八幡side
組が結成してから1ヶ月。今日は各企業から上納金を納めてもらう日だ。誰が何処の店に行くかっていうのはもう決めてあるから、そこは抜かりない。しかし、ウチの組員は未だに10人程度。まだまだ人が足りない。補充しないとな………
八幡「それで、どうだそっちは?神戸の方で何か動きはあったか?」
風間『いや〜自分が見てる所は全然っスね〜。全く動きが無いっス。他の所も見て回りたいんスけど、今は全く人手が足りてないっスからね。』
八幡「そうか……」
風間『すみませんね八幡さん。あまり期待していた報告が出来なくて。』
八幡「いや、気にしてない。相手も尻尾掴まれないように動いているかもしれないからな。もしかしたらこっちの動きに気付いているかもしれない。取り敢えずそのまま続けてくれ。闇烏の叔父貴にもよろしく伝えておいてくれ。」
風間『了解っス。じゃあまた連絡するっス。』
………今の所は進展無し、か。しかし動きが無いってのもまた不気味だな。闇烏の叔父貴の報告は信憑性の高いものばかりだし、これまで外れてきた事は無い。だが今回は報告があってからの動きが無さ過ぎる。
倉田「お兄さ〜ん!今月の上がり、貰ってきたよ〜!それからお菓子もくれたんだ〜!」
八幡「……お前は何しに行ってるんだ?」
赤崎「ま、まぁまぁ。取り立ては成功しているんですから、良いではありませんか。」
八幡「倉田ん所も完了………さて、じゃあ俺も回収に行ってくるわ。何かあったら浅見に相談しろ。まぁ大抵は何とかなるとは思うが、やれそうになかったら狂三に連絡な。」
赤崎「分かりました。」
倉田「は~いっ!」
浅見「行ってらっしゃいませ、若様。」
ーーー雪ノ下家・門前ーーー
八幡「八十神会総代の比企谷です。今月の集金の件について参りました。雪ノ下社長はいらっしゃいますか?」
「比企谷様ですね、どうぞ中へ。」
ーーー客間ーーー
「こちらでお待ちください。」
八幡「ありがとうございます。」
ーーー5分後ーーー
秋乃「申しわけございません、お待たせしてしまって。」
八幡「いえ、ご多忙なのは存じております。そんな中で来訪してしまって申しわけ無いです。」
秋乃「いいえ、せっかくこうしてきていただいているのです。ゆっくりしていってください。例の物を此方に。」
「かしこまりました。」
秋乃さんが執事の人に指示を出すと、ジュラルミンケースを机の上に置いて中身を俺に見せてきた。
秋乃「指定された金額通り入っております。お金は全て私が数えましたので、間違いないと思われますが、念の為に確認をお願いします。」
八幡「いえ、そちらの言葉を信じましょう。確認は事務所に帰ってからにします。」
秋乃「そうですか。ところで、お聞きしても?」
八幡「何でしょう?」
秋乃「昨日、陽乃が貴方に会い行くと言って家を出たのですが、その後の娘の様子がおかしかったものなので。少し気になって話を聞いてみたのですが、核心のつくお答えはもらえなかったものでして。比企谷さん、何か娘が粗相を致しましたか?」
答え辛い質問だな。失礼っちゃあ失礼な事はしてきたし、それを堂々と答えるのも気が引ける。困ったものだ。
八幡「いえ、大した事はしてませんよ。ただ、自分が余り質問されたくない事を聞かれてしまったので、つい感情的になってしまっただけなんです。陽乃さんには比企谷が謝っていたとでもお伝えください。後日、自分も謝りに行きます。」
秋乃「いいえ、その必要はありません。比企谷さんのお気持ちを考えずに先走った娘の行動が原因です。こちらも言い聞かせておきます。」
八幡「………分かりました。」
それから少し話をしてから、俺は雪ノ下家を後にして城廻さんの店に向かった。
ーーー城廻インテリア・事務所ーーー
めぐり母「待っていたわよ〜比企谷くん!コレ、今月分のお金ね!後ね、ウチが試作で作ってみたんだけど、良かったらコレも事務所で使ってみて!物を置く台としても使えるし、インテリアとしても面白いと思うから♪」
八幡「あ、ありがとうございます……」
この台、せめて組み立てる前にして欲しかった……これじゃ運ぶのも一苦労だ。
めぐり母「それにしても、最近のめぐりは青春してるのよね〜。週に1〜2回くらいに2人分のお弁当を作ってるのよ〜。誰に作ってるの〜?って聞いても内緒って言うのよ?確実に好きな人よね〜♪」
………すみません、それ俺です。
めぐり母「比企谷君には好きな人は居ないの〜?」
八幡「今のところ特には……それに、好きな人といっても将来の事もありますので。」
めぐり母「そうよねぇ〜。比企谷君はヤクザさんだもんね〜。そう簡単に誰かとお付き合いなんて出来ないわよね〜。」
八幡「まぁ、そうですね。」
実際その通りだな。簡単に付き合うなんて出来ないし、結婚ともなると重みが違ってくる。それこそ一般人とは付き合えないよな。将来設計を滅茶苦茶にしかねないし。
めぐり母「あ〜ぁ、残念よねぇ。めぐりったらこんなに良い物件がいるのに。男前でいつでも守ってくれる男の子が彼氏か旦那さんになってくれたら、いつでも安心なのに。」
………お母さん、アンタ気付いてないでしょうけど、ヤクザに娘預けようとしてるけど大丈夫か?