やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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極道の世界

 

 

ーーーーーー

 

 

阿保露組襲撃から1週間と少しが過ぎ、暦では3月に入っている。総武高校では新校舎が爆破された事もあって、暫く学校は臨時休校という事になったのだが、3月からは旧校舎で授業を受ける事となり、生徒間でも再会を楽しむ者が殆どだった。

 

 

八幡「救えて良かったってもんだ、この風景を見てるとホントにそう思える。」

 

夜架「これも全て八幡さんの……いえ、旦那様のおかげです。八幡さんが助けてくださったからこそ、この光景があるのですから。」

 

八幡「まぁ、そういう事にしておくか。」

 

狂三「本当の事ですのに………まぁ、そこが八幡さんの魅力でもありますから。」

 

 

八幡達も通常通り登校していたのだが、やはり事件の主犯格との関係者という事もあり、かなりの視線が集まっている。その視線を浴びつつも八幡達は校舎へと向かって歩いていた。

 

 

ーーー旧校舎・仮教室ーーー

 

 

八幡「分かってはいたが、何なのかねぇこの重圧感ってのはよ?まるで入ってくるなとも捉えられるぞ、この扉の先の雰囲気。」

 

狂三「それは杞憂だと思われますけれど、今は此処が2-F組の仮教室なのですから入るしかないと思いますわ。」

 

八幡「はぁ……だよなぁ。」

 

 

八幡は面倒くさそうに扉を横にスライドさせた。中にいる2-F組からはやはり注目の嵐だった。

 

 

戸塚「えっと………お、おはよう八幡!」

 

八幡「おう戸塚、おはよう。朝からずっとこうなのか、このクラスの連中?」

 

戸塚「うん……皆、八幡の事が少し怖いんだと思う。だってさ………」

 

 

八幡(まぁ無理も無い。躊躇なく誘拐するような組と同じ組織に居るんだからな、怖がられるのは当然だろう。まぁ俺の組はそんなバカな事する組じゃねぇけどよ。)

 

 

八幡「成る程な………まぁそれならそれで構わねぇよ、俺も無理してまで俺に関わって欲しいなんて微塵も思ってねぇし。何ならこの2人が居てくれりゃ構わないしな。」

 

戸塚「け、けど八幡!僕は八幡と友達だから、八幡はそんな事しないって信じてるよ!」

 

八幡「……そうか、ありがとな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉山「比企谷、聞きたい事がある。」

 

八幡「……はぁ、予想はとっくについているが、一応聞いてやる。何だ?」

 

三浦「はぁ?ねぇアンタ、隼人に向かって何なんその態度?ムカつくんだけど?」

 

八幡「俺は今葉山と話してんだよ、見て分かんねぇのか?外野は引っ込んでろ。」

 

三浦「っ!?」

 

八幡「で?」

 

葉山「………人を、殺したのか?」

 

 

八幡(やっぱり。)

 

 

八幡「だったら何だ?」

 

葉山「……ハッキリと答えてくれないか?人を殺したのか、そうでないのか………」

 

八幡「それをお前に話す義理は無い。ましてや極道でもない堅気の人間にそんな事言うかよ。」

 

葉山「つまり、殺したって事でいいんだな?」

 

八幡「………何が言いたいんだ?」

 

葉山「……殺す以外に方法は無かったのか?俺は君がそんな愚かな事をする奴だとは思ってなかった!そして何より君は雪ノ下さん達をそのまま見捨てるように誘拐犯へと渡した!助かったから良いものの、ヘタをすれば「おい、お前等やめろ。」な、何だ比企谷、俺の話は!」

 

八幡「テメェには言ってねぇよ。俺は2人に言ってるんだ、今すぐ葉山の腹に向けてる刀と銃を収めろ。」

 

葉山「っ!!?」

 

 

葉山は急いで自分の腹部を確認すると、そこにはフリントロック式の拳銃と黒い刀身の短刀がいつでも発砲や刺せるような状態だった。そして何よりも、狂三と夜架の目には光が宿っておらず、葉山に対して完全に敵意を表していた。

 

 

狂三「八幡さん、止めないでくださいまし。そうでなければこの失礼極まりない男を撃ち殺せませんわ。八幡さんが黙って言わせておけばズケズケと……貴方のようなただの高校生に何が出来るというのですか?八幡さんの代わりに私達を助けられたと?」

 

葉山「い、いや……そうではなくて……」

 

狂三「それでしたら八幡さんの取った行動が全て間違っていると仰いますの?私達を助ける為に取った戦争や作戦も全て間違いだと仰りたいんですの?何ともふざけたお方ですわね?もう1度言いますけれど、貴方如きに何が出来ますの?」

 

夜架「全くもって狂三さんの言う通りですね。第一にあの場で人質を取られていた状況で助け出すのなんて至難の技です。いえ、確実に無理と言っても過言では無いでしょう。そのような事を言うという事は、貴方には救えたという解釈で間違いありませんか?1人も傷付けずに、人質を全員無事に助けられたと、そう言っているのですね?八幡さんは出来ないと思ったから私達の身柄を相手に渡しましたが、貴方であればそうする事もせずにあの2人を助けられた、そういう事ですよね?」

 

葉山「………」

 

夜架「答えられない、という事は認めるという解釈でよろしいですか?ならその方法を教えて欲しいのですけど?」

 

葉山「い、いや……」

 

夜架「どうせ無いのでしょう?それもそうです、八幡さんの立場を他の皆さんにしたとしても同じ回答が返って来ます。それをただ見ていただけの貴方に八幡さんに文句を言う資格はありません。」

 

八幡「お前等、そんな事どうでもいいから武器をしまえ。ソイツは護身用だろ?敵でもない奴に向けてどうすんだよ。」

 

2人「………」

 

八幡「葉山、お前の言ってる事は全て理想でしか無い。俺はお前の理想を叶えてやる気なんて更々ねぇぞ?お前がそういう考えを持っているのなら、次はお前がソイツ等から人質を守ってくれよ?その時俺は見物でもしてるからよ。大口叩いておいて尻尾巻いて逃げましたじゃ言い訳立たねぇからな?」

 

葉山「お、俺は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「まぁ今のは冗談だ。人攫いがそんな頻繁に起きても困る。けどな葉山、今言った事に俺は嘘は言ってねぇ。それに、戦争に綺麗事なんて要らねぇんだよ。俺達極道の戦争は殺すか殺されるかの世界だ、そんな世界の中で話し合いで解決する戦争があったらそれに越した事はねぇんだよ。まぁ、そんなもんねぇけどな。」

 

 

八幡達に言われるだけ言われた葉山はその場に尻餅をついた。『生きてる世界が違う。』『殺しが平気である世界。』それを思い知らされた。

 

 

八幡「もしお前が俺等のやってる事にちょっかい出すんだったら………エンコじゃ済まねぇからな?まぁそれは無いと思うけどよ………おい、お前等もいい加減しまえ。腰抜かしてんだからよ。」

 

狂三「………命拾いしましたわね。」

 

夜架「次は無いと思ってください。」

 

 

その後の2-F組の仮教室はお通夜のような雰囲気が放課後まで続いたという。

 

 

 

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