やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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雪ノ下邸で休憩

 

 

雪乃side

 

 

雪乃「それが比企谷くんとの出会いね。思わず食って掛かって行ってしまったのだけど、比企谷くんはそんな私をちゃんと見てくれていた。図書館で勉強している時に言ってもらった言葉、あれは今でも覚えているわ。それくらい嬉しかったもの。」

 

八幡「なんつーか照れるな。改めてこんな風に言われると………」

 

秋乃「そうなの………はじめの出会いこそあまり好印象ではありませんが、図書館の勉強からは徐々に関係が良くなり、今に至るというわけですね。」

 

雪乃「そうね。今では比企谷くんと学校で会うのが1つの楽しみになっているわ。」

 

秋乃「ふふふっ、だからなのね。週に1〜2回、お弁当を2つ作っているのは。雪乃は鼻歌歌いながら作っているものね。あれは比企谷さんにかしら?」

 

雪乃「っ!?き、気付いていたの?」

 

秋乃「母が娘の事を何も知らないとでも?」

 

 

ま、まさか気付かれていたなんて………誰にも気付かれないようにしていたつもりなのに。しかも鼻歌まで歌っていたなんて………

 

 

秋乃「けど、貴女が何故朝からあんなに気分良さそうにお弁当を作っていた理由が分かったわ。これからも続けなさい。比企谷さんからも好評なのでしょう?どうなのですか?」

 

八幡「美味しく頂いております。雪乃……さんの作る弁当は食べると落ち着かせてくれるような感じですね。雰囲気の問題もあると思うのですが、食べ終わった後は少し眠くなるんですよ。なんと言うのでしょう………家庭的な、程よい愛情が詰まっているような弁当ですね。」

 

秋乃「ふふふっ、それは何よりです。」

 

雪乃「………///」

 

 

ひ、比企谷くんったら、何を言うのかしら///確かに私が比企谷くんにお弁当を作るようになってから長いけれど、そんな表現をされるなんて思ってなかったわ………家庭的、程よい愛情……何だか恥ずかしいわ///でも全く嫌な感じではないわ。むしろ嬉しい感情が込み上げてくるわね。

 

 

ガチャッ

 

 

陽乃「ただいま〜ってアレ!?八幡くん?どうしてここに居るの?」

 

八幡「お邪魔してるぞ、陽乃。実は俺たちの組で出店するんだ。準備が終わって暇していた所を秋乃さんに拾われてな。そんでここにお邪魔させてもらっているってわけだ。」

 

陽乃「ふぅ〜ん、そっか。まぁゆっくりしていきなよ。私も色々とお話聞きたいしね。」

 

 

姉さん………もう帰って来たのね。

 

 

秋乃「そういえば陽乃、今日のお祭りの挨拶ですが、私も行けるようになりましたので、一緒に行きましょう?」

 

陽乃「え?仕事大丈夫なの?」

 

秋乃「えぇ、雪乃が手伝ってくれたおかげで目処が立ったの。雪乃、ありがとう。」

 

雪乃「あれくらいの事気にしないでいいわ。」

 

秋乃「そこでなのだけど、雪乃。せっかくお祭りがあるのですし、遊びに行ったらどう?」

 

雪乃「お祭りに?」

 

秋乃「えぇ。きっと楽しいと思うわ。」

 

陽乃「それにさ、もしかしたらパンさんの景品が沢山ある出店とかもあるかもしれないよ〜?」

 

雪乃「パンさん………そ、そうね。折角のお祭りだから行かないと損よね。母さんの好意もあるから行く事にするわ。」

 

 

パンさんがいっぱいのお店………あると良いわね。ハズレてもパンさんなら尚嬉しいわ。

 

 

八幡「お前の事だから1人だろう?狂三と一緒に行け。何だかんだあいつも祭りを楽しむ気満々だからな。お前と一緒なら俺も安心だ。」

 

雪乃「えぇ、ありがとう。」

 

秋乃「お気遣い感謝いたします、比企谷さん。」

 

八幡「いえ、これくらいどうってことありませんよ。それに祭りは楽しんだ者勝ちですからね。」

 

陽乃「おっ、良い事言うね〜♪」

 

八幡「俺も祭りは楽しみだからな。毎年店で物売っては、他の出店で買い食いするのが俺の楽しみだからな。あっ、そういやパンケーキの出店でパンさんの顔が描かれたパンケーキを作ってた店があっ「詳しく聞かせてちょうだい。」お、おう……立体型ではないが、円の中にパンさんの顔が焼かれた生地だ。今回の場所は……確か、入口の少し奥行った所だったな。」

 

雪乃「目的地が増えたわ。ありがとう比企谷くん、これでもっとお祭りを楽しめるわ。」

 

 

パン生地で作られたパンさん……食べるのはもったいないけれど、きっと美味しいんだわ。

 

 

八幡「雪乃ってホントパンさん好きなのな。」

 

陽乃「うん。雪乃ちゃんのお部屋の中もパンさんコレクションでいっぱいのエリアがあるから。」

 

八幡「………そんなに?」

 

陽乃「うん。私も少しだけ引いちゃったよ……最初見た時、雛壇に置いてあるのかと思ったくらいだよ。それくらい綺麗に順番に並べられてた。」

 

八幡「雪乃のパンさん愛ハンパねぇ………」

 

秋乃「ふふふっ、今という時を楽しめているようで何よりです。それよりも比企谷さん、お時間の方は大丈夫ですか?」

 

八幡「えぇ、まだ大丈夫です。雪ノ下さんたちがいかれる時間になりましたら行っても大丈夫ですよ?俺は徒歩で向かいますから。」

 

秋乃「いえ、一緒に向かいましょう。比企谷さんの出すお店は飲食店関係なのでしょう?なら是非、比企谷さんの作った物を頂きたいですから。」

 

八幡「………ならお客さん第1号として無料で提供しますね。今後とも良い関係を築く為にも。」

 

秋乃「ふふふっ、ありがとうございます。」

 

陽乃「お〜い雪乃ちゃ〜ん、戻っておいで〜。」

 

雪乃「パンさんのお店があったらやっぱり………」

 

陽乃「あぁ〜ダメだね。頭の中がパンさんでいっぱいになってる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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