八幡side
今日で6日目か……意外と早く日が過ぎるもんだ。明日になったら神戸ともお別れか。まぁ元々そんなに長居するつもりも無かったし、夏休みの期間だったからちょうど良かった。
八幡「……おっ、ようやく来たな。」
未織「………」
未織(今日で3日目……八幡ちゃんは明日になったら千葉に帰ってまう。今日は何としても八幡ちゃんとええ思い出作らな後悔する。今日はいつもよりも練りに練ったデートプランやから問題無い筈や!せやけど何が起こるんか分からへんし、色々とアドリブも入れんとね。)
八幡「よう未織、昨日ぶりだな。」
未織「あらら、今日も八幡ちゃんに先越されたわ。何や、楽しみならウチの家に直接迎えに来てくれてもええんやで?その方が手間省けるやろ?」
八幡「生憎だが俺はお前の家を知らんし、知ってたとしても行く勇気が無い。お前の親父さんと会った瞬間に俺の事睨み殺しそうだし。」
未織「気にせんでもええのに。あぁやって八幡ちゃんの事睨んどるけど、ホントはお父さんも気に入ってるんやで?家で食事しとる時に八幡ちゃんの話になったら必ずこう言うんや、『他の男ならともかく、比企谷八幡ならお前を嫁に出しても構わん。』ってなぁ!」
八幡「少しは信頼されてるようで何よりだ。」
未織「いやいや、寧ろ大したもんや。お父さんが他の男に対してあんだけの事言うのは滅多に無いんや。間違いなく、八幡ちゃんの事は気に入ってるって確信は持てる!良かったなぁ八幡ちゃん?」
あの人、家でそんな事言ってたのかよ……っつかいいのか?俺にその事言ってよ?秘密なんじゃねぇの?知らんけど。
未織「ホラホラ八幡ちゃん、早よ行こっ!時は有限や!早よせんと1日が終わってまう!」
八幡「分かった分かった、分かったからそれ以上俺にくっついてくるな。ったく、その癖とも呼べる抱き着き行為は何とかならないのか?」
未織「ならへんね。八幡ちゃんがウチを堕とした瞬間からもう呪いのようになっとるから♪」ニコッ
八幡「満面の笑みで呪いとか言われてもな……」
ーーー神戸元町商店街ーーー
八幡「ほう、商店街か………」
未織「八幡ちゃんこういうの好きなんとちゃう?」
八幡「どちらかと言われれば好きだな。神戸の商店街か……何があるのか気になってはいた。」
未織「ほな、見ながら歩こか。」
俺達は人の流れに従うように並んでいる店を眺めながら歩いた。千葉にはこういう所はあまり無いから新鮮だ。こんなに密集しているのはララポくらいだが、あれは大型店舗に1つで纏まっているようなものだからな。こういうのとは少し違う。
未織「気になったのはあった?」
八幡「今は目移りしているところだ。何処に行こうかってのを頭の中で考え中だ。」
未織「ふふふっ、ホンマは全部行きたいんやろ?」
八幡「まぁな。」
未織「ええやんそれで。ウチも付き合うから♪」
八幡「だがいいのか?お前も今日のプランは立ててきてるんだろ?」
未織「確かにそうやけど、別にそれに拘る必要なんてあらへん。楽しければそれでええんよ!別にこれは必ずっていうのは無いんやし。」
………そうか、そうだな。
八幡「なら気になった店は全て回るぞ。ついて来れるか?」
未織「歩きながらで頼むで?ウチ着物来とるし、走る事もままならんから。」
八幡「分かってるよ、走るなんて事はしねぇから安心しろ。したら許してくれ。」
未織「八幡ちゃん、それする気無いんよね?もし走ったらウチ、八幡ちゃんの事恨むからね?」
大丈夫だって、そんな事しねぇから。
ーーー洋菓子店ーーー
八幡「お土産、持って帰らないとな。」
未織「向こうにおる人達に?」
八幡「あぁ、両親と妹、爺ちゃんと婆ちゃん、世話になってる人達、それから俺の屋敷に住んでる人達。意外と多いな………」
未織「ソレ、全部で何人くらいおるん?」
八幡「………大体300人。」
未織「………組員達には普通のお土産にしたらええと思う。家族とか屋敷に住んどる人達にはそれなりのを買ったらどうや?」
八幡「まっ、それが妥当か。」
未織「八幡ちゃんもようやるわ、組員全員の為にお土産買うなんて。普通やらんで?」
八幡「別にいいだろ?ウチは普通の極道とは違うんだしよ。今更レールを戻したって混乱するだけだ。ならこのままやってった方がいいだろ。」
未織「……ホンマ、八幡ちゃんと居ると退屈せぇへんなぁ。面白い事だらけや。」
それ、誰かにも言われた気がする。俺ってそんなに面白い事してるか?普通だと思うけどな………
八幡「まぁ俺が面白い話は置いといて……未織、この中で1番美味そうなのはどれだと思う?」
未織「せやね〜……ウチはコレやな。」
八幡「ならこれを何十個か買って輸送して貰えばいいか。よし、すいません。」
ーーー商店街通路ーーー
八幡「さて、お土産も買ったし次はどこ行こうか……面白そうな店がたくさんあるしなぁ。」
未織「………あっ!じゃあ八幡ちゃん、あの店寄ろうや!ほら早よ行こっ♪」
八幡「お、おい……走ると危ねぇぞ。」
未織「ええよええよ!どうせ八幡ちゃんが助けてくれるしっ♪」
前を走ってるお前をどうやって助けろってんだ?手でも引けってのか?危なっかしい令嬢だな、全く。