やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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学校案内と誤解

 

狂三side

 

 

今日1日の授業が終わって、私は八幡さんに連れられて校内の案内をされていますの。お昼休みには特別棟から帰る道のりにある教室くらいでしたので、放課後では更に詳しく教えてもらいながら回っていますわ。それにしても、この学校は面白い方々が多いですわ。良い意味でも悪い意味でも。

 

雪ノ下さんや城廻さんのように、八幡さんのことを認めている方。面識は無くとも八幡さんの事を悪く思わない方。まぁこちらは少ない方ですわね。私のせいとはいえ、八幡さんはこの学校での立ち位置が少しだけ悪くなってしまわれていますわ。少しだけ自重しないといけませんわね。

 

もう1つが八幡さんをよく思われていない方ですわね。この学校の、特に2-F組の方達に多いようですわね。クラスの男子生徒をはじめ、全校生徒の男子から八幡さんは忌み嫌われているようですわ。八幡さんに聞いたのですが、『視線がキツくなったのは今日からだ。』ということですわ。

 

そして理由は分かりませんけれど、八幡さんの良からぬ噂を耳に致しました。何でも『複数の女を侍らせている変態。』だとか。

 

 

ですが、間違ってはいませんわね。実際八幡さんは複数の女性を組の構成員として従わせておりますもの。この学校では私だけですけど。八幡さんは気にしていらっしゃらないようですので、私も無闇に動くのは止すことにいたしますわ。

 

 

八幡「ざっとこんな所だな。他に行きたいところは無いか?体育館は部活で使えないからまた今度にするとして。」

 

狂三「問題ありませんわ。時間も時間ですし、そろそろ帰りませんこと?」

 

八幡「あぁ、そうだな。」

 

 

ーーー教室ーーー

 

 

八幡「………」

 

狂三「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子1「時崎さん!大丈夫か!?怪我とかないか!?」

 

男子2「安心しろ、俺らが守ってやるから!」

 

男子3「この野郎……最低だぞお前!?」

 

女子1「アンタ、どうかしてるわ!!」

 

教室に着くと、クラスメイトが複数いました。しかも何故か私と八幡さんは引き剥がされました。しかも八幡さんはクラスメイトの男子から訳の分からない誹謗中傷を受けています。これは一体どういう事でしょう?

 

 

八幡「……あのさ、どういうわけか説明してくれるか?いきなり『最低だぞ』って言われても何のことかサッパリ分からねぇから。」

 

男子3「しらばっくれるのか?なら教えてやるよ。お前、放課後に時崎さんに最低な事してたんだろ!?」

 

八幡「……はぁ?」

 

 

………意味が分かりませんわね。何故そのような事になっているのでしょう?

 

 

八幡「………悪い、お前が何言ってんのかサッパリ分からん。何でそんな事になってんだ?」

 

女子1「はぁ!?惚ける気!?此の期に及んで!?」

 

男子2「そうだ!!潔く認めろよ!!」

 

 

………ここは発言すべきですね。

 

 

狂三「皆さん、私は本当に「皆、寄ってたかって彼を責めるのは良くないよ。此処は皆でよく話し合おう。」………」

 

葉山「まず、何で君は彼がそんな事をしたと思ったんだい?」

 

男子1「そ、そりゃ…そんな奴がいきなり時崎さんと接点持ってるなんてあり得ねぇって思ったからだよ。」

 

男子3「そうだ!しかも時崎さんメッチャ可愛いだろ?他の男なら放っておかねぇだろ!」

 

女子1「それに葉山くん、その男には噂があるのよ!女を何人も従わせてるって噂が!時崎さんもその1人なのよ!嫌々従わされているのよ!」

 

 

………何ともまぁ醜い光景ですわね。八幡さんの事を噂や見た目だけで判断するなんて。愚の骨頂ですわね。

 

 

葉山「………どうなんだい?」

 

八幡「………確かにその噂は聞いた事あるが、それを見たのか?それを見たってんなら話は変わるけどよ。そしてこの放課後、部活をやっている人もいる中でどんな最低な事すりゃいいのか、逆に聞きてぇよ。おい、俺は何をすれば良かったんだ?俺は先生に言われた通り、狂三を学校案内していただけだが、それ以外に何かさせる事でもあったのか?例えば、お前の言っていた最低な事をすれば良かったのか?」

 

男子3「そ、それは………」

 

 

八幡さんの質問に沈黙を続けている3人は見ている私からしても滑稽でしたわ。

 

 

八幡「はぁ……何だよ、たかがそいつらの下らねぇ思い込みに付き合わされたってのかよ。んで?まだなんか言う事あんのか?ないなら早く帰らせてくんね?時間の無駄だからよ。」

 

女子1「はぁ!?何その言い方!少しは「うるせぇな……ギャーギャー喚くな。」っ!?」

 

八幡「俺、今すげぇ機嫌悪いんだわ。勝手に加害者にされて言いたい放題言われて。これ以上俺を苛つかせないでくんね?」

 

 

………八幡さん、怒っていらっしゃいますわね。私も早く帰る準備を致しませんと。

 

 

八幡「はぁ……お前らの妄想の中の俺がどんな奴かは知らねぇ。けど妄想の俺と現実の俺を一緒にしてんじゃねぇよ。いい迷惑なんだよ。」

 

狂三「っ!八幡さん、待ってくださいまし!」

 

 

先に行くなんて酷いですわ!ですが、これだけは言っておかなくてはいけませんわね。

 

 

狂三「私はもう貴方たちとは仲良くしたくありませんわ。八幡さんに謝ったとしても、仲良くする気は毛頭ありませんので。失礼します。」

 

 

ーーー廊下ーーー

 

 

八幡「………」

 

狂三「八幡さん、大丈夫ですか?」

 

八幡「問題ねぇよ。俺は別にあのクラスメイトにどんな風に見られようと何とも思わねぇ。けど、俺の邪魔をするなら容赦はしねぇ。それだけだ。」

 

狂三「そうですの。」

 

八幡「お前は俺と居ていいのか?」

 

狂三「私の人生はもう八幡さんのものですもの。付き従うのは当然ですわ。それに、あの噂はあながち間違いではありませんものね。」

 

八幡「ふっ、違いないな。お前も気付いたか?」

 

狂三「えぇ。あの時八幡さんは、複数の女子を侍らせている事に関して、そのことを否定していませんでしたから。」

 

八幡「よく聞いてんなぁ………」

 

 

それに、私は既に貴方に忠誠だけでなく、全てを捧げていますもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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