八幡side
八幡「じゃあ俺は行きますので。」
カナエ「分かったわ、お仕事頑張ってね〜♪」
しのぶ「サボるんじゃないわよ?」
八幡「サボらねぇよ。」
カナヲ「………頑張ってきて。」
八幡「おう、じゃあな。」
喫茶店から出た後、俺は3人と別れて会議室へと向かっている。実行委員の役割の交代の時間が迫っている。因みに俺の役割は校内見回りだ。俺が誰かの写真撮影なんてした時なんて、笑顔は消えてるだろうしな。
ーーー会議室ーーー
八幡「失礼します。見回りの交代で来ました………まだ来てないみたいだな。」
仕方ない、少し待つか。
ーーー数分後ーーー
「あっ、比企谷くん。もしかして待たせちゃったかな?ごめんね遅くなって。」
八幡「いや、そんなに待ってないので大丈夫です。交代しますので、腕章下さい。」
「うん、じゃあよろしくね。」
さて、どっから回ろうか………やっぱ校庭から順番に回って最後に1年っていう風に回った方がスムーズかもな。特別棟は特になんもねぇしな。
めぐり「比企谷くん、これから見回り?」
八幡「ん?あぁ、そうだ。」
めぐり「じゃあ私もご一緒しても良いかな?」
八幡「お前は自由時間だろ?誰かと回ってこいよ。わざわざ俺といなくたって良いだろ。」
めぐり「いいの!私が比企谷くんと一緒にいたいからそうするんだから♪」
………分からんな。雪乃といい胡蝶三姉妹といい、なんで俺と一緒に回りたがるんだ?俺は別に構わないんだが、俺と一緒にいてもつまらんだろうに。
八幡「……分かった、好きにしろ。」
めぐり「っ!うん、ありがとう♪」
ーーー校庭ーーー
めぐり「うんうん、賑わってるね〜。」
八幡「あぁ、今のところ問題なく出来ているな。」
めぐり「比企谷くんは何か食べた?」
八幡「コーヒーを1杯だけ飲んだ。そんなに腹は空いてなかったしな。」
めぐり「食べれる時に食べなきゃダメだよ?ほらっ、色んなお店があるから見回りしながら食べると良いよ。勿論だけど、食べる時は座りながらね!」
八幡「いや、だから俺は「比企谷くん、お姉さんからのご命令です。」………分かったよ。」
買わないとめぐりがまたうるさくなりそうだし、適当になんか買ってくるか。
狂三「あらあら八幡さん、奇遇ですわね♪」
八幡「狂三か。お前も昼食か?」
狂三「まぁそんな所ですわ。八幡さんは見回りのようですわね。」
八幡「あぁ。今めぐりと一緒に回ってるんだが、お昼食べろって言われたからなんか買いに来た。」
狂三「………そうなんですの。(まさか城廻先輩にまで先を越されるなんて思いませんでしたわ。ですが、残り物には福があるといいますもの。お楽しみは取っておく事にしましょう。)では私はこれで失礼しますわ、八幡さんも見回り、頑張って下さいまし。」
八幡「あぁ、お前も楽しめよ。」
………さて、俺は何食うかな。
八幡「待ったか?」
めぐり「ううん、全然だよ〜。何買ってきたの?」
八幡「たこ焼き。コレが食べたいってやつが無かったからコレにした。」
めぐり「そっか〜。はい、これ飲み物ね。」
八幡「すまん。金は「いいの。比企谷くんは準備頑張ってたから、そのご褒美♪」……そうか。」
………めぐりの雰囲気的にあまり上級生という感じを出してはいないが、年上ぶるんだよなぁ。空回りはしてないが、当たってもいない。
八幡「……そういやめぐりは食べたのか?」
めぐり「私?私は………そういえば食べてなかった。えへへへ〜。」
八幡「………本末転倒じゃねぇか。」
めぐり「私も何か買ってくるね。」
八幡「必要ねぇよ。俺のたこ焼き半分やるよ。それで良いだろ。元々そんなに食う気なかったし。」
めぐり「え、いいの?」
八幡「あぁ。」
めぐり「じゃあお言葉に甘えて………」
めぐりは俺の買ったたこ焼きを一口頬張った。その食べ方は小動物を連想させ、モキュモキュと食べているから、頭を撫でたくなる衝動に駆られる。
めぐり「んんぅ〜美味しい♪比企谷くんも食べなよ〜。ほらっ、あーん♪」
八幡「……いや、自分で「あーん♪」……あむ。」
めぐり「♪〜」
八幡「お前ってアレだな、押しが強いって言われた事ないか?」
めぐり「え、無いよ?どうして?」
八幡「いや、何でもない。」
俺だけか?めぐりの奴がかなり押しに強いって思うのって俺だけか?
めぐり「比企谷くんの分は私が食べさせてあげるからね〜♪」
八幡「もう……そうしてくれ。」
めぐり(会議室で会えたから誘えたけど、こんな風になるとは思わなかったなぁ……けど私、今ちょっと大胆なことしちゃったかなぁ。比企谷くんにたこ焼き食べさせちゃった///けど良いよね!比企谷くんも嫌な顔はしてなかったから良いよね!)
めぐり「比企谷くん!はい、あーん♪」
八幡「あむっ。」
………餌付けはされてねぇからな。
ーーー2階ーーー
めぐり「比企谷くんのクラスは劇をやってたよね。どんな内容なの?」
八幡「俺はそこまで関わっていないからよく分からん。内容も一応聞いたが、それでも分からん。」
めぐり「ふぅ〜ん。興味は無いの?」
八幡「沸いてこねぇな。それに演劇自体、それほど興味も無いしな。」
俺には分からん世界観だからな。1年前の文化祭で見たことはあるが、心がグッとなる事は無かったしな。面白くなかったわけじゃないけどよ。