やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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煉獄杏寿郎

 

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童満「ま、待ってくれぇ……も、もう……」

 

八幡「お前は極道相手に戦争吹っかけたんだ。テメェも極道なんだ、このくらいの覚悟は出来てた筈だぞ?今更命乞いだなんてバカな真似するなよ?益々殺したくなる。」

 

童満「ひ、ひいぃぃ!」

 

八幡「まだまだ終わってねぇんだよ!」

 

童満「ぐほぉ!」

 

 

八幡が童満を殴り、蹴りの行為を始めてから数分。最早童満に争う気力も体力も精神力も残っておらず、八幡の繰り出される攻撃を受け続けるだけとなっていた。童満自身もあまりの苛烈さに八幡に恐怖心を覚えていた。

 

 

童満(な、何で………俺がこんな目に?親父殿か?あの時親父殿の命令を受けた時から?だとしたら俺は最初から負けを?)

 

 

童満「ま、待ってくれ……は、話す!俺が……全て、話すから、もう……や、やめでぐれぇ!」

 

八幡「ほう……じゃあ洗いざらい吐いてもらうぞ。」

 

 

最早童満の頭の中には自分が助かる事しか頭に無かった。自分が受けた命令や話の内容も全て、包み隠さず八幡に説明した。自分の保身の為に。だがそれも無駄に終わるだろう。童満は忘れているからだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3代目神戸連合会長の今の意向を。

 

 

八幡「………そうか。その直参椎橋組組長がお前ともう1人の赤座鬼って奴に命令したんだな?」

 

童満「そ、そうだ……椎橋の親父殿が、俺達に……この命令を出したんだ!ほ、本当だ!何の意図があって、この絵を描いたのかは知らない!けど、命令されたのは本当だ!」

 

八幡「……信じる信じないはどうでも良いが、その椎橋って奴がこの絵を描いた奴みたいだな。良い情報を聞かせてくれた礼にこれでやめておいてやる。よく眠っておく事だな。」

 

 

ドスッ!

 

 

童満「うっ………」

 

 

八幡は童満のうなじに向かって手刀を繰り出し、童満を気絶させた。八幡はカナエ達の方向に向かいながら、携帯電話を取り出し、電話を掛けていた。

 

 

八幡「よう工藤、比企谷だ。」

 

工藤『何や、初めての電話が比企谷からなんて意外やけどなんかあったんか?』

 

八幡「お前ん所の連中が千葉の組員を攫った件、お前は聞いてんのか?」

 

工藤『………あぁ、聞いとるわ。3次団体の【童満会】と【赤座鬼組】やろ?本部から連絡来とったから、今から2つの組の事務所に乗り込むところや。この件はウチ等が責任を持って「もう遅い。」……あん?そりゃどういう事や?』

 

八幡「童満会ならもう潰した。さっき俺が乗り込んで事務所ん中に居る奴等全員ぶっ潰して会長も今潰したところだ。行くなら赤座鬼組ん所に人員を割け。こっちは少なくても良いから。」

 

工藤『ホンマかいな?まぁお前が嘘言うとも思えへんからな。今向かっとるからちょっと待っててな、すぐ着くわ。』

 

 

電話が切れたところで2人の元に着いて、膝を着き2人と同じ目線になった。そして縛られている縄と口を塞いでいる布を取った。

 

 

八幡「………済まない、遅くなった。」

 

カナエ「八幡さん………」

 

しのぶ「………」ポロポロ

 

八幡「怪我してないか?何かされてないか?」

 

カナエ「そんなの、私達のセリフよ?手の皮も擦り剥けてるし、肩だって撃たれてる………早く怪我の治療をさせて。」

 

しのぶ「本当よ……どうしてアンタは人を心配させるような事しかしないのよ………」ポロポロ

 

八幡「お互い様、だろ?早く此処から出るぞ、下の階では煉獄さんも来てる。赤座鬼組の組長と戦ってるが、あの人なら問題無いだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの人の事だ、それに実力だって本物だ。遅れを取る事は無いだろう。下の階では敵を倒して俺達を待ってくれている筈だ。

 

 

ーーー2階・ホールーーー

 

 

ホールは辺り一面血でいっぱいだった。壁にも床にも血がたくさん付着しており、この場で倒れている死体にはもっと沢山の血がついていた。だがそこに煉獄と赤座鬼の姿だけが無かった。

 

 

カナエ「八幡さん、煉獄君は?」

 

八幡「俺もこの場所で別れたから、何処に行ったかまでは分からない。何処だ?」

 

しのぶ「一体何処に……あっ、あれって煉獄さんの羽織り!!」

 

八幡「っ!煉獄さん!」

 

 

3人は白に炎の模様が入った柄の羽織を頼りにその元へと走って行った。そこにはその場で立ち尽くしている煉獄の姿があった。

 

 

八幡「煉獄さん、無事だったんですね。」

 

しのぶ「しかも倒れているその人、赤座鬼組の組長だわ!煉獄さんが倒したのよ!」

 

カナエ「羽織に返り血がたくさんついているし、傷も負っていると思うわ。煉獄君、早く治療がしたいから行きましょう?」

 

煉獄「………」

 

八幡「………煉獄さん?」

 

煉獄「あ、あぁ……比企谷少年、組長と若頭は救えたのか?」

 

八幡「え?はい、俺の隣に。」

 

煉獄「そうか……ならば俺の行動も無駄ではなかったか。ははははっ。」

 

 

八幡(おかしい………俺が知ってる煉獄さんなら、もっと騒がしく言う筈だ。それなのに今はビックリするぐらい静かな声だ………っ!!!まさかっ!!?)

 

 

八幡は煉獄の元へと駆け寄り、正面に立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして息を呑んだ。目の前に立っていた煉獄は全身に銃で撃たれたような跡があり、切り傷も酷かった。左目からも血が流れていて、腹部からは夥しい程の出血だった。

 

 

八幡「煉獄さんっ!!!」

 

煉獄「おぉ、比企谷少年か………うむっ、元気そうで何よりだ。健在な姿が見られて嬉しく思う。」

 

 

カナエとしのぶも八幡の叫び声につられ、煉獄の元へと駆け寄った。そして煉獄の状態を見て両手で口を覆った。

 

 

八幡「そんな事はどうでもいい!!早く傷の手当てを「もうそんなに叫ぶな。」……っ!!?」

 

煉獄「君も軽傷ではないのだろう?傷に触る………最後に少し話をしよう。」

 

八幡「いいんです。それよりも早く傷の手当てをしないとダメです、命が危ない。」

 

煉獄「いや、俺はもうすぐ死ぬ。話せる内に君と………八幡と話しておきたいんだ。」

 

 

煉獄は八幡の言葉を聞かず、話を進めた。

 

 

煉獄「俺には1人弟がいる。千寿郎という名だ。弟に伝えてほしい。『自分の心の思うまま、正しいと思う道を進め。』と。そして父には『身体を大切にしてほしい。』と。そして八幡………」

 

八幡「っ!」

 

煉獄「八幡、俺は最初に君を足手纏いと決めつけていた事を謝罪したい、済まなかった。そして、君が俺の継子である事を心の底から誇りに思う。

 

八幡「………」ツ-

 

煉獄「動かない本部の中、君はそれに違反してまで組長と若頭を助けてくれた。血を流しながらも守ってくれた。命をかけて敵と戦い仲間を守る者は、誰が何と言おうと誇れる立派な事だ………」

 

 

八幡(何で………今日初めて会った人だぞ!?たった数時間しか会話もしていない人だ……それなのに何で、何でこんなにも胸が痛むんだ!!?何でっ!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煉獄「胸を張って生きろ。

 

煉獄「己の弱さや不甲斐無さ、未熟さにどれだけ打ちのめされようとも、心を燃やせ。歯を喰いしばって前を向け。君が足を止めて蹲っていても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない。」

 

煉獄「俺の継子ならば………常に激しく熱い炎を滾らせ、水をかけられようと風に吹かれようと、燃え尽きる事の無い赤き煉獄のような魂を持ってくれる事だろう。俺は……俺の唯一の継子である比企谷八幡………君を信じる。

 

八幡「………」ツ-

 

煉獄「君を見守っているからな、八幡。」ニコッ

 

 

そして煉獄さんは、最後に笑顔を俺に見せて、俺にもたれかかるように息を引き取った。その顔はとても優しい、見ていると安心するような笑顔だった。

 

 

 




煉獄さん………
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