やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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京都の旅 ⑤

 

 

狂三side

 

 

八幡「……なぁ司馬、1つ聞いていいか?」

 

未織「ん?何や?」

 

八幡「お前、此処がお気に入りだとか言ってたよな?おすすめのメニューって何なんだ?」

 

未織「鰻丼やな。普通と大の2種類しかあらへんけど、ウチはどっちでもいける量やな。たくさん食べたい時が大、ご飯感覚の時が普通って所やな。」

 

八幡「んで、その料金は?」

 

未織「普通が3,500円で大が4,500円やな。」

 

八幡「お前、俺らの財布の中身小銭だけにする気なの?んな高ぇ料理1つに金払えねぇよ。」

 

 

八幡さんの仰っている事も理解できますわね。私達の所持金は2〜3万円程ありますが、お昼ご飯にそこまでのお品を食べようとは思いませんものね。

 

 

未織「安心して、ここはウチが持つから。楽しい京旅行を一緒に満喫させてもろうてるお礼やと思って。こう見えても今のウチ、お金持ちなんやで?」

 

八幡「……お前今言ったからな?信じるぞ?」

 

未織「ええよ!だから好きなの食べて♪」

 

狂三「好きなの、ですか………先程司馬さんが仰っていた鰻丼がオススメなようなので、私はそちらの普通を頂きますわ。」

 

八幡「なら俺は大だな。」

 

未織「じゃあウチは普通で。2人共、これだけでええの?他に頼んでもええんやで?」

 

八幡「いやいや、この値段見て他に頼もうって思えると思うか?俺は無理だわ。これで大丈夫だ。後は錦市場で買って食べるから。」

 

 

寧ろそうしたいですわね。たくさん食べ過ぎても、動くのが辛くなるだけですから。錦市場にはどんなデザートがあるのでしょうか?

 

 

狂三「司馬さん、この錦市場にはどんなデザート、スイーツがあるのか、教えて頂けませんか?」

 

未織「せやな〜なんと言ってもこの市場のデザートには抹茶が使われているんよ。抹茶パフェや抹茶のソフトクリーム、抹茶アイス、抹茶ケーキに抹茶カステラ、他にもたっくさんあるんやで。後はお煎餅やおかき、羊羹なんかもあるで。まぁ時崎はんがこれの後に食べるゆうたら、ソフトクリームとかアイスやろうな。」

 

八幡「そんなに種類があるんだな。」

 

未織「なんといっても此処は『京の台所』やからね、大抵の食材やお料理は揃ってるんよ。多分2周回っても飽きないとウチは思うで。」

 

八幡「なら初めての俺達は、2周だけじゃ物足りないかもな。食後のデザート探しついでに色んな店を見て回らないか?」

 

狂三「それは良い考えですわね♪」

 

未織「ウチも賛成や。なんかオモロそうやし♪」

 

 

その後は注文した鰻丼が来て美味しく頂きましたわ。それにしても昼食だけで総額10,000円を超えるとは思ってもみませんでしたわ。それを平気で支払っている司馬さんにも驚きましたけれど。

 

 

ーーー錦市場ーーー

 

 

八幡「やっぱ賑わってるな。」

 

未織「今晩のお惣菜や食材なんかを買いに来る人も多いからな。これでも少ない方なんよ?」

 

八幡「これで少ないのかよ………」

 

狂三「繁盛している状態は、どのくらいの人がいるんでしょう?あまり想像したくありませんわね。それよりも、妙に周りから視線を感じるのですが、何故ですか?」

 

未織「あぁ〜それな、ウチらの服装のせいや。」

 

八幡「着物の事か?」

 

未織「この辺りは着物着とる人はあんまりいないんよ。せやから着物来とる人は大体祇園とか伏見、清水から来た人だと思って見る人も多いんよ。例えば………『観光ですか?良かったらこれ食べてって〜!』みたいな感じなのもあるで。」

 

 

どうやら、ここでの着物はそんなに良い効果は無いようですわね。

 

 

「お嬢ちゃん達、餡蜜はどうや?美味しいで。」

 

「ウチの煎餅やおかきなんて食べたないか?安くするから寄ってってや!」

 

「新鮮な海の幸を焼いたから食べてってや!」

 

「ウチ自慢の秘伝タレで作ったたこ焼きとお好み焼きもあるで!食べてって!」

 

「食べ物だけやあらへんで!ウチにはお土産としても色んなモンあるで!」

 

 

……た、確かに色んなお店の方々が寄って来ましたわね。ここでは着物を着ないようにしましよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウッヒョ〜!可愛いじゃ〜んお嬢ちゃん達ィ〜!そんな冴えない奴放っといて、俺らと遊ばへん?」

 

「ウホッ!この2人メッチャええ女や!どっちもエラい上玉やで!」

 

「今日は当たりや!」

 

 

………こういうのも来るのでしょうか?

 

 

狂三「司馬さん、此処での着物はこのような輩も引き寄せるのでしょうか?」

 

未織「……せやね、ウチも何回かあったわ。まぁその度に追い返したけど。」

 

 

司馬さんで追い返せるのなら、私でも可能ですわね。ですが、ここは八幡さんにお任せしましょう。

 

 

「そういう訳やから兄ちゃん、このべっぴんさんと財布置いてったら痛い目遭わずに済むで。」

 

八幡「………京都ってのは品のある都だと思っていたんだが、どうやらこういう輩もいるようだな。テメェらに置いていくもんモンなんて何1つねぇよ。消えな、その頭見てると目がチカチカすんだよ。」

 

「あぁっ!!?何だとテメェッ!!」

 

「ぶっ殺されてぇのか!!!」

 

八幡「テメェらに俺が殺れるのか?」

 

「「「っ!!?」」」

 

 

流石は八幡さんです、気迫だけで彼らを怯ませました。それにこのお姿………はぁ♡

 

 

八幡「もう1度言うぞ?消えろ。」

 

「ふ、ふん!今日はこれくらいにしといたるわ!」

 

「お、覚えとれや!」

 

「次会ったら、タダじゃすまんで!!」

 

八幡「別れ際の挨拶までチンピラ同然だな。」

 

 

 

 

 

 

 


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