八幡side
結局あの後は特に進展も無いまま会話が終わって、雪乃と一緒に屋敷へと向かっている。俺の進路………特別通いたい大学なんて無いしなぁ……それに組の仕事もある。それをやりたいってのもあるが、大学はちょっと興味あるんだよなぁ〜。
八幡「どうしたもんかねぇ?」
雪乃「そんなに悩む事なのかしら?」
八幡「あぁ~、そう思われても不思議では無いかもな。実は俺、早く組の仕事に集中したいってのもあるんだが、大学にも通ってみたいって気持ちもあるんだ。一応俺って組長の立場にあるから、学べるモンは学んでおきたいって思っててな。一応千葉仁堂会の直系格では、俺が最年少の新参者だしな。親の七光で終わらせちまったらカッコ悪いだろ?」
雪乃「そう……けれど意外だったわ。貴方がそんな風に悩む事もあるのね。」
八幡「いやいや、俺にだって進路以外の悩みは過去にもあったぞ?つい最近解決したけどよ。」
雪乃「……それが何なのか聞いてもいいかしら?」
八幡「お前達の事。」
雪乃「………そうだったわね。」
母ちゃんや親父に言われたり、神戸若頭補佐の霧崎組長から言われてなければこの答えにはなってないだろう。
ーーー比企谷邸ーーー
八幡「………」
雪乃「………」
狂・夜「八幡さん(旦那様)、進路はどうしましたの?(なされたのですか?)」
予想はしてたけどよ、何で玄関で待ち受けてんだよ……別に逃げねぇから。
八幡「残念ながらまだ白紙だ。もういっそこのまま出しちまおうか……はぁ、悩むのも疲れてきた。」
カナエ「あら、2人共お帰りなさい。八幡さんはどこかお疲れのようだけど?」
八幡「あぁ、進路で少しな。」
しのぶ「進路………私は医者を目指していたから迷いなんて無かったけど、八幡は何かになりたいって思った事ないの?」
八幡「今まで極道として生きてきたんだから、これからもそうして生きていくつもりだ。俺が何かになりたいのがあるなら逆に聞きたいくらいだ。それに大学にも興味あるから行ってみたいってのも本音だ。」
しのぶ「アンタの性分を考えると仕方ないって思えるけど、人生の選択みたいなものだから悩むのも頷けるわね。」
八幡「この屋敷の中では年長者である麗姉さんにでも聞くか。一応極道でありながら大学も行ってたしな。しかもメッチャすげぇ大学。」
夜架「どちらの大学に行かれていたのですか?」
八幡「イギリスのオックスフォード大学。」
麗「そうね……高校生の時点で今の職に就きたいと思っていたから、日本の経営学じゃ物足りないと思ってそこにしたのよね。けど当時は予想以上に頑張ったものね、総武高校に入学してからはオックスフォードに入学する為に1年間のコースで一般教養を学ばなくちゃいけなかったのよ。イギリスの学校に入学していたらまた話は変わるのだけど、私は日本の学校だったから1からのスタートになるのよ。」
八幡「1年の頃から勉強づくし?」
麗「ええ、その通りよ。そのおかげもあって、私は正規入学出来たのよ。その頃の総武高校は物凄く騒がれたものだわ。それからはイギリスの暮らしを楽しみながら経営学について学んだわ。勿論それだけじゃ不安だったから他のも学んだ結果、いつの間にか博士号を貰っていたの。」
『博士号っ!!?』
俺も聞いた事はあるが、意味は全く分からん。けど周りの様子からして相当すげぇ事なんだろうな。
麗「そこから父と母からお金を借りて宝石店を立ち上げたのよ。宝石の事は勉強していたけど、専門家には勝てないレベルだったわ。まぁ成功しているから、世界の何ヶ所に支店を作れたのよね。けどそうね………私から言える事があるとすれば、八幡のしたい事、学びたい事、今の自分に足りないものを見つけられそうな事を起点に選んだ方が良いわよ。八幡が極道として生きていく上で学びたい事があるのなら、大学へ行っても良いと私は思うわ。けどそれを決めるのは八幡自身だから、私にはどうする事も出来ないわ。」
八幡「………そうだよな。」
俺のしたい事………組の事、だよな。けど今の俺に足りない物………それを学ぶ為に。
八幡「………進学、だな。けど何処にするかだよな。けどそれってどうやって決めりゃいいんだ?」
麗「難しく考える必要は無いわ。要は学びたい項目が決まってさえいれば、近場の大学でも別に良いのよ。偏差値の高い大学だとしても、学べるものが少なければ意味が無いもの。決めるのは今の八幡よ、現時点で八幡自身で何が欠けているか、何が足りないのかを分析してから決めるのも遅くはないわ。貴方も高校の成績はトップなのだから、勉強の心配は要らないと思うわ。」
俺の姉、メッチャ頭良いんだけど。流石は心理学も習っていただけはある。経営学だけじゃないってのは本当だったんだな。
麗「進路希望の提出期限はまだあるのだから、じっくり考えると良いわ。急かされて答えを出したとしても、その答えが正しいとは私は思えないもの。八幡のペースで考えなさい。八幡の時間は八幡だけにしか使えないのだから。それを無駄にしてはダメよ。」
八幡「……分かった、少しじっくり考えてみる。姉さん、相談乗ってくれてありがとな。」
麗「このくらいの事ならいつでも相談しに来てちょうだい。弟の為なら一肌脱いであげるわ。」
さて、少しばかり自分を見つめ直すか。
オックスフォード大学はやり過ぎましたかね?