やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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雪ノ下家の今後 ②

 

 

ーーーーーー

 

 

葉山父「婚約の破棄は私も賛成する事を宣言いたしましょう。」

 

葉山「なっ!!?」

 

秋乃「あら、私が言うのも何ですが、そのように簡単に婚約を破棄してよろしいのですか?発言次第では検討しようと考えていましたが?」

 

葉山父「いえいえ、考えるまでもありませんよ。ウチの隼人とその比企谷八幡君のどちらが優れているのかは、今のを聞けば分かります。その人の人柄は知りませんが、隼人以上なのは確かでしょう。そして何より婚約の破棄に関して決定的な事がありました。」

 

秋乃「……それは?」

 

葉山父「雪乃ちゃんと陽乃ちゃんが入ってきた時の隼人が居る反応と比企谷八幡君の話題になった時の反応です。明らかに顔の色が違った………雪ノ下さんは娘さんのお2人を比企谷さんに婚約させるおつもりなのでは?」

 

秋乃「そこまで理解されていましたか……葉山さんも1度彼と会えば分かりますよ、比企谷さんが普通の方とは違うというのが。」

 

葉山父「ではいずれお会いできる機会があれば、お誘いくださいませんか?お会いしたいものです。」

 

秋乃「えぇ、いいでしょう。隼人君、こんな事を急に言ってしまってごめんなさいね。けれど最近の起きた事を考えると、親としては娘を幸せに出来る方に娘をお願いしたいのよ。」

 

葉山「………僕では力不足、だと?」

 

秋乃「そうは言わないけれど、貴方も彼を近くで見てきたのなら少しは分かるのではなくて?外見では貴方の方が優っているでしょう。しかしそれだけで娘を任せるわけにはいかないわ。顔も確かに大切だけれど、他にも学力や人望といった能力が必要になってくるわ。隼人君にそれが無いとはまだ確定してないから言えないけど、比企谷さんは高校生でありながらそれを兼ね備えているわ。そして何より大きいのは、娘達を助ける為に奔走してくれた事。隼人君、貴方は娘達が誘拐やゲームの中に閉じ込められてしまった時、娘達の為に何かしてくれましたか?些細な事でも構いません。」

 

 

秋乃の言っている些細な事、それは『娘達が危険な目に遭っている中で貴方は何か役に立ってくれていたか?』と暗に聞いているのだ。だが葉山は薄々ながら感じていた。たとえ何かあったとしてそれを発言したとしても、八幡のした事に比べれば何もしていないに等しい、っと。

 

だが実際には助ける為の行動は一切していないのだ。そんな自分が2人の為に何かしたなんて言えるのか?いいや、言えるわけが無かった。

 

 

葉山「………いいえ、何もありません。」

 

秋乃「何も、ですか?間接的な事で無くとも大丈夫ですよ?」

 

葉山「それを含めてもありません。」

 

秋乃「そうですか、ざ「ですが!」んね……?」

 

葉山「これから先は陽乃さんや雪乃さんに少しでも認めてもらえるように努力していきますので、婚約破棄に関して延期にする事は出来ないでしょうか?」

 

葉山父「っ!隼人!」

 

秋乃「……それは本気ですか?」

 

葉山「はい。」

 

秋乃「………この10年と少し、娘達と交流して今の現状。貴方は1年足らずで娘達の心を豊かにした比企谷さんに勝負をすると?」

 

葉山「勝負をするわけではありませんが、そう簡単に諦めるわけにはいきません。」

 

秋乃「隼人君、それは「雪ノ下さん、その言葉は私から言わせてください。」葉山さん……」

 

葉山「父さん?」

 

葉山父「隼人、今お前がやっているのは無駄な足掻きだ。俺も雪ノ下さんも雪乃ちゃんも陽乃ちゃん、此処に居る全員がお前に対して呆れている。何故か分かるか?」

 

葉山「い、いや……」

 

葉山父「往生際が悪いからだ。雪ノ下さんの説明を受けて尚、お前は何か反論が言えるのか?幾度と無く雪乃ちゃんと陽乃ちゃんを救って来た比企谷さんに娘の婚約をさせるのが間違いだと言えるのか?」

 

葉山「けど相手は極道だ!世間で見れば悪い目で見られるのは確かだろう!」

 

葉山父「………はぁ、これは言いたくなかったが、言うしかなさそうだ。隼人、お前も分かっているとは思うが、雪乃ちゃんも陽乃ちゃんもお前の事はもう一切見向きもしていない。期待もしていないぞ。」

 

葉山「っ!!」

 

葉山父「2人の目を見れば分かる。お前に対して何かを期待しているような目に見えるか?先の発言に対して嬉しそうな目をしているか?だから私は婚約の破棄に賛成したんだ。お前ではもう、2人を幸せにさせる事は出来ない。たとえお前が反対であってもこの場に居る全員が婚約の破棄に賛成だろう。当人達の意志そっちのけで決めてしまった婚約だが、改めて聞きたい。雪乃ちゃん、陽乃ちゃん、この息子との婚約はどうしたい?」

 

陽乃「私は八幡君が大好きですので、婚約は破棄したいです。それに隼人は私のこの顔に気付いてはいても、何かをしようとはしなかった。けど八幡君は別、私のこの顔も本当の顔もどっちも好きだって言ってくれた……そんな八幡君が大好きですので、破棄に賛成です。」

 

雪乃「私も婚約破棄に賛成です。葉山君が昔の私個人を助けてくれれば、もしかしたら反対だったかもしれませんが、それも終わった事です。ちゃんと私を見てくれている八幡君が大好きなので、葉山君との婚約は破棄したいです。」

 

葉山父「どうだ?10年以上関わりがありながらも、たった1年足らずの少年に心を許しているのだ。それはお前が2人に何ら影響を与えていなかったという何よりの証拠だ。お前が幾ら反対しようとも結果は覆らないぞ。雪ノ下さん、息子が反対でも私が認めましょう。この長い期間を無駄にしてしまい、本当に申しわけございません。」

 

 

葉山の父が秋乃に対して深く頭を下げた。そこには自分の不甲斐なさも混じっているのだろう。

 

 

秋乃「頭をお上げください、葉山さん。こちらも急な申し出をしてしまい大変申しわけありません。並びに婚約の件もありがとうございます。破棄という形にはなりましたが、今後とも良好な関係を築けていけたら幸いです。」

 

葉山父「えぇ、今後ともよろしくお願いします。」

 

 

 

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