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「……は?何だお前は?いきなり横から出てきたと思ったら人の悪口?しかもそんな事、俺1度も言われた事も聞いた事も無いんだけど?」
八幡「そりゃそうでしょ、皆隠れてやってるんですから。まぁ誰が何人でっていう規模を言うつもりはありませんけど。見てりゃ分かるでしょ、この1週間で先輩がめぐりに対してキモいぐらいしつこく勧誘してるのを見たら誰だってそう思いますよ。もしかして、言われた事ありません?しつこいって?」
「………」
八幡の言葉に何も言い返せず睨んだまま見据えていた。どうやら図星のようだが、八幡は昨日の時点で陽乃から大体の事情を聞いているので、現状を把握している。故に相手を攻めやすいのだ。
八幡「めぐりに限らず、まだサークルに入っていない新入生とか居ますよね?どうしてめぐりは誘ってソイツ等は誘わないんです?ルックスや性格で人で選んでるって事ですか?」
「何でそれをお前に言わなきゃならないんだよ?」
八幡「言えないって事は認めるって事ですよね?」
「いや、言う必要が無いだけだから。」
八幡「誘われる側からすればそれって疑問ですよね?そんな事も教えてくれないんですか?なんか疾しい事でもあるんじゃないんですか?」
めぐり「(………八君の言う通りだ、何で私ばっかり誘うんだろう?よぉし、私も!)あの……その人選の理由、私も知りたいです!」
「え………」
八幡「ほら、本人だって気になってるんです。俺は別に聞かなくてもいいですけど、誘われてる本人には知る権利くらいあると思いますけど?」
明らかに勧誘していた大学生は困惑していた。八幡は最初の質問の沈黙の時点で気付いていた。『この男だけで無く、めぐりをしつこく勧誘している奴等はただ顔だけで選んでる。』っと。
「そ、それは………」
めぐり「………」
八幡「………」チラッ
八幡「折角なんでそこの2人にも聞いてもいいですか?何で1週間かけてまでめぐりに勧誘するのかを、めぐり本人も気になってるんですから答えてもらってもいいですよね?」
2人『っ!?』
八幡が横目で確認して質問を投げかけた2人は、めぐりに勧誘をしている3人の残り2人だった。
八幡(お前等逃げられると思うなよ?人の女に勝手に手を出したんだ、それなりの恥はかいてもらうぞ?)
「い、いやぁ……俺達この後講義あるからさ〜。」
八幡「いやいや、ただ勧誘する理由を答えるだけなのにそんな時間取らないでしょ?あれ、もしかして………俺の言った通りになっちゃいます?顔や性格だけで勧誘してる口ですか?」
「………」
「そ、それは………」
めぐり「……八君の言う通りなんですね?」
「い、いや違うよ!」
めぐり「じゃあ何で答えられないんですか?答えられないって事は認めるって事ですよね?」
「っ………」
「くぅ……」
「………」
めぐりの質問に全員が下を向いて黙っていた。答えはもう決まっていた。
八幡「……最低な選び方ですね。部活とは違ってサークルの入る入らないは自分の意思ですけど、まさかこんな勧誘をしているなんて………学校側に報告させてもらいますね。」
「は、はぁ!?ちょっと待てよ!何でそこまでするんだよ!?」
「これからは気を付けるから、報告はやめてくれよ!もう過度な勧誘はしねぇから!」
八幡「そんな口約束を鵜呑みに出来る程、俺の了見は浅くないんですよ。それを抜きにしても貴方達の行動には限度があります。報告はさせて貰います。処罰があるないは学校側に任せますので。」
「な、何だよ……たかが勧誘だけで……」
八幡「………人が下手に出てりゃ調子の良い事ばっか言いやがって、ナメてんじゃねぇぞ?お前等の無駄な勧誘のおかげでめぐりの時間が削られてんのがまだ分かんねぇのか?なら俺がお前等の時間も削ってやろうか?1週間分キッチリとよぉ?」
「い、いや……わ、分かった!」
「大丈夫だ!罰なら受けるから!」
「だからやめてくれ!」
八幡「………この程度で勧誘やめるんだったら最初からするんじゃねぇよ、意気地なし共。行くぞめぐり、此処に居たら迷惑だ。」
めぐり「うん。」
八幡とめぐりが去った後も、八幡の言葉と威圧に気圧されたのか、3人は動けずにいた。そしてこの事実を知ったサークルに入っている女子大学生の大半が3つのサークルから辞めていったのは八幡の知らない物語だ。
ーーー食堂ーーー
八幡「ったく。途中から全部見抜いてたが、ああいうゲスい奴等を見てると腹が立つな。めぐりも陽乃も伝えてくれて良かった。」
めぐり「うん、本当にありがとうね八君。」
八幡「気にすんな。それよりも飯食おうぜ。俺は炒飯にするけど、めぐりは?」
めぐり「いつもお弁当だったからね〜何があるんだろう?ねぇ、見てから決めてもいいかな?」
八幡「おう、その方が良いだろう。急かさないからゆっくり選べ。」
めぐり「うん♪」
八幡(しかし何故だ?後ろの女子達が俺達について来る………別に誘った覚えは無いんだが。めぐりが約束………いや、そんな時間は無かった。何なんだ一体?)