やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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作業と暗雲

 

 

八幡side

 

 

文化祭実行委員の仕事が始まってから3日が過ぎた。雪乃の指揮と統率もあって順調に進んでいると思う。今の所は俺にヘルプを要請するような仕草もないから大丈夫なのだろう。まぁあいつのデスクの上にプリントが溜まってたり、処理に忙しそうだったら手伝う事にしよう。今見た限りでもそこまで溜まっている風でもないしな。副委員長の本牧もそれなりに働いてくれているしな。

 

そして俺の方はというと………

 

 

八幡「………こっちの記録、合ってるかどうか確認お願いします。後こっちの書類、間違いが2点あったんで訂正しておきました。狂三、この書類はもう大丈夫だから雪乃の所に回してくれ。」

 

狂三「分かりましたわ。」

 

 

1人無双状態に入っている。

 

 

「あいつ、キーボード打つのめっちゃ早くね?」

 

「あぁ、だって画面見たまんまで指見てねぇ!どんだけ打ち慣れてんだよ………」

 

「これ、俺たち要らねんじゃね?」

 

「ちょっと男子!後輩にばっか任せないでよ!私たちも仕事仕事!」

 

「「おぉ〜う。」」

 

 

………少しやり過ぎているような気もするが、仕事は早く終わらせるに越したことはない。それに、自分のノルマを終えられたら、他の奴の手伝いにも回れる。雪乃は今大丈夫だろうが、いつバテるか分からん。あいつは体力あんまねぇから顔色も窺わねぇと分からねぇし。

 

 

狂三「八幡さん、私の分はそろそろ……って八幡さん、まさか………」

 

八幡「ん?何だ?」

 

狂三「はぁ………また無意識ですのね。今触っている書類、私のノルマですわよ。」

 

八幡「え?そうなのか?すまん、集中し過ぎて気付かなかった。これだけやったら終わる。」

 

狂三「そうして下さいまし。まさか私の仕事をこんなにも終わらせてしまっていたなんて………怒ればいいのか褒めればいいのか分かりませんわ。」

 

八幡「………すまん。」

 

 

俺の悪い癖の1つだ。集中し過ぎるとやらなくてもいいものにまで手をつけてしまう事だ。狂三や有栖にも言われているんだが、どうにも治らん。

 

 

八幡「うし、終わった。狂三、確認してから雪乃に回してくれ。俺は先に雪乃ん所に向かう。」

 

狂三「はい、分かりましたわ。」

 

雪乃「………」カタカタ

 

八幡「おい、雪乃。」

 

雪乃「………」カタカタ

 

八幡「はぁ………パンさんが右隣にいるぞ。」

 

雪乃「っ!パンさ……比企谷くん?」

 

八幡「おう、俺だ。相変わらずパンさん好きだなぁお前。それよりも大丈夫か?仕事追いついてなかったら言えよ。俺のノルマは終わったから取り敢えず来てみたが、何かあるか?やって欲しい書類作成があるなら作るぞ。」

 

雪乃「そうね………じゃあ各クラスに出す○○○のプリントと明日の定例会議で使いたい□□のプリントを作って欲しいのだけれど、お願い出来るかしら?去年のデータならフォルダに入ってるから、それを確認して頂戴。」

 

八幡「あぁ、分かった。雪乃は溜まった書類の確認と押印を進めておけ。PC借りるぞ。」

 

雪乃「えぇ、お願い。」

 

 

うし、作るか。

 

 

八幡sideout

 

ーーーーーー

 

 

「あいつ、とんでもねぇな。」

 

「あぁ、あいつに任せたら、仕事早く終わるんじゃね?俺らのをあいつに少しだけ上乗せすれば……」

 

「へへへ、良い考えだな!出来る奴にやらせちまえば、皆で楽が出来るもんな!」

 

 

さっきの八幡のキーボード打ちを見ていた3年男子の記録係3人は、八幡に仕事を押し付けるという下らない計画を立てていた。

 

 

ーーーーーー

 

八幡side

 

 

ーーー翌日ーーー

 

 

八幡「よし、今日もやるか。」

 

狂三「えぇ……?八幡さんの書類、少し多くありませんの?なんだか束が多い気がしますけれど……」

 

八幡「ん、そうか?まぁいいだろ、終わらせればこっちのモンだ。パパッとやっちまうよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「へへへ………」」」

 

 

「よし、このまま進めて行くぞ。」

 

「「おう!」」

 

 

八幡「………」(カタカタ)

 

「次、これのチェック頼むよ。」

 

八幡「はい。」

 

 

………なんか変だ、妙に俺の方にプリントが回ってくる。狂三も俺も昨日と作業スピードは変わってない筈だ。なのに何でプリントが減ってない?それに俺のもだ、処理は遅れていないのに、何で一向に減らないんだ?

 

 

八幡「………」キョロキョロ

 

 

………ダメだな、サボってる奴なんて見当たらないし、話をしている奴も少なくはないが、文化祭の話だ。関係ない事じゃない。どうしてだ?

 

 

狂三「……?八幡さん、どうかしまして?」

 

八幡「……いや、何でもない。」

 

狂三「何かありましたら言って下さいね。」

 

八幡「あぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勘づいてはいるようだが、気付かれてはいねぇな。これで俺らが楽出来るってモンだぜ。」

 

「あぁ。他の3つの係の処理済のプリントを奴に回せば、俺らがするのは残りの3つを1人ずつ分けてやればいいってだけだ。出来る奴には出来る分だけやらせなきゃ損ってもんだからな。」

 

「へへっ、そうだよな。」

 

「俺ら1つの係で精一杯だもんな。」

 

「それにアイツ、前から目立ってて気に食わなかったしな。丁度いい面子潰しになるってモンだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





原作とは違う嫌な空気が………

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