八千代side
ーーー京都・伏見区某ホテルーーー
会合当日の朝。私はお義父さんと一緒に朝食を食べているわ。今はヤクザの立場ではなく、
修作「ところで八千代さんや、ウチのバカ息子とは上手く行っとりますかな?アレは自由奔放で儂の言う事も聞かん。様子を見ておれん故に心配でのう……」
八千代「大丈夫よお義父さん。涼は確かにあっちへフラフラこっちへフラフラする事は多いけど、私はあの人を信じてるから。お義父さんも知ってると思うけど、あの人は一途だから。」
修作「ふむぅ……なら良いのじゃが、親の儂の立場からしてみればどうも心配でのう。何処かに行ったと思えば、地方の極道組織と盃を交わしてきたりなど、本当に常識外れな事をしよる。それが八幡にも遺伝してしまったのかと思うと、なかなか複雑でのう。」
八千代「連絡が来た時は本当に驚きました。まさか八幡が本当にあの2人を、カナエとしのぶを助けてしまった時は………」
修作「元々あの2人は比企谷組で育ったようなもの、しからば私の子も同然。じゃが今回の件は大きく踏み込めなんだ。八千代さんには本当に申しわけ無い事を言ってしまったと思ってる。勿論あの2人にもじゃ。」
八千代「………あの時は感情が昂っていた事もあるので何故とは思いましたが、今なら理解は出来ます。会長としての荷があったのだと。」
本部預かりになった時は私もお義父さんの気を疑ったけれど、そこまでしなければどうにかならない問題にまでなっていたって今は思う。
修作「親の命令に背いたとはいえ、八幡には感謝の気持ちでいっぱいじゃ。組みを立ち上げてから半年しか経っとらんのに、シノギの額増、規模の拡大、これだけの実績を出しとる上に、敵対組織である神戸の同格組との衝突で勝利、最早3次団体では収まらん。」
八千代「えぇ……少し前まではただの親の七光りと言われていたあの子が、自分の組を持って、こんなに成長するなんて………親冥利に尽きます。」
修作「会うのが楽しみじゃ。」
八千代「えぇ、本当に。」
早く貴方に会いたいわ。たった3日だけなのに暫く会っていない感覚がするもの。
ーーーホテル・アルファーーー
八幡「爺ちゃん、母ちゃん……」
八千代「八幡。それにカナエとしのぶもよく無事だったわね………」
カナエ「いえ、これも八幡さんのお陰です。」
しのぶ「八幡が居なかったら、私達は今頃どうなっていたのかも分かりません。」
修作「胡蝶、2人とも済まなんだ。結局儂はは何もしてやれんかった。無力なジジィじゃが、謝罪を受け入れてほしい。」
カナエ「いえ、もう過ぎた事です。助かったのですから、会長が謝る事はごさいません。」
修作「そうか……八幡も済まんかった。そしてよくやってくれた。心から礼を言う。」
八幡「いや、いいよ。俺が助けたかったから助けたんだ。それに俺は爺ちゃんの命令にも背いた。千葉に戻ったら俺への処分も検討して欲しい。」
修作「………分かった。」
カナエ「八幡さん、別にそれは「いいんだ、これも極道のケジメだ。俺はしっかりと責任は取りたいんだ。」………八幡さんがそう言うのなら。」
八千代「さぁ、今は今後の話はやめて3人は着替えてきなさい。私達は待ってるから。」
ーーー車内ーーー
カナエ「八千代様、会長。神戸連合とのお話なのですが、厳密にはどのような事をお話しするのでしょうか?私としのぶ、八幡さんは今回の件の謝罪という事しか把握していないのです。」
八千代「そうね、その事も含まれてるわ。後はあっち側が今回の件での手打ちをどう責任を取るのかの話し合いと東と西の盃を考えているわ。」
しのぶ「っ!!?五分の盃!?」
八千代「しのぶの気持ちも分かるわ。けどこれはチャンスだと思っているの。八幡が話してくれた情報によれば、相手の神戸の会長と若頭と少しの直参組織がは穏健派なのよね?」
八幡「あぁ。穏健派の奴等がどのくらい居るのかは分からんけどな。大体半分以下って考えてくれ。」
修作「じゃから今回の話し合いで向こうの意向を聞いてから決めようと思っておる。無論、千葉仁堂会の中からも不満や反対も出てくるじゃろう。じゃが前例は無いからこそ、覆すものじゃ。」
しのぶ「っ………」
八幡とカナエは静かに聞いてるけど、しのぶはあまり納得はしていないようね。まぁそれもそうね、自分を攫っただけでなく、組員や患者まで皆殺しにした元凶の組織と盃なんて交わしたくもないわよね。
八幡「まぁそれも蓋を開けてみないと分からないんだろ?なら会合次第だな。今からやって分からない事をあれこれ考えても意味は無いからな。それに、爺ちゃんと母ちゃんは杯を交わしたいのか?」
八千代「私はこんな事が起きないのであれば、盃を交わした方が良いと思ってるわ。」
修作「儂も八千代さんと同じじゃ。」
八幡「………そうか、それなら俺から言う事は無い。俺は爺ちゃんの意向に従うだけだからな。」