八幡side
………なんやかんやがあって、結果的に胡蝶3姉妹も俺の炒飯を食べに家に来る事になった。それはもう良いんだ。けど問題は今だよ。この3人何故か俺にくっついてくるんだよ。歩きづらい………視線が痛い………荷物が重く感じる。
カナエ「ふふふっ、八幡さん。もしお荷物を持つのが辛くなってきたら、私も持ちますからね〜。八幡さんの手を握りながら、ね♪」
八幡「い、いえ、姉さんに持たせるわけにはいきませんので。」
しのぶ「そうよ姉さん。辛くなったら私に言いなさい八幡。半分持ってあげるから。」
カナヲ「私も持つ。」
八幡「その前に離れてくんない?こんなにくっつかれると非常に歩きづらいんだわ。」
でも返ってくる返答がもう読めてくる。
しのぶ「べ、別に良いじゃない!アンタの腕が頼りないから、もしもの時にと思ってこうしているだけよ!」
カナエ「私も反対〜♪八幡さんといるの居心地良いんだもの♪あっ、八幡さんまた身体つき良くなってわね〜。男らしさに磨きがかかってるわ〜♪」
カナヲ「………」
………もう、それでいいです。
ーーー自宅ーーー
八幡「母ちゃん、小町、帰ったぞ〜。」
3人「お邪魔します。」
八千代「お客さんも来てんの〜?って、カナエにしのぶじゃない!久しぶりね〜。」
カナエ「ご無沙汰しております、八千代様。御壮健そうで何よりです。」
しのぶ「お元気そうで何よりです。」
カナヲ「………」ペコリッ
八千代「ふぅ〜ん……その子がこの前言ってたあなた達の妹なのね。あなた達に似て可愛いわね。」
カナエ「そうなんですよ〜♪あんまり喋ってくれないんですけど、蝶と戯れている時がもう可愛くて〜何度も写真に収めてしまうんですよ〜♪」
八千代「まぁ立ち話もアレだから、上がりなさい。あなた達も八幡のご飯目当てなのでしょう?」
さっすがお母さん。調子戻るとすげぇ心読むんだよなぁ。
八幡sideout
カナエside
ーーー居間ーーー
八千代「それで?何で家に?」
カナエ「さっき八千代様が仰られたではありませんか。八幡さんのお料理を頂きに、ですよ。」
八千代「誤魔化さなくても良いのよ。貴女が理由も無しにここに来るわけないもの。」
カナエ「………流石は八千代様です。なんでもお見通しみたいですね。実は私………」
八千代「………」
八千代「あら、そうなの?なら今日はお赤飯の方が良かったんじゃないかしら?」
やっぱり八千代様には見抜かれてしまうわね。どうやったら見抜かれずに言えるのかしら?
しのぶ「姉さん!!そんな嘘つかないで!!大体契りだって交わしてないじゃない!!八千代様、これは姉さんの悪ふざけですから!!」
八千代「分かってるわよ。この子昔からこういうのが好きだもの。」
カナエ「あら〜分かってましたか〜。ですが八千代様、八幡さんの事ですが、伴侶となるお方はもうお決まりなのですか?」
八千代「いいえ。それは八幡に任せてるもの。」
カナエ「でしたらお急ぎの方がいいかもしれません。今、八幡さんの周りには魅力的な女性が沢山いますので。」
私的には時崎組長の娘さんから危ない匂いがしますもの。今の内に手を打っておかないと。
八千代「ふぅ〜ん……私は別に何人でも良いんだけどね。あいつが平等に愛せるなら、だけど。」
しのぶ「そ、それはもしや……一夫多妻というお考えですか?」
八千代「えぇ。アンタ達だって八幡の事が好きなのでしょう?ならそう考えるのが普通じゃない。」
しのぶ「あ、あの……八千代様。私は別に八幡の事が好きとは………」
八千代「あら、違うの?」
カナエ「しのぶ、嘘は良くないわよ。この前だって部屋で八幡さんの名前を連呼しながら見回りルートを考えていたじゃない。」
しのぶ「ね、姉さん!!それは言わないで!!」
カナエ「あら〜ごめんなさいね〜♪」
八千代「まぁ八幡はかなりの優良物件だものね。家事も料理も出来るし、腕も確かでシノギのセンスもある。それに将来有望だもの。私から見てもね。どう?八幡が欲しい?」
2人「くれるんですか!?」
八千代「八幡を惚れさせたら、アンタ達にあげるわよ。でもあいつを惚れさせるなんてかなり難しいからね?頑張りなさいよ。」
しのぶ「分かりました……?姉さん、カナヲは?」
カナエ「あら?さっきまで座っていたのに……どこに行ったのかしら?」
八千代「カナヲちゃんなら、八幡の所に行ってるわよ。作るの手伝ってる。」
2人「っ!?」
私たちが即座にキッチンの方へ振り返ると、そこには八幡さんと並んで調理を行なっているカナヲの姿があった。
カナエ「カ、カナヲ、いつの間に………」
しのぶ「ぬ、ぬかったわ………」
八千代「ふふっ、アンタ達一本取られたわね。」
八幡「………手際良いな。1番「カナヲ。」……「カナヲ。」なんも言ってねぇよ。あぁもうわーったよ。名前呼びな。」
カナヲ「っ!うん。」コクコクッ
2人「八幡さん(八幡)!!私も調理手伝うわ!!」
八幡「そんなに人は入れませんって。2人で充分ですよ。」