級市民しか住民がいなかったが、結婚した一級市民が順調に子孫を残した結果、ゆるやかに人口増の傾向にあり二級市民が年々増えていっている。アーコロジー内の土地は有限なため、数十年後に居住区は定員いっぱいとなる。そのため、他惑星やスペースコロニーへの移住が予定されている。ヨコハマ・アーコロジー自体の拡張予定はない。
●ポスト自然愛好家
未来における自然愛好家の一つの在り方。AIによって管理された惑星テラの自然こそ至高と考え、AIに見守られながら自然の中で生きることを旨とする人々。
機械に極力頼らず生きるが、全ては管理された温い環境だからこそできること。それを彼らも自覚しており、管理してくれるAIに感謝しながら自然区画で生を満喫している。なお、死後はソウルサーバへのソウルインストールは行なわず、自然に還ることを主義にしている。これもある種の宗教なのだろうか。
●超能力家電
時間停止をする食料保存庫、時間加速機能を駆使する自動調理器、パイロキネシスで料理を温めるレンジと、未来人の生活に超能力は欠かせない。これらの超能力家電は、アルバイトの二級市民から専用機器で超能力を抽出し、超能力増幅装置で規模を増やし、遠隔操作でその超能力を発動させている。人力と機械技術が融合した文明が未来の世界である。
●パリ・アーコロジー
ヨーロッパ国区の旧フランス圏にあるアーコロジー。古い文化を継承する目的で、太陽系統一戦争時の市街地が保存されている歴史都市。
1000年近い歴史を誇る建造物が多数残されており、シャンゼリゼ劇場の他、シャルル・ド・ゴール広場、エトワール凱旋門、ガルニエ宮、ルーブル宮殿、エッフェル塔などが現存している。
アーコロジーの住民も、歴史保存や歴史研究に関わる市民が多く所属しており、高層建築物の少なさから、二級市民はほとんど見受けられない。
●ワンダーランド
子供の養育用ゲーム空間『ネバーランド』で開催されるステージイベント。子供と大人達の交流をはかるために定期的に行なわれている。
出演者はアマチュアからプロまで幅広い層が呼ばれているが、出演したいといってできるものではない。出演には他出演者のコネが必要。出演したい者は後を絶たないので、コネで呼ぶくらいがちょうどよいのかもしれない。
●クレアボヤンス検査機
現代の金属探知機の代わりに移動施設で使われる、手荷物検査機。クレアボヤンス(透視能力)を使う超能力機器である。
透視能力といえば卑猥な目的での使用がコメディ漫画では定番となっているが、実際にやろうとしたら服一枚向こうを透視することは可能。ただし、町中はアンチサイキックフィールドが展開しており、認可されていない超能力は使用できない。そのため、透視を卑猥な目的で使うには、自室に相手を招く必要があるが、その時点で透視をするまでもない脈あり状態の可能性が高いのではないだろうか。
●年間王座決定戦
『St-Knight』の頂点を決める年に一度の戦い。11年の歴史を持つが、歴代王者は今まで2人しかいない。『St-Knight』はソウルコネクトの対戦型格闘ゲームで最もプレイ人口が多いため、実質的にソウルコネクトの対戦型格闘ゲームおよびアクションゲームで一番強い者を決める戦いとなっている。
11月のランクマッチの結果を参考に出場選手が決められ、12月中旬からトーナメント戦が行なわれる。決勝戦および三位決定戦は12月31日の大晦日に行なわれるが、これは現代日本の年末に格闘技の興行を行なう風習が形を変えて残ったものとなっている。
●宇宙暦300年記念祭
宇宙暦の制定から300年目を記念して開かれた宇宙的セレモニー。その実態は、惑星ガルンガトトル・ララーシの先住種族ギルバデラルーシとの交流開始を人類に知らせるサプライズイベント。
惑星ガルンガトトル・ララーシの人類基地に作られたステージで、丸一日かけて様々なステージイベントを執り行なう。ギルバデラルーシの紹介映像公開、元大長老とマザー・スフィアのトークショー、宇宙中の有名歌手を集めた歌謡ショー、芸能人とギルバデラルーシの重鎮によるゲーム体験などのプログラムが組まれている。全宇宙の人類に配信されているが、客席はギルバデラルーシによって埋められているため、ギルバデラルーシ向けの催し物が多めになっている。
●ギルバデラルーシ
惑星ガルンガトトル・ララーシの先住種族。有機ケイ素化合物で身体が構成されたケイ素生物で、超能力を使用することができる知的生命体。
体高3メートルから6メートルの直立二足歩行の人型生物であり、手の指は左右それぞれ8本ずつある。なお、足の指は4本ずつである。銀色に光る体表をしていて、人間よりも頑丈な身体をしているが、別に身体が金属でできているわけではない。惑星上に存在する結晶生物などのケイ素生物を加工して食べる。惑星の地表上に水が液体としてほとんど存在しないので、水は飲まない。巨体に見合った腕力を持つが、動きは人類と比べると鈍重。
雌雄はなく、長老と呼ばれる個体が卵を産み、群れで活動する社会性の生物。それぞれの群れは部族と呼ばれ、部族の長老がテレパシーで他の部族の長老と情報を交換することで、交配の代わりとする。惑星全ての長老を束ねる存在を大長老と呼ぶが、大長老は身体構造的には、ただの長老と変わりはない。
高度な超能力文明を築いており、結晶を加工して服を作ったり、金属を加工して道具を作ったりといった簡単な知的活動だけではなく、文学の脳内執筆や学問の研究、楽器の演奏や歌唱、テーブルゲームによる遊戯などの文化的活動を行なっている。精神性は極めて温厚で、人類とのコンタクトでも最初から友好的な態度を貫いていた。
記憶力が非常に高く、テレパシーでお互いに情報をやりとりして記憶を補完し合っているため、文字の概念が人類と接触するまで存在しなかった。さらにコンピュータなどの演算装置も発明されていなかった。人類からそれらがもたらされたため、さらなる文明の飛躍が期待されている。
●魂の柱
ギルバデラルーシの死後の魂を収めておくための黒い柱状の物体。ギルバデラルーシの宗教は、これに宿る魂を崇拝する祖霊信仰である。
ギルバデラルーシは神への信仰を文明成立から早いうちに捨て去っており、魂の柱を発明する以前の初期の祖霊信仰の段階で、すでにあの世の存在を信じていなかった。魂は消え去った後も、大地に宿って見守り続けているといった宗教観がかつてあり、それが発展していって魂の柱の発明に至った。
●岩の鎧
岩と名が付いているが、実際は結晶生物を加工して作られた強靭なマテリアルで作られたプロテクター。
ギルバデラルーシが戦争時に装着していた防具で、敵対種族のプリングムの矢を無傷で弾く性能を誇っていた。しかし、戦争末期ではプリングムは強力なクロスボウやバリスタを発明しており、サイコバリアと岩の鎧を貫かれることも多かった。
プリングムが絶滅した現在では、ギルバデラルーシが式典や祭事で装着する、正装として用いられている。
●プリングム
惑星ガルンガトトル・ララーシの先住種族の一つ。ギルバデラルーシと壮絶な生存競争を繰り広げた。
直立二足歩行だが、腕が四本ある人型種族。力が強く、雌雄があり多産。同族間での連帯感は強いが、他種族に対しては自分の下に置かないと気が済まない凶悪な精神構造をしている。知能がそれなりに高く、ギルバデラルーシから金属加工技術を盗み出し、鉱脈を地下に掘り進めて巨大な地底国家を築いた。
千里眼や透視能力を持つギルバデラルーシも、地下は深く見通すことができなかったため、両種族の戦争は泥沼化した。
戦争末期には、捕らえたギルバデラルーシに薬剤を投与して超能力を無理やり使わせる技術を確立し、アンチサイキックフィールドを戦場に展開してギルバデラルーシを追い詰めた。だがその戦いも約512年前に決着が付き、地底国家は崩壊。その後は惑星中に散り散りになり隠れ住むようになったが、約256年前にとうとう最後の一人が倒され、絶滅した。
●マスコットロボット
現代における着ぐるみの代わりに作られるロボット。プロ野球チームのマスコットや、ウェンブリー・グリーンパークのマスコットなどが作中に登場している。
中には高度有機AIが積まれており、完全にキャラクターになりきって子供に愛嬌を振りまく。AIは仕事用のマスコットロボット以外にもプライベート用のアンドロイドのボディを所持しているが、アンドロイドの状態で自分はマスコットをしていると話すことはしない。未来でもマスコットの中の人は露出してはいけないのだ。
●結晶生物
惑星ガルンガトトル・ララーシに生息する知性を持たないケイ素生物。自ら動くことはなく、地面に根を張って成長する、惑星テラにおける植物のような存在。
植物と違い種で増えるわけではなく、砕いた結晶生物を地面に撒くことで増殖する。その性質から増殖能力が非常に高く、惑星ガルンガトトル・ララーシの地表は、ほぼ全域が結晶生物に覆われているほどである。そのため、この惑星からの結晶生物の持ち出しは、マザー・スフィアによって固く禁じられている。
●ゲルグゼトルマ族
ギルバデラルーシの部族。元大長老のゼバを有する。
ヨシムネの『Stella』配信以降、管楽器に魅せられた者が多く出た。自分の代わりに呼気を拭きかける機械を田中宗一郎の監修で作り出し、リアルでの管楽器の演奏を可能とした。さらに、アコーディオンの存在もAIから伝えられ、元々あったオルガンのような楽器も小型化されて、彼らの間で気鳴楽器ブームが到来している。
●ドルバヌント族
ギルバデラルーシの部族。現在の大長老を有する。
グリーンウッド閣下による乗り物ゲーム紹介により、自動車、飛行機、搭乗ロボットと段階的にブームを起こした。リアルでも乗り物を作れないかと考えており、田中宗一郎を招いてギルバデラルーシ用のマシンを組み上げようとしている。マーズマシーナリーの体高が8メートルと、自分達の最大身長の6メートルと大差ないことを知って、リアルで乗ることができないことをなげいている。
●ハルグゾントラ族
ギルバデラルーシの部族。次期大長老と目される若き長老を有する。
ノブちゃんに紹介されたアドベンチャーゲームを見て、文学のさらなる可能性を彼らは見いだした。さらに、ノブちゃんによって紹介された脱出ゲームに、部族一同で大はまりした。アドベンチャーゲームから恋愛ゲーム紹介に移行しようとしたノブちゃんの目論見は、見事に外れた形になった。最終的に自分達の都市に脱出ゲームを実際に作り出し、ノブちゃんを招待して一緒に脱出を楽しんだという。
●アグリグム
惑星ガルンガトトル・ララーシに生息する動物。全身に毛が生えた六本脚の蜘蛛のような見た目をしている。雌雄があり、卵で増える。食性は、結晶生物をそのまま食べる。
敵対種族のプリングムはこれを飼い慣らし、騎乗して移動手段に使っていた。六本脚の安定した動きは、足場が悪いプリングムの地底世界でも自在に動け、戦場で縦横無尽に駆けたという。
●ギラ
ギルバデラルーシのファンタジー文学に登場する、謎の架空生物。
その正体は、左脚四本、右脚四本の計八本脚の動物である。スレイプニルや猫バスに近い見た目で、タコやイカの類ではない。足を泳ぐように動かし、空を自在に飛ぶ。なぜ空を飛べるかは、ギルバデラルーシの作者も理屈を考えていない。
○アンオブタニウム
「入手不可能な金属」を意味する架空の金属。SFを始めとした創作上に登場する。
ファンタジーの架空金属であるオリハルコンなどと違って、読者共通の認識的なものが存在しないので、創作者が自由に特性を決められる。
●ギルバゴーレム
魔法に触れた『Stella』世界におけるギルバデラルーシが、有機ケイ素化合物を用いてゴーレムを作ったら、そこに魂が宿って一種族として確立したという設定のオリジナル種族。
ギルバデラルーシのプレイヤーが、ヒューマン系種族の生活圏で活動することを想定されて設計された種族。そのため、最大身長は2メートルと、本来のギルバデラルーシと比べたらかなり低い。
食事はギルバデラルーシと同じく結晶加工食品を食べる。人類がギルバゴーレムを操作キャラクターに選択すれば、人類でもギルバデラルーシの味覚を楽しむことができる。
○ダイソン球
恒星の周り全てを人工の構造物で覆い、恒星から得られる熱エネルギーと光エネルギーを漏れなく獲得するための超巨大建造物。
未来の世界では、常温核融合炉や縮退炉などで文明に必要となる電気を十分まかなえているうえ、熱や光では文明の下支えになっている超能力を行使するために必要な力が得られない。そのため、ダイソン球を建造する予定は今のところ立っていない。ただし、大量の熱エネルギーや大電力を必要とする何かが発明されたときには、建造が計画される可能性はある。