やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

13 / 44
別件と兄弟分

 

八幡side

 

 

狂三来襲から1ヶ月が過ぎた。俺たち八十神会は予定通り事務所への引越しが済んで、今は組とシノギの拡大化を図っている。八十神会に入ると言っていた狂三は本当に荷物をまとめてやって来た。取り敢えず最初は様子を見ながらでやらせていたが、その仕事ぶりはウチの組員よりも明らかに卓越していた。それを見ていた浅見は若頭を狂三にするべきだと言ってきた。俺自身はこのままでいいと思っているんだが、下の奴等もそれに賛同していた為、狂三が八十神会の若頭となった。そして浅見が若頭補佐の役割を担ってもらっている。

 

そして俺は今何をしているのかというと、シノギを広げる為に店舗を回っているんだが、1つ別件の用事があるから、そのお屋敷を訪ねている。

 

 

ーーー屋敷内ーーー

 

 

八幡「………」

 

???「んで、何か不満でもあったのか?」

 

八幡「いえ、ご令嬢の狂三さんの仕事ぶりは眼を見張るものがありました。流石は時崎組の跡取り娘だけはあって、とても良い御教育をされているのが分かりました。」

 

???「ほう、嬉しいことを言ってくれるじゃねぇか。その報告をわざわざ言いに来たってのか?」

 

八幡「いえ、狂三さんからお聞きしていると思いますが、その………俺と伴侶になりたい、妻になりたい、という類の報告は受けておられますか?狂四郎さん。」

 

 

そう、俺の別件の用事とは時崎組組長、時崎狂四郎さんに会う事だった。その理由は話の流れでもう分かるよな。

 

 

狂四郎「あぁ〜言ってたな、八幡の妻になりたいって。俺も反対じゃねぇし、むしろ賛成の方だから、推したぜ。」

 

八幡「………今更自分で言うのもアレですが、娘さんの過大評価、だったりは?」

 

狂四郎「それはねぇな。お前も知ってると思うが、あいつは気に入った奴以外とは関わりを殆ど持たねぇ。自分の目がまだ気になってるからな。それにお前と狂三が初めて会った時、俺は忘れてねぇぞ?お前が狂三を口説きにかかってたからなぁ。」

 

八幡「い、いえ……そんなつもりは………」

 

狂四郎「けど俺はな、あん時に比企谷の親父と八幡、お前を時崎組に呼んで正解だったと思ってる。じゃなかったら、狂三は今、塞ぎ込んでいたかもしれねぇ。影で見ていたが、お前があん時に『こっちの金色の目も綺麗だ。』って言ってくれたのは、親の俺も嬉しかった。あいつの事を偏見で見ねぇ奴が比企谷の親父以外にも存在してたんだなって。」

 

八幡「………」

 

狂四郎「八幡。お前はあの時、自分の気持ちを言っただけだろうが、狂三にとってはこれ以上ないくらいに嬉しい言葉だったんだよ。それ以来狂三は目を隠す事はあっても、引きこもりや心を閉ざす事はなかった。心の中でお前の言葉が支えになっているからだ。だから今の狂三はお前と一緒に仕事しているだけですげぇ充実感を感じている筈だと思っている。これは親の俺からの頼みでもる。これからも奴の事をよろしく頼む。お前だからこそ頼める事だ、八幡。この通りだ。」

 

八幡「っ!!!?」

 

 

狂四郎さんは俺に頭を下げて来た。狂四郎さんは千葉仁堂会の直系組。しかも狂四郎さん本人は【狂犬】と呼ばれる程の組織内屈指の武闘派。そんなすげぇ人が1組員に頭を下げているのはヤバい事だ。

 

 

八幡「きょ、狂四郎さん、やめて下さい!!そんな事は!!狂四郎さんの頭は俺なんかに下げていい頭なんかじゃありません!!頭をあげて下さい!!」

 

狂四郎「………」

 

八幡「………きょ、狂四郎さん?」

 

 

何故か頭を上げた後、俺を見たままだった。

 

 

狂四郎「………やっぱ血筋なんだろうな。」

 

八幡「?」

 

狂四郎「八幡、お前ホントに比企谷の親父に似てきてるぜ。血ってのはバカに出来ねぇな………うし、決めた!八幡、盃交わすぞ!」

 

八幡「いや、それは構いませんけど……七分三分の盃なら前にもう交わしてますよ?」

 

狂四郎「何言ってんだよ、七分三分な訳ねぇだろ。五分の盃だよ。」

 

八幡「五分!?」

 

 

それって俺と狂四郎さんが兄弟になるって事か!?いやいや、格が違い過ぎるだろ!?狂四郎さんは直系組長、俺は組の若頭で出来たばっかの三次団体の組長だぞ!?

 

 

八幡「いやいや、狂四郎さんのお言葉は嬉しいですが、五分盃なんて………」

 

狂四郎「八幡、俺は自分が認めた奴以外とは盃を交わさねぇんだ。形式も含めてだが、俺が盃を交わした相手は2人だけだ。けどその2つ両方七分三分の盃だ。ちなみに俺が三分な。相手は会長と比企谷の親父だ。俺はその人たち以外とは盃を交わしてねぇ。自分が盃交わしてもいいって思える奴が居なかったからだ。けど、お前なら……比企谷の親父と同じ血を持ってて、狂三が惚れている男のお前なら、俺は盃を交わしても構わねぇって思ったわけだ。それに、俺には兄弟分が居ねぇからな!1人は欲しいんだよ。八幡、この盃を受けてくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「分かりました。その盃、飲みます。」

 

 

数分後、狂四郎さんは神酒と盃を2つ持って畳の上に置いて、神酒を盃に注いだ。

 

注ぎ終わって俺と狂四郎さんは盃を持って互いの腕を絡ませた。

 

 

狂四郎「こんな風に飲むのは初めてだ。何せ、人生初めての兄弟分が出来るんだからな。」

 

八幡「なら六分四分でも良かったんじゃ?」

 

狂四郎「それじゃ俺の気が済まねぇんだよ。ガチの兄弟じゃなきゃな。」

 

 

どうやら狂四郎さんは意外とワガママみたいだ。

 

 

俺たちはそのまま酒を飲んだ。これで俺と狂四郎さんは組織や階級関係なく兄弟ぶんになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。