八幡side
動き回った上にたこ焼きくらいしか食べてなかったから、腹減ったなぁ……なんか多く食える所ねぇかなぁ?少し腹を満たしたいし。
雪乃「比企谷くん!」
めぐり「比企谷くん!」
八幡「おぉ雪乃にめぐり、どうした?」
雪乃「どうしたじゃないわよ!怪我は!?」
八幡「あんな奴らに殴られた程度で怪我なんてしねぇよ。それに大丈夫だ、殴られてもいねぇし蹴られてもいねぇから。殴ったのも数人くらいだから手の皮も剥けてないしな。」
めぐり「よ、良かったぁ……比企谷くんに怪我でもあったらどうしようかと思ったよぉ〜……」
八幡「大袈裟だな。たかが20人くらいのチンピラ相手に俺が負けるかよ。」
それにいざ戦ってみたら歯応えもなかったしな。あれならもっと人数いても勝てる自信はある。
八幡「それよか雪乃、どっか食いモン系の出し物やってるクラス知らねぇか?動いたせいか腹減っちまってよ、取り敢えず食べたいんだわ。」
雪乃「貴方、いまこれがどんな状況か理解しているのかしら?さっきまでここでケンカが起きていたのよ?なのにどうして当の本人はお腹が空いたからクラスの出し物を紹介しろだなんて言えるのよ?」
いやだって、俺からしてみれば大した事じゃねぇし。それにそんなのどうでも良いし。
狂三「八幡さん。先の戦、お疲れ様でした。八幡さんが空腹になっていると思い、僭越ながらご用意させて頂きました。」
狂三が後からやってきて、手に持っていたのはビニール袋だった。中に入っていたのは外で出し物をしているクラスの食べ物だった。
八幡「サンキュー狂三。んじゃあ食べるとするか。お前らは文化祭に戻ってていいぞ。」
狂三「八幡さん、どちらへ?」
八幡「ゆっくり食べられる場所。」
ーーー屋上ーーー
八幡「んで、何でいるんですかねぇ?」
しのぶ「姉さんが『八幡さんはここに来るかもしれないから、待ってみましょう♪』って言ったら、本当に来ちゃったわ。」
カナエ「八幡さん、お疲れ様〜♪校門前のケンカ見てたわよ〜。流石は八幡さんっていった所ね。」
カナヲ「………」
八幡「ありがとうございます、カナエさん。所で皆さん、もっと離れてくれません?これじゃあ食べれません。箸も使えません。」
屋上に来て胡蝶三姉妹と再会したのは別に良い。だがそれと同時にカナエさんは俺の右腕、しのぶは俺の左腕、カナヲは俺があぐらをかいて座った瞬間にあぐらに座ってきた。
カナエ「じゃあ私は八幡さんに食べ物を食べさせてあげるわ。欲しい食べ物があったら言ってね♪」
しのぶ「じゃあ私は飲み物を飲ませてあげる。欲しくなったら言いなさいよ。」
カナヲ「………八幡兄さんの身体を、暖める係。」
いや1人で食べれるし飲める。それに暖もいらないから。動いて来たからそんなに寒くねぇし。ていうかしのぶ、お前何で止めてくれないわけ?いつもだったらカナエさんをセーブしてくれるのに、今日はどうした?
カナエ「八幡さん、もしかしなくても邪魔?」
八幡「今は、ですね。これじゃあ食べれませんから。一度離れてくれませんか?」
しのぶ「仕方ないわ、八幡の嫌がることはしたくないもの。姉さん、カナヲ、離れましょう。」
カナエ「仕方ないわね。」
カナヲ「………」コクッ
八幡「すみませんね。」
しのぶ「いいのよ、私達がしたことだから。」
カナヲ「………」コクッ
カナエ「そうよ、八幡さんは何も気にしなくて良いのよ。あっ、しのぶ!よく見たら飲み物が無いから買ってきてくれないかしら?カナヲも連れて行って良いから。」
しのぶ「分かったわ。八幡と姉さんは何がいいの?リクエストがなければ適当に選ぶけど。」
カナエ「じゃあ私は紅○花伝をお願い♪」
八幡「水かお茶でいい。」
むしろ昼飯の時はそういうのしか飲まないし。外食は別として。
しのぶ「じゃあ買ってくるわね。カナヲ、飲み物買いに行きましょう。」
カナヲ「………」
しのぶとカナヲは飲み物を買いに行く為、屋上を後にした。するとすかさずカナエさんが俺の前に座ってきた。
八幡「……な、何ですか?」
カナエ「ううん、別に。ただ、【全集中・常中】を会得出来たご褒美をあげなくちゃなぁ〜って思ってるの。あんな風に使ってたのは初めて見たから。」
八幡「そういえば出来てる所は見せた事なかったですもんね。けどご褒美はいいですよ。」
カナエ「そういう訳にはいかないわ。ちゃんと出来たらご褒美をあげなくちゃ!だから八幡さん、上を向いて目を瞑ってちょうだい。」
八幡「?こうですか?」
カナエ「そうそう♪そのままじっとしててね〜♪」
何だ?何をする気なんだ?ん?カナエさんの距離なんか近くね?匂いがすぐ側まで……
ギュ〜!
八幡「えっ、ちょ、カナエさん!?何んむっ!?」
カナエ「んむぅ…… ちゅうぅ……ちゅ、んん……んふぅ………じゅる、じゅるるる/////」
いきなり抱き着いて来たかと思ったら、突然俺にキスをしてきた。しかもメチャクチャ舌を入れてくる……ヤ、ヤバい、カナエさんの舌が止まる気配が全くない。
カナエ「んんっ、ぷはぁ……はぁ……はぁ……八幡さん、どう?嬉しいかしら?/////」
八幡「……う、嬉しいです///」
カナエ「うふふ、良かったわ♪それと勘違いしないでほしいのだけど、私は別に誰彼構わず接吻したりはしないからね?君だから、八幡さんだからキスしたんだからね?今の所、私が異性として見ている殿方は八幡さんだけだから♡」ニコッ
この時、俺はカナエさんの笑顔を見惚れて言葉を発する事ができなかった。