やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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相談拒否とお風呂

 

 

八幡side

 

 

ーーーホテル・談話室ーーー

 

 

八幡「そんで?なんか用か?言っておくが、朝にあった話ならお断りだからな。」

 

葉山「いや、違うんだ。その逆なんだ。」

 

八幡「あぁ?」

 

葉山「………戸部が姫菜に告白するのを君に阻止して欲しいんだ。」

 

八幡「……自分が何言ってるのか分かってるんだろうな?つまりお前は最初に戸部の依頼を協力してほしいと言っておいて、今度は阻止してほしいと……お前、何考えてんだ?」

 

葉山「……俺も最初は止めるように言ったんだ。姫菜も誰とも付き合う気がない事も伝えた。けどそれでも止まらなかったんだ!今戸部が姫菜に告白をしたら、今の関係は終わってしまう!だから頼む!君しかいないんだ!」

 

八幡「朝にも言った筈だぞ。俺は協力するつもりはない。ましてや今のそんな関係、1度ぶち壊せば良いだろ。そんな上っ面だけの関係で仲良くなろうだなんて俺には考えられねぇよ。」

 

葉山「っ………君は良い奴だと思ってたのに。」

 

八幡「はぁ?お前何言ってんだ?俺が良い奴?ンな訳ねぇだろ、俺はヤクザだぞ?俺が良い奴なら周りの奴らは神にでもなってるよ。兎に角、俺はそんな事どうでも良い。恋路をサポートするなり阻止するなりお前の好きにしろ。他人を巻き込むな。」

 

葉山「くっ………」

 

 

ーーー廊下ーーー

 

 

ったく……あの野郎は何考えてんのか分からん。応援してぇのかしたくねぇのか、阻止してぇのかしたくねぇのかも何1つ分からん。あいつは一体何がしてぇんだ?

 

 

雪乃「あら、比企谷君。奇遇ね。」

 

八幡「よう、そういうお前はパンさん目当てか?」

 

 

だって手に下げてる袋からパンさん特有の目が俺を睨みつけているから。

 

 

雪乃「………えぇ。」

 

八幡「まぁ折角来たんだし、千葉にはねぇパンさんも欲しくなるわな。」

 

雪乃「えぇ、そうね………ところで比企谷君、少し聞きたい事があるのだけれど、良いかしら?」

 

八幡「何だ?」

 

雪乃「さっき葉山くんからまた依頼の件で話をされたのだけれど、貴方は彼の相談を受けた?」

 

八幡「聞くには聞いたがアホ臭いな。何だよ今度は告白を阻止してほしいって。そんなもん自分で何とかしろ「ちょっと待って。」って……何だ?」

 

雪乃「告白の阻止?どういう事?」

 

八幡「ん?お前も告白の阻止の相談をされたんじゃねぇのか?今の関係が気に入ってるから、告白をさせないようにしてくれって。」

 

雪乃「違うわ!私は以前と同じような相談をされただけよ!貴方こそそれはどういう事なの?」

 

 

俺もよく分からなかったから、俺がさっき葉山から相談された事を一部始終全て雪乃に説明した。しかも雪乃の反応からして、どうやら葉山は俺らに両極端の相談をしていたみたいだ。その意図がどうしてかは分からないが、俺も雪乃もこの件に……いや、今後は一切葉山の相談に乗る事はないと思った。

 

 

雪乃「………つまり私達はこのまま彼の相談に乗っていたら、お互いに邪魔をしながら動いていたという事になるわね。」

 

八幡「そうなるな。この相談、受けなくて正解だな。時系列的には朝と今だから別になるが、俺がこのまま受けていたらお前と衝突しているな。」

 

雪乃「そのようね。引き止めてしまってごめんなさい。あの男の相談にはもう乗らない事にするわ。」

 

八幡「そうか。まぁその方が良いだろう。じゃあ雪乃、お前もそろそろ行け。入浴時間だろ?」

 

雪乃「あっ……引き留めてしまったせいで比企谷君の入浴時間を無くしてしまったわ……」

 

八幡「安心しろ、俺だけ別の時間にしてもらってるんだ。衛生面の関係もあってな。」

 

雪乃「?それって?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「俺の背中、刺青あるから。」

 

 

ーーー21:00 男子風呂ーーー

 

 

八幡「はぁ〜………1人だけ貸切状態で使う風呂ってのはどうしてこんなにも格別に感じるのかね?」

 

 

俺は1人風呂に入っている。その理由は至極簡単。刺青があるからである。これがあったら生徒は落ち着いて入れねぇだろうし、群がって風呂どころじゃなくなるだろうと思ったから、俺から先生達に時間をずらして欲しいって頼んだらOKが出た。

 

この刺青とも1年の付き合いになる。俺が高校に入学する前に、親父から勧められて背中に彫ってもらった。彫ってもらったのは麒麟という架空の動物で索冥という名の麒麟だ。彫ってもらう時はかなり痛みを我慢したものだ。麻酔を使う使わないがあるみたいだが、親父は俺が刺青を掘る直前にこう言った。

 

 

涼『この先、こんな麻酔なんか目じゃないくらい辛く険しい道が待ってる。覚悟があるなら麻酔なしで行け。その判断はお前に任せる。』

 

 

って言ったから俺は痛みがある中で彫ってもらった。正直あの時、麻酔無しでやってもらって良かったと思ってる。そうでなかったら俺は簡単な痛みにもしょげていただろうからな。

 

 

八幡「中学の頃に比べたら、高校なんて何もないようなもんだな。平和に過ごせてる。平和ってのは良いもんだ。何もなければ世の中ってのは静かなもんだよな。」

 

 

この修学旅行も何も起きずに楽しく終わって欲しいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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