やはり俺の極道生活はまちがっている   作:生焼け肉

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徒競走

 

 

ーーーーーー

 

 

体育祭の開幕式が終わり、各学年毎、学年全体を合わせた競技が行われる中、最初はクラス選抜の徒競走だった。これもクラス内での走力が高い生徒や陸上部で走る競技に出ている生徒が比較的選ばれやすい競技になる。

 

体育祭が始まる前に、予め競技に出る生徒を決めており、後は抽選の結果で走ることになっている。その中で2年の注目株はこの2人になっていた。

 

 

赤組、比企谷八幡

 

白組、葉山隼人

 

 

この2人が何故か競い合うような形になっていた。違う組なのにだ。

 

 

八幡「ったく、ただ走るだけの競技だってのに何でこんなに注目されんのかね?」

 

葉山「それは君がある意味この学校の有名人だからじゃないか?」

 

八幡「それ言ったらお前もだろうが、葉山。」

 

戸部「いや〜話してみて思ったけどさ、ヒキタ「戸部、比企谷だ。」あ〜ごめん。比企谷くんって意外と話しやすいんだな。」

 

 

葉山は戸部が八幡の苗字を間違えそうになったところを素早く指摘した。過去に自分で引き起こした出来事を誰かにさせたくはないのだろう。

 

 

八幡「……俺は別に人嫌いではないし、人付き合いが面倒というわけでもない。ただ俺の職業上、関わると面倒だから、セーブしているだけだ。」

 

戸部「マジかー、比企谷くん優しすぎっしょー!」

 

 

八幡(こいつ一体何なんだ?変な喋り方をするな。お調子者のような感じだ。)

 

 

葉山「まぁ、楽しめば良いんじゃないか?」

 

八幡「まっ、そうだな。」

 

 

そして競技が始まり、学年別に次々と徒競走が始まった。最初の5組に女子が走り、後の5組に男子が走る事になっている。最初は1年生から始まった。結果は赤組の先着が多かったので、赤組の勝利としてポイントが赤組に加算された。続く2年では今のところこのような結果になっている。

 

 

1組目 赤

2組目 赤

3組目 白

4組目 赤

5組目 白

6組目 白

7組目 赤

8組目 白

 

 

今の所両組同じ着順で引き分けの状態。最後の組で勝敗が決まる流れになっていた。そして最後の組み合わせに八幡がいたのだが、白組に陸上部のエース的な存在がいたのだ。

 

 

放送係『最後の組は準備をして下さい。』

 

 

八幡「よし、行くか。」

 

「比企谷くん、負けないからな。」

 

八幡「お前確か陸上部の奴だったよな?」

 

「あぁ。お互い全力出そうぜ。」

 

八幡「分かった。スポーツマンシップに乗っ取ってやんないとな。」

 

 

八幡たち最終組のメンバーはスターティングブロックを調整して確認を終えた後にスタートブロックの後ろに立った。

 

 

カナエ「八幡さ〜ん、頑張って〜!」

 

しのぶ「負けたら承知しないわよー!」

 

カナヲ「………頑張って。」

 

麗「八幡、頑張ってね♡」

 

狂四郎「………応援しづらいんだけど。」

 

 

一部観客席からは熱狂的な応援が聞こえたが、八幡はそれを無視して集中していた。

 

 

教師「位置について。」

 

 

教師の呼び掛けに生徒はスタートの前に立ってから足をブロックに合わせてスタートの構えを取った。陸上部のエースはルーティンが決まっているのか、その仕草をとってからスタートの構えを取った。

 

 

教師「よぉ〜い……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン!

 

 

発砲音と共に生徒全員がスタートを切った。前に出たのはやはり陸上部のエースだった。

 

 

(よしっ、いける!このままスピードに乗っていけば、俺の勝ちだっ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡(行かせねぇよ。)

 

 

隣のレーンから八幡が物凄い勢いで追い上げを見せていた。八幡のスタートは陸上部の生徒に比べるとやはり劣っている。だがそれ以外の能力は劣ってはいなかった。いや、むしろ同等以上とも言えるだろう。その証拠に八幡はエースに食らいついて、今にも追い抜く勢いだった。

 

 

(っ!?嘘だろ!?)

 

 

残り50mの所で陸上部の生徒は簡単に追い越されてしまった。それどころか、八幡のスピードはみるみる加速していった。

 

 

((((速過ぎるっ!!))))

 

 

八幡以外の走っている生徒は全員同じ思いをしながら走っていた。そして八幡は先頭で駆け抜け、ゴールテープを切ってタイムを計測している係がストップウォッチを止めると、驚きのタイムが出ていた。

 

 

放送係『只今の組、先頭は赤組!そして2年生のトップタイム、13.17の記録を大幅に更新しました!比企谷くんが出したタイムは12.25です!およそ1秒更新しました!』

 

 

この放送により、赤組は大きく盛り上がっていた。観客側からも拍手が贈られていた。白組も驚きがどよめいていたが、八幡に向けて拍手を贈っていた。

 

 

「はぁ……はぁ……は、速いんだな。」

 

八幡「まぁ、それなりにはな。」

 

「今のでそれなりって………なぁ、陸上部に入らないか?お前なら是非歓迎する。」

 

八幡「遠慮しておく。俺にはやる事があるんでな、部活は基本的に所属しない事にしてるんだよ。」

 

「そうか……残念だ。まぁ、お疲れ。」

 

八幡「あぁ、お疲れ。」

 

 

八幡(さて、俺も赤組の所に戻るか。)

 

 

葉山「やぁ比企谷くん、お疲れ様。」

 

戸部「いやー速過ぎっしょ比企谷くん!来年になったら11秒代いけるっしょー!」

 

八幡「おう、お前らか。なんか悪いな、記録更新しちまったみたいで。」

 

葉山「いや、いいさ。体育の授業で比企谷くんは俺よりも速いって知ってたから。」

 

八幡「そうか。まぁこの後の競技もお互いに頑張ろうぜ。怪我しない範囲でな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





仲良さげ?にしているシーンも作ってあげないと 

でないと本当にアンチっぽくなっちゃう!

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