やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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固めるだけがチョコじゃない。

 

 

八幡side

 

 

朝の時点で2人からチョコを貰えなかった事に落胆しているからか、男子のテンションはかなり低かった。俺からの慰めの言葉をかけられても嫌味にしかならないとは思うが、まぁ人生これからだって。もしかしたら今後の人生でモテ期が来るかもしれないだろ、その時にとっておけって。にしても、何でそんなに貰いたがるんだ?俺にはそれがイマイチ分からん。別に誰かから貰いたいなんて、この17年間で1度も思えた事無い。

 

なんかあるだろ?男が『チョコ幾つ貰った?』とかああいうの。あれ何?貰った個数で何か変わるの?もしなんか特別な事があるんだったら頑張るけどよ、なんもこれまでと変わらないんだったらその質問って無駄じゃね?ただ優越感に浸りたい奴の台詞みたいに聞こえてくるんだよな。

 

今回の葉山も葉山だ、相手が知らんとはいえ作ったチョコ(作ってないかもしれんが)を『今年は貰わない事にしてるから。』の一言で突っぱねるのはどうかと思う。受け取ればいい話なのに何故断るかね?

 

まぁそんな事はどうでもいい、今は昼休みに入って飯の時間になっている。今日は狂三の当番だから、奴は前の日の昼休みではかなり嬉しそうな表情をしていた。そして今に至る………

 

 

雪乃「八幡君、今日は生徒会室に来る予定はあるのかしら?」

 

八幡「いや、無いな。あの部室が使えなくなったから、放課後はどうも残る気になれなくてな。お前の居る生徒会室にも行ってみたいとは思うが、他の奴も居るから少し気が休まらないと思うしな。生徒会のメンバーじゃない奴が1人居たら気まずい雰囲気になるだろ?」

 

雪乃「いえ、私の客人という事にすれば問題無いわ。それで収まるもの。」

 

 

それ、職権濫用っていうんじゃないの?

 

 

めぐり「けど安心したよ。雪ノ下さんが生徒会長になってくれて。ちょっと不安だったんだ、あの事もあったからさ………」

 

 

めぐりの言うあの事とは、1年の生徒会メンバーの一色の事だった。何でもクラスメイトや担任教師から、勝手に生徒会長に立候補させられていたらしい。本人には生徒会長になる意思はなく、落選という形は嫌みたいだからどうにかしてほしいという依頼が雪乃の元に来たのだ。その時俺は居合わせてはいなかったが、雪乃が俺に連絡を寄越してきて助言が欲しいと言われたから、俺はその事を『校長か教頭に直談判しろ。』って言った。

 

そしたら担任教師やクラスメイトは、呆気なくそれを認めた。そして担任は減給2ヶ月、クラスメイトで関わった奴等は反省文5枚という事で終息した。けどこうなっても無理は無いと思った。一色の奴を一目見たが、正直キンモイ。何あの変な喋り方に猫被り、可愛げがねぇ………めぐりやカナエを見習って欲しいもんだ。

 

 

八幡「まぁ終わった事はいいだろう。あむっ………御馳走さん。ありがとな狂三、今日も美味かった。」

 

狂三「美味しく召し上がってくれたようで何よりですわ。さて、ではメインディッシュですわね。」

 

八幡「?デザートでもあるのか?」

 

夜架「八幡さん、今日を何の日かお忘れですか?」

 

八幡「あぁ〜そういやバレンタインだった。」

 

狂三「その通りですわ。なのでこれを皆さんで摘みませんか?」

 

 

狂三が用意したのは横幅の広い魔法瓶だった。蓋を開けると、溶けたチョコレートが満たされていた。

 

 

雪乃「チョコレートフォンデュ……考えたわね。」

 

めぐり「わぁ〜!あったかいチョコだ〜♪」

 

夜架「とても良い匂いです、食欲を掻き立てられますね。美味しそうです。」

 

狂三「これに合う具材を用意してますので、皆さんで食べませんか?」

 

 

狂三は容器を取り出した。そこにはイチゴやパイン、キウイといったチョコと合う果物もあれば、マシュマロやビスケットといったお菓子も用意されていた。すげぇ………ん?

 

 

八幡「……皆で?」

 

狂三「えぇ。こうして皆さんで囲うのも悪い事ではないでしょう?八幡さんに大本命を、というのも考えましたけれど、こうやって食べるのも良いと思いましたの。」

 

 

お、おぉ………狂三が、狂三が凄く良い事を言ってる。今日はなんか輝いてる。

 

 

めぐり「あっ、じゃあじゃあ!私の作ったバームクーヘンも具材にしてよ!ちょうど2口くらいで食べられるサイズにはなってるからさっ!八幡君、これ私からのバレンタインプレゼントだから、美味しく食べてね///」

 

雪乃「じゃあ私のクッキーもつけたら美味しくなりそうね。本当は八幡君にあげる予定だったけれど、時崎さんの言葉を聞くと、皆で食べるバレンタインチョコも良いわね。」

 

夜架「すみません、私は用意してなくて……」

 

狂三「いえいえ、お気になさる必要はございませんわ。バレンタインデーは乙女の戦争。戦略を立てるのは当たり前ですもの。ですが今はそれを忘れて楽しく頂きましょう?」

 

 

この寒い時期に暖かい物を食べられるのは正直すげぇありがたい。これを思いついた狂三には感謝だな。それと俺の為に作ってきてくれためぐりと雪乃にも感謝だな。美味しく頂くとしよう。

 

その後は見る人達が羨む程の良い香りを漂わせながら、昼食後のデザートを楽しんだ。

 

 

 

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