やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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惨劇

 

 

八幡side

 

 

八幡「さて、次は何処に行こうかねぇ?この辺りのオススメは行ったし、美味い飯もデザートも食えた。次は何がある?なぁ狂三さん、お前本当に何も無いのか?」

 

狂三「私は八幡さんと一緒に居られれば、それで充分ですので。八幡さんと一緒に行動できれば何処でも構いませんわ。」

 

 

これが1番困る回答なんだよなぁ〜。何処でもいい、何でもいい、せめて何かないかなぁって思う。頼むからどこか1つでも良いから無いのかねぇ?

 

 

未織「せやったら平安神宮とかはどうや?この辺りのオススメな神社の八坂神社と清水寺とは少し見劣りするけど、ウチはあそこ好きやで。人が少なくて逆に落ち着きがある場所担っとるからな。」

 

八幡「ほう……じゃあそこに行ってみるか。」

 

 

ーーー平安神宮ーーー

 

 

八幡「意外と広い作りになってんだな……」

 

狂三「敷地内だけでも見られるスポットは多いですわね。色んなところを見て回れそうですわ。」

 

 

pipipi…pipipi…

 

 

八幡「ん、ちょっと悪い。」

 

 

ーーー発信先 比企谷 八千代ーーー

 

 

母ちゃん?何で電話を?

 

 

八幡「もしもし、母ちゃん?どうしたんだよこんな時間に電話なんて……」

 

八千代『………八幡、貴方にこれからとても大事なことを話すわ。落ち着いて冷静に聞いて頂戴。』

 

八幡「?あぁ、分かった。」

 

八千代『じゃあ、報告するわね。今日の緊急幹部会で起きた事を話すわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日の夜、大体19時から20時にかけての時間でカナエとしのぶちゃんが誰かに誘拐されたわ。』

 

 

…………………………は?

 

 

八幡「おい……何の冗談だよ。」

 

八千代『八幡、落ち着いて。まだ話の途中よ。私が連絡を受けて急いで胡蝶病院に駆けつけた時には………酷い有様だったわ。』

 

 

八幡sideout

 

八千代side

 

 

ーーー回想ーーー

 

 

八千代「今頃八幡は何してるかしらね〜?小町、アンタ八幡に頼んでたお土産はあれだけで良かったの?八幡の事だから他にも何かは買ってくるとは思うけど。」

 

小町「良いの良いの!お兄ちゃんは頼んだ物以外でも良いお土産買ってきてくれるから!」

 

八千代「全く、アンタって子はちゃっかりしてるわね。誰に似たのかしらね?」

 

 

pipipi…pipipi…

 

 

八千代「小町、ちょっと鍋の火見といてね。」

 

小町「はーい。」

 

 

ガチャッ

 

 

八千代「はい、比企谷です。」

 

『八千代様っ!!自分、胡蝶組若中の後藤っていいます!!』

 

 

何かしら?息も荒そうだし、酷く慌てているわ。

 

 

後藤『八千代様っ!!今すぐ比企谷組の組員を何人か連れて、胡蝶病院に来てください!!お願いします!!急いでください!!』

 

八千代「ちょっと?一体何があったの?貴方、息も絶え絶えじゃない。」

 

後藤『説明している暇がないんです!どっかの組の連中が突然押し寄せてきて、今病院内はパニック状態なんです!!だから急いで!!このままじゃ、患者も仲間も1人残らず皆死んでしまいますっ!!!』

 

八千代「分かったわ、今すぐに向かうわ。それまで何とか持ち堪えて頂戴!」

 

 

私はすぐさま電話を切った。

 

 

八千代「アンタ達!!出番だよ!浅見ちゃん、アンタの組員総動員するよ!急いで準備させな!5分以内に出来なかったらそいつは置いていくわ!」

 

浅見「はい、分かりました!!」

 

 

そして私と浅見ちゃんが持っている組員を引き連れて胡蝶病院へと車を飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中で待ち受けていたのは、血の海と化した病院ホールと何人もの患者と看護士や先生の死体だった。見ているだけでも吐き気がする程の現場だった。

 

 

八千代「何よ………これ………」

 

山内「この場所で一体何が………」

 

浅見「手分けして何か手掛かりがないか探しましょう。私と4人は私について来てください。残りの5人は八千代様を護衛しながら向こう側を。」

 

八千代「お願いね。」

 

 

私は病院内を部下と一緒に捜索していたが、人の声どころか物音もしなかった。いや、物音はする。水の………血が滴り落ちる音だけが聞こえていた。

 

 

風間「八千代様、どうやらこの中に敵はもういないみたいっス。それから、生存者を見つけました。こっちっス。」

 

 

ーーー事務室ーーー

 

 

八千代「こんなところにまで………」

 

 

事務所内も人の死体の山と化していた。床だけでなく、壁にも血の痕があり、地獄絵図となっていた。

 

 

後藤「や……ちよ、様………」

 

八千代「っ!!貴方後藤君ね!?どうしたの!?一体何があったの!?」

 

後藤「わ…わかり、ません。けど、突然……スーツの奴らが、おし、よせ……て、か、患者やな、かまを……じ、銃で……銃で……!」ポロポロ

 

八千代「分かったわ、分かったから!」

 

後藤「守れな、かった……何にも、守、れなか……た。そ、それ、に……あいつら、カナエ様と……し、しのぶ様を……つ、連れ去って!ゴホッ!ゲホッ!……はぁ……はあ……俺は、な、何にも!!」ポロポロ

 

八千代「大丈夫よ!貴方は私に知らせてくれた!それだけでもよくやってくれたわ!」

 

後藤「や、八千代、様。お願い、です。や、奴らを……カナエ様と……しのぶ様を……た、すけ……て。そ、して……こ、これを!」ポロポロ

 

 

後藤君は血塗れになった手で、今回事を起こしたであろう組の代紋が血濡れの状態だったが、私に渡してくれた。

 

 

後藤「さ、最後のて、ていこ、うで……や、奴らから、ぶんどり、ました!こ、これが……手掛かり、です!お……お願い、します!!」ポロポロ

 

 

動けるのなら自分で仇を打ちたいでしょうに……

 

 

八千代「分かったわ。必ずあの2人は助けるわ!だから貴方は休みなさい!貴方が死んだら……っ!!」

 

 

後藤君はもう息を引き取っていた。安心したように笑顔を浮かべながら逝った。

 

 

八千代「………」プルプル

 

浅見「八千代様………」

 

八千代「……皆、時間は掛かると思うけど、この病院にいる人達は私達で手厚く葬るわよ。そして亡くなった人の親族の方にも連絡をして。葬式代も何から何まで全て、私達で負担するわ、いいわね?」

 

全員「はいっ!」

 

風間「けど八千代様。その後藤さんって人、何も守れなかったってわけじゃなさそうっスよ。」

 

八千代「え?」

 

 

風間ちゃんが奥の扉の方へと向かって開けてみると、そこには看護服を着た小さい3人の子供達が震えて泣きながら抱き合って蹲っていた。声を出さないように我慢しながらだった。

 

 

風間「きっと後藤さん、この子たちを守る為に此処にいたんだと思うっス。この子達が殺されないように。必死だったと思うっス。」

 

 

………後藤君、貴方は立派に守ったわよ。3人の命を、3人の小さな命を命がけで守ったわよ!

 

 

八千代「もう大丈夫よ、おばさん達が守ってあげるから。よく頑張ったわね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人「……う、ううぅぅぅ、うううええぇぇぇぇぇぇんんん!!!!」

 

 

子供達は涙腺が崩壊したかのように滝のように涙を流しながら私に抱き着いてきた。凄く怖かったと思うわ。取り敢えずはこの子達を比企谷家に連れて行って落ち着かせましょう。それから………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緊急幹部会ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





まさかの事態に………

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