やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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愛妻晩ご飯

 

 

八幡side

 

 

自宅に帰って来たわけだが、荷物を置きに台所へと向かおうとすると、夜架に買い物バッグを引ったくられて『八幡さんは居間で寛いでいてください。台所(ここ)から先は女の戦場です。』とか言ってきたから、大人しく椅子に座りながら夜架の後ろ姿を眺めている。けどスーパーで聞いた時から思っていたが、メニューは結構多い。どうやって調理する気なんだ?

 

 

夜架「では八幡さん、少し待っていてくださいね。今から調理を始めますので。」

 

八幡「あ、あぁ……怪我しないようにな?」

 

夜架「週に2〜3回程、八幡さんのお弁当を作らせていただいていますので、その心配はありません。」

 

 

実際に遠目ではあるが、調理しているところを見ていると、やはり安定感がある。俺は狂三の料理姿を見た事はあるが、夜架はまだ無いんだよなぁ………今日初めてその姿を見たが、料理をしているだけあって慌てた様子が微塵も無いし、楽しんで調理をしているようにも見える。

 

にしても、アレだな………

 

 

八幡「狂三の時も思ったが、お前も大概だな。」

 

夜架「?何がですか?」

 

八幡「いや、何で俺なんだろうって思ってただけだ。それどけ料理も出来て気が利く女なんてそう居ないと俺は思ってる。そんな奴が俺の嫁さんになりたいなんて、勿体ねぇなぁって。俺より他にも良い奴が「居ませんよ。」居るの………え?」

 

夜架「ですから八幡さん以外に良いお方なんて居ませんと申したのです。そもそも私は極道、見た目は良かれど中身を受け入れてくださる方はそう居ないでしょう。ですが八幡さんは初めてお会いした時から、幾多もの殿方を見てきた中でも比べ物になりませんでした。東と西の会合した、あの場でも臆するどころか向かっていきましたもの。何よりも私は八幡さんの目が好きですわ。」

 

八幡「目?こんな目が?」

 

夜架「はい。人の本当の姿を見る目。私を見た時も私の本心を探ろうとしましたでしょう?」

 

八幡「………まぁな。初対面で一目惚れしたなんて言われても、信用出来ないからな。」

 

夜架「最もな意見です。普通ならそうでしょうが、あの場に居た私の心臓は八幡さんの影響でずっと高鳴っていたのですよ?それこそ八幡さんにご挨拶をした時からずっと。」

 

 

マ、マジかよ……俺って夜架からそんなに思われていたのかよ。

 

 

夜架「それどころか八幡さんは、私がこちらの高校へと転向した初日の放課後に、葉山さんから呼び出しを受けた時に私の事を家族だと言ってくださいました。その瞬間から心に決め、今に至ります。」

 

八幡「………そうか、なんか悪い。お前が抱いていた想いを無碍にするような事を言ってしまって。」

 

夜架「いいえ、八幡さんはたくさんの女性から好意を受けていらっしゃいますから、そう思うのも無理はございません。」

 

八幡「まぁ、俺が思う事は変わらないぞ?お前は絶対に良い嫁さんになる。」

 

夜架「ありがとうございます。今の言葉を聞いてより安心しました。私の旦那様は八幡さんと決まっておりますから♪」

 

 

やっぱりブレない夜架さんでした。

 

 

ーーー1時間後ーーー

 

 

夜架「完成しました八幡さん、今の私が出来うる技術で作った最高の愛妻ご飯です。お召し上がりください。」

 

 

………めっちゃ美味そう。どの料理からもすげぇ食欲を掻き立てるような香りがしてくる。

 

 

八幡「あぁ、ありがたく頂こう。いただきます。」

 

 

そして俺は最初に鯖焼きに手をつけた。驚いた事に皮は焦げていないのに、パリッと音がした。そして一口大に解した身を口の中へと運んだ。箸先でも分かったが、表面は良く焼かれていて、中もジューシーに仕上げられていた。味は言うまでも無かった。

 

 

八幡「………美味い。」

 

夜架「っ!ほっ………」

 

八幡「けど凄いな、何でこんなにも食べ応えのある食感が出せるんだ?」

 

夜架「フライパンの上にクッキングシートを敷いてその上に鯖を置いて焼いたんです。シートの上に置く前には塩をまぶしておくのもポイントです。シートを敷く事によって魚がフライパンにくっつく事もなく、身崩れを起こす心配もありませんから。」

 

八幡「へぇ〜それでこんな風に仕上がるのか。」

 

 

その後も夜架の作った料理全ての味を確かめたが、どれも絶品と言える程の料理だった。愛妻って言ってたが、もうその域すら超えてるような気がする。

 

そして今では………

 

 

夜架「八幡さん、お次は何を召し上がりますか?」

 

八幡「じゃあ肉じゃがで頼む。」

 

夜架「はい♪」

 

 

夜架が『食べさせる事によって妻の味が出るものです。無作法ではありますが、八幡さんに食べさせたいです。』と言ってきたので、今は夜架に食べさせてもらっている。けどなんか分かるような気もする。さっきよりも美味く感じるというか、愛を感じるっていうのか?

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

八幡「ご馳走様でした。」

 

夜架「はい、お粗末様でした♪全て綺麗に食べてくださって、私も嬉しいです。」

 

八幡「美味かったし、何より箸が止まらなかった。また食べたいくらいだ。」

 

夜架「それは明日まで我慢してください。と言いましても明日はパンですから、今のような料理は少し出せそうにありませんが。」

 

八幡「いや、あぁいうのは偶に食べるからこそ美味さを味わえるんだ。またいつか頼んでもいいか?」

 

夜架「勿論です、いつでも言ってください!八幡さんのお口に合うよう、頑張ってお作りしますので!」

 

 

 




良いなぁ………俺も食べたいなぁ………
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